草刈機でGO!のページに戻る 2016年8月12日更新
バロネス ハンマーナイフモア HMD91
ほったらかしの休耕田とか、コスモスとか、ひまわりとか伸びきった草を刈るためにハンマーナイフモア導入。
よくあるバーナイフ式の乗用モアも検討したが、バーナイフでは↑のような草だとパワー不足?
■ ハンマーナイフモアの危険性 ■
草の破片、小石などを前方へ激しく弾き飛ばします。
ハンマーナイフモアの前方はとても危険です。
〜50mぐらいは危険領域です。
人が居たり、車が走ってたり、住宅地とかでの作業はやめたほうがいいです。
■ ハンマーナイフ 使ってみての覚え書き
休耕田を2ヶ月ほど放置すると草が伸びすぎて、トラクタで耕そうとするとロータリーに草が巻きついて耕すことができません。
ロータリーに草が巻き付いた画像 → 気ままなFarm Workerさんのブログ
トラクタのロータリーに 巻き付き防止装置 棒 ワイヤー等 を取り付ければ巻き付きを軽減できます。
巻き付き防止棒の画像 ヤンマーの商品説明 (からみません)
ハンマーナイフモアで刈ると細切れになるので草刈後に耕すことができます。
↓の草の状況 (休耕3年目の田を春4月にトラクタで耕し9月下旬まで放置の状態) だとトラクタで耕すことは無理です。
ハンマーナイフモアで刈るにも負荷が高く、このような草の状態だと1速か2速の作業になります。
過負荷のまま刈ってるとナイフ軸の回転数が落ち、細切れにならず草がナイフ軸に巻きつき、負荷が大きいとナイフ軸が停止したりエンストします。
過負荷になりそうになったときは移動を止め、ナイフ軸の回転数が戻るのを少し待ちます。
刈る高さを高くすると多少負荷が軽減されますが、倒れてる草が刈残しになったりしますが。
↓の刈り時期はマズイです。(夏の終わり頃) 雑草の種が出来る前に刈るべきだと後から気づいた。
成長しすぎた草は、風、自重で倒れてることもあり刈り残しも出る。
前年、1年間ほったらかしにした田んぼを春に刈ってみた。
ハンマーナイフは、
↓下の画像のように、L型に曲がった刈刃を2枚づつハの字に合わせ、回転軸(ナイフ軸)の周囲に吊った構造です。
この回転軸が高速で回転して、その勢いで草を叩き切るわけです。
歩行型ハンマーナイフモアのほとんどの機種は、ナイフ軸の回転方向は地面側が前向きの方向で回転します。
(トラクタの後方に付けるタイプのハンマーナイフは後方へ回転するようです)
なので、草の破片、小石などを前方へ激しく弾き飛ばします。
ハンマーナイフモアの前方はとても危険です。
〜50mぐらいは危険領域です。
人が居たり、車が走ってたり、住宅地とかでの作業はやめたほうがいいです。
丈の高い草を刈ってると前方の草が垣になって、前方への飛散をあまり意識しませんが、構造上前方へ飛散物が飛ぶことを理解した上で、車体の向く方向を注意しながら作業をすること。
関連記事 2013年11月20日 岩手日報 読売オンライン
破壊力からいって、たぶんハンマーナイフかナイフモア。
できるだけ前方へ草の破片、石など飛ばさないようにするため、
地面ぎりぎりを刈ったりせず、地上5〜10cm以上を刈るように。
上記記事のような事故を防ぐには、飛んではならない方向へ車体が向かないよう進行方向を決める。
ナイフ軸の周囲に刈刃を「吊り下げた」構造ですので、刈刃が固いものにぶつかっても刈刃が逃げるので、バーナイフ式のモアに比べると比較的壊れにくい構造のようですが、大きめの石を巻き込むと当然機械が壊れます。
バラスのような小さな石でも刈刃に当たると、刈刃がミリ単位で欠けますし、刈刃が折れることもあります。
回転部分に石を巻き込むと、刈刃カバー部分がボコボコに傷みます。
地面ぎりぎりを刈ると、土、石などで刈刃の磨耗も早いです。
刈刃が欠けたり、折れたり、偏磨耗した場合、ナイフ軸の重量バランスが崩れます。
ナイフ軸は高速で回転しますので、少しの重量バランスの狂いが大きな振動になります。
この振動は、車体を振動させ、金属疲労になり、応力集中で機械が壊れる原因になります。
ナイフ軸の重量バランスが崩れていない正常な状態では、刈り取り部分からは振動は発生しません。
刈り取り部分を駆動させて振動が発生するのは「異常な状態」です。
ハンマーナイフモア HMD-91
2007年 7月 中古で購入
■仕様
刈幅910mm?
重量300kgほど
軽トラになんとか乗る重量、外形サイズ。
何年製造の機種か不明
■ エンジン仕様
ミツビシ メイキ G1200L-E-01
定格9ps 1700rpm 最大12ps 1800rpm 最高回転数 1900rpm
プラグ B6HS
バッテリー 38B19L 12V
エンジンオイル 20W30 SD 2.5リットル
エンジンオイル交換25時間毎
(ヤフオクの「三菱メイキエンジン G1500L」の商品説明によると、G1200L-Eの替わりにG1500-L (E)が小改造で載せ替えできるらしいです。 確証無し情報)
■ 刈り払い能力 カタログ値
1速 2.0km/h 13アール/h
2速 3.6km/h 23アール/h
3速 5.9km/h 37アール/h
4速 10.3km/h 65アール/h
4速は走ってついていかなければならないほど速いので危険で実用的ではありません。
Youtube動画
実績としては、
2700uの田んぼを55分〜2時間半で刈ってます。
草の伸び具合で負荷がかなり違い、刈り払い速度は大きく変動します。
年1回の草刈で済まそうと晩夏に刈ると草が伸びすぎていて負荷が大きく速度を出すことが出ません
年2回で7月頃と9月頃に刈ると、負荷が低く1回当たり1時間かかりません。
■ バロネス共栄社 取扱説明書 パーツリスト
http://www.baroness.co.jp/information4.html
岐阜県総合教育センター 可児分室の資料
ハンマナイフモアの操作上の注意点 (ハンマナイフモアの安全操作)
http://www.gifu-net.ed.jp/tmd/greentech/shien/kikai/kikai_pdf/Taro12-hanma.pdf
買ってから知ったが、超ラッキーなことにバロネス 共栄社の直営の営業所が車で15分の距離にあった。
訪ねてみたところ営業所でオンラインでマニュアル、パーツリストの閲覧、発注ができて取り寄せてもらえる!
HMD-91は古いのでパーツリストも無いので発注できないが・・・orz
プーリー類は汎用部品をできるだけ使ってるそう。
機種によっては他機種のパーツを転用できるところもあるとのこと。
同じぐらいのサイズの機種で、HM-90 HM-91 HMB-91 HMC-91 HM95 HMA950とかどれも重量300kgほどありますので、扱いに体力、気力を使いますので気軽な機械じゃないです。
覚悟して使いましょう。
刈幅70cm以下ぐらいの機種の方が軽量で取回しが良さそうです。
ですが、機械の大きさは草刈りの能率に直結します。
単純な計算で、60cm幅で1時間かかる場所の草刈が90cm幅なら40分で済む計算。
60cm幅の機種で90cm幅の機種と同等の草刈り速度を出そうとすると1.5倍の速度で走行しなければならなくなります。
それは馬力的にも、速度的にも無理です。
能率的に刈ろうとすれば、「エンジン馬力」も「刈幅」も必要なのです。
負荷の大きい草(密な草、太く大きく成長した草)を刈るにもエンジン馬力が必要です。
軽トラになんとか乗ります。
軽トラに乗せるには、十分な耐荷重のある 「ベロ式で、ストッパーピンで固定する」 アリミブリッジを荷台に固定すること。
引っ掛けるタイプの「爪式」のアルミブリッジの場合、タイヤがアルミブリッジに乗ったとき、アルミブリッジを押してしまい爪が外れることがあるので危険…だそうです。
↑は、又聞きした話しなので確証なし。
当方、昭和ブリッジ アルミブリッジ SBAG-240-30-0.5
(長さ240cm 幅30cm 耐荷重1本250kgで 2本で500kg)を使っているが頼りない。
300kgほどの機械だけど、揺れたりすると荷重はもっとかかる。 500kgで余裕 とは思わないほうがいい。
軽トラへの乗降作業は、必ず平地で。
「前進」で乗せます。
逆にバックで乗せると、操作ハンドルと、軽トラの荷台との間に人間が挟まれる事故になります。
このサイズの車体では荷台からはみ出てしまいますし。
軽トラへの乗降作業は、低速で慎重に動かし、アルミブリッジで乗せてる途中で一時停止したり、方向を修正したり、エンストしたりしないように。
アルミブリッジ上の傾斜したところで動力を切ると、自分に向かって暴走してきます。
荷台への固定はベルト荷締機が簡単。 ベルト荷締機はフックホルダー付がお奨め。
フックホルダーはゴム板を加工して簡単に自作できるのでおすすめ。
この機種は、
傾斜してるとこで走行クラッチを切ると、重力の法則に従い低いほうへ暴走します。
手動ブレーキは付いてますが頼りないです。
300kgが暴走すると人力では止められません。
傾斜してる場所では最低速度で動かし、できるだけ傾斜地でクラッチを切るようなシチュエーションにならないよう運転し
できれば傾斜地での移動、刈り払い作業は行わないほうがいい。
左右のハンドルクラッチを切った時の挙動が、上り坂と、下り坂では逆になるので超厳重に注意。
平地で右クラッチを切ると右に曲がろうとする力がかかります。(ハンドルを押し下げて前輪を浮かすと右旋回)
上り坂で右クラッチを切ると急に右に曲がります。 (右車輪が重力で後ろ方向に暴走するから)
下り坂で右クラッチを切ると左に曲がります。 (右車輪が重力で前方向に暴走するから)
傾斜の具合で挙動が逆になるのを十分理解して運転するように。
■ ハンマーナイフモア整備覚書
バロネスを、「ボロネス」ってな愛称は、ボロいんじゃなくて、ボロボロになっても動き続けるほど頑丈ってこと。 かな? と思いたい…。
当方が購入したHMD-91は古い機種なので多少の細かな手直しは必要だろうなぁ。とは思っていたが…動くがボロボロ ボロネス状態。
なので修理してみました。
元の状態
撮影地はうちじゃないよ、1000kmの彼方。けど送料は2万要らなかった。(福山通運 パレット積 営業所止め)
草付いたまま塗装するなよなぁ・・・。
■ エンジン関係整備覚書
キャブレターのエアフィルターは湿式。
毎日使用前にバラシてオイル量の確認、追加。
汚がひどければオイル交換、フィルターにゴミがつまってれば洗浄。 入れるオイルはエンジンオイル。
エンジンの燃料パイプが劣化していて燃料がにじむ。→ 交換済 1m 700円
タンク 〜 燃料コック 8〜10mm用 (パイプ外径は14mm)
燃料コック 〜 キャブレター 4.6〜7mm用 (パイプ外径は11mm)
燃料タンクの燃料の量を見るパイプが割れていてガソリンを入れると漏れる。→ パイプ交換。
使ったパイプはエア機器用の耐油のクリーム色の半透明なもの。
■ 車体、保護カバー関係 整備修理
本体下のギアケース部分を保護するアンダーカバー無し。
→ コンベアに使われた厚手のゴムシートでアンダーカバーを作る。
ナイフ軸の巻き付き防止板が朽ち果てて無い・・・。
→鉄板買って来て、ハンマーで叩いて溶接して製作
フロント上部の危険防止の衝立が無い。 → パイプ、板金で作った。
全体再塗装
元の色は入手できなさそうだったので選んだ色は、
外装色 ニッペ 水性ワイド ピーコックグリーン
下回り ニッペ カラーさび止め 油性 上塗り兼用 つやあり グレー
■ 走行系関係
前輪の右側車軸のベアリングが2個とも壊れていて回転不良。
→ ベアリング2個新品交換。外形52mm 内径25mm 厚さ15mm (6205ZZCM)
前輪アームの支点部分のグリス圧入用のニップルが両側とも潰れていた。
→ 両側とも新品に交換済 ネジサイズは 6x1.0
■ ギアケース関係 整備修理
ギアオイル交換 80W90 1.25リットル
■ ハンマーナイフ関係
折れていたハンマーナイフ交換
ピン、スリーブ、スプリングピンで固定されているが錆びて固着。
グラインダーでピンの片側を削り取り、マイナスの貫通ドライバーをピンの頭の下に打ち込みなんとか抜き取る。
■ ナイフ軸 重量バランス調整
バロネスの営業所で問い合わせたところ、営業所の整備工場でも正確なバランス調整はできないそうで、正確なバランス調整はナイフ軸のユニットを本社工場へ送って行うそうです。
全体的にナイフが磨耗した場合は、全て一度に交換するのが良いらしい。
一部の刃が欠けたり、偏磨耗したり、折れたりすると、ナイフ軸の重量バランスが崩れます。
ナイフ軸の重量バランスが崩れていると車体に振動が発生します。
ナイフ軸は高速で回転するので振動が大きいと非常に危険。
振動、共振で車体の何処が破壊するかわからない危険な状態。
エンジンの振動だけで、どれくらいの振動が発生するか確認し、
ナイフ軸を回転させて振動が増すようならナイフ軸の重量バランスが崩れている。
バランスがきちっととれてると、エンジン以外の振動はほとんど発生しない。
バランス調整は、↓の重りの重量、位置を調整する。(左右とも)
(バランス調整手順は削除しました。)
■ オイル交換
ギアオイル交換 300時間毎 ギアオイル 80W90 1.25リットル
エンジンオイル交換 25時間毎 4サイクルエンジン用 SD 20W30 2.5リットル
■ 使用前点検、整備項目
湿式エアフィルターの目詰まり、オイル量。
エンジンオイル量 汚れ。
ギアオイル量。
エンジン冷却の通路、フィルターにゴミがないか。
燃料の量。
燃料経路からの燃料漏れがないか。
タイヤの空気が抜けてないか。
クラッチレバー、ブレーキレバーの動作確認。
ナイフ軸の回転異音、振動。
ナイフ軸、ハンドル軸へのグリスの圧入。
各ワイヤー、レバーの稼動部へ注油。
2007年8月1日ページ作成開始