☆祝完全優勝☆


03年11月29日(土)対ジュビロ磐田戦  2-1で勝利
Jリーグ最終戦。今日優勝が決まる。

マリノスは磐田に勝ち、かつ鹿島が引き分け以下でないと優勝はない。優勝の確率は高くはない。でも目の前で優勝を決められるのは絶対嫌だ。

今日は一日雨という。雨具と防寒具をしっかり用意していく。もっと早く行くつもりだったのに、もたもたして、家を出たのは一時過ぎ。その時点で、Nさんから、「席を取っておきました。一緒に勝利を喜びましょう」との電話をもらっていた。
今日はこの程度の人波。(時間が遅かったか)
観客数は4万3千人
東ゲート橋。イチョウの葉はもう落ちている。


スタジアムに着いたのは練習も終わる頃だ。今日は観客席に入った途端、驚いた。1階ゴール裏がトリコロールで色分けされているのだ。バレーボールで観客が持っているあの風船(チァスティック)で、色分けされている。観客が二つずつ手に持って振ったり、たたいたりしている。迫力がある。

観客席が3色?に彩られている。 チァスティックが振られるときれい。トリコロールがよくわかる


選手が入場する時、2階から3色の風船が降ってきた。1階ではビッグフラッグとビッグユニが広げられている。その上に風船が落ちていく。サポーターが一つずつふくらましたらしい。サポーター達は風船がグラウンドに入らないかどうか実験もしたという。きれいだった。風船はユニの上だったので、素早く回収できた。最近のマリノスサポーターは頑張ってる。


ビッグフラッグとビッグユニ。
選手入場(哲也と松田)
2階から3色の風船。写っているのは那須と中澤

試合開始しばらくは、磐田ペースだ。素早く分厚い攻めでマリノスのDFを慌てさせる。マリノスは動きが硬い。久しぶりの松田と他の選手がうまく合わないな、と思っているうちに失点。河合が精一杯伸ばした足の先を、ボールは触れることなくグラウのもとへ。グラウは落ち着いてシュート。簡単に決まる。まだ開始2分だ。

「まだこれからだぞ!」「今から、今から」と観客席から声が飛ぶ。サポーターの応援も一段と熱が入る。声が大きくなる。

マリノスもようやく動きがよくなってきた、と思った頃(15分)、グラウのチャージであわや失点しそうになる。ポールに当たって跳ね返り、サポーターが胸をなでおろした時、哲也が突然走り出し、グラウを突き飛ばす。「あ"〜哲也、だめぇ」の叫びも空しくレッドカードが出される。マリノスのサポーターは怒る。「もう帰っちゃうからねッ」とAさんが叫ぶ。「自滅!」「馬鹿にもほどがある」

哲也はコートを頭から被って退場していった。交代は佐藤由紀彦。悔しそうだ。下川が入る。
「下川はルールを覚えているかしら」とNさん。フィードがあまり飛ばない。やっぱり筋力が足りないのではなどと心配になる。

またしても10人での戦いだが、どういうわけか磐田がとても紳士的だ。ゆとり?えげつなく点を取りに来ないからマリノスは助かったと思う。
パス回しは相変わらず巧みだ。「どうしてそんなにつながるんだよっ」とAさんが怒って言う。

マリノスは少ないチャンスだが、得点の可能性も感じさせた。久保の惜しいシュートがあったが、ポールに当たって入らない。

1対0のまま前半終了。他会場の試合経過、鹿島が2−0でリード、市原も勝っているということまで確認したが、画面はあっという間に消えてしまう。大分と仙台はどうなった?と回りに訊いても皆、「?」

後半が始まる。マリノスの動きは前半よりも良い。ドゥトラもようやく目立つ。
CKからゴール前の混戦、マルキが押し込む。わぁっと皆立ち上がる。同点。隣の人たちとハイタッチ。マルキもバック転の後、ゴール裏のサポに向かって雄たけびを上げる。

遠藤と上野が交代。上野は久しぶりだ。最後に間に合ってよかった。

磐田の選手はどうしたんだろう。試合運びが慎重すぎる。名波もペナルティエリア前のFWにピンポイントでクロスをあげることなど簡単なことのように思うが、横パスや後に戻すことが多い。磐田のボール回しも段々と怖くなくなる。ペナルティエリアになかなか入ってこない。

むしろ、カウンター中心のマリノスの攻撃の方が鋭い。マルキが持ち込んだり、久保が前線で頑張る。奥も那須も前に後に良く走る。

松田は4バックの右に来て、時々前線に上がってくる。右サイドで大きく手を振りボールを要求したが、磐田に取られてしまう。「ナオキ!、自分で欲しがったんだから、ちゃんとボールをとりなさいよっ」とAさん。

FKやCKも増えた。奥の惜しいシュート、外れた那須のシュート、マルキのシュート。

下川は思ったより、ずっといい。後の男性たちも「安定しているなぁ」と言う。やはりベテランの味。こういう緊迫した試合では、この落ち着きがありがたい。

81分攻め込まれて、グラウがフリーでシュート!ああっ決まった、とため息をつこうしたら、マリノスの選手のところにボールがある。あれ?どうなったの?入らなかったんだ。

監督もコーチも戦っていた。マルキがファウルをとってもらえずボールは動いているのに、不服を言おうと立ち止まっていた時、ディドコーチが「いいから、早く動け」と大きなジェスチャーをする。83分FKの時には、上野が守備位置にいると、岡田監督は「上がれ上がれ」と必死に手を振る。後には三上と下川しかいない。本気で勝つ気なんだ。

磐田の選手が時々倒れる。マリノスの選手のプレーが汚いのだろうか。それとも磐田の時間稼ぎ?ジブコヴィッチが交代の時もゆっくりゆっくりだった。時間稼ぎをするような場合なのだろうか。

磐田の選手が倒れた時、松田がそばに寄って行った。審判に何か言う。「ナオキ、やめなさ〜い」「審判から離れなさい!」「危ないよ。誰か止めてよ」とAさんたちが叫ぶ。周りの人たちが笑う。磐田の選手が外に出されて、ボールはグラウから大きくゴールラインに蹴りだされた。

ロスタイム3分の表示が出た。下川のゴールキックを受けて、上野がつなぎ松田が前線にパスを高く上げる。DF二人の間に落ちる。弾んだボールにDFと久保が競る。高く跳んだ久保の頭に当たって、ふわり上がったボールは前に出てきたGKをあざわらうように、ネットに吸い込まれていった。逆転。

わぁ!皆一斉に両手を挙げて立ち上がる。もう抱き合い、手をたたきあい、大騒ぎ。自分達で喜んでいてマリノスの選手をあまり見ていなかった。がっくり芝に倒れこんだ磐田の選手は目に入った。

もうロスタイム。どうにか守りきってくれ!ホイッスルの音が響いて試合終了。皆の目は大型画面に注がれる。映し出された鹿島の選手の顔は引きつっている。曾ガ端も小笠原も、秋田も泣きそうだ。「え、もしかして?!」「え?」

「同点みたいだ」。浦和レッズ!浦和レッズ!とコールが起きる。なかなか終了にならない。

あ、終わった。マリノス優勝だ隣の人、後ろの人と抱き合う。知らない人とも握手。握手。

画面を見ていたので、試合終了の挨拶も、磐田の選手が引き上げたのも気づかなかった。完全優勝の瞬間は大喜びしすぎて、選手、監督、スタッフが喜ぶのも、松田が泣いたのも何も見ていなかった(あとでテレビで見た)。

「10人の試合に慣れていたのが良かったよねぇ」「ようやく4試合目で成果が出たんだよ」

勝利インタビュー。久保、奥、岡田監督と続く。よく聞き取れない。でも岡田監督は「最後まであきらめないで戦った選手に感謝したい」と言っていたと思う。表彰式が始まる。セカンドステージ優勝トロフィーを奥が。チャンピオンズシップのペナントを松田が、チャンピオンズシップ優勝杯を中澤が受け取った。

インタビューを受ける久保 次いで岡田監督

気づくと哲也が3人くらいの仲間に連れられてピッチに入り、そのまま泣き伏している。記念写真の時も泣いていて顔を上げられない。今日は若さが出た。でも泣いている哲也は可愛い(優勝したから言えるのだが)。

ユサンチョルもいる。お嬢さんはそっくりだ。波戸も明るい笑顔だ。よかった。

場内一周。「岡ちゃんありがとう!」と中年の男性が言う。久保は娘さんを肩車。ドゥトラは「動虎」と書いたTシャツを着ている。息子さんの手を引いている。子どもが多いなぁ

選手たちはゴール裏にお立ち台に上がり、サポーターに挨拶する。記念撮影は今回はサポーター達が後ろに写るようにして撮った。

水沼さんとTVKの三崎さんが出てきて、選手にインタビュー。岡田監督が話している間に小さな女の子がマリノスの旗をもって、一人ゴールの方へ。ゴールネットの中から、サポーターに手を振った。サポーターが沸く。久保のお嬢さんらしい。かわいかった。
水沼さんが「久保にしゃべらせますよ」と言ってインタビューしたが、結局「嬉しいです」「よかったです」「はい」。

選手の身体が冷えるので、インタビューはこれでおしまい。選手たちはもう一度、サポーターに挨拶して引き上げていった。、
水沼さんインタビューの時の様子。

手ブレ写真


(もっといい写真がとりたい・・・)

今日勝てば、チャンピオンズシップの払い戻しがあるというので、チケットを持っていった。優勝を祈念してのことだ。このチケットは払い戻さないことにする。

それにしても、こういうことがあるんだなぁ。最後まであきらめないことは本当に大切だ。
今まで、マリノスの試合は面白くなかった。俊輔の素晴らしいパスやFKにはワクワクすることがあったが、それでも歯がゆい思いを何度もした。
今年のマリノスは見ていて楽しかった。ひたむきさが感じられた。

来年はもっともっと強いチームになり、アジアチャンピオンになってください。

今日はNさんのお友達と観戦して、最高に楽しかった。。Aさんの野次は面白くて、周りの人たちが大笑いしたり、「熱いなぁ」と感じ入ったりした。優勝もひとりではあんなには喜べない。Nさんとお友達、ありがとう。感謝です。     


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