06年5月13日(土) キリンカップ2006 日本代表対スコットランド代表 (埼玉スタジアム) 0−0の引き分け |
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朝から仕事があり、3時過ぎに娘と都内で合流した。 少し時間つぶしをして、早いとは思ったが4時過ぎに浦和美園に向かった。 浦和美園駅に到着。美園駅はしばらく見ないうちにだいぶ開けていた。「イオン」もできた。マンションの建設も始まっていた。 5時頃だったが、もうかなりの人出だった。それでもバス乗り場はまだ行列にはなっていなかったし、おなじみ国際屋台村もあんまり人がいなかった。 強い雨ではない。なんとか止まないかなぁと思いつつ、スタジアムへ急ぐ。 スタジアムを前に、「最後尾」のプラカードを持った人がいる。あまり入場がスムーズにいっていないようだ。しばらく行列に並ぶ。
入場してから、南ゲートから西ゲートへ回る。私達の席は5階。美園駅から歩いてきて5階まで階段を上るのはきつかった。 メインアッパーの一番ホームゴール裏寄り。一応屋根のある所なのだが、座席はびしょぬれだった。埼スタの座席は椅子は座らないと上がってしまうので、とても不便。軽い荷物だと重石にならず、椅子がはね上がって荷物が落ちてしまう。座席を拭くのにも苦労した。 ひどく寒いので、私は持ってきたフリースを着た。5つ指ソックスの上にニットソックス。マウンテンパーカーを着てその上からビニール雨合羽を着た。フリースの膝掛けはかさばるので、災害用防寒アルミシートを持ってきていた。これが結構良かった。フリースは濡れてしまうけれど、これなら雨粒を防ぐから最適だった。 ピッチではイベントが始まる所だった。大鼓、太鼓、それから、白い4つのアドバルーンが上がり、かなり高い所に、袴田くん、昭英、しずちゃん、体操の池谷が引きあげられている。池谷と袴田はその高い所でくるくる回転していた。すごい。 ホームゴール裏から白いスモークがどんどん湧き出てくる。「あれ演出?ドライアイスを噴き出してるのかな?」 名古屋万博でオープニングで使われた竜と虎の熱気球が上がった。そこで三三七拍子をするというのだが、よくわからなかった。最後に花火とキラキラ銀色テープが打ちあがって終わり。
イベントが終わってもスモークは流れている。ドライアイスではなく、本物の霧だった。まるで山上にいるような霧がスタジアムの上を流れている。アウェイ側の2階席は白く霞んできた。寒い。風があるので、細かい冷たい水滴がずっと身体に吹き付けられる。細かい水滴は次第に集まって、ぽたぽたを垂れてくる。 選手が練習に出てきた。ゴール裏から「キャ〜」というギャルの大歓声。最近、代表やマリノスの試合でギャル声を聞くことはなかったので、ちょっと驚いた。 この辺で友人のYさん到着。「2002年W杯ボランティア」のロゴ入りレインコートを羽織る。周りを見ると、同じ「ボランティアレインコート」を着ている人が何人もいた。 選手発表。相変わらず選手の写真は「ホスト風」で変。 選手入場。スコットランド国家演奏はソプラノ歌手。メロディラインがつかめなかった。スコットランド応援団は関係なく自分たちの歌を歌っているように聞こえた。日本は郷ひろみ。大分エコーが効いていたね。背広の裏を見せるパフォーマンスは見逃した。跳ね上がった椅子を気にしていて、後ろを向いていた。ゴール裏サポーターは日の丸の人文字をやったらしいが、私達の席からは見えなかった。 試合開始。日本が攻め込み、スコットランドが守る展開。スコットランドはカウンター気味の攻撃だが、サイドが早くて、あっという間にゴール近くまでボールを運んでいいクロスを挙げる。ボールを持ってから早いのはスコットランドリーグと同じ。
日本の最初のビッグチャンスは加地のミドルシュート。跳ね返った所を久保がボレーシュートしたが、バーの上。久保は最初のジャンプで高いスコットランドDFよりも高く飛び上がったので、今日は「行けるかな?」と思ったけれど、結局久保本来の動きは見せることは出来なかった。「だめだねぇ」と娘が残念そうに何度かつぶやいた。 スコットランドは中盤では結構日本にボールをもたせるけれど、ペナルティエリア付近に来ると途端に厳しい守備になり、まったくシュートを打たせなかった。 終了間際、三都主⇒玉田⇒小野。小野が巧みにDFをかわしてGKと1対1。決まった!と思ったのだけど、GKはじき、そのこぼれ球を小笠原が打ったが、はずれた。これが一番惜しいチャンスだった。 前半終了。 隣の男性は簡単なジャンパーしか着ていないので、小刻みに震えている。5月でこの寒さは考えられない。 でもゴール裏サポーターの中には雨カッパもつけず、半袖ユニで跳ね続ける人達がいる。偉いなあ。でも日本のサポーターソング「サムライブルー」の歌はなんだか盛り上がらないね。地味〜。そもそもキャッチコピーからして微妙だもんね。 普段だと、ここで友人達とメールを交わしたり、会いに行ったりするのだが、今日は携帯を出すのも億劫だ。出してもあっという間に濡れてしまう。カメラのレンズにも細かい水滴がついていて変な写真になった。 後半開始。スコットランドは選手交代があるが、日本はなし。
開始直後、中澤が接触プレイで倒れた。ビクッとも動かない。顔に相手選手の肘が入ったようだ。今日の中澤は積極的な守備を見せていて、マリノスでの不調を脱したかなと思えた。もし重傷だったら、どうしよう。 ピッチの外に出た中澤は顔をタオルで冷やすと歩いて立ち去った。歩けたから大丈夫のようだ。よかった。 その後のことはあんまり良く憶えていない。 スコットランドは完全に引き分け狙いで攻めてこない。ブルガリアに大差で勝っているから、ここで0−1で負けても優勝は決まりだ。 日本は中澤の負傷で腰が引けたのか、攻撃が消極的になる。横パス、バックパスばっかり。ボールは回るけれど、シュートにはつながらない。応援の声も湿りがちだ。スコットランド側からのんきなバグパイプの音が聞こえた。 久保が巻に交代。「ここで巻を出すということは巻にまだ可能性があるということかな」とYさん。 娘が「退屈だね」と言う。寒さが余計にこたえる。「まるで寒い日のプールから上がった時みたい。手はふやけているし、髪の毛はぐっしょり濡れているし、歯の根はあわないし。」 後半20分を過ぎると、帰り始める客がいる。特に子ども連れは続々帰っていく。 私達も30分には帰ろうと支度を始める。「ロスタイムサッカーだったら、一番いいところを見逃しちゃうんだけれどね」とYさんに話す。 荷物をもって504出入口に行くと吹き飛ばされそうな突風に見舞われた。「何これ!」。スタンド外は冷たくて強烈な風が吹き荒れていた。 浦和美園駅へ向かう。スタジアムを離れるにつれて風は収まった。試合終了まで10分以上あるのに、もうかなりの人だ。道幅いっぱいの人が歩いている。スコットランドのキルト姿の人も見かけた。女子高生はミニスカートで元気だ。時々「わぁ!」という歓声がスタジアムから聞こえるけれど、まぁ得点の様子はなし。 浦和美園駅では一つ電車を待って、座って帰る。 試合は0−0で終了。キリンカップ優勝はスコットランド。日本は最下位。 まぁまぁとにかく、寒かった。娘は寒かったという記憶しかないというのだ。この観戦記も「寒い」ばかりだ。試合も寒くて、いつものジーコジャパンだった。ワールドカップはこのサッカーで行くしかない。選手の幸運を祈る。 |