06年3月25日 横浜F・マリノス対浦和レッズ 1−3で敗北 |
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早くも訪れた首位攻防戦。十全の補強をしたレッズとおじさんチームマリノスの対決だ。 マリノスは4連勝で首位に立つが、会心の勝利は鹿島戦のみ。京都戦、C大阪戦、大分戦と下位チームの対戦で不安の方が残った。 今日は4万人以上の来場が期待されていた。1時間位前に到着していないと、いい座席はないだろうと思った。とはいえ、やっぱりそう早くに家を出ることはできない。 熱心なレッズサポーターである高校時代の友人から、「会いたい」とメールをもらっていた。1時半過ぎに「もう入場しました」とメールが来た。私は慌てて出かける支度をした。 スタジアムに着いた時もうゴール裏1階席は満席だった。2階席に上がる。選手が練習に出てきた。 私はゴール裏ややメイン寄り上段に席を取る。小学校低学年の子どもたちが前、左隣にその母親。右は親子連れ。後ろは学生さんらしいグループだった。
「着いた」とメールすると、友人が「会いに行く」とのこと。7階通路でお互い携帯で電話しながら探す。一度すれ違ってしまった。久しぶりの再会。ひょっとして30年ぶりくらいだ。彼女に「赤ユニの人を探しちゃったよ」というと、「相手側に行く時は脱ぎますよぉ」。マラソンを走る彼女は引き締まっていて、私とは大違い。サッカーの話で30年ぶりでも話が弾むなんて、何て素晴らしいことだろう!「シンジと長谷部とポンテのパスがきれいにつながった時なんて私達みんなウルウルしちゃったんだよ。あぁここまで来たのか、と思って」。 長〜いレッズサポーター歴だもの、感慨があったのはわかる。彼女のこと、更に言えばサッカー歴も長い。メキシコ五輪前後から日本のサッカーを観戦していた人だ。彼女の父は教師でサッカー部の顧問だった。 試合から話がずれた。 先発を見た時からがっかりしていた。岡田監督はメンバーを固定しすぎだ。昨年もそう。怪我人が出ない限り変えない。吉田は機能してないよ。今日こそ、隼麿が先発!と期待していたのに。 レッズのサポーターは相変わらずだ。でも全体として人数はマリノスの方が多い。 選手入場。と、ビッグユニが上がってきた。私達のエリアはユニの下になった。
試合開始。 レッズが攻め込んでくる。ワシントンには要注意。小野のテクニックも脅威だ。でもまぁマリノスのDFも強い。 互角から、ややマリノス優勢の戦いだった。奥や上野が中盤でプレッシャーをかけて、ボールを奪い取った。マグロンも巧みにボールを奪う。 だがそこからが問題。久保にボールが納まらない。マルケスは動きにシャープさがない。レッズのデフェンスを突破できない。すぐ倒れる。そして審判は流す。 ドゥトラもそうは上がれない。山田には負けてないと思うが、長谷部や小野もポンテもいる。 三都主は前半存在感がなかった。でも吉田も相変わらずだった。 松田が頻繁に攻撃に参加していた。今年のマリノスは松田の右サイドが売りだ。でも吉田と連携はあんまりよくない。要するに吉田が松田に戻して、松田がロングボールを入れるとか松田が前に出る。 何回かあったセットプレーも闘莉王やレッズDFに跳ね返された。大体クロスボールが不正確だ。 そして、CK。吉田がヘディングでクリアしたけれど、あれは前線のサイドに大きく蹴り出す余裕もあったと思うのだ。このクリアがCKになり、得点された。競ったボールがポロリと山田の前に。マリノスの選手も見たはずなのに、山田の方が早かった。決まった途端の山田やレッズの選手の喜びぶりはすごかったね。
前半終了。今日は時間の経つのが早かった。上野は相変わらず好調で小野に負けてない。上野は代表レベルだと本当に思う。マグロンは今日はあまり目立たなかった。マグロンも個人で突っかけていくタイプじゃない。キープしながら、コースを探すタイプ。だから遅い。 後半になったら、シーズン前走りこんだマリノスが徐々に力を発揮してくるんだろう。プラジル人トリオがレッズ守備陣を翻弄するのだろう、1点ビハインドでもきっと勝てる、と信じた。 後ろの学生さんの会話。女性「マリノスファンなの?」男性「見に来るのが日産だからさぁ、マリノスの試合を見ることが多くなるんだよ」女性「マリノスファンなの?」男性「いや、別にマリノスってわけじゃなくてさ、ここで見ることが多いというだけで」・・・・「何っ!」思わず、振り返ってしまった。「マリノスファン」と胸を張って言えないのか?マリノスファンと宣言するのはかっこ悪い?よく見に来るのに、応援もしないのかい? 2階席ゴール裏メイン寄りは初めて座った。テンションが低い。手拍子も起こらない。同じ2階席でもバックスタンドは声を出す人は必ずしも多くないけれど、手拍子だけはみんな心を合わせてする。ゴール裏もバック寄りは熱心なファンが多い。隣のママたちも全然手拍子しないしなぁ。今日この辺で観戦している人は普段マリノスの試合を見たことがない人達なのかもしれない レッズの応援は以前に増して人が増えている。以前ゴール裏2階席上段で大旗を振っている人がいて、あんな不安定な所でよくやるよ、と思ったけど、その時は回りは空席だった。今は満員。2階席のサポーターも跳ねていて、全体がもこもこと動いている。 かの友人に言わせると「にわかファンが増えて」というけれど、数は力だよなぁ。マリノスもサポーターソングを変えて、随分頑張っているとは思うけれど、まだまだ。横浜はやっぱ都会派でシャイ、シニカルな人が多い。これはベイスターズファンにも言えるんだけどね。熱くなることを恥と思ってしまう。 後半開始。1点を取り戻さなければならない。 ところが、達也が!! 「またやった!あのバカっ!」と思わず叫んでしまった。1人で観戦している人がブツブツ物を言うのは変だから、あまり言葉を発しないようにしているんだけど、この時ばかりは叫んでしまった。 低いフィード。ワシントンへ真直ぐ。ゼロックス再現じゃないか。ワシントンは突進。これは達也が自分で止めたけど、チーム全体へ与えたショックは大きかった。浮き足立ったよ。 そのすぐ後にまたワシントン独走。松田が追いついて一旦はボールを奪ったかに思ったけどワシントン粘り、持ち直して、シュート。決まってしまう。マリノス側の観客がガックリするのがわかった。選手もガックリした。 でもこんな負け方はしてはいけない。勝ち越すのは難しくても、不様な負け方は出来ないはずだ。 だが、選手から伝わってくるものがない。マルケスは動けないし、久保もそう。マグロンも重い。ドゥトラも守備に追われる。松田は気持ちが空回りしているようだ。やっぱり皆年だね。中澤は頑張っていた。股抜きやクロスまで見せたもの。 奥⇒清水。奥が中澤のクロスに飛び込んだシュート。あれは決まったと思ったんだけど。今年も奥はよく動くが、決定な仕事ができない。清水はよく走り回っていた。清水くらい皆動かないといけないよ。ただゴールなし(トホホ)。吉田⇒隼麿。でも隼麿はダメだった。前への動きは抑えられたし、三都主には抜かれまくりだった。 前線にボールを放り込んでも押上げがないから、前線は孤立。中盤スカスカ。松田も上がるから、守備が薄い。バランスが悪い。 とにかくパスミス。放り込んでは拾われてる。セカンドボールはすぐ取られる。そして三都主や長谷部、ワシントンにあっという間に前に運ばれてしまう。代表ではDFを抜くことのできない三都主がマリノスのDFは簡単に抜いていった。酷いんじゃないの、マリノス。何度も何度もゴールを割られそうになった。達也が必死で守った。あのミスフィードさえなかったら、達也を褒め称えたいところだ。 裏のスペースにボールが出ても坪井の方が速い。高いボールは闘莉王に弾かれた。久保は仕事ができなかった。後半途中から、レッズの守備は巧いよ、強いよ、と感心した。 それにしてもCKのクロスは何だか変だった。誰もいない所に飛んだ。「俊輔がいれば」と心の中でつぶやいた。 上野に代えて大島。ロスタイム。大島が意地を見せた。大島はボールに喰らいつこうとしていた。1点返す。松田がボールを抱えてセンターサークルへ戻る。あと1点、と思う気持ちはわかった。でも無残。長谷部の活きのいいプレー、思い切りのいいシュート。
ああいうプレーを見たいんだ。マリノスにはスペースを狙ったパスとか勇気あるたてパスとかスピードあるドルブルとか全くない。要するに足元足元サッカー。ボールを貰ってから、出す所を考える。 「パスアンドゴー、2箇所以上のパスコース、ワンタッチ目でコントロール・ツータッチ目でパス」中田が書いていた事だけれども、これが全くないのがマリノスだった。 3点目は余分だった。前がかりになってしまうと、余分な点を取られてしまうことは良くあることだけど、今回は取られ方が悪かったよ。 3点目が入った途端、席を立つ人が多かった。挨拶に来た選手達へブーイングもあった。負けてもサポーターは「エッフマリノース」とコールする。今日もコールしたけれど、コールする人数は少なかった。 帰り、階段でたまたま見かけた老舗サポグループの人達が「松田の右は、数試合にして破綻したなぁ」と言っていた。やっぱり右サイドが問題か。 試合終了後はこれだけ完敗じゃしょうがない、とさばさばした気持ちだったけれど、段々時間が経つにつれて、腹が立ってきた。固定ベテランメンバーでしか戦わない岡田監督の臆病ぶり。 もっと試合に飢えた若い選手を使った方がいい。萎縮するような若手でなく、大舞台ほど張り切る若手。そういう選手もいるでしょう、監督。 次のナビスコ、苦手FC東京で、きっかり修正してもらいたい。省エネサッカーじゃだめですよ。
いつもは相手チームカラーにする背景色だけれど、今回はマリノスの青にした。赤は見たくない。 |