05年12月18日(日)
FIFAワールドクラブチャンピオンシップトヨタカップ2005

3位決定戦
アルイテハド対デポルティボ・サプリサ
2−3でサプリサの勝利

決勝
サンパウロFC対リバプールFC

1−0でサンパウロの勝利
夢中でサッカーを見ていて、あんまり記憶がない。瑣末なことばかり憶えている。だから、「サッカー観戦記」ではなく「サッカー観戦周辺記」です。

 
〜〜〜3位決定戦〜〜〜

最大級の寒波が襲来中なので防寒対策を万全にしていく。着ぶくれ状態だけれど、4時から10時までスタジアム滞在なんだからしょうがない。
カイロは首の後ろと、へそ下5cmくらいの所に貼るといい、と冬山をやる人からアドバイスを受けた。座布団ホッカイロ、靴下ホッカイロも用意した。

行く途中富士山がきれいに見えた。4時頃スタジアムに着く。ちょうどFIFAアンセムが聞こえたきた。東ゲート広場にはもうサンパウロの応援団が沢山来ていた。


4時頃のスタジアム東ゲート広場

まだ日があって明るい。

トヨタ車(プリウス?)
が展示してあった。




今日の席は15日と同じ辺り、南ゲートS15入り口。前から10列目。15日の席より後ろだからその分高くなる。この方がピッチが見やすい。

バックスタンド中央部はもうかなり観客が入っている。ゴール裏はまだチラホラ。

試合は始まっていた。2番が右側を駆け上がり、クロス、ゴール!サプリサ先制点。2番は相変わらず元気に走り回っている。

アルイテハドが反撃。GKが弾いたところ、再びシュート、ゴール決まる。決めたのはカロンだった。元インテルだった選手。

前半終了。ロスタイムはなかったが、45分にならないうちに笛がなったような気がした。

そろそろゴール裏も埋まってくる。後ろの席は男性5〜6人のグループ。「この間、フットサルをやってさぁ、でも8人だったから全然休みがなくて、参った参った」と話している。サッカー愛好者。隣の隣は「大阪から来た」と話していた。

リバプールのサポーターも前回と同じ所にいる。フェンスにいつものようにフラッグを沢山下げている。それを、警備の人が「ルール!」「ルール!」と注意している。「フェンスの最上部からフラッグを貼ってはいけないんだよ。フェンスのてっぺんは見えるようにしておかない」と後ろの人が解説。

こちら側はアウェイでリバプールサイドだと思うのだけれど、サンパウロのサポーターが目立つ。ブラジル国旗を振り回している。

リバプールサポーター

また、バックスタンド2階やホーム側後段にサンパウロの大応援団がいて、そちらから、太鼓の音が響いてくる。自分たちの試合ではないのに、今から応援のテンションが高い。

後半開始。向こう側でPK。よくわからなかった。決まったと思ったら、やり直し。2回目のPK決まる。アルイテハド逆転。

サプリサの攻撃。ペナルティエリアで倒されたけれど、流された。「こっちも取ってあげればいいのに」。サプリサのコーチが大声、大げさな手振りで抗議していた。

次のサプリサの攻撃。ペナルティエリアにボールが入ったのをトラップミス。アルイテハドのDFが蹴りだす。その足につまづいて、サプリサの選手が転ぶ。とPKの判定。後ろの人たち、「それ、違うだろっ!」「ボールに行ってたぞぉ」後でころんだぞ!」と大声で言う。さっきのと合わせ技1本でPKかい?という感じ。

サプリサPKゲット

主審に抗議するアルテハイドの選手

フェンスのそばではさっき大声を上げていたコーチとアップしていた選手達が肩を組んでPKを見守る。

同点!両方攻めあうけれど、このまま同点で延長かな、という雰囲気になった頃、サプリサの選手が倒される。FK。

このFKは素晴らしかった。壁を越えて、真直ぐ私達の方へ向かって飛んできた。ゴール!!逆転。そのまま試合終了。サプリサの選手・スタッフ大喜びだった。

試合結果。


2−3で、サプリサの勝利

後ろの人達が、「延長なしかよ。1時間10分待っているのはきついぜ」とぼやく。

私は代表試合観戦仲間のYさん、Niさんとコンコースで待ち合わせ。

「最初何の行列かと思ったら男子トイレなのでびっくり。いつもの試合だと、女子トイレが行列になっても男子トイレが外まで行列なんてないよね」。「若い男の子は海外サッカーが好きなんだよね」
「プログラム(2800円)、FIFAバッグは要らないから、1000円で売ればいいのに」で、結局「入場料高すぎだよ。」という話になる。

そんな立話をしていると、マリノスファンのNさんたちが通りかかる。こんな混雑でばったり合ってしまうなんて不思議。

 〜〜〜決勝戦〜〜〜

さて席に戻ると、もう決勝戦のチーム練習が始まっていた。スタメン発表もあった。「モリエンテスがスタメンだよ」と娘が教えてくれる。

バプールの練習


右側手前の黒シャツ
がジェラードだと思う。

この頃はほぼ満席。ジャージ・スタジアムコートの女子高校生たちが6〜7人、隣のブロックに座る。近くから「女子サッカー部?」「チケットの割当があったのかな?」という呟きが聞こえた。

練習終了。試合前のパフォーマンスが始まった。子どもたちがそれぞれ黄色と青色の旗を持って入ってくる。透明な球体が2台入ってきた。球がするする上がると2チームの名前の入ったフラッグが吊り下げられた。花火がパンと上がったけれど、昨年までの派手な花火はなし。

FIFAの音楽とともに両チーム選手入場。いつもながら気分が高まる。リバプールの選手は喪章をつけている。ベニデス監督のお父さんが亡くなったと言う。

で、試合が始まるのかと思ったら、FIFAアンセムの演奏を流した。選手が散らばったら、「皆様ご起立願います」で、「フットボールファミリーのために黙祷をします」。と後ろの人たち「(数日前に亡くなった)仰木監督?」。
選手入場

整列

セレモニーが長かった。

これ、日本語と英語のアナウンスだけだったので、サンパウロ応援団はずっと応援を続けていた。途中で「あれ?」という感じで気がついて音量が落ちたけれど、その頃にはキックオフだった。

このFIFAアンセムは不要だった。要人の選手激励だけでよかったのではないか。黙祷は「フットボールファミリーのため」というのはちょっと意味不明だった。それとポルトガル語でもアナウンスすべきだったし、「黙祷終わり」も伝えるべきだった。

試合開始。

と、アウェイ・バックスタンド側入退場口あたりから男が侵入。彼は両手を挙げながらピッチへ走りこむ。選手は気づかずプレーしている。選手はピッチを一直線に走る。ようやくプレーが止まる。ピッチ周りにいる警備員は誰も止めない、ホーム側ゴール前までたどり着いた男は片膝をついて挨拶のポーズ。更にでんぐり返し。このあたりでようやく、メインスタンドの方から警備が駆けつけてくる。男はゴールの中で押さえつけられたが、その際、ネットが引っ張られて歪んでしまった。男は警備員に抑えられながら入退場口へ連れていかれた。ゴールネットが緩んでしまったので、会場スタッフが来て直している。

その間、ブラジルはボール回しをしている。リバプール側にはボールがない。リバプールGKがボールボーイにボールをよこせ、と言っているがボールボーイは渡さない。GKは何度も言う。そのうちリバプールベンチからボールが投げ入れられたが、GKはなおも要求する。GKはフェンスを乗り越えてボールをひったくって行った。「あいつ(ボールボーイ)ボールを渡してやればいいのになぁ」と後ろの方で言っていたが、少年にはとっさの判断が難しかったようだ。

思わぬ侵入者で気分が悪かった。それ以上にピッチ上に何人もいる警備が何もしなかったのが情けない。ピッチを縦断してしまったのだからねぇ。大失態だ。その後慌ててピッチ周りの警備を増やしていたけれど後の祭り。

試合は早々にジェラードからクロス、モリエンテス、ヘッド。外れる。

初めはリバプール。やがてサンパウロも攻撃できるようになる。

サンパウロ、ボールがペナルティエリア中央に出る。走る込む選手。あっという間にゴール!目の前の若いお兄ちゃんたち、派手なガッツポーズ!周りのほとんどの観客はがっかり。

GOAL!!

こちら側の大型ビジョンの写真を撮るサンパウロファン。


左側の若者の白い帽子。上のお団子部分が観戦の邪魔で困った(>_<)

リバプールも攻める。でもバー直撃だったり、GKが好セーブで、決まらない。そうこうしているうち前半終了。ロスタイムは5分もあったけれど。

後半開始。前の若者達の所へ幼い女の子を連れた家族が来て、席番号を確認している。ちょうど知り合いがやって来たので、若者たちはそちらへ行ってしまう。わからない言葉を交わしていたので、日系ブラジル人だったのかもしれない。この家族も終了20分くらい前には帰ってしまったので、何のための観戦かと思ってしまった。

後半はリバプールがひたすら攻める。ジェラードFKは枠をわずかに外れたのかと思った。再現映像を見ると、GKセニがはじいていたのだった。惜しい!

その後も次々シュート。ジェラードにボールが出て、すごい勢いでドリブル開始。そこをサンパウロDFが足を掛ける。イエローカードだったけれど、レッド一発でも文句は言えないと思った。

FKからヘディングシュートが決まった!と皆立ち上がった。ところがオフサイド。え〜?という感じ。

ゴール!と思って立ち上がったもののがっかり。

座る人、うなだれる人。



モリエンテスのオーバーヘッドシュートは決まらず。オーバーヘッドはカッコよかったけれど、シュート感覚がちょっとずれているような気がした。

CK。ファーサイドに来たボールをヒービアが蹴りこむ。わぁ!ゴール!とまた皆立ち上がるが、またオフサイド?ゴール認められず。

2度ネットを揺らしたのに、ゴールが認められず、リバプールはちょっとがっかりしたように見えた。

私達の前ではクラウチやシセ、リーセがずっとアップしていた。観客から「クラウチ〜」と声が掛けられていた。「まだ交代しないのかな?」と周りの人達も言い始めた。

中央の背の高い選手がクラウチ

早い段階からアップをしていたけれどなかなかお呼びがかからなかった。

キューウエルは時々気を抜いたようなプレーが見られた。それが持ち味?
交代が告げられた時、キューウエルかと思ったが、シソッコだったのでちょっと意外。りーセが入ったので周りの人たち、「頼むよ〜」。

ずっとリバプールの攻撃。でも時間が過ぎていく。サンパウロはみんな戻って守備をする。クロスを上げようとしても2人3人と取り囲む。

「ちょっとリバプール焦ってきたなあ」と後ろの人たち。ようやくクロウチが入る。

交代で入ってきた選手ボンゴル、シュート!「今度こそ決まった!」とリバプールの選手も観客も飛び上がったのだが、また、オフサイド!「そんな馬鹿な!」すごいブーイング。

再現映像は出ない。だから、オフサイドなのかどうかゴール裏の私達にはわからない。でも3度も、ということはありえないよ。リバプールの選手たちはプロなんだから、そんなに続けてオフサイドにひっかるなんて考えられない。

ロスタイム。ジェラードのロングシュートも決まらず。試合終了。

サンパウロの選手、スタッフ。団子状態になって喜ぶ。サンパウロサポーターも大喜び。ジェラードは座り込んでいた。審判へ質問している選手もいた。

試合終了。


喜ぶサンパウロの選手・スタッフ

審判に何事かを言うリバプールの選手


表彰式。私が気に入っていたサプリサ2番ボラニョスが優秀選手銅メダルに選ばれたので、嬉しかった。ジェラードは表情がなかった。フェアプレー賞を貰っても、準優勝表彰を受けても表情が硬かった。反対にサンパウロのGKセニは本当に嬉しそうだった。

審判へのメダル授与の時はブーイング。私も「ブー」と言ってしまった。反対側のゴール裏にいた人が「すごいブーイング」と言っていたから、かなり大きな音だったのだろう。

カップを持ち上げるサンパウロの選手の後ろから紙吹雪が舞った。選手の場内一周が始まる。サンパウロの選手は本当に嬉しそうだった。旗を振り、観客席に手を振り、或いは肩を組んで踊ったりしていた。彼らの喜び爆発ぶりを見ると判定への不満や割り切れない気持ちも少し和らぐような気がした。

旗を振りながら、場内一周するサンパウロの選手たち。

報道陣が周りを取り囲む。

赤い服の人がセニ?

後で録画を見ると、サンパウロの守備は見事だった。CKやFKの時もさっとラインを上げた。巧いし、勇気があるなぁと思った。

寒い寒い試合観戦だったけれど、アジア代表アルテハイドの戦いぶりも見ることが出来たし、サプリサの選手も覚えたし、リバプールの多彩な攻撃も見られた。サンパウロのああいう粘り強い守備にも感心した。見所満載の試合だった。

高額なチケット代、パンフレット代、ガラガラの観客席は問題だと思う。サポーターがホーム・アウェイがはっきりしていないのも変だった。決勝戦試合前のセレモニーは無駄だった。闖入者を防げなかったのも大きなミスだった。売店が混み過ぎていたのも不便だった。

課題はいろいろ見つかったけれど、今まで知らなかったサッカーを見ることが出来て楽しかった。来年のトヨタカップも期待している。