05年11月20日
横浜F・マリノス対サンフレッチェ広島
3−1で勝利
(日産スタジアム)
今日はメイン席のチケットをもらったのでワクワクしている。Jリーグをメインで見るのは初めてだ。1階メイン席下段。貴賓席の下だから真ん中。ピッチが近い。

出かけるのが遅くなり、着いたときにはもう練習が始まっていた。

スターティングメンバー発表。久保が今日も元気にスタメン。中澤は代表戦の疲労を考慮してベンチ外。中盤は上野とマグロン、山瀬。那須や奥はベンチだ。大橋はベンチにすら入れない。こういう時は層の厚さを感じるよ。
広島は森崎和がキャプテン。DFは小村さんが頑張っている。鉄人服部公太や代表の駒野もいる。北朝鮮代表のリ・ハンジュ。FWの佐藤寿人もいい選手だ。森崎も佐藤もツィンズだっけ。後はあんまり知らない。

日産テクノデーなので、試合前花束贈呈があった。この頃になっても、メイン席はあまり埋まらない。私たちの隣も後ろも人がいないので、風通しがよく?寒い。

←サポーターは久しぶりにゴール裏中央に陣取った。ビッグユニが広げられる。

選手整列→
この位置で試合を見たのだ。

選手入場の時、タオルを掲げ、旗も振ってみたけれど、周りにはそういう人がいない。メインではここで既に浮いていた。試合中にもコールや歌に反応しては手拍子をしたが、回りで同調する人がいないので、ひっそりとやめた。

試合開始。最初は広島ペースだった。次々と攻め上がって来る。松田が抜群の存在感で防ぐ。鋭いミドルシュートが枠に飛ぶ。哲也が防ぐ。撃ったのはリ・ハンジュ。

ついで、中央突破されそうになったところを松田がカット。広島の選手がむしろ松田を押したように見えたのに、笛がなった。「え〜嘘でしょ!」と私が声をあげると、娘にたしなめられた。
(追記:押されたのは河合だったようだ)

FK。壁をゴロが抜けたので、「あ、取れる」と思ったのに、どういうわけか哲也取れず、ネットが揺れた。「トンネル?股抜き?」。日産1階席は距離感がつかめないので、哲也とボールの距離がわからないのだ。味方がブラインドになり、哲也にはボールが見えなかったようだ。

早い時間に先取点を取られた。でもあんまり不安はなかった。
岡田監督が通訳をつれて、ピッチ脇でなにか指示を与えていた。

20分過ぎからマリノスは吹っ切れたように攻撃を始める。久保がからんで、グラウ、あとちょっとで押し込めず。隼磨がサイドを駆け上がり、DFをかわしつつ、ゴール前にクロス。「あ、DFに挟まれているから無理」と思った途端、久保が両手を広げるいつものジャンプで高く跳躍、頭を振るとゴール右隅にボールは飛び込んでいった。

メイン席でも人が立ち上がる。「う〜ん」「すごいねぇ」「久保だねぇ!」

←久保シャツの女性ファン


久しぶりの大型ビジョン「ゴール」→

あんなに簡単にシュートが決まってしまうのか。今までの苦労がなんだろうと思うくらいあっさり、ヘディングが決まってしまう。広島サポはがっかりだろうが、一面、久保が復活したのは古巣として喜んでいるようにも感じた。

同点に追いついて、マリノスはますます元気になった。ドゥトラも駒野をものともせず上がっていくし、隼磨も元気でキレキレだった。

隼磨が元気に見えるのは半袖だから?と見ると、小村はやっぱり半袖だった。

広島のクリアボールが久保に渡る。久保は落ち着いて早いグランダーのパスをゴール前に送る。グラウが全くのフリーでいた。グラウはGKの股抜きシュート。逆転。

グラウのパフォーマンスはアウェイ側だから、今ひとつアピールできず。頭から赤いマスクを被る。またスパイダーマン?と思ったが単なるマスクだったみたい。

広島の攻勢の時は消えていた山瀬が、効果的に攻撃に絡むようになる。山瀬から久保へきれいなパス。久保はペナルティエリアに持ち込もうとしたときに倒される。微妙?だったけれどPK判定。

今日の主審岡田さんは敵なのか味方なのかわからない。
山瀬がひどく引っ張られたのは笛吹かず、グラウのささいなプッシュには笛。でもこの時は、シュミレーションかタックル(ファウル)か、FKかPKか、微妙な所でPKを取った。奥はいないから、山瀬か?山瀬はこの間失敗したからなぁ、と心配するまでもなく、キッカーはグラウ。余裕で決めた。3点目。何かパフォーマンスをしていたけれど何をしているのかわからない。

ドウトラ→グラウ→ドゥトラのワンツーから山瀬、久保が詰めるシーン、マグロン、山瀬のミドルシュートなど、わくわくするような攻撃が続く。そうだよ、マリノスはこうだよ!
久保が戻るとこうも違うものか。ヘディングの高さだけではない。ボールキープも上手い。サイドに流れてボールを受けたり、ドリブルしたり、パスもズバリ。ボールが久保に入るのを広島が恐れているのありありとわかる。格が違うというのはこういうのをいうのだ!!

マリノスの危ないシーンは森崎のヘッディング。オフサイドでホッとする。これは森崎が飛び上がって時点でオフサイドフラッグが上がっていた。

前半は3−1で終了。サポーターは上機嫌だ。引き上げる選手にまず「グラウ、グラウ」のコール。ついで「♪久保ゴール」の歌。

十日町市民の皆さん

地震募金への「お礼プラカード」を掲げてピッチを一周した。

後半開始。後半もマリノスのペース。自信を回復したね。広島は守備に追われる。小村は衰えが感じられた。松田だったら、たとえ後ろを向いていても体をひねって前線へボールを蹴れる。小村はすぐ横に蹴り出すのが精一杯。

隼磨のミドルシュートは枠を捉えきれず。グラウがチョンとあわせてファーサイドを狙ったシュートはポストに当たってしまう。惜しかった。連続攻撃からドゥトラのクロスに久保ヘディング。わずかに外。ゴール前の混戦から上野がシュートしたけど、これもバーにあたってしまう。上野頭を抱える。惜しい攻撃の連続。

メインで見る楽しみは、アップする選手が間近で見られることだ。那須は髭をそってさっぱりした。鼻が高くてハンサム。坂田のダッシュは鋭く誰より速い。大島は写真で見るより、ずっとカッコイイ。背が高くていかにもアスリートだ。下川さんはアップするも、およそやる気なし。
広島の選手のうち、茶髪の選手がアップを途中で止めて、マリノスホーム側をボーっと見ていた。何を見ていたのか気になった。

応援の声が止まった時にはピッチの声がよく聞こえる。「トラ!」とか「ドラゴン」とか叫んでいたような気がする。

圧倒され続ける広島は選手交代。期待の前田俊介だ。思ったより小柄だが、ばねがありそうな体格だ。広島から「シュンスケ、シュンスケ」とコールが起きるとなんだか変な感じ。

前田はやはり面白い。ドリブルは早いし足元の技術が確かだ。マリノスのゴールへ迫ったドリブルは松田すら交わした。結局マリノス3人がかりの守備で外に押し出されてしまったけれどね。
その後のドリブルは河合にストップされてしまった。

山瀬は足が早い。ここへくれ、と手を差し出しながらDFを置き去りにしながら走る。テクニックの人かと思っていた。彼もようやく本領発揮だろうか。嬉しい。マグロンは上手いんだけど持ちすぎ。もうワンテンポ早くボールを出してくれたら、いい攻撃ができるのになぁ。でもマグロンがボールキープするからドゥトラの負担が減った。だからドゥトラも余裕で攻撃参加できるのだろう。

(私は山瀬が良く、マグロンはもう一歩とおもったけれど、逆の評価をする人もいるので、見方は人それぞれだなぁと思う。)

マリノスのCK

なかなか決まらない。

久保が交代。メイン席では外国人観戦客がすかさずスタンディングオベーション。彼らの習慣なのだ。私も立ち上がって拍手した。
(俊輔のセルティックデビュー戦。交代で引き上げる俊輔をメイン席観客が一斉に立って拍手で迎えたシーン。嬉しかったよ。さすが本場。日本もいつかああいう日が来るといいなぁと思っている。)

久保に代わったのは大島。ついで山瀬に代えて奥。山瀬も腰痛を抱えているから無理はできない。FKの場面だったので、奥が早速蹴る。マグロンが落としてグラウ、ヒールでシュートしたけど、クリアされてしまった。

上野から那須へ。那須は張り切ってプレーする。ヘディングは、惜しくも入らず。

試合終了。マリノスは後半、あれだけのチャンスを決めきれなかった。でもまぁ良しとしよう。快勝だ。

久保のインタビューが見られるかと思ったけれど、MOMはドゥトラとグラウだった。

選手は手をつないで挨拶する勝利のパフォーマンス。ドゥトラとグラウはサポーター前のお立ち台で声援に応える。


メインスタンドに向かってくる選手たち。

今日は日曜日なので、家族連れが多い。みんなニコニコしている。ようやくマリノス本来の強さが戻ってきた。

これだけの地力がありながら、勝てなかったのは勝負のあや、というか自信喪失→敗北→自信喪失という悪魔のスパイラルに嵌まったからだろう。どうやって立ち直るか、監督の手腕の見せ所だと思うけれど、岡田監督自身が疲れていた。思いがけず時間がかかってしまった。でも監督はサッカー監督の奥深さを感じて、更に監督業を深めようとするのではないだろうか。来年の監督の手腕に期待しています。