05年11月16日
日本代表対アンゴラ代表
国立競技場
1−0で日本の勝利
05年最後の試合。11月16日は8年前日本がW杯初出場を決めた日だ。ジョホールバール!
大切なその日に試合が組まれた。

中田や俊輔はリーグ戦の合間を縫っての出場だ。
代表チームにとって大切な試合だと思うからこその出場だろうと思う。

しかし、その思いに応えるような試合ではなかった。いつものジーコジャパンだった。何度も見た光景があった。

今日は娘とYさんと一緒に観戦する。娘は昨年のドイツ戦以来1年ぶりの代表戦。。代表の俊輔を見るのはインド戦以来。中田に至っては、98年以来かもしれない。Yさんとは今夏のイラン戦以来の再会だ。
競技場についたのは6時半前。席はバックスタンド・アウェイ側コーナー付近。ゴール裏は既に人で埋まっていた。聖火が燃えていた。

聖火を見るのはオリンピック代表壮行試合以来か?同じく聖火が輝いていた02年W杯直前のスウェーデン戦は緊張感と高揚感があった。それに比べると今回は全然燃えない。

←聖火が燃える


旧ビッグユニ→


まず、アンゴラが出てきた。バックスタンドの観客にも手を振った。大柄な選手が多い。黒人選手ばかりかと思えば、白人選手もいる。

日本選手も練習に出てくる。会場が一気に盛り上がった。

人がまばらだった時は風が寒かったスタンドも人が増えるにつれ、やや凌ぎやすくなった。それでもかなり寒い。私たちの前は「TANAKA11」のユニ。後ろには「ONO18」のユニ。レッズファンが多いのかな。更にその前は「NAKAZAWA」だからマリサポもいる。ちょっとホッとする。

スターティングメンバー紹介。日本の選手の写真が何か変。光を右から当てて、左側が影になっている。一人だけかと思ったらみんなそう。段々失笑がもれて「ホストの写真みたいだなぁ」

「監督ジーコ!」に後ろから大きなブーイング。回りは同調もしくは苦笑。

スタンドにはビッグユニ。最初は前のユニフォーム。その後新ユニフォームが広げられた。アウェイ側はいつものウルトラとにこちゃんマーク。

選手入場。黙祷(JFAの古い偉い人が亡くなったらしい)の後、国歌。アンゴラを応援する人たちはゴール裏メイン寄り席にひとかたまりいる。後で録画を見るとほとんどが日本人だった。何かゆかりのある人たちなのだろう。


選手入場。整列


松浦亜弥が出てきたのにはびっくり。

試合開始。アンゴラは緊張か疲れか動きが悪かった。日本は次々とチャンスを作った。でも決められない。俊輔の鋭く曲がるFKに高原のヘディングはバーを叩く。観客は「あ〜」と大きなため息。柳沢のシュートはGK正面。三都主のクロスに高原がボレーシュート、タイミングからいって「決まった!」と思ったのにまたしてもバー直撃。

そういえば俊輔→中田→高原はきれいにつながったけれどGK正面。GKはフリーターで3部リーグでプレーすると聞いていたけれど、巧かったよ。

アンゴラはミドルシュートを打つくらいであまり攻撃の形をつくれない。でも技術があって、パスは良くつながる。強引な攻めがないので日本は落ち着いてデフェンスする。

やや膠着。上げたクロスに誰もいない。誰もいない所へのパス。ちぐはぐだ。アンゴラがボールを奪うようになる。ただシュートの精度が悪いので、あんまり怖くはない。
中田のアウトサイド?キックで、ふわっと相手DFの頭を越したパスはどよめきがあった。きれいだった。俊輔の狙いすましたスルーパスには観客から「おー行った〜!」と歓声。

三都主がボールを持つと「勝負!」と声がかかった。やはり相手を抜けないと「やっぱりな」。柳沢がシュートせずパスすると「シュートしろよ!」でも「やっぱり柳沢だから」。

その柳沢への「やな〜ぎさわ〜」コールが一番多かったんじゃないかな。サポーターは温かいね。こんなに応援されているのに、相変わらずなのは情けないよ。

相手のセットプレーくずれで俊輔がボールを取り、ドリブルで駆け上がる。一気にカウンターと思ったら、スピードダウン。ボールを出す所を捜している。もっと早くサイドを駆け上がる選手がいればいいのだが、いない。

前半はアウェイ側のゴール(つまり目の前)を日本選手が攻めていたから、この時にゴールを決めて欲しかった。後半は向こう側に行ってしまう。
前半。日本ペースだが、
決められない。

後半開始。メンバー交代はなし。

後半はアンゴラのペース。ちょっと危ないシーンがあったが川口が防ぐ。

私はどうも俊輔と中田と中澤しか見ていなかったような気がする。稲本、田中の印象がない。稲本はボールをインターセプトする所はあったけれど、そう目立つ所はなかった。

俊輔のFKの時は相変わらず、すごいフラッシュだ。でも俊輔は今日はイマイチだった。

段々周囲の人の声がきつくなってくる。「中盤でほとんどボール取られているじゃないか」「ボールをボーッと見てるな!」「走れ!」「パスミスするなっ」

私も退屈になってきた。中田がボールを取っても出しどころなく、いつまでもキープ。中村もパスする相手を探す。結局後ろへ戻す。「つまんないね、悪い時のマリノスと同じだよ。ボールを回すけれど、前に行かず段々下がってくる」。Yさん「最初の15分だけだったね。」

松井が準備する。交代は田中。Yさん「ジーコはマコをすぐ交代するんだよね」。

松井はガムシャラだった。ファウルでイエロをもらったけれど、「ガッツがある」と私達は話す。ドリブルする高原の脇を猛然と駆け上がる松井の姿は感動ものだった。

稲本が下がって阿部勇樹。大きな声援だった。

Yさん、「親善試合は何人交代してもいいのだから、もっと選手を試せばいいのにね」。ジーコはそういうことをしない。もし替えるにしても、三都主は変えないのだ。いつもそう。

またしても、スコアレスドローかと思った頃、俊輔から山なりのクロスがファーサイドへ。届かないんじゃ?と思ったけれど、柳沢がいた。ヘディングで折り返した所へ、誰かが、ゴールへ押し込む。ゴール!「松井だ!」「松井だって!」

Yさんが「結局いつもこうやって辻褄を合わせちゃうのよね」。まもなく試合終了。

表彰を受ける宮本はかなり疲れた顔をしていた。アンゴラの選手はユニ交換。中田や中村、川口などがねだられていた。

選手がスタジアムを一周する。私たちの方にも回ってくる。「ヒデ〜」と声がかかるが、中田は隣の選手と話をしていて応えず。宮本と三都主は観客に拍手を返す。中澤はニコニコしている。俊輔は冴えない表情だったが、子どもから「俊輔〜」と声がかかると表情が柔らかくなった。

結局、いつものジーコジャパン。美しいプレーもいくつかはあったし、ひらめきのプレーもあったけれど、沈滞していることは明白だ。こんな調子でW杯を戦ったら、予選は勝ち抜けないだろう。またしても選手の頑張りに期待するしかないのか。久保の復活に賭けるしかないのか。