05年8月17日
ワールドカップアジア最終予選
日本代表対イラン代表
ワールドカップアジア最終予選最終試合である。今までと違って、今回は横浜国際競技場での試合だ。いつもここでやってくれるといいのになぁ。
(FIFAルールで日産スタジアムの名前は使えないらしい)

新横浜駅でW杯ボランティア仲間3人待ち合わせ。新横浜駅は5時半にはもうかなりの人出だった。私たちはスタジアムに向かう途中にある「リアナバッテラ」で夕食を取ることになっていた。1時間15分くらいかけてゆっくり食事をする。4人それぞれ贔屓のチームが違う。レッズ、ジュビロ、FC東京。サッカー関係の四方山話をいろいろする。サッカー仲間との食事はどうしてこんなに楽しいのだろうか。

「ホワイトバンド」(世界の貧困をなくそうプロジェクト)の話も出た。私も本屋で見つけて購入したばかりだ。スタジアムに行く途中にもこのバンドをしている人を見かけた。中田も協力しているからね。

三角橋のたもとでは「ドイツW杯観戦旅行先行予約」のチラシを配布していた。チケットは確実に手に入るのだろうか。

席に着いたのはメンバー発表の時。2階席の前から3列目なので、私は階段を下りるのが怖い。恐る恐る下りる。

周りは若者のグループが多い。応援が始まると「おーカッケイイ」「な。あの中でやりてぇよな」。前の女性達「5 INAMOTO」のユニが4人位いた。相変わらず人気。

選手入場。


ブルーシートで迎える。


選手入場。3月25日イラン対日本の試合後、将棋倒し事故で亡くなった観客のための黙祷があった。この頃まで2階席にはまだ空席があった。それも試合開始10分くらいにはほぼ埋まった。イランのサポーターはアウェイゴール裏メイン寄りに一区画陣取っていた。緩衝地帯もちゃんと設けてあった。イランは旗を振る応援(緑とオレンジ色がきれい)。ウェーブのように立ち上がる応援もあった。

試合開始。全然ドキドキしない。日本はほとんどボールを支配。玉田も後がない、と思うせいか積極的だったし、大黒も切れのある動きを見せていた。ルーズボールはほとんど日本のものだったし、遠藤、福西が拾うばかりでなく、中沢も再三読みのよさでボールを奪取していた。

玉田がGKと1対1。あれは決めてほしかった。ついで大黒の振り向きざまのシュート。カッコよかったけど、GKはじく。福西や遠藤のミドルシュートもあったが、枠を捉えきれず。「こんなに攻めていて点が入らないと、悪い流れになりそうで心配」と周りの人たちが言う。

でも心配無用だった。玉田が左に持ち込み低いクロスを送ると大黒がニアに詰めGKともつれるがボールはファーサイドへ。そこへ加地が走りこんで落ち着いてシュートを決めた。ゴール!!FC東京ファンのYsさんは嬉しそうだった。

加地のゴール。

喜ぶ観客。

「加地、代表初ゴール」に「あれ?前に入れなかったっけ?」「幻のゴールがあった。コンフェデで」「あぁそうだった」

イランのGKが傷んで、倒れていると、ついジョホールバールを思い出す。GKアベドサデが何度も何度も倒れたっけなぁ。

前半終わり頃、イランの攻撃、シュート!あっと思ったがボールはペナルティエリア左を転々。「え?どうなったの?」「何だったの?」大型ビジョン再現VTRを見る。ダエイのシュートが右ポストを直撃したのだった。あんなに動きが鈍そうなのにシュートは鋭い。やはり怖い選手だ。

前半終了。

日本の応援は「エンタティナー」「アイーダ」「歌えバンバンバン」中心。「ジンギスカン」は不評でやめたらしい。

後半開始。イランの選手は二人交代したが、日本の交代はなし。

イランも前半より攻撃のリズムがいい。何度かシュートまで持ち込む。

一方、日本。大黒からいいクロスが出たけど、玉田合わせ切れず。玉田の頑張りは認めるけれど、やっぱり今のままじゃダメなんじゃないか。
三都主が今日は本当に久しぶりによかった(相手DFがヘタだった?)。中へ切れ込んでのシュートは枠ギリギリの低い良いシュートだった。GK、パンチングで防ぐ→CK。

CKに大黒ヘディング。ゴール前で選手入り乱れてゴチャゴチャ。「どうだ?」「入らなかったの?」とみんな腰を浮かせてアウェイ側ゴールを見つめる。日本選手が喜んでいる。「ゴールだ、ゴール!」また再現映像を見る。アナウンスで「大黒選手のゴール」とわかった。

この間、ずっとベンチの方を見ていたけど、ウォーミングアップは終わって、選手はストレッチをしていた。交代はまだかなぁ。

後半中ごろから日本のDFにほころびがみえ始めていた。イランの選手がフリーでボールを持つことが多くなっていた。川口が大声で注意を与えていた。

でも、34分、ペナルティエリアど真ん中でダエイがボールを受けるとDFが思わず倒してしまう。PK。ダエイと他の選手がハイタッチ。「誰が倒したの?」「宮本?」「あ、中沢だ」でも中沢素知らぬ顔で水分補給。あんなにダエイにしがみつかなくても、川口が押さえたんじゃないだろうか。というよりダエイにボールが渡る前にカットできなかったのかな?

ダエイは強いシュートでネットを揺らす。さすがに名選手。通算何点目になるのだろう。
PK。

ダエイが決めた。

「あ、だれか練習着を脱いだ」。今野だった。遠藤と交代。Ysさん、喜ぶ。

しばらくして、茶髪選手が交代準備。阿部のようだ。この時間では見せ場なし。

その後は大した展開もなくロスタイム。後ろの人たちは、「もういいよ」「終わりだよ」と何度も言う。
試合終了。2−1で日本勝利。イランの選手はがっくりと座り込んでいる。彼らも本気だったんだなぁと思う。

試合後、セレモニーがあった。川渕さんがサポへ感謝の言葉。ジーコも長くしゃべった。日本語の部分はきれいな発音だった。その後ピッチを一周。中沢が先頭を歩いている。いつも先頭のような気がする。ペットボトルの水をかけていたけど、カメラマン達にかけていたの?

水をかける中沢と言うと、2000年6月ボリビア戦。トルシエ解任報道→ハッサン2世国王杯→スロバキア戦を受けての快勝。サポーター達がトルシエ支持の弾幕を沢山掲げ、「トルシエニッポン」と叫び続けていた。あの時も中沢がサポと一緒に拍手し、トルシエに真っ先にお祝いの水をかけたのだった。

場内一周する選手たち。

観客に手を振っている。

先頭中沢。次宮本。

この試合、私は何だか感傷にふける時間が多かった。

選手が引き上げるのを見てスタジアムを後にする。夏休みなので小学生も多い。宿泊組も多いようだ。「W杯観戦」と書いたバス(長野県と静岡県)が目の前を通っていった。各県サッカー協会枠の観戦者だろう。今日の試合を皆楽しんだはずだ。

最終予選一位通過。おめでとう、ニッポン。

でもなぁ、2002年からどれだけ進歩したのかというと、疑問が残る。このままではつまらないよ。どんな選手を選ぶかも心配だし。「松田を選んでよ」と言うと友人達に「もう年寄り」と言われてしまった。でも茂庭や茶野より劣るとは絶対に思わない。