05年3月30日(水) W杯ドイツ大会アジア最終予選 日本代表対バーレーン代表 (埼玉スタジアム) 1−0で日本の勝利 |
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イランに負けて、「絶対に負けられな」くなった日本。イランに引き分けて、楽な気持ちで見るはずだったバーレーン戦が重たいものになった。でも何故か今日は勝つだろう、と思っていた。 誰よりもドイツに行きたいのは選手達。彼らがきっとジーコの無能を補ってあまりある戦いぶりを見せてくれるだろう。 出かける前、願掛け代わりにドイツW杯のチケット購入申込をした。TST−3 JAPANを2枚。 (試合から帰宅すると申込を受け付けた旨のメールが届いていた)。 浦和美園に着いたのは6時20分くらい。無料バスに乗ってみようと思ったが行列だったので、歩く方が早いと思い、いつものように1200mを歩いた。後ろを歩く人が「イランが北朝鮮に勝った」と話していた。 今日はバックスタンドアウェイ側だから南ゲートから近い。ゲートを入って客席へつながる階段を上がる。それまで何とも思っていなかったのに、急にドキドキし始めた。逃げ出したくなった。 なんでサッカーなんかを好きになってしまったのだろう。宝塚でうっとり、とか和歌を詠むなんていう優雅な趣味だったら、こんなに心臓が縮むような思いをしないで済んだのに。
今日の席はバックスタンド2階の一番前。いつも一番前だ。よっぽどくじ運がいいらしい。Naさんはもう到着していた。しばらくして、Yさんも到着。久しぶりなので近況などを話す。 選手達が練習に出てきた。スタジアムではウェーブが繰り返し起こった。埼玉スタジアムの椅子は立ち上がるとパタンと閉じてしまう。フリースを置いてあるから、立ち上がるたび落ちてしまって不便だ。
バーレーンのサポーターはメインスタンドに20名くらい見えた。バーレーンの選手は大きい。
試合開始。 なんだか動きが硬い。後ろの人たちが「みんな身体が重いなぁ」という。私もそう思った。 攻めるけれど、なかなかチャンスにならない。田中が滑って、バーレーンにかわされた時はヒヤッとした。大体日本がボールを持っているのだが、シュートまで行かない。最初のシュートは俊輔のやや遠目からのシュート。ゴールを超えて行った。三都主が全然機能しない。あまりボールが行かないし、ボールを持ってもドリブル仕掛けては取られてしまう。相手にボールを取られて右サイドを破られた。その時誰よりも早く駆けつけるのが中田。三都主はボーっと見ていた。 加地にもあまりボールが出ない。周りでは「中田は加地に出さねぇなぁ、信用してねぇんだ」と言う声がした。 日本はボールを支配するが攻めあぐねた。立て続けにあったCK、どれもバーレーンの高いDFに跳ね返された。俊輔が向こうに、こっちに行ったり来たり。セットプレーは全部俊輔が蹴ると決まっていたらしいけれど、三都主と分担しても良かったのではないか。 FKでは俊輔が壁が近いと再三審判にアピール。実際壁に当ててしまうことが多かった。「俊輔全然だめじゃん、壁にばかり当てて」と周りからも不満の声。 前半30分過ぎ辺り、ホームゴール裏のサポーター達の声援が聞こえなくなった。その前から、音量が弱いなぁとお持ってはいたが、完全にやめていた時間があったと思う。ふがいない戦い方に怒っていたのかもしれない。
終了間際。鈴木と交錯してバーレーンのGKが倒れる。北朝鮮戦でもぶつかってもいないのに倒れたりして演技派だ。スタジアム中から盛大なブーイングが浴びせられた。でも鈴木のプレーもちょっと危なかった(いつもの鈴木)。GKの治療中、ピッチの中では中田と俊輔、福西と三都主、或いは加地など集まって手振り身振りで話し合う光景が見られた。「今頃、話し合うって、遅いよ」と私が言うと、Nさんは「コミュニケーションを取るのはいいこと」とのこと。 バーレーンのDFがペットボトルのふたか何かを看板に向かって投げた。途端にすごいブーイングだった。応援の声は今ひとつ迫力に欠けたが、ブーイングだけはかなりの音量だった。 GKが立ち上がるとすぐ、前半終了。今日は何故かトイレに行く人の数が多かった。 前半は中田が素晴らしいと思った。前に後ろに良く走った。ファウルでバーレーンを止めることもやった。シュートも打った。ドリブルで疾走もした。W杯予選という修羅場をくぐってきた逞しさがあった。 後半開始。すぐに三都主がサイドをえぐり、クロス。惜しかった。後半になって日本は見違えるようになった。パス&ゴーの動き、というか、皆連動して走るようになった。俊輔と三都主の連携、中田と加地の連携も見られた。鈴木の強いシュート、GKが弾くが高原は決めきれず。三都主がライン際までボールを追いかけて絶妙のクロス、フリーの高原はふかしてしまう。あれは決めなくちゃ。近くから「大久保〜!」という声も上がった。 再三のチャンスを決めきれず、時間が過ぎていく。スタジアムもなんだか追い詰められるような空気になってくる。観客の野次や怒号や拍手も段々大きくなる。私も「ドイツに行きたくないのか!」と叫びたくなった(叫ばないけど)。 主審は位置取りが悪かった。福西を倒して日本の大ピンチになったシーンもあったし、何度となく日本の攻撃を邪魔していた。 バーレーンは引き分け狙いが露骨になり、選手も倒れては時間稼ぎ。そのたび大ブーイング。
鈴木がOUT、玉田がIN。鈴木?高原が交代じゃないのかと周りの声。鈴木はバックスタンド側 から出て行った。玉田は早速ダッシュ。速い。 玉田が倒されて、FK。FKはもう何度目だろう。俊輔が遠くへふわりと蹴る、中澤が落としたのはわかったが後はごちゃごちゃ。しかし、赤い選手がボールを蹴りこむのははっきりと見えた。「わぁ!」と皆一斉に立ち上がる。私はカメラを構えていたが、Naさんがハグしてきたので、中腰で受ける。「誰が入れた?」「オウンゴールみたい!」「何でもいいや、1点だっ」 選手達も喜んでいた。観客はなかなか座らない。 「オウンゴールの選手が泣いてる」とYさんが教えてくれた。 バーレーンは攻めるしかない。日本はしっかりと守る。「集中、集中」と思わず言ってしまう。 で後半30分になる頃から私は帰り仕度を始める。もう大丈夫だろうと思った。中澤の必死のヘディングなど見ていると追いつかれることはないと思った。
35分になったところで席を立つ。さすがにこの時間に帰る人間は少ない。スタジアムの外に出ると、幾つかのグループがあり、小型テレビに見入っていた。私達の隣のブロックは30席くらい空席があった。スタジアムに入りたい人は沢山いるのだから、どうにかできなかったろうか。 時々歓声が聞こえる。ワーッとなりフゥ〜と言う感じに落ち着く。チャンスだったのに入らなかったのか、ピンチだったのを防いだのか。そういう声が何回か聞こえた後、スタジアムDJの多分「ウィナー、ジャパン」と言っただろう声が聞こえた。まだ暇そうな警備員達が「さぁ、観客が押し寄せてくるぞ」と言ってるのが可笑しかった。 電車はまだガラガラだった。電車の中でうとうととしてしまった。疲れる試合だった。 私が席を立った後、日本に危ない場面があったらしい。俊輔の軽率なプレーに三都主が怒声を浴びせ、言い返す俊輔を中田が止めた。 稲本が俊輔に代わって入ったのは終了間際だった。ジーコの采配の不可解さ。 試合後、日本代表の戦いぶりにかなり批判があった。ジーコの無能さは誰の目にも明らかだ。しかし、私はもうそれはどうでもいい。後半のような戦い方ができれば、いい。決定力(中田のいう精度)が確かに問題だが、まぁどうにかなるだろう。ならなければ予選敗退するだけのことだ。 |