04年12月16日キリンチャレンジカップ
日本代表対ドイツ代表
0−3
日本代表完敗

今年最後のサッカー観戦になるだろう。マリノスがザスパ草津に敗れて、天皇杯敗退してしまったからだ。

昼間は小春日和。しかし夕方から風が出てきて、寒くなりそうな予感。仕事先から帰り、娘と簡単な夕食を取ってから、スタジアムへ向かう。

スタジアム周辺はもうごった返していた。やはり日本代表戦だ。相手がドイツなので、なおさら。ダフ屋さんも多い。娘と試合を予想。「0−3かな。親善試合で遠慮してくれたら0−2で済みそうだけど。コンフェデのフランスは1点取った後は余裕で、もう1点くらいいつでも取れるよって感じで時間つぶししていたもんね。そんな風になるかも」などと話していた。(-_-;)

今回はいつものホーム側でなく、アウェイ側に席を取った。東ゲート橋から大階段を上がり、南ゲートへ向かう。2階席なので7階まで上がる。いつもエスカレーターがあればいいのに、と思う。席は2階最前列。今度は急な下り階段。高所恐怖症の私は足元だけを見て下りる。

もう選手たちは練習を始めていた。目の前のゴールにはカーンがいる。ドイツの選手は皆大きい。

突然久米宏登場。来年は「日本におけるドイツ年」。そのPRだった。「日本がドイツワールドカップ出場を決めれば、黙っていてもドイツ年は盛り上がる。そのためにも日本代表には頑張ってもらいたい」と語った。

一緒に観戦予定のYさん到着。スタジアムで金子達仁を見かけたそうだ。
スターティングメンバー発表。カーン、シュナイダー、バラック、クローゼの時に大きな歓声が起きた。日本はGK楢崎、DFは中澤、宮本、松田が不出場なので、田中、茶野、加地、三都主。稲本が久しぶりに先発。福西、藤田のジュビロコンビに、小笠原がトップ下。鈴木、高原が2トップという陣容だ。

 
 日本サポーター                整列する両チーム
選手入場。稲本がキャプテンマークをつけている。ドイツチームは赤のユニフォーム。何だか変な感じ。
紙吹雪が撒かれた。量は多くないが強風なのでピッチまで流れていく。風はずっと吹いているだけでなく、時々突風が襲う。今日はユニクロのヒートテック衣料を着ているし、重ね着もして万全の用意で来た。座布団ホッカイロもフリースひざ掛けもある。それでも風に晒されると頬は冷たくなる。

国歌斉唱。ドイツはハイドンの「皇帝」。バリトン歌手がドイツ歌曲そのものの美声を響かせた。君が代は堀内孝雄。お粗末でした。

試合開始。最初日本は積極的に出る。小笠原のミドルシュート、大はずれ。CKから高原のヘディングは外れる。加地がサイドを駆け上がり落とし小笠原から高原へ、しかしDFクリア。中盤では意外に日本がボールを持てるような気がした。しかし、次第に押し込まれる。

前半。キックオフ

バラックのシュートを楢崎が弾くが再びシュート。危ない!と思ったが、これは誰かがクリア。再現映像でも誰だか分からなかった。後で小笠原と知った。その後も再三シュートを打たれる。カーンは暇そう。

小笠原から鈴木へ見事なロングパス。鈴木がサイドを駆け上がった加地にパス。加地が低いクロスを入れる。カーンが弾く、そこへ藤田が走りこんだが、DFがクリア。惜しかった。加地はこの試合まずまず。その後も高原にいいパスを出したが、高原は3人のDFに囲まれて打てず。トラップが下手なのか、判断が遅いのか。もっと早くにシュートを打てばいいのに(>_<)

ドイツのDFは大きくて屈強。工夫をしないと崩すことはできないだろう。

前半は0−0。ドイツはボールを奪うとシュートまでが早い。一人がシュートを打つと必ずもう一人二人詰めていて、波状攻撃をする。サイドチェンジのロングパスも効果的だ。実に正確なパス。こういう基本的な技術がすごい。

後半開始。鈴木に代えて玉田。後半はドイツがこちら側に攻めてくる。ほとんどドイツペース。だからアウェイに席を取ったのは正解だった。9分、FK。バラックの強烈なキックを楢崎が押さえ切れず、弾いた所にクローゼ。難なく決める。この時、ゴール前に殺到したのはドイツのみ。日本選手は反応せず。

後半開始を待つ

日本はほとんど効果的な攻めはできず。「カーンは身体が冷えて、この間のポルトのGKみたいに倒れたりしないかしら?」などと話す。

日本サポーターの応援も一生懸命にやっているようだが音量は小さいし、周りに広がっていかない。

ドイツ、パスをうまくつなぎ、バラックへ。バラックは軽く日本選手をかわして、シュート!!ゴール右上角に突き刺さった。目の覚めるようなすごいシュートだった。周りの人も「わぁっ」と大歓声。「久しぶりにすごいシュートを見た!すごいすごい」と私も大拍手。見に来て良かったと思った。
バラックはこの後も35mのFK。楢崎が必死でクリア。

ほとんど日本のサイドでプレー。カーンは仕事なし。

日本は一度に三選手交代。藤田、稲本、高原アウト、三浦、遠藤、大久保イン。
でも状況は変わらず。個人の技術の見せ場はあった。玉田の突破とか、三浦のFKとか、遠藤のボール奪取とか。でも足元パスばかり。連動して動くことがない。まぁジーコジャパンのいつものサッカーだけど。

三都主アウト、西イン。三都主はいいシュートがあったがカーンの守備に阻まれた。いいシュートといっても枠内に行った、という意味です。日本選手のシュートはどうして枠内に飛ばないのだろう。三都主のCKにドンぴしゃり合ったと思ったのに、田中のヘディングは枠外。そんなことばかり。

ロスタイム。大久保がボールをキープ。後ろを三浦が駆け上がっていったから、彼にボールを預ければチャンスになったのかもしれないのに、強引にキープして中に切れこむから、ボールを奪われてしまう。ここからがドイツは本当に早い。
パスを受けたクローゼがシュート、楢崎ブロック、こぼれ球をアザモアがクローゼにパス、クローゼがもう一度シュート、ポールにあたってゴール!3点目。この間、日本守備陣はうろうろするだけ。

試合終了。日本代表が挨拶に来た時、かなりのブーイング。

大型画面に映るカーン

予想通り、0−3だった。シンガポール相手に一点しか取れないチームだもの。0−3なのは当然だ。何の進化もない、工夫もない、相変わらずのジーコジャパン。

北朝鮮に負けることはないだろうし、多分日本は最終予選を勝ち抜くだろう。でも、もし日本がドイツW杯に行けなくても、私はそんなにがっかりしないと思う。それくらい冷めてしまっている。サッカーがつまらない。ワクワクすることがない。何度こんなことを言ったろう。

はっきり言って、マリノスの方がずっと大切なのだ。イタリアなどでは代表戦に関心がない、という話を以前は不思議な思いで聞いたものだが、今はよくわかる。

アジアカップ優勝やW杯一次予選一位通過でなんとなく評価が上がってしまったジーコジャパン。繰り返し言うが、何にも解決されていない、何も変わっていない。