アテネオリンピック最終予選日本ラウンド UAE代表対バーレーン代表 日本代表対レバノン代表 04年3月16日(火)国立競技場 |
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汗ばむ陽気。でも夜になるとぐっと冷え込む。衣類をどうすべきか、かなり考えた。結局大荷物になった。 国立競技場の青山門に差し掛かったとき、FIFAの入場曲が聞こえた。 スタジアムに入ると、ちょうど第一試合、キックオフしたところだった。 席はバックスタンド大型ビジョン側コーナーのすぐ近く、前から2番目という良席だった。両ゴール裏は埋まりつつあったが、メイン、バックともまだガラガラの状態だ。
試合が始まっているが、同じ中東勢、どっちがどっちか分からない。 赤いユニフォームが優勢だ。少し落ち着いてから赤い方がバーレーン、白いほうがUAEと分かる。 バーレーンはハツラツと動いている。日本に勝ったことで、意気が上がっているようだ。 前半、ゴール前でのこぼれ球をバーレーンがバッシと決めてしまう。いいゴールだった。0−1。選手たちは大喜びしたあと、コーナーの付近で輪になって座り、芝生に口付けしていた。 後半は圧倒的にUAEが攻める。しかし、決めることが出来ない。まるで前々日の日本の試合を見ているかのようだ。 バーレーンの守りは堅い。選手が倒れては時間稼ぎをするしたたかさも相変わらず。日本のサポーターからは大きなブーイング。 UAEの怒涛の攻め、何度もFKやCKがある。そのたび、日本サポから「UAE、UAE」とコールが起きる。 UAEの大チャンス。キーパーがボールをはじき、そこに詰めたのがUAEの選手3人だけ。にもかかわらず、決められなかった。その直後、カウンターからバーレーンが追加点を決めてしまう。勢いのあるシュートだ。決めたのはDFで頑張っていた10番の選手だった。彼は良い選手だと思う。 結局0−2でバーレーンの勝ちだ。日本は「絶対に負けられない」。
試合前のアップにキーパーが登場。大きな歓声。林はテレビで見るより、ずっとスラリとしている。 ついで、他の選手たちが出てくる。念入りにアップ。平山は大きいけれど、それほど威圧感はない。大久保もいる。引き締まった顔をしている。 試合開始が近づく。心臓がドキドキしてくる。口も渇いて仕方がない。 日本サポーターのリーダーが近くにやってきて、「マジ、勝たないとやばいんで、手拍子、ブーイングは一緒にやってください。俺達で、選手たちを精一杯後押ししましょう!」と呼びかけた。
日本は最初から積極的。前半、大久保が倒されて得たFKを阿部がきれいに決める。早々と1点。これで、楽になった。 ところが、これから点がなかなか入らない。レバノンにもチャンスらしいチャンスはない。 大久保は鋭い動き。石川はサイドを駆け上がる。レバノンは止めることができない。前田も前回よりずっと良く機能している。今野は中盤の要。骨身を惜しまず走り回り、レバノンの攻撃をつぶす。 前半は1−0で日本リード。 後半、相変わらず日本が攻め続ける。ところが一瞬の油断。 阿部が頭を越され、更に近藤が目測を誤って、ヘディングが空振り、ボールはレバノン選手の前に。ズバっと気持ちいいくらいのシュートが決まる。 1−1。歓喜するレバノンイレブン。 呆然とする選手と観客。 しかし、ゴール裏のサポーター達はすぐに日本コールを始めた。私の後ろでも「まだまだ」「大丈夫だぞぉ」「これからが勝負だっ」と大きな声援が飛ぶ。 松井、アウト。田中、イン。松井はチェイシングは頑張っていたが、ボールキープは出来なかった。軽いプレーと言われても仕方ない。 それから数分後、前田のクロスに田中と大久保が飛び込んだ。 大久保のヘディングで2点目!勝ち越し。 回りは皆立ち上がる。もちろん私も立ち上がって万歳。 ゴール裏のサポに手を上げてアピールする大久保。「オオクボヨシト、ららら」と歌が響く。私も思わず「やるじゃん、大久保。今までのことは許す!」 それからが長かった。日本はもう1点とばかり、攻め続ける。平山は相手をブロックしようとすると笛を吹かれる。するとチャンスがピンチになる。 周りの観客は「もういいから」「キープ、キープ」「回せ」という。「無理すんな!」
私もなんだか、いろいろ叫んでいたらしい。とても疲れた。 ようやく、試合終了の笛。2−1で勝った。 挨拶に回る選手を見ながら、出口に向かう。今日はOさんと待ち合わせて帰る。帰りの電車で今日の試合のことを語りあうのはとても楽しい。 とにかく勝ってほっとした。やれやれ。 日本は勝ち点でバ-レーンと並んでいるものの、得失点差4でトップ。有利な状況だ。明日はすっきり勝ってアテネ行きを決めてください。 |