3) ジャンボ旅客機の操縦(ボーイング747−400)   
            (1)ジャンボ旅客機
                ボーイング747−400は世界で一番大きなジェット旅客機であった。「ジャンボ」の愛称で日本や世界各国の
          エアラインで活躍している。このジャンボもヨーロッパのエアバス社A380(座席数853席)に世界一の座を明
          け渡すことになつた。ボーイング747は、747ー100、747 ー SR、747−200、747ー300、747−400と進化し400
          型は747シリーズでも最良の経済性と最長の航続距離をもつ機体である。
          コクピットのコンピュータ化により計器もデジタル化、自動化し、操縦士、 副操縦士、航空機関士の3マンクルー
          から操縦士、副操縦士の2マンクルーとなったのである。
           ボーイング747−400は主翼端にウイングレットを取り付けているのが特徴で燃費向上に役立っている。
         
FSのコクピット(機長席)
     本物のコクピット
     左側が機長席、右側が副操縦士席
     「THE COCKPIT」より
        

   
 (2) 機体の名称
(3)操縦の基本
  ジャンボ旅客機はセスナ機のように離陸から着陸まで手動操縦というわけにはいきません。手動操縦となると
 ジャンボは高度、速度やフライトコースを維持するために操縦桿やスラスト・レバーを慎重に操作しなければな
 りません。長時間、とてもじゃないが疲れきってしまいます。離陸と着陸の行程は手動操縦で、巡航、旋回は自
 動操縦となります。
 自動操縦はパイロットに代わって操縦するものであるが、VOR, ILS など航空保安無線施設の設置によって機上に
 もこれらを捉える無線航法装置を装備し、この装置とオートパイロットを結合したことで目的地へのフライトや
 空港への降下,進入ができるのである。 
  実際の自動操縦はFMS(飛行管理装置)で行っているようです。FMSは航法に必要な航空路、各空港の滑
 走路、各空港の出発/進入方式、各地のVOR/DME局などの情報や離陸から着陸までの全飛行領域にわたって
 飛行管理(操縦、エンジン推力調整)を自動的に行う機能をもっています。
 愛好家の皆さんの中にもこのFMS(市販されている)を使用してフライトシミュレータを楽しんでいる方もお
 ります。FMSの使い方の講座を開いているホームページもあります。
 ここではオーソドックスな方法で操縦することとしました。

 操縦の基本
  離 陸 ・フラップを5度に下ろす(5〜10度)
      ・ブレーキを踏んだ状態でスラストレバーをN1の約40%まで前方に進める
      ・両方のエンジンの推力が等しくなったら、離陸推力N1の95%になるまでゆっくりスラストレバ
       ーを前方に進める
      ・オートスラスト・スイッチ(A/T)ON
      ・ブレーキを離し、滑走を始める
      ・速度177ノットになったら操縦桿を軽く引き、機首を10度に上げる
      ・上昇率がプラスになったらギア(車輪)を上げる
      ・高度1000フィートでフラップを5度から1度にする。速度200ノットになったらフラップを
       完全に上げる (3000フィート以下では速度200ノット以下という規則がある)

  上 昇 ・フラップを上げたら上昇出力をN1の約90%にする
      ・高度3000フィートを超えたら自動操縦装置(AP)をONにする
       続いてALT(高度)、IAS(速度)、NAV1 スイッチON
      ・10000フィートに達するまでは6度または7度の機首上げ姿勢で250ノットでの上昇を維
       持する。(3000〜10000フィートでは速度250ノット以下という規則がある)
      ・25000フィートまでは340ノットを維持し、その後の巡航高度ではマッハ
0.85を維持する 

  巡 航 ・巡航高度は飛行経路や天候等によって決定される
      ・自動操縦装置により指定した高度、速度、針路の管理が自動化される
       速度の制御はオートスラストによって管理する

  降 下 ・降下開始地点にきたらオートスラスト(A/T)を解除し、出力を下げて降下を始める
      ・10000フィート以下では250ノットを超えないようにする
      ・スラストの出力を調整しながら降下していく
       (降下するには減速する。機首は下げない)

 アプローチ・計器進入ではGS(グライドスロープ)をインターセプトするまでに着陸体勢を整え十分に減速して
       おく (着陸地点から約5マイル手前までに)
      ・フラップを1〜5度下げる。速度150ノットに減速する
      ・高度3000フィートで I LS 計器がローカライザおよびグライドパスの電波を受信すると降下が
       始まる。

      ・ギアを下げるとともに自動操縦装置 (AP) をOFFにする
      ・フラップを徐々に30度まで下げる 
      ・アプローチ速度は135〜140ノット
      ・出力をN1の55〜60%にする
      ・出力とピッチを細かく調整してグライドパスから外れないようにする
      ・滑走路端に設置してあるPAPI(進入角指示灯)が白白赤赤と見えるように降下する

  着 陸 ・滑走路端を通過したら機首を約3度上げてフレアをかける
      ・スラスト・レバーをアイドルに戻し主輪から着地する
      ・スピードブレーキ・レバー(/キー)を動かし、スポイラーを立てる
      ・前輪が着地したら逆噴射(F2キー)をかける
      ・速度が60ノットになったら逆噴射を止め(F1キー)、ブレーキをかける
 
                                             

    これだけ覚えるのは大変と思いますが、頭で覚えるとすぐに忘れるので身体で覚えるように繰り返し練習することが
    大切です。
                                                   

 
                                             
           FSの計器盤(機長席)
      本物の計器はもっと沢山ある。最低このくらい
      は自由に使いこなせないと機長にはなれませ
      んぞ!
            FS用の操縦桿
            (セスナ機と兼用)

   
 4)フライトの練習
   操縦の基本を理解したところで羽田ー大阪国際空港(伊丹)間をフライトしてみましょう。
   離着陸時は手動操縦を行い、上昇から巡航、アプローチまでは自動操縦とします。

   
  下記の操縦方法は航空知識の全く無い素人の私が趣味の範囲でFSを楽しんでいる方法で
 あり、実際の操縦方法とは異なるものと思いますのでその点ご了解いただきたいと思います。
 これで実際のジャンボを操縦できると考えたら大間違いですぞ〜!


 
  ア)羽田ー横須賀間フライト詳細                    
      各地点での詳細説明 (1)〜(7)                    
         (1)初期設定
     セスナ機の初期設定と同様にして無線機器と
      GPSを配置し、周波 速度、高度等を入力して
      おく










 
 
     (2)右旋回
     ・自動操縦装置スイッチON直前の状況
     ・水平飛行になった時点でAPスイッチONにする
     ・コース指針とHDG指針が方位100度で重なる
                  
 
       (3)木更津ORインターセプト
        ・HSI指針が動き始めたらHDGを徐々に
         100→202 に変えていく
 
         (4)木更津VOR直前
        ・VOR通過直前の操作 
 
                          
       (5)木更津VOR)直上
        ・VOR通過地点での操作
        ・TO/FROMインジケータが一瞬消える
          (6)木更津VOR通過
        ・VOR通過後の操作
 
   
                        
     
        (7)横須賀VOR手前
        ・旋回終了後の状況
        ・指針が一直線となって飛行している
   
 
 
              
     
 横須賀VOR以降は同様な方法で操作する    
     
  イ) 大和 I Sー大阪空港間フライト詳細     
   各地点での詳細説明             
         G大和インターセクション
        HSI指針が動きはじめたらNAVスイッチON
             H着陸体勢
           ・APPスイッチON
 
     
           I FINALAPPROACH  (1)
           ・降下開始
          IFINALAPPROACH  (2)
        ・手動操縦に切り替える
   
                             
            J着 陸
            ・機首上げ姿勢を維持
   
   
 
       スクリーンショット
       ア  羽田空港34R滑走路
離陸許可を待つジャンボ

 機長席から見た34R滑走路

   
       イ  離 陸
34R滑走路を離陸

       ウ  離陸後右旋回
お台場手前で右旋回

機長席から見るお台場周辺 
 
       エ  上昇中 
 
眼下に東京ディズニーランドが見える 
 
 
手前は千葉市内、陸の向こうは太平洋だ 
 
       オ  木更津インターセプト地点 
 
右旋回開始 
 
 
京葉工業地帯が見える 
 
        カ  木更津VOR通過後右旋回 
 
手前は三浦半島、右下は横浜、右手には富士山が見える 
 
機長席からは三浦半島の先端と大島が見える

    
  キ  横須賀VORに向かう
横須賀VORに向かう

機長席から見た相模湾
手前に江ノ島、先に伊豆半島、右手には富士山が見える


  ク  伊豆半島を望む
中央の半島が伊豆半島、富士山と芦ノ湖が見える
伊豆半島の向こうが駿河湾

伊豆半島と芦ノ湖
手前の小さな半島が真鶴半島


   ケ  浜松上空
浜松上空から富士山と伊豆半島を望む

浜松上空から浜名湖と渥美半島を望む。半島の先端が伊良湖岬

  コ  河和VOR(知多半島先端)上空
左の市街地は松坂市、その先は布引山地
   サ  大和インターセクション(奈良県大和)
大和IS上空から見た和泉山脈
右側が大阪湾、左側が紀伊水道、正面の島が淡路島

   シ  吉野上空
吉野上空から大阪市街地と大阪湾を望む

左は金剛山地、中央が生駒山地、その先は大阪市街地。右端が奈良市

   ス  着陸体勢
高度3000フィート、緊張感が高まる
左端に見えるのは大阪城(天守閣は見えない)

大阪市街地上空、真正面が大阪伊丹空港

   セ  FINAL APPROACH
市街地の真上を3度機首上げ姿勢で降下

 
      最も緊張する場面
 
         ソ  着 陸
             着陸寸前から着陸までの写真                 
         
      1滑走路の正面を維持する
     高度の微調整はスラストレバーで行う
 
      2.速度140ノットを維持、機首は3度
      上げの姿勢を保つ
 
 
         
     
      3.スラストレバーをアイドルに戻す         4.主輪から着地する  
         
     
     5.主輪から着地。タイヤから煙が出ている 

      6.スポイラーを立て、前輪が着地したら
     逆噴射をかける

 
         
     
       7.スポイラーと逆噴射が作動している           8.大阪伊丹空港に無事着陸