沙天の勝手なLIVE REPORT その1 〜EUROPE


EUROPE
START FROM THE DARK JAPAN TOUR 2005
東京国際フォーラム ホールA
2005年 1月 7日 (金曜日) 19:00開演


東京駅なら八重洲口、もしくは有楽町駅が最寄り駅となる、本日のライブ会場「東京国際フォーラム」。
オフィス街という場所柄のせいか、ロックコンサート仕様の格好でうろつくような人は少なく、
みんな、いたって普通の服装です。
中にはロックなTシャツで参上している男性もいましたが、なぜだか胸のロゴは「KISS」。
最近KISSは、しょっちゅう来ているからでしょうか?

会場のファン層は、男性の方がやや多いです。でも女性もけっこうな数です。
男性は10代後半の若い層から、40代くらいまでと、年齢層にかたよりはない印象です。
会社帰りに駆けつけた方が多いようです。
一方女性は、ほぼ30〜40代に絞られます。
ちょうどEUROPEをリアルタイムで聴いていた、10〜20代の乙女たちが、
そのまま20年近い時を経て、今に至ったのでしょうか。
ともあれ、再起したEUROPEを一目見ようと、会場はどんどんと人で埋まっていきます。


会場内のステージの奥壁には、「EUROPE」の懐かしいロゴ文字が青くぼんやりと浮かんでいます。
誰もが、もう二度とライブ会場で目にすることが出来ないと思っていた、あのロゴです。

19時15分にコンサートが突然、開始されます。
1曲目は新しいアルバム「START FROM THE DARK」でもオープニングを飾っているGOT TO HAVE FAITH。
JOHN NORUM(ジョン・ノーラム)のギターがはじけるように響き渡り、
JOEY TEMPEST(ジョーイ・テンペスト)のヴォーカルがそれに重なります。
待ち焦がれていた、感動の一瞬です。
そして息つく暇もなく、2曲目READY OR NOT。速く激しい曲で観客をあおります。
往年のヘヴィな曲の登場で、客席のノリもかなり良いようです。
続いては美しいアカペラで始まるSUPERSTITIOUSで、これも4枚目のアルバムからです。

舞台上のメンバーたちは、あいかわらずの黒っぽい衣装です。
姿かたちでは、みな、昔とそれほど変化はないように見受けられます。
特に、ジョン・ノーラムに至っては、昔のまんまという印象。
一番、変わったのはドラムのIAN HAUGLAND(イアン・ホーグランド)でしょうか。
長かった金髪を、ジャカッと刈り上げて(!)、見事なスキンヘッドです。
でも短パン、素足というロッカーらしからぬ(失礼。)あのラフなスタイルは健在です。

ライブが進むにつれて、ジョーイがハイ・テンションになっていくのがわかります。
ステージの上を所狭しと駆け回るし、舞台のそでへも何度となく来てくれるし、
ノーラムの側に仔犬のようにじゃれつきにいくし、
ドラムへまでもまとわり付きにいくし。
若い、というかほとんど子供です。
また最前列の人たちと、しょっちゅうハイタッチするし、
曲間に最前の人に「What's your name?」なんて話しかけてくるし、
「タノシンデマスカ〜?」なんていうMCもするし。
(後で聞いた話ですが、大阪のライブでは、なんと客席へダイブしたとか。
ツアー初日の東京では、そこまで過激なシーンは見られませんでしたが、
かなり盛りあがっていたことは確かです。)

しかし、ジョーイは基本的にはマジメな人です。
歌う前に、たいがい「次は何番目のアルバムから、○○を歌うよ」と紹介するし、
着替えもさっさとして出てくるし、曲もチャッチャと始めるし。
ノリノリになったジョーイが、マイクスタンドを昔のようにグルグル回転させてたら、
一度だけ、床にぶつかりドゴッ!とすごい音がしたのです。
そうしたら、とても驚いてました。その姿がなんとも言えず、チャーミングでした。
そんなマジメな人なのです。

ライブの曲構成は、最新アルバム「START FROM THE DARK」からの曲が中心で、
その間に昔のアルバムの曲を織り交ぜている感じです。
昔の曲では、3枚目と4枚目のアルバムからが比較的に多いでしょうか。
「Special song for you!」とジョーイが言って登場したNINJAや、
MIC MICHAELI(ミック・ミカエリ)のキーボード・ソロから変化するSIGN OF THE TIMES、
ジョーイがアコギ一本をかき鳴らして歌うCARRIEなど。

そうこうしているうちに、ROCK THE NIGHTで大盛り上がりのうちに、
メンバーが一旦、引き上げます。
そして5分もたたないうちに(この辺もかなりマジメです)、アンコールの開始です。
1曲目のSEVEN DOORS HOTELではジョン・ノーラムのギター・ソロに聴き惚れます。
2曲目のCHEROKEEでは、会場のウケがかなり良く、みな一体となって腕を振り上げます。
そして最後の曲です。
THE FINAL COUNTDOWN。
メンバーたちにとっても色々な思いがあるのだと思いますが、
誰もが知っているこの曲をやらないわけにはいかなかったのでしょう。
とにかく、今日、一番盛りあがった曲です。
ジョーイも、これでもかというくらい、観客をあおり、
自分も飛んで駆けてメチャクチャにはしゃぎまわります。

観客も、メンバーも、大大興奮のうちにフィナーレです。
ステージ上に一列に並んだメンバーは深々とファンにお辞儀をします。
そして彼らは去り、無慈悲な照明がカッと点いて、終演です。
(終わりも21:00ちょうどで、彼らの几帳面ぶりがうかがわれます。)

人それぞれに色々な感想があると思いますが、
誰もがEUROPEは過去のバンドではなく、現代(いま)のバンドであることを
確信できたライブだったと思います。

当日のSet List

1.GOT TO HAVE FAITH
2.READY OR NOT
3.SUPERSTITIOUS
4.AMERICA
5.WINGS OF TOMORROW
6.KING WILL RETURN
7.NINJA
8.HERO
9.WAKE UP CALL
10.key.solo〜SIGN OF THE TIMES
11.g.solo〜GIRL FROM LEBANON
12.START FROM THE DARK
13.CARRIE
14.FLAMES
15.YESTERDAY'S NEWS
16.ROCK THE NIGHT

〜encore〜

17.SEVEN DOORS HOTEL
18.CHEROKEE
19.THE FINAL COUNTDOWN

*曲目・曲順は確かこのようだったと思います。
全19曲でした。

余談ですが、翌日の追加公演(渋谷ax)では
SCREAM OF ANGERをやったそうです。
速さは昔のままだったのでしょうか?
聴きたかったです!


ライトを背負って歌うジョーイは、キラキラしてとてもきれいでした。
そっくりかえって歌うあの歌い方も変わっていませんでした。
(ついでにマイクの微妙な持ち方も。)
その声も健在で、クリアで良くのびていました。
沙天はこの声が大好きです。
少年のようにキュートなくせに
潤んでセクシーな面もあるし
クリアーなハイトーンヴォイスでのぼりつめるかと思うと
HARD ROCKにふさわしい芯のあるパンチのきいた声も出す。
表現力豊かなヴォーカリストです。
一生、現役でいてくれることを願います。
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