研究報告『黒頭カレイの謎』

北海道でのカレイ釣りは本州に比べると魚種が多く、その中でもマガレイ、クロガシラ、ソウハチなどは代表的な魚種です。
通常、一部のカレイ(ソウハチなど)を除いてほとんどのカレイは海底の砂地に潜み餌が近くに来るのを待っているというイメージですが、クロガシラは群れで移動しているのではないかという疑問についてお話します。

それは数年前、日本海側にある焼尻島へカレイ釣りに行った時のことです。
知り合いのS氏が釣り船を購入したので遊びにこないかとのお誘いがあり、当時の会社の後輩2人(2人とも独身の男女でしたが、後に結婚して幸せに暮らしているとさ。めでたし、めでたし)を誘って一泊二日でカレイ釣りに行くこととなりました。

羽幌港からフェリーに乗り、焼尻港に着いたのが夕方の4時位だったと思いますが、S氏が港で待っていてくれてフェリーから降りると入れ替わりに、S氏の船に乗り込みました。
天候は薄曇りで波が多少あり、ポイント迄は港から10分程でした。仕掛けを下ろしたとたんに大型のクロガシラ(45cm前後)がダブル、トリプルと入れ食いになりました。たまに大型の浅羽ガレイと小型のマガレイが混じりましたが、ほとんどが大型のクロガシラです。
同行の2人はフェリー船で少し酔い、釣船に乗った時は顔色が最悪だったのですが、そんなことは忘れたかのように自分の口からコマセ撒き散らしながら夢中で釣っていました。
1時間程で持って行ったクーラー2杯がいっぱいとなり蓋を閉める事が出来なくなったので、「明日は時間もタップリあるし今日はこのぐらいで勘弁してやろう」と気分も大きくなり幸せな気持ちで帰港することにしました。
港に帰ってから漁協の市場で釣果を写真に撮っていると、地元の漁師の方が集まってきて釣果を褒めてくれたのと同時にポイントを詳しく聞かれました。

その日はS氏の自宅に泊めて頂き、庭で海鮮バーベキューをご馳走になりました。
同行の2人は、下戸の私と違って相当飲んでいましたが、アルコールの所為か寝床に着くとすぐに寝息をたてていました。
私は明日の釣りを想像すると興奮してなかなか寝付く事が出来ませんでした。

翌朝は5時から昨日と同じポイントで釣り始めましたが昨日とは打って変わって一向にアタリがありません。
同行の2人も昨夜のアルコールが残っているらしく元気が無い為、昼過ぎには上がりましたが、釣果はマガレイの20cm前後と砂ガレイが合わせて20枚位で昨日の様なクロガシラの大型は一枚も上がりませんでした。

後日、S氏に聞いた話によると私達が帰った後に話を聞いていた漁師が同じポイントにカレイの刺網を入れたが全くダメだったとのことです。
魚が居るのに口を使わない為、あまり釣れないということはよくありますが、刺網を入れても魚が掛からないということは、そこに魚が居ないということです。

私は他の場所でもこの様な現象を何回か経験しています。7、8年前からババガレイ釣りにはまっていてある港に足繁く通っているのですが、ババガレイ釣りをしていると1枚釣れると大体は2、3枚続けて上がり、1枚だけ単独で釣れることはほとんどありませんでした。
いつもお世話になっている船頭さんは「ババガレイは夫婦、兄弟で泳いでいるから父さんが釣れると母さんも釣れるんでねえ」と言っています。
ひょっとしたらクロガシラも一族郎党で移動しているかもしれませんね。


※札幌へ戻る途中、海岸にトドらしい姿が・・・

クロガシラ クロガシラ トド


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