Yes!プリキュア5感想
〜なぜ、デスパライアは自らを封印したのか?〜



「アカギ・闇に降り立った天才」という麻雀漫画でこんな台詞があります。


鷲巣よ…!問題は、その殺意がどこから来てるかって事なんだ…。

気づいているはずだ、その殺意の源は…やはり、恐怖なのだっ…!
死にたくないから…殺したい…なぜなら、助かりたいから!

そう!それが鷲巣の源泉…!!
「生きたがり」なんだ、鷲巣は!!

異様に!熱狂…執拗に「生きたがり」!
鷲巣の人生は、結局この根源的欲求…、恐怖に突き動かされた一生だったといえる…

離れたかった…!、一歩でもいい!…死から!…破滅から!!
遠のきたかった…!、そのためには築かねばならぬ、もっと…もっと…
不当に金を!!不要に金を!!





そして、デスパライアも、また「生きたがり」だったと言えます。

自分が死にたくないから、他人を「ゼツボウ」させ、エネルギーを奪い取って力を維持してきました。
老いて死にたくないから、ドリームコレットで「不老不死」と「永遠の若さ」を望みました。


そうやって、なんとしてでも自分の破滅から逃れたかった…
「ゼツボウ」という恐怖から逃れるために、その力を使い続けていたのです。





ナイトメアは存外に小さな組織でした。
「世界の知識を集める」エターナルのスコルプは、プリキュアもナイトメアも知りませんでした。
(ドリームコレットは…どうだろ?)

おそらく、デスパライア本人の能力を核にブラッディと2人で立ち上げたものだったんでしょう。
(ハデーニャは微妙…極初期からのメンバーでしょうけど、「素顔を見たことがない」と言ってましたし)
そして「絶望の仮面」によって人々を服従させ、その中から使える戦士を選び出して幹部に任命していたのでしょう。
それが、ブンビーやギリンマたちだったのでしょうね。
多分、ブンビー部署程度の規模の支部があと2〜3ある程度だったのでしょうね。



そのうちにデスパライアに「老い」が忍び寄ってきました…
だんだんと…自分の力が失われていくのを感じるデスパライア
それを補うために、より多くの「ゼツボウ」を集めなければならない。


一歩でも離れたかった。絶望から…、恐怖から…、

そしていつしか…、他人が「ゼツボウ」することにより、自分は「絶望」から逃げられる…と思うようになった。
自分が「唯一の希望を叶えた人間」になることによって、「絶望」と「恐怖」から逃げられると思い込んだ。




そして、カワリーノがドリームコレットの情報を持ってきたときに「Yes!プリキュア5」の物語が始まります。

「不老不死」になれば、「永遠の若さ」を手に入れれば、この「恐怖」と「絶望」から逃れられる。
デスパライアは1も2もなく飛びつき、パルミエ王国攻略がスタートしました。


この時には、ナイトメアにも「結束」がありました。
・カワリーノが侵入の手引きをし、
・ギリンマやアラクネアが国民を捕え、ドリームコレットを探し、
・ハデーニャが、王国を塵ひとつ残さず吹き飛ばし
・ブラッディは、その光景を見せ付けて、国民達に「絶望の仮面」を被せる。


きっちり、役割分担は出来ていました。そして、それぞれが「デスパライア様のために」ベストを尽くしました。



それが、カワリーノが私情を持ち込んだことにより、組織に亀裂が入り…
ブンビーの部署は崩壊、ブンビーは逃走、ハデーニャは死亡、ブラッディも「黒い仮面」を被せられます。





仲間を失いながらも、ドリームコレットを手に入れデスパライアは望みを叶えました。

それでも、消えなかったんです…

恐怖は…、絶望は…、



考えてみれば当然のことです。
肉体が若返っても、心まで昔に戻れるわけじゃありません。
ましてや、デスパライアは「ゼツボウ」の力を使っていました。
むしろ、自分の心に余裕ができたことで、自分の周りを見渡すことが出来るようになりました。
今まで踏みにじってきた者達…、自分が相対しているプリキュアという存在…、


プリキュアたちはデスパライアの前で変身を解き「話し合いたい」と言い始めます。

デスパライアはその姿を見て思い知ったのです。
「若さゆえの無鉄砲さ」と、「自分が心まで老いてしまった」ということを…




デスパライアは、ずっと怖かったんです…
だから、他人の「ゼツボウ」をすすって、生き延びようとした…
それが、更なる恐怖を生み、更なる力を要求する…
デスパライアは、「永遠の若さ」が手に入れば全てが解決すると思っていました…

でも、「恐怖」は消えない…
こんな気持ちのまま、ずっと永遠の時を過ごさなければならないのか…





デスパライアがそう思い始めた頃、「黒い仮面」で暴走したブラッディが最後の力でカワリーノに復讐を遂げました。

おそらく、ブラッディはナイトメアを立ち上げた時から、ずっとデスパライアの片腕でした。
その彼の、あまりにも無残な最後を見たとき、彼女はどれほどのショックだったでしょう。




デスパライアは自分が何をしたのか思い知ったのです!

「不老不死」なんてものを手に入れるために、
カワリーノを無条件に信用した挙句、
ずっと一緒に戦ってくれたハデーニャとブラッディを殺してしまったこと
また、「ゼツボウ」が暴走すれば、自分も同じ怪物になってしまうかもしれない…

(「黒い仮面」はそのためのものだったのかもしれません)



恐怖に駆られ、力をコントロールできなくなった彼女は…
怪物の姿となり、不老不死の力で世界を壊して回るより
せめて美しい姿のまま、プリキュアに封印してもらうことを選んだのです。



《追記》
もし、デスパライア様が力の暴走を抑えることができたのなら…
封印の中で、永遠の時間をかけてブラッディたちを癒し続けているのかもしれません。





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