Yes!プリキュア5感想
〜こまちとダークミント〜


鏡の国のクリスタルから生まれた、ダークプリキュアたち。
本人の能力をコピーし、その性格をシャドウが調整しました。
だから、ベースの性格を利己的にデフォルメされています。



…ですが、一人だけ例外がいます。
キュアミントをベースにしたはずのダークミントは全く違う能力を持っているのです。


攻撃特化で弾数制限つきのダークミント
彼女はどうやって生まれてきたのでしょうか?





「守ることしかできないなんて、つまらない力よね」
「貴方だって、本当は『損』だって思ってるでしょ」
「本当のこと、言いなさいよ!」




第23話で「絶望の仮面」をつけられる前に、似たようなエピソードがありました。
こまちが一番最初に書いたキャラクター「こまちちゃん」が、彼女の内なる声としてダメ出しするシーンです。


「本当は戻りたくないんでしょう?」
「頑張ってケンカを止めようとしたのに優柔不断と言われちゃって可哀想。」
「気を遣うのももう嫌だなって思っているでしょう?」




実は「こまちちゃん」と「ダークミント」では、微妙にニュアンスが違います。

「こまちちゃん」は、こまち自身の気持ちの話です。
あくまで、直前にかれんに「優柔不断だわ!」と言い切られたことの裏返しです。

「ダークミント」は、基本的に能力の優劣の話です。
能力そのもので比べるなら、ダークミントの攻撃能力だって怪しいものです。
攻撃力はあるものの弾数制限付きで、撃ち切ったら本人が突撃するしかない。
しかも、不完全なミントシールドでも防御可能…
となれば、むしろキュアミントの「守る力」の方が優秀かもしれません。


ダークミントの場合、能力の優劣に「こまち自身はどう思っているか?」が加わっているので、話がややこしくなっています。
冷静に防御されると、弾数制限がある分だけ不利なので、揺さぶりをかけた
…とも考えられますが、ダークミントの口ぶりを聞く限り、そういう打算でもなさそうです。




では、どういうことなのでしょうか?


ダークプリキュアは、本人の性格を色濃く受け継いでいるのは明らかです。
だとすれば、こまち自身が「守る力は損だ」、
言い換えれば「攻める力が欲しい」と思っていたのです!




ダークミントが生まれたとき、こまちは「ミギリン&ヒダリン」と戦っていました。

ミラーハウスで、ココ&ナッツが、偽物と入れ替わりました。
ナッツの不機嫌な声を聴いた瞬間、こまちの表情が変わっています!
おそらくこの時点で、こまちは「ナッツさんはおかしい」と気づいています。


しかし、こまちは何も言いませんでした。
ナッツが偽物であるという確証が無かったからでしょう。



のぞみが「あなたはココじゃない!誰なの!?」と言ったとき、
こまちは何ともいえない表情をしたまま凍りつきました!


のぞみは、「ココじゃない」とはっきりと確信して行動した…
自分は、気づいたけど何もいえなかった…
ナッツがさらわれた、この大事なときに!!



間違いなく、こまちは焦っていたでしょう!
できるなら、今すぐでもナッツを助けに行きたいでしょう!
目の前のコワイナーを一刻も早く倒して、駆け出したい!





こんな状態のこまちをコピーしたから、
攻撃特化のダークミントが生まれたのでしょう

(そこから、シャドウが「ナッツへの想い」と「仲間との絆」を切り取ったため、ああいう性格になったんでしょうね。)


…だとすれば、「守るだけの力なんて『損』だよね」と言われたとき
最初は「そんなことない!」と言いながらも、答えに詰まったのは
本当にそう思っていたからなんでしょうね。



ミギリン&ヒダリン戦の後、目の前でのぞみとミルクが、わかりやすく取り乱しているので
言い出すタイミングを失ってしまった感はありますが、こまちも負けず劣らずナッツのことを心配しています。
口にこそ出しませんが、妙にそわそわしていますし、「鏡の国」に行った時も、いつもの軽口を叩きません。


こまちが、心配や不安を口に出さずにいたのは…
・「ナッツがおかしい」と気づいていたのに、行動に移せなかったことへの後悔があった
・ミルクが取り乱しているので、かえって冷静になった。
・かれんを含め、全員がヒートアップしているので、「こんな時こそ冷静に」ならなきゃいけなかった。


このあたりが理由でしょう。
何はともあれ、こまちは、ずっと自分の気持ちを抑えていました。




もしかしたら、ダークミントも同じ気持ちを持っていたのかもしれません。
「ナッツへの想い」を取り除かれているとすれば、
自分の中に「なんだか解らない」感情があることになります。
それが基で、彼女がイライラしていたのかもしれません。



「本当のこと言いなさいよ!」
…というのは、能力云々ではなく本心を語らないこまちへ対するイライラから出た言葉だったんじゃないでしょうか。

「本当はあなたも守りたかったのだけど…」
こまちのダークミントに対する最後の言葉も、「あなたも私の大切な一部」だって認めたのかもしれません。




それでも、ナッツが鏡から出てきたときも、ミルクが受け止め(下敷き?)ました。
ミルクが泣きながら泣きながら「ナッツ様〜」と出て行ったので、タイミングを失ったのでしょう。
人間、簡単には変われませんね。
時間をかけて、本当の自分とつきあうしかないんでしょうね。






追記:第42話「こまちの決意とナッツの未来」


ミントはハデーニャに「ミントリーフを目の前で生成し、シールドを収束してぶつける」攻撃をしています。
よく考えれば、この攻撃方法はダークミントと同じ原理です。
このエピソードを「劇場版の後日談」だと仮定してみると、こまちの行動はかなり興味深いです。



ダークプリキュアとの戦いで一番ショックを受けたのは、おそらくこまちです。
(ドリームとは違った意味で…ですが)
ナッツの危機に何も出来なかったこと…、
ダークミントに「本当のことを言いなさいよ!」と問いかけられたこと…、
キュアミントの力は、「大好きなみんなを守れる大切な力」と再確認したこと…、
ダークミントのもっていた、「あせり」も自分の一部分だと受け入れたこと…、




心の底では、かなり大きな変化が起きていたでしょう。
でも、結局こまちの行動は変わっていませんでした。


「ナッツへの想い」を意識した分だけ、臆病さが前に出る結果になってます。




ここまでの前提で、第42話を見てみると…
・冒頭の「これは自分の問題だから…」
・シールドを割られた後の「私じゃ無理なの?ナッツさんを守ることも出来ないの?…」
・「ずっと怖かった、勇気を出して口に出したとたんに、全部崩れてしまうんじゃないかって」


「ラストシーン」についても(本気で心配しているのは間違いないですが)、ダークミントの問いかけに対するもやもやを抱え込んでいたのが前提にあるとも考えられます。

本当に怖いのは、「ラストシーン」のときにさえ
何も出来ないかもしれない自分自身…



そんな自分を、周囲のみんなは守ってくれている。
それに気づいたからこそ、
ダークミントの技を昇華して自分のものにできたのです!






さらに蛇足…妄想ラストシーン


かれん:「さっきの凄かったわね。こまち。」
こまち:「鏡の国で、ダークミントと戦った時にね…『守るだけの力なんて損よね?』って言われたの…」
かれん:「でも、それは…」
こまち:「この力はみんなを守るための大切なもの…あのときは、そう答えたの。
     だけど、それだけじゃなかったんだって、今日、気づいたの。」
かれん:「え…?」
こまち:「私だけが、みんなを守ってるんじゃなくて、みんなも私を守ってくれてる。
     『守るだけの力』とか『攻めるだけの力』とか、そういうのじゃなくて
     これは、みんなと一緒に戦うための力…多分、そうなんだと…思う。」




こんなことを言われたら、ダークアクアを問答無用で叩き斬ったかれんの立場がないんですけどねw






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