雑感コラム
〜正義と悪の戦い方〜




2012年8月に正義とあくの戦う姿勢についての話がありました。




悪の組織論  投稿者:七味


子供向けヒーローもので本気でやるような内容ではないですが、「悪の組織が負け続けるのは何故か」とか「悪の組織が正義の味方を倒して目標を達成するにはどうしたら良いか」と大人が考察してる場所は結構あります。
組織論として考えると、悪の組織の例は現実の組織運営にも生かせる場面があるので、考察に値するという話もあるくらいで。

仮面ライダーのショッカーのような「古典的な悪の組織」の場合、首領と幹部と怪人以外に戦闘員がおり、場合によってはこの戦闘員が自らの命と引き換えにヒーローを足止めしたり、怪人がヒーローと戦っている隙に別の場所で悪事を働いたり出来る訳ですが、プリキュアでこの戦闘員に相当するものが無いなら、悪の組織の数的劣位を覆すには幹部同士の連携が必須。
初代プリキュアはペアだったので、これが相手なら怪人1体でも「1対1を2回やる」という作戦は理論上成立しますが、4人程度のプリキュアを相手に1体の怪人だと「1対1をやっていたら横から3人に攻撃された」とかになりますから、分断作戦は厳しいでしょうね。

「ヒーロー側が複数人で怪人は単体」というのはスーパー戦隊シリーズでお約束の展開で、難癖として「多人数のヒーローが1体の怪人を囲んで倒す(殺す)というのは正々堂々じゃない。こんなリンチ紛いの事を正義として肯定する番組を子供に見せるな」というのがあるくらい、怪人が不憫という見方もありますが…。







「勘違いするな!俺たちは1の力を5分割して戦っているだけだ!」  投稿者:そめスケ


>七味さん
>「ヒーロー側が複数人で怪人は単体」というのはスーパー戦隊シリーズでお約束の展開で、難癖として「多人数のヒーローが1体の怪人を囲んで倒す(殺す)というのは正々堂々じゃない。こんなリンチ紛いの事を正義として肯定する番組を子供に見せるな」というのがあるくらい、怪人が不憫という見方もありますが…。

「数の暴力」に関して言えば、戦隊の場合「敵戦闘員」がいるので数的には戦隊の方が不利なわけですけど、そこら辺は忘れているのかあえて無視しているのか。
 この手の割と野暮くさいツッコミには他にも「五つのマシンを一つに合わせたら台数が減って損じゃないか」っていうのもありますね。

 個人的にショッカーが負けているのは、「作戦に合わせて怪人を作る」のではなく「怪人に合わせて作戦を立てる」ケースが多いのが原因じゃないかと思ってます。
「新兵器を作る」「強力怪人を作る」「新兵器を奪取して怪人に搭載する」っていうのは昭和ライダーの悪の組織で頻出するパターンです。
 考えてみれば「特定の用途のために作る」通常兵器やロボット系怪人・一発生成系怪人とは異なり、改造人間型怪人は組織の中間管理職で、いわば下級幹部。作戦の後も組織のために働き続ける予定の存在なので、特定の作戦のみに従事させるわけにも行かないわけです。
 大幹部と戦闘員の間に「一芸特化の怪人」が挟まる組織構成を見ると、やっぱりこいつらは「改造人間製造ありき」の組織(世界征服はついで)なんじゃないかとも思えてきます。

 まあ、たびたび再生怪人が登場したり一部怪人は量産されていたりするようなので、ライダーと戦った「1号機」はいわばプロトタイプで、その後ライダーとの交戦データを反映しつつ構造を簡略化した(再生怪人は弱い)量産タイプが改造され、画面外で作戦に合わせて投入されているのかも知れませんが。







悪の組織がなぜ負けるのか  投稿者:自律神経衰弱男


広い宇宙ではどうかはわかりませんが、少なくとも地球人の大半を侵略しようと思ったならば、力だけではなく、侵略者が力を振るうことにどれだけの「正当性があるか」を主張しないと、だれもついてこないと思います。今から国会にテロリストが占拠しに行って「今から日本は俺たちのものだ、従うように」と全国放送したとします。どれだけの人が言うとおりになるかというと、ほとんど相手にしないんじゃないでしょうか。

また、おそらく侵略なんてしよう勢力ですから、侵略対象の文化や歴史は相当ナメてかかっているものと思います。よく悪の怪人が友情や愛や命の尊さをバカにしたりとかすることからそれがうかがえます(私の知る限りではオーレンジャーのバラノイアの面々なんかがそうです。…の割に、皇室つまり家族が勢力の中心だったり皇帝バッカスフンドと皇妃ヒステリアがアツアツカップルだったりと言ってることと態度が全然違うなんてことも多々ありますが)。

力だけでなく
・侵略対象に対して正当性を主張する
・対象の文化を入念に調べ、研究する

この二点を最低でも踏まえていないと、正義を愛し、友情を信じ、人々の命を守るヒーローを屈服させ地球を手にすることはできないでしょう。力のみでナメてかかると、すごかがでもいうようにおよそ一年に渡る「ゲリラ戦」の末に毎週毎週次々と怪人が倒されてジリ貧になり、本拠地を壊されて崩壊!なんてことになるでしょう。侵略方法を腕力に固執しているようならば、その時点で彼らの負けは決まっているようなものかもしれません。実際の例でいうと、アメリカ軍がイラク戦争後のイラクに駐屯して、「まあ日本ともまあまあ仲良くやったし、イラクともきっと仲良くやってけるだろう」とタカくくって歴史や文化の研究を怠っていたばかりに、今でもきな臭い事件が後を絶たない…といったとこでしょうか。一寸の虫にも五分の魂。たとえ自分から見て弱小な勢力でも、その文化をきっちり調べておかないと、征服なんてできっこないということではないでしょうか。イカ娘も触手ばかりにたよってはイカんということです。

・では正義側はどうやって勝ってるんじゃい!
>そめスケさんの通り、戦隊などのチームが悪と戦うにしても、悪も戦闘員が出てきたり、五人六人で戦わないと勝てないような強い敵が大半だという見方もあります。メンバー全員で戦わないと勝てない。しかし逆に言えば、『負けなければよい』ということでもあります。つまりゲリラ戦に徹することです。戦いの基本は「やられるまえにやる」「やられたらやりかえす」の二択だろうと思いますが、すごかが世界では「やられたらやられたで、その時に対処する」という意思なのでしょう。滅多なことでは攻撃に転じません。テクノロジーも実力も遥かに上の相手を叩くには、ゲリラ戦に持ち込んで消耗戦に徹することより他にないとわかっているからです。…思えば大抵、悪に侵略されている星は、争いのない平和な星でした。地球の人間は有史以来絶え間ない戦争と平和の時代を繰り返していたからこそ、悪の侵略者に対する抵抗力を身に着けたのかもしれません。戦いに明け暮れている者でしか、平和を守れない。それだけが真実だとしたら、ヒーローの戦いは本当に終わりがないのかもしれません・・・







ゼロは何倍してもゼロだ!  投稿者:七味


> そめスケさん

ランチェスターの法則を適用すると、1の戦力を5分割する戦力と、1の戦力をそのまま1として使う戦力が戦うなら、戦力を分割しない後者が勝つという事になるから、ヒーローはあえて不利な状況に自らを追い込んでるという事ですね。

> 「数の暴力」に関して言えば、戦隊の場合「敵戦闘員」がいるので数的には戦隊の方が不利なわけですけど、そこら辺は忘れているのかあえて無視しているのか。

戦闘員は弱く、一般人より強くてもヒーローや怪人の強さに比べればずっと弱いから、戦力として計上しないという事でしょうね。
騎士以外の雑兵は戦力として計上しないとか、戦艦以外の補助艦艇は戦力として計上しないとか、そういう話に近いと思います。

> この手の割と野暮くさいツッコミには他にも「五つのマシンを一つに合わせたら台数が減って損じゃないか」っていうのもありますね。

「合体せねば真の強さが発揮できないなら、最初から合体状態を基本とした分離しないメカを作ればいい(それとは別に戦闘機型や戦車型を作ればいい)じゃないか」というのも。

> 個人的にショッカーが負けているのは、「作戦に合わせて怪人を作る」のではなく「怪人に合わせて作戦を立てる」ケースが多いのが原因じゃないかと思ってます。

「兵器(技術的要請)に合わせて作戦を立てる」方針で大失敗したのは、第一次世界大戦のドイツのシュリーフェンプランが有名でしょうか。


> 自律神経弱男さん

> どれだけの人が言うとおりになるかというと、ほとんど相手にしないんじゃないでしょうか。

その時点で警察に対処不可能な懸案なら自衛隊に治安出動がかかると思いますが、地球のテロリストと違って地球の兵器では歯が立たない侵略異星人が相手だと、自衛隊や在日米軍でも歯が立たない可能性が高く、そうなった時に「地球人は皆殺しだ」と言われたら死に物狂いで抵抗する人も居るでしょうが、「抵抗したら殺すが服従するなら命は助ける」と言われたら、かなりの人達が抵抗を諦める可能性も高いと思います。
勿論、その約束が破られて服従した人も殺されたらどうなるか解りませんが、抵抗してもしなくても殺されるなら、絶望する人は相当数になるでしょうね。

> 私の知る限りではオーレンジャーのバラノイアの面々なんかがそうです。…の割に、皇室つまり家族が勢力の中心だったり皇帝バッカスフンドと皇妃ヒステリアがアツアツカップルだったりと言ってることと態度が全然違うなんてことも多々ありますが

バラノイアの命の価値と地球人の命の価値(双方の人権)が等しくないという前提ならば、「バラノイアの愛は尊いが、地球人が愛を説くのは滑稽である」というのは矛盾なく成立します。
「優秀な人種である白人の命や愛や文化は尊いが、劣等な人種である黒人の命や愛や文化は無価値で滑稽である」と、真面目に説かれていた時代は地球にもありますから。

> イカ娘も触手ばかりにたよってはイカんということです。

武力で侵略は成功する見込みがないですが、(本人の意思とは無関係に)敬愛されて人間社会に溶け込み、いつの間にか信頼を勝ち取ってる。というような「人類を心理的に籠絡」は成功しそうな気もするんですよね。
実際、(本人の意思とは無関係に)小学生や中学生を相手には相当な人望(?)があり、居るだけで場を和ませたり喧嘩を仲裁したりするカリスマは天賦の才だと思います。

> では正義側はどうやって勝ってるんじゃい!

もしも、悪の組織の目的が「地球の征服」ではなくて「地球の破壊」だったら、待っているだけでは死んでしまいます。
トップをねらえの宇宙怪獣は、地球を含む太陽系の破壊が目的でしたから、地球で待ち構えている訳にいかなかったように。

あるいは、マジンガーZのDr.ヘル軍団なども、日本の他の地域を機械獣で蹂躙したり日本に敵対的な近隣諸国などを密約の上で自作自演的に攻めて、「光子力研究所とマジンガーZが抵抗するから死者が出る。悪いのは光子力研究所だ」と宣伝されたら(もちろん、実際は子供向け番組にそんな政治的な内容は盛り込めないという大人の都合があるので不可能ですが)、正義の味方側がゲリラ戦に必要な「民衆の支持」を失い、正義の味方側が追い込まれる事はありえるでしょう。
実際、それに近い状況になって悲惨な目に遭ったのがザンボット3でした。







正義のゲリラ戦  投稿者:KS


桜多吾作版の『グレートマジンガー』では実際にありましたね。

地獄大元帥(=ドクターヘル)が一都市を焦土にした上で「自分は恨み重なるマジンガー一味に復讐できれば日本国と本気で敵対する気はない。連中を差し出せば日本への攻撃は停止するが、あくまでもマジンガーに与するのであれば第二第三の大規模攻撃を行う」と通告。
苦悩の末に日本政府はマジンガー切り捨てを決意。防衛軍(自衛隊)に攻撃された科学要塞研究所は施設ごと逃亡し(潜水・航行能力あり)、各地で物資を調達しながらゲリラ戦を展開するというストーリーです。
まあ、調達と言ってもぶっちゃけ「強奪」なんですがw

戦うために育てられた鉄也が「周りは全て敵、24時間全て戦い」という状況で妙に生き生きとしたり、剣造博士が「逃亡生活には娯楽が必要」と言って食料や弾薬ばかりでなく麻雀牌をガメてきたり……。

またゲリラ戦ではありませんが『ビデオ戦士レザリオン』では、敵が善意の第三者を装って平和主義の市民団体(彼ら自体には悪意なし)をけしかけて、レザリオンに関する情報公開を迫るデモを起こさせるなんて事もありました。
(戦略的にも倫理的にも、レザリオンに関する情報は秘密にするしかない)






お約束を成立させるために  投稿者:そめスケ


>七味さん

>ランチェスターの法則を適用すると、1の戦力を5分割する戦力と、1の戦力をそのまま1として使う戦力が戦うなら、戦力を分割しない後者が勝つという事になるから、ヒーローはあえて不利な状況に自らを追い込んでるという事ですね。

 まあ「1の力を5分割して〜」っていうのは

巨大ロボットに乗り込んで戦うが五体の小型ロボに翻弄される宇宙暴走族ボーゾック・副長ゼルモダ「おめえら、5体1だぞ! 卑怯だとは思わねえのか!?」
VRVファイターの連携攻撃で敵を翻弄する激走戦隊カーレンジャー・レッドレーサー「勘違いするな! 俺たちは1の力を5分割して戦っているだけだ!」

 という一幕がありまして。集団ヒーローのタブーに思い切り触れて開き直った発言をしたわけですね(笑)
 ちなみにこの後、激走戦隊カーレンジャー・グリーンレーサーが「けど、そんなふうに言われると卑怯な気もしてきたな」と発言し、五体のVRVファイターはVRVロボへと必勝合体。
 結果として「1の力を1のまま使う」こととなったわけであります。
 大型ロボ級であるVRVロボより小型ロボ級であるVRVファイターの方が小回りが利き、大型ロボ級搭乗のゼルモダは(両陣営とも空戦能力はさほどなく、そもそもボーゾックは宇宙暴走族であんまり頭がよくないこともあって)キリキリ舞いさせられたわけですな。


>戦闘員は弱く、一般人より強くてもヒーローや怪人の強さに比べればずっと弱いから、戦力として計上しないという事でしょうね。
>騎士以外の雑兵は戦力として計上しないとか、戦艦以外の補助艦艇は戦力として計上しないとか、そういう話に近いと思います。

 エピソードによっては、戦闘員の一群が戦隊ヒーローを足止めしている間に、別の一群が作戦目標(人物なりアイテムなり)を持ち去ろうとすることもあり、案外馬鹿には出来ません。
 まあ、「はっ!? 待て!」とヒーローに気付かれて飛び蹴り一発で肉薄・妨害されてしまうケースがその半分くらいを占めているんですが(笑)


>「合体せねば真の強さが発揮できないなら、最初から合体状態を基本とした分離しないメカを作ればいい(それとは別に戦闘機型や戦車型を作ればいい)じゃないか」というのも。

 最近だとゴーバスターズが「ゴーバスターオー状態だとエネルギー消費が激しく長時間戦えないので、敵の目前で合体することでエネルギー残量を確保する」といった理屈をつけていましたね。
 また、ファンタジー系・ナマモノ系の戦隊の場合は「バラバラのものを一つに合わせることで、分離時の戦力の総和を超えるパワーを出せる」という性質があるようです。


 他にも理屈をつけるとしたら「巨大ロボットはあまりに強大なパワーを持っているので、安全のために分離させておき、合体しないと真価を発揮できないようになっている」とかでしょうか。
 戦隊ではこういった側面が強調されることが少ないですが、勇者シリーズの一部なんかはこのパターン(外部からの合体指令がないと合体出来ない)が見られますね。
 ジェイデッカーなんかパトカーとトレーラーが合体する警察ロボのくせに、空軍の無人戦闘機系ロボと空中戦やって圧勝したしなぁ……







数の暴力  投稿者:龍崎海


>七味さん
>戦闘員は弱く、一般人より強くてもヒーローや怪人の強さに比べればずっと弱いから、戦力として計上しないという事でしょうね。
それはちょっとずるいんじゃないかと思いますね。
だって多数でいじめを実行していたら、実はそいつはめちゃめちゃ強く一蹴されたとして、それで相手が強かったらずるいっていうようなものだと思います。

>「合体せねば真の強さが発揮できないなら、最初から合体状態を基本とした分離しないメカを作ればいい(それとは別に戦闘機型や戦車型を作ればいい)じゃないか」というのも。
合体する機能が後付けとかあるのでは?

>KSさん
これってちょっとおかしくないですか?
だって地獄大元帥はマジンガーに負けっぱなしなのですよね?
なら地獄大元帥にさえ勝てない軍がマジンガー一味に挑んだ所で勝ち目なんてないと思うのですが?
その後、彼らがそれを恨みに思って無差別攻撃を開始したらどうするつもりなのでしょうか?
それなら、マジンガー一味と共闘して、彼らを差し出すと見せかけ地獄大元帥を引きずりだし、倒したほうがはるかにましの様な気がするのですが?







ダイナミックプロの本気  投稿者:KS


龍崎海さま

この漫画版だと、地獄大元帥はこの作戦から登場したんですよ。
一応説明しますと、地獄大元帥というのは前作『マジンガーZ』の敵ボスであるドクターヘルを、ミケーネ帝国が復活させて新司令官に据えたものです。
要するに「ドクターヘル時代の恨みがある」という主張にそれなりに説得力があるのです。
しかも戦闘獣による攻撃ではなく核兵器で都市を滅ぼすという従来とは異なるやり口を実行して威嚇。グレートマジンガーは戦闘獣には勝てても、核攻撃には対処が難しい。しかも複数箇所で同時に実行されると打つ手はなくなります。

で、科学要塞研究所側としても防衛軍と戦えば圧勝確実であっても、守るべき人間に対して直接攻撃するのはさすがに実行できません。後に、ゲリラ戦のために物資を強制挑発するのはセーフであっても。
しかしミケーネが約束を守るとも思えないから降伏して武装解除も愚策。ぎりぎりの妥協として防衛軍との交戦を避けて逃亡するしかなく、その結果食料調達さえままならない状態に陥るのです。

マジンガー一味との戦いの経験が長く現代人の心理に通じた地獄大元帥は、そこまで読んでこういう作戦を立てた訳です。何しろ前任者の暗黒大将軍を始め、ミケーネの連中はかなり偏った社会を形成していた古代人なので。

なお、もちろん約束を守るはずなどなく、マジンガーを追い出した日本はミケーネ帝国に蹂躙されるのですが。







正義の味方は悪事を働いても良い  投稿者:七味


> そめスケさん
> 「けど、そんなふうに言われると卑怯な気もしてきたな」と発言

合体して1機になったから卑怯じゃないというのは詭弁で、「分離状態のメカどれか1機だけ」で戦えば卑怯じゃないんですよ。


> 龍崎海さん
> それはちょっとずるいんじゃないかと思いますね。
> だって多数でいじめを実行していたら、実はそいつはめちゃめちゃ強く一蹴されたとして、それで相手が強かったらずるいっていうようなものだと思います。

A軍:長門型程度の強さの戦艦5隻。
B軍:大和型程度の強さの戦艦1隻と19世紀型の旧式水雷艇20隻。

お互い逃げも隠れもせず、全滅するまで戦うとしたらどちらが有利か。
実際はやってみるまで分からないにしろ、普通に考えれば戦艦を5隻持っているA軍が1隻しか持っていないB軍をタコ殴りにする展開になる可能性が高いので、それは卑怯ではないか?
というのが「戦闘員は数の暴力における戦力として計上しない」意味です。別働隊として有力である可能性とかは一切考えず、直接殴り合った場合の強さだけを考えています。

怪人の強さが10、5人編成の戦隊ヒーローの1人あたりの強さが4とすれば、タイマンではヒーローが不利ですが5人が協力すれば20の強さになって怪人の倍強い。
もし、タイマンでも怪人と互角の10の強さがヒーローにあるなら、5人で50になり、怪人の5倍も強く、これは卑怯だという話になるでしょう。
この場合、戦闘員の強さはゼロなので、ゼロは何倍してもゼロですから戦力として計上しません。

強力なヒーローや敵を前にしたらザコ(防衛軍や戦闘員)は戦力に数えないというのは、「ストームトルーパー効果」という話として通用するくらいには一般的かと思います。

> 合体する機能が後付けとかあるのでは?

現実世界で合体分離機能があるメカ(鉄道や宇宙船など)は、全て最初からそのように設計されて造られています。
合体前後で重量配分とか配線とか結合部分の強度とかが変わりますから、展示用の模型ならともかく、戦闘に使うメカが「なんか改造したら合体出来た」というのは非現実的。
「合体すると強い」とか「エネルギーセーブの為の分離機能」のような理屈は『すごい科学で守ります』のようなフィクション世界ならば通用するが、逆に言えばフィクション世界でしか通用しない理屈だから、突っ込まれる(そしてそれに突っ込むのは『空想科学読本』的な事であり野暮である)という話です。

ガンダムにしても、そもそもMSが人型である意味は現代科学では説明不能ですし、兵器の人型を肯定してもガンダムのコアブロックシステムやVガンダムの合体変形機能など意味不明な機能を持っているMSは多いですが、科学考証として粗を探せば幾らでも突けますから。


> KSさん

やはり、単純な武力だけでなく民心の分離などの心理攻撃をしてくる敵の方が「戦いにくい」のは確かだと思います。

> 後に、ゲリラ戦のために物資を強制挑発するのはセーフであっても。

これがセーフならアウトな行為など無いだろう…という突っ込みは野暮ですか。







にちあさ  投稿者:そめスケ


>七味さん
>合体して1機になったから卑怯じゃないというのは詭弁で、「分離状態のメカどれか1機だけ」で戦えば卑怯じゃないんですよ。

 その時の相手が決戦機クラスの代物(ノリシロン・ファイナル)なので、分離メカ一体だと戦力が……

>(そしてそれに突っ込むのは『空想科学読本』的な事であり野暮である)という話です。

 まあ、常識的な軍事的理屈が通用するような敵だったら、実働部隊がたった5人標準のチームに地球の命運を背負わせるまでもなく、通常軍事力で何とかするのが筋ですしね。
 ノンフィクションの世界ではフィクションが無力なように、フィクションの世界ではノンフィクションは無力なわけです。

 というかですね。こういうお約束に突っ込む人って(五機合体はともかく、5VS1の方は)「これは卑怯ではないのか。ヒーローとして視聴者たる子供への教育上いかがなものか」って言いたいだけの人で、ストームトルーパー効果なんて無意識にも認識していないケースが大半じゃないのかなと(笑)

 時代劇の斬られ役のみなさんだって黄門様パーティの前では鎧袖一触、まさに戦力としてゼロ扱いされてもおかしくないのに、あっちは「少人数を多人数で圧倒しようとする卑怯な悪党」って認識される理不尽。
 見た目で怪人>ヒーロー>戦闘員と分かりやすく記号化されているのが原因かな……







ストームトルーパー効果  投稿者:龍崎海


>七味さん
>お互い逃げも隠れもせず、全滅するまで戦うとしたらどちらが有利か。
この例の場合、B側がA側を非武装のただの船舶と思い、停泊中の船舶を数を頼りに襲い掛かってきたら、本当は最新鋭の戦艦だったという感じではないでしょうか?
または、最新鋭の戦艦だったとしても、Aは自衛権しか行使できないのに、それらをすべて承知でBが自ら襲い掛かってくるようなものではないでしょうか?
ちょうど、現在の某半島の南側のような感じで。
その場合、それを弱い者いじめというのは筋違いのように感じます。







フィクションだからこそスポーツマンシップの尊重を  投稿者:七味


> そめスケさん
> ノンフィクションの世界ではフィクションが無力なように、フィクションの世界ではノンフィクションは無力なわけです。

フィクションの世界でも「重力はノンフィクションの世界と同様に存在する」とか「音波はノンフィクションの世界と同様に存在する」ような場合も多いので、全てのノンフィクションはフィクションに通用しない訳でも無いでしょう。
微妙なのは、例えば「強力なエンジンさえあれば自動車はどこまでも加速する(タイヤと路面の摩擦等の要素を考えていない)」とか「最も固い物質であるダイヤモンドは絶対に破壊できない」ような、ノンフィクション物理学ですね。
逆に、100年前はフィクションだった事が現代ではノンフィクションになっている事もありますから、線引きが難しい側面もあります。

> 「これは卑怯ではないのか。ヒーローとして視聴者たる子供への教育上いかがなものか」って言いたいだけの人

まあ、極端な例になると「正義の為なら私刑も許されるという誤った思想を教える事になるから、怪人をヒーローの独断で殺すのはけしからん。現行犯逮捕して司法に委ねるべき」って言う人も居ますから。
そんな事を言い始めると、警察や科学特捜隊のような公的に認可された組織ではない私人であるヒーローが武器を持ったりしたらその時点で法を犯してる(自称正義の味方が悪事を働いている)事になる訳で、多くのヒーロー番組は成り立たないですが。

> 時代劇の斬られ役のみなさん

やはり見た目でしょう。
役割の上で黄門様を傷つけられないというお約束はあっても、もしも刀で切られれば黄門様だって死にます。そして助さんや格さんも悪党が持っているのと同等の武器で戦い、決して機関銃や擲弾銃を持ち出したりはしません。
つまり互いの武器の性能は対等で数が多いのも悪党だが、黄門様たちは武器の扱いの上手さや技の匠で悪人を懲らしめるから「黄門様は不利な状況を跳ね返して勝った」と言えます。
もっと言えば、悪党は殺す気で斬りかかってきますが、黄門様たちは基本的に手心を加えて悪党を殺さず、印籠によって改心させます。

しかし、ヒーローの場合は明らかに武器の性能(変身スーツの性能やロボットの性能)が悪の戦闘員より上で、「数的な不利を跳ね返して勝って当然」となります。
例えば仮面ライダーなら「怪人バッタ男」としての身体能力が備わっているので、単純な戦闘能力でショッカー戦闘員より弱いという事は考えられないでしょう。
兜甲児が幾ら正義を愛する心を持っていてもマジンガーZが無ければDr.ヘルには勝てませんし、アムロが初陣で生き残れたのはガンダムの性能のおかげです。
そういう有利な武器がヒーローだけの特権として存在するから、「ヒーロー側が卑怯である」という言説の付け入る隙(?)を与えてしまうのだと思います。

悪人側が正々堂々を重んじる必要はありません(正々堂々を破ってこその悪人)が、正義の味方は悪人が正々堂々でないからといって自分達も正々堂々を破って戦って良い訳では無いという話ですね。


> 龍崎海さん
>> 別働隊として有力である可能性とかは一切考えず、直接殴り合った場合の強さだけを考えています。

というのは、お互いがお互いを敵と認識し、どちらも停泊中などの無防備な状態に無く戦闘可能な状態で、どちらが先に撃っても良いという仮定の例え話です。
A軍=ヒーロー側は多くの作品において非武装の民間人に偽装してる訳でも無いし、専守防衛で自衛権しか行使できない訳でもありません。
ヒーローが変身せずに生身のまま戦うような状況であれば別ですが、そうでないなら「ストームトルーパー効果」は有効でしょう。

> その場合、それを弱い者いじめというのは筋違いのように感じます。

多くの戦隊シリーズでは「まず多数の戦闘員と戦い、その後に怪人と戦う」という順番で戦闘が処理され、「怪人と戦闘員が連携して襲い掛かってくる」という状況は少ないです。
怪人と戦闘員が連携してくる状況があっても、結局戦闘員は殆ど何の戦果も残せずにやられて行き、最終的にヒーローと怪人だけの勝負に落ち着くので、結果は同じ。
その時に「多人数で編成されるヒーローが単体の怪人を囲んで倒す」という"絵"が問題視される(難癖をつけられる)という話をしただけです。







フィクションのなにが怖いかって  投稿者:そめスケ


>フィクションの世界でも「重力はノンフィクションの世界と同様に存在する」とか「音波はノンフィクションの世界と同様に存在する」ような場合も多いので、全てのノンフィクションはフィクションに通用しない訳でも無いでしょう。

 フィクションをノンフィクションで語りきれないのは、ノンフィクションが通用する時と通用しない時がある、さらに言えば「ノンフィクション側」の力関係すら逆転するということですね。
 拳銃弾の一斉射を浴びても平然と襲い掛かってくるロボット兵士が、特に身体強化された形跡のない空手の達人に蹴散らされたりする業界ですから……
 あと、多分質量保存則とエネルギー保存則は彼方に追いやられてます(笑)


 空想科学読本のツッコミを逆に読むと「物理的・生物学的な制約を振り切った生き物=怪人や怪獣」と表現することも出来るでしょう。
 彼らに対抗出来るのは「フィクションの力」そのものか、ノンフィクションの中でも「突拍子もない思いつき」、言い換えれば「フィクションに限りなく近いノンフィクション」しかないのかも知れません。

 ……だからウルトラの防衛チームでZATが強いのか!(どんな結論だ)


>まあ、極端な例になると「正義の為なら私刑も許されるという誤った思想を教える事になるから、怪人をヒーローの独断で殺すのはけしからん。現行犯逮捕して司法に委ねるべき」って言う人も居ますから。

「第二条補足。場合によっては、抹殺することも許される!」
 ……ジャッジメントや圧縮冷凍はまだ穏便な方なのかなぁ。







無題  投稿者:D.N


>七味さん
>怪人をヒーローの独断で殺すのはけしからん。現行犯逮捕して司法に委ねるべき」って言う人も居ますから。

「鉄腕バーディ」という漫画で宇宙犯罪者を逮捕しにやってきた宇宙連邦警察官のバーディが日本の特撮を見ながらそういう突っ込みをいれてました。
マジメな話「独断で決める」ってのは「間違ったときには決めた奴が全責任を負う」ってことになりますから、少なくとも生殺与奪に関しては個々の人間に出来る範囲を越えています。
その漫画には「悪・即・斬」なキャクターも出てきますが、そいつらは「宗教団体子飼いの暗殺者」です。
まあ、そういった意味合いを別にしても「跡形もなく吹っ飛ばす」よりは「戦闘能力を奪って生け捕りにして情報を得る」ほうが遥かに有益ですからね。
仮に無人のロボット兵器でも手がかりにはなりますし。






ヒーローの心得  投稿者:七味


> D.Nさん

バーディの場合は自身が警察官であり、また怪人のような凄い力を持った犯罪者を力づくで取り押さえられる実力があるから言える事でしょう。
現実世界を基にした世界で描かれる特撮ヒーローの場合、ヒーローが怪人を取り押さえて日本の警察なりに引き渡したとしても、その後に脱走する可能性がかなり高いから、何とも言えないと思います。
怪人が脱走しようと思えば人間向けに造られている鉄格子など無意味でしょうし、警備していた人が殺される事もあるでしょう。
ただの人間相手にも脱走できない程度に痛めつけるが殺しはしないというのも、怪人の能力によっては難しいです。強力な再生能力があったり、人間を洗脳して意のままに操る能力があったりしますから。
なので現実社会に極めて近い世界に怪人という特殊な存在を前提にすると、市民社会の安寧の為に「ヒーローが怪人をその場で処刑」という判断は(ヒーローが法と正義を尊重する限り)ベストではないがベターな選択ではないでしょうか。
勿論、これは架空世界でしか通用しない理屈(フィクションの嘘を肯定するための辻褄合わせ)で、「もしもヒーローが自分の力に酔いしれて悪の野望に目覚めたら誰も止められないだろ」とかの別の突っ込みは当然ある訳ですが。

> 「跡形もなく吹っ飛ばす」よりは「戦闘能力を奪って生け捕りにして情報を得る」ほうが遥かに有益

ヒーローが敵を捕らえて尋問しようとした場合のお約束としては、
1、敵が嘘の情報でヒーローを罠にかける(囚われる事は作戦のうち)。
2、敵が自殺する(生きて虜囚の辱めを受けず)。
3、敵がヒーローを巻き込んで自爆を計る(刺し違えてでもヒーローを殺す)。
4、どこからか刺客が現れて囚われの敵を殺す(刺客は隣にいるヒーローを狙えよ)。

尋問はだいたい成功しないというのはありますが、そういう話の展開を別にしても、怪人や戦闘員が体内に自爆装置や有毒な物質などを持っている可能性を考えると、捕虜にするのもリスクが伴うでしょう。
体内に自爆装置や有毒な物質を持っているかもしれない敵を後先考えずに殺して、後始末せずに去って行って良いのかという別の問題もありますが。







無題  投稿者:龍崎海


>七味さん
>怪人をヒーローの独断で殺すのはけしからん。現行犯逮捕して司法に委ねるべき」って言う人も居ますから。
ヒーローの立場次第ではないかと思います。
国家が裏とはいえ公認しているのなら、射殺許可がすでに認められているのかもしれません。
又は、怪人はペットのように人間ではないので、器物破損扱いなのかもしれません。暴走する機械を物理的にとめているという認識なのかもしれませんし。
そもそも、国家が怪人の存在を認めていないのでしたら、法的処置が不可能なので捕獲しても解放されるだけという危険性もあるますしね。







怪人を殺して平気なの?  投稿者:水貝


 法律があるにしても次元獣や不思議獣みたいなビロビロと生まれるような生態兵器やバルバンやザンギャックみたいな宇宙人や戦士が一個人で攻めてくるのでは違うんでしょうけど、前者はまぁいいとして後者はどうなんでしょ。

タイムレンジャーの囚人やデカレンジャーのアリエナイザーの一部は殺さずに逮捕という場面がありましたけどこれはもう捕まって刑が確定してるか罪的にはそれでもない人たちでしたし。

 特に敵の情報が必要ないカーレンジャーやゴーカイジャーはそういうことは考えてませんでしたが、戦争をやっているチェンジマンはそのあたりをやっていましたよね。逆に情報が欲しいのに出てくるのは意思の無い次元獣や個人の前にしか姿を現さない幹部ばっかなジェットマン辺りは大変だったでしょう。

 根本的には怪人を捕縛・拘束する手段がないというのが原因のような気がします。怪人一人でもヒーローでは押さえつけられないくらいパワーあふれる連中が大概ですし。
捕まえても脱獄したり自爆したりどこからかナイフが飛んできたり嘘の情報をつかまされたり逆にこっちの情報をとられたりと、捕まえてもデメリットの方が大きいですし。無理に捕縛しようとしてさらに甚大な被害になったら目も当てられない。
怪人捕縛はたとえ公的なヒーローでも「したくても出来ない」が実情ではないかと。
こう考えると圧縮冷凍の技術を実用化した西暦3000年くらいにならないと「怪人の捕縛」はヒ―ロ−の選択肢に入らないのでは?

 宇宙刑事やけっこうチンピラなボーゾック構成員を抹殺する普段は「逮捕だ〜」と言っているシグナルマンをみると宇宙的な法律として「対バイオロン法」的なものがあるのかなぁ、個人で一定の脅威に対して処刑も視野に入れた捜査活動ができる権利。
これに対する暴走の危険を減らすために作られたのが「ジャッジメント」とか。







ヒーローの暴走  投稿者:そめスケ


>「もしもヒーローが自分の力に酔いしれて悪の野望に目覚めたら誰も止められないだろ」とかの別の突っ込みは当然ある訳ですが。

 デカレンジャーの場合はデカベースに変身管制システムがあって、デカレンジャーのスーツを強制解除する機能がありましたね。
 この場合、携帯変身アイテムにスーツを内蔵している特キョウは影響を受けませんが、彼らは一段上のエリートなので……(長谷川総統が、本来はテツにはパートナーがいたのでは? という説を唱えているので、もしかしてツーマンセルで互いの暴走を抑止するという効果を見込んでいるのかも)

 でもってそのデカベースをアブレラに乗っ取られてデカベースロボを都市破壊に使われた際は、宇宙警察本部から大部隊がすっ飛んできました(アブレラはそれを見越して罠を張っていましたが)。
 強化スーツを基地から伝送している面々はその分セーフティも備えられているとは思います。

 また、それ以上に強大な巨大ロボ系はより慎重に管理されています。
 ゴーバスターズなんか、第一話でCB-01がモード変換するだけでアナウンスが入っていて、整備以外でも多数のスタッフが関わっている印象があります(その割に合体データが消えたら手計算頼りになってましたが)
 亜空間からやってきたビート組とは違い、初期三人とその周辺は基本的に「紐付き」と言えますね。

 ……言う事聞かない隊員に対してリュウヤ隊長が「緊急システム(タイムロボ・タイムシャドウ)を出してやらん」という方向に出たタイムレンジャーですけど、タイムファイヤー関連やクロノスーツ自体は特に手つかずだったんですよね。
 まあタイムレンジャーは全体が「リュウヤ隊長の陰謀」に沿って進むので、それはそれで問題はないのか……?







法と悪  投稿者:KS


『チェンジマン』の場合は「敵組織は被征服種族から徴兵した寄り合い所帯であり、味方の長官は実は最初からそれを知っている」というのも大きかったのでしょうね。最終的にゴズマに瓦解をもたらしたのは単純な勝敗だけでなく「これまではいなかった離反者の出現」ですし。
星王バズーもその危険を熟知していたからこそ、圧倒的な恐怖政治という鞭と同時に「実力者には功績に応じて母星の安堵や復興などを約束する」「更に有望な者は『王子』として自分の身内に取り立てる」「強い怪人をスター扱いして、その活躍を支配下の惑星で放送する」というさまざまな飴も用意してたのでしょう。

さて、悪の組織への法的対処という話。
例えば現在の日本でペルセウスゾディアーツが学友を石化しても、これを殺人や傷害に問う事は出来ません。怪人が変身にするとか、生き物を石にするとかは法律で想定されていないものであり、仮に逮捕して法廷に引っ張り出したとしても有罪に持ち込むのは不可能でしょう。呪いや魔法はもちろん、極論すれば怪人が既存の科学では定義されていない毒で人を殺しても法的には因果関係が証明できないので不能犯扱いです!
毎回異なる能力を持った怪人による作戦行動に、現行法(というよりは近代法の精神)で対処するのは不可能です。グロンギ事件を「犯罪」や「戦争」ではなく「未知の動物による獣害=細かい事情を斟酌する前にとりあえず駆除」として取り扱った『クウガ』の警察の対応は正しかった訳ですし、ほとんどのヒーローものが「無法の悪VS超法規のヒーロー」になるのもやむなきかな。
それでも何とかしようとすると、対バイオロン法のように「組織そのもの」「××獣というカテゴリ」を違法と定義して対処するのが打倒なのでしょうね。恐らくマクーなどの宇宙犯罪組織に対しても同様の措置が取られているのだと思われます。相手が異次元使いで拘束が難しい、戦力が国家レベルという問題もありますが、銀河連邦警察は慢性的な人手不足の上に地球は辺境です。マクー構成員を捕獲・護送・投獄するのは困難なのかも知れません。
(恐らくデカレンジャー世界の法体系は「既知世界のあらゆる異星人に対応可能」なレベルで制定されているでしょうし、タイムレンジャーは「30世紀の地球」という実は以外に狭い地域の国内法として整備されているはず)






怪人と生殺  投稿者:鐸碑


怪人とその生殺与奪問題については、昔は比較的ルーズでしたが最近の作品では気を使ってますね。

戦隊の方では、生きた地球人が敵だったのはゲキレンジャーのリオと封印されてただけの三拳魔(リンリンシーは死んだ拳士のアンデッド)まで遡り、ボウケンジャーのネガティブシンジケート位
地球への外部からの侵略者でかつ外見的にも人間でないモノが敵になってますね。
例外的なのは宇宙人だが人権が認められ犯罪者として審判が下されてるデカレンジャーのアリエナイザーと脱獄囚が再逮捕されてるタイムレンジャーのロンダーズファミリー位で。

平成のライダーは、グロンギが特殊な力を持った異文化人類ですが、アンノウン、ミラーモンスター、オルフェノク(死者)、アンデッド、魔化魍、ワーム、イマジン、ファンガイアと人類でない怪人の設定に苦心して来ています。
例外的に罪なきワームやファンガイアとは和解してますし。
平成第二期(W以降)に入ってから、ドーパントやゾディアーツと言った力を得た人間が敵として出てきますが、これらは殺害することなく暴走した原因であるメモリーやスイッチを破壊し、元の人間に回帰させ改心を促すという方向にシフトしてます。

このあたりのヒーローで見せたいものというのは、対話や法律といった平和的手段の及ばない理不尽な暴力があった場合には、戦ってでも守らないとならないものや場合もあるという所ではないでしょうか?
マクロな視点での理不尽な暴力に対抗する機会は多くの人に訪れることはないでしょうが。
謂れのない苛め等個人的なスケールで、理不尽な暴力にさらされて対話や権力の介入で解決しないケースもあるでしょう。
そうした時には、闘争(必ずしも手段は暴力とは限らない)が必要になることもある、そういうメッセージなんじゃないでしょうか?







悪の組織と現実の関係  投稿者:自律神経衰弱男


昭和仮面ライダーの時代は、冷戦下が続き、また日本の法律も、弱者の救済も今ほどではなかっただろうと思います。大きな悪ほど、徒党を組んでいるものという考えだったのではないでしょうか。原作版仮面ライダーではショッカーの正体は日本政府そのものですし、テレビでも怪人がちゃんと戦闘員を指揮し、統率している。大きな組織=悪だったという時代だったのではないでしょうか。

ここら辺が、クウガあたりから敵が組織的なものではなく、よくて単独犯の集まりに過ぎなかったりします。シャンゼリオンからその気配がしてきたあたり、平成にはいってから、昭和の大きな組織が悪という図式は薄れていったんではないでしょうか?もちろん、井上御大の作風の影響もあるとは思いますが(宮崎事件ののちのウィンスペクターの「敵は犯罪者、殺さずに逮捕で対処する」というのが当たったということも大きいかも)。

Wまでは大抵、怪人は単独でほぼ無差別に人を襲いかかる通り魔的なものでした。ニュースに流れる事件の趣の変化も影響を与えたと思います。概ねデカい事件でトップの記事に乗るのは、殺人事件であっても誘拐事件であっても、そのホシはいかにもな怪しい凶悪人物ではなく、どこにでもいる普通の人間やおとなしい、事件など到底犯さないとかいった人間などです。マスコミにとっては、そんな事件を重点的に取り扱わないとでもしないとこのおとなしい日本で報道で食っていこうとおもったらそうでもしないとなのかもですが、生まれたときからテレビが存在し、情報収集のメインだった世代が大人になり、小さなお子さんを持つに至って「大きな組織よりも、単独の愉快犯・猟奇殺人犯」がよりワルだという認識が出てきたのではないでしょうか?

W以降の怪人は、本質は普通の人間で、メモリやメダル、スイッチなどの「小物アイテム」を駆使して変身するという図式です。特にメモリやスイッチは小物ゆえ隠すことは容易で、一見すると怪人なのか、そうでないのか区別がつきません。これが今でいう、麻薬や覚せい剤、ハジキなどのメタファーなんじゃないかと思っています。人を、もしくは自分を傷つけるアイテムがネットや複雑に入り組んだ都市の地下マーケットで比較的容易に手に入るようになった。殺人などのデカい悪を追う孤高のヒーローよりも、非戦闘時には仲間やバディがいて、暴走したあるいは道を踏み間違えた人間と戦い、浄化する。という図式が望まれるようになったんじゃないでしょうか。デカい事件はそうそうお目にかかれませんが、例えば近所の中でだれだれの子供さんが不登校になっているとか、親戚のあいつがリストラされて酒浸りの生活を送っているなどの、身近な事件や不幸は耳にするはずです。そして、明日自分がそうならないとも限らない。そんな身近な不幸を破壊するヒーローがいてほしいということなんでしょう。敵の命を奪うことまでしないのは、現実の問題でも「殺しさえすれば解決する」問題がそうそうないこともあるのではと。たとえどんなにか円高や消費税増税とかいっても、じゃあ民〇党をぶっ潰せばすべて丸く収まるかといえばそうではないといった具合に(あくまでたとえです。自分はノンポリです…)。

特撮の悪も、時代とリンクしているわけですな。ソルブレインだったか、ゲームの世界に閉じ込められてブレイバーが仮想空間に脱出に向かう話があったり、ゲーム=子供が外に遊ぶ機会を奪う悪という認識だったのが、ゴセイジャーになるとそのガンバライド(ゲーム)の機材であるカードを使って戦いますからな・・。










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