プリキュアオールスターズ感想
〜歴代プリキュアの能力比較〜
番外編・ダークプリキュア


#コピーとオリジナル
映画『Yes!プリキュア5 鏡の国のミラクル大冒険』に登場するダークプリキュアの5人。


シャドウが、プリキュア5と戦うための戦力として『鏡の国のクリスタル』でプリキュア5をコピーした存在です。
ただし、完全なコピーではなくシャドウにより能力の変更がなされています。
(そもそも外見が全然違うことには突っ込まないであげましょうねw)
ダークプリキュアとプリキュア5の『違い』は、そのままシャドウの戦略思考の違いであると言えます。




ダークプリキュアの作戦は単純明快、『プリキュア5をバラバラに隔離して1対1で対抗する』です。
つまり、ダークプリキュアはチーム戦主体のプリキュア5を個人戦闘用に調整したものです。
コピーである以上、基礎能力は互角であり、最初から個人戦闘のみを目的に調整済み。
さらにはクリスタルからのパワー供給により疲れることがない。


最低でも5分、長期戦になれば負ける可能性は限りなく低くなります。
そして、シャドウの目的はあくまでドリームコレットです。
プリキュア5の排除は必須ではなく、戦略的にはあくまで『時間稼ぎ』程度の価値しかありません。
ダークプリキュアは『コレットを奪いピンキーを集める時間稼ぎの捨て駒』というのが一番のポイントです。
そして、ダークプリキュアはそのために調整されています。


プリキュア5とダークプリキュアを比べると、大きな変更を加えられているのがミントとレモネードです。
ダークミントの技は、ミントのフィールドと同じ色の弾丸を作り撃ち出す『ダークネス・スプレッド』
おそらくは、ミントプロテクションと同等のフィールドを収束させて弾丸にしているのでしょう。
撃ちきったらリロードでき、アウトレンジ主体で戦うのが特徴です。

ダークレモネードの技は、つま先からエネルギー波を生み出して相手にぶつける『ダークネス・フラッシュ』
敵を切り裂く刃になる他、壁状に発生させて相手の攻撃を防ぐことも可能です。
相手と一定の距離を保ちつつ、本人の身軽な動きと、攻防に使える応用力の高い技で翻弄するスタイルです。



レモネードとミントがチーム戦用の能力だということもあり、苦戦を強いられたコンビです。
そして、この2者の戦闘スタイルを見ると、GoGo!のミントとレモネードの戦闘スタイルによく似ています。

また、ダークルージュは、ホーミングの『ダークネス・ファイアー』で制空権を握りつつ、格闘で隙を突くタイプでした。
これも、GoGo!でルージュが『ファイアーストライク』(ホーミング能力あり)を身に着けたことにつながっています。
オールスターズDXではファイアーストライクを連射していて、ますますダークルージュの戦い方に似てきています。


5人のうち、ルージュ・レモネード・ミントの3人が、ダークプリキュアと同じ方向性を向いている。
GoGo!に至る変化が『個人戦でも戦えるように』であった事を踏まえると、ダークプリキュア戦がいかにプリキュア5に影響を与えたかがわかります。

そして、これはシャドウがいかにプリキュア5を研究していたかの証しでもあります。
ダークプリキュアが倒れた後のシャドウ戦では、「まずは奇襲でドリームを拘束」→「残った四人をとりあえず吹き飛ばす。」→「悠々とドリームにトドメの一撃」と動いています。
プリキュア5と戦うには、まず分断して『要』であるドリームを潰す!!
ブラッディが2度の敗退を糧にやっと見つけ出した対策を、シャドウは初回でやっています。

もし、ダークドリームが助けなければ、ほぼ確実にドリームはやられていたでしょう。
(そして、かなりの高確率でプリキュア5は敗退していました。)

この点から見ても、シャドウはドリームコレットを狙うにあたり、プリキュア5を徹底的に分析したのでしょう。




#ダークプリキュアの敗因
ダークプリキュアの敗因は、比較的はっきりしています。
ひとつは、プリキュア5の挑発に乗って本来の戦闘スタイルを崩した事です。
そもそも、ダークプリキュアの目的は『時間稼ぎ』です。
また、疲れる事がないので、長期戦になればなるほど有利になります。
それが、ドリームの『今の自分を超える!』発言で流れが変わりました。
ダークミントは、自分の弾丸が相手のシールドで防御され続けるのに業を煮やして、本人がエネルギーを纏って突撃、カウンターのミントシールドで破れました。
ダークレモネードは、相手が自分以上の動きを見せたことに狼狽し、足を止めて打ち合った挙句競り負けて、『歌』で逆転を狙い棒立ちのところをレモネードシャイニングで破れました。
ダークルージュやダークアクアにしても、能力勝負を挑んだ挙句にシンフォニーセットの強化必殺技で競り負けています。

「あんな動き、いつまでも続くわけない」と冷静に判断して、身軽さやアウトレンジ戦術などを生かした本来のスタイルを崩さなければ、ダークプリキュア側にも充分は勝ち目はありました。
作戦目的を考えれば、「逃げ」に徹して相手の疲労を待つ方が王道かつ確実です。
底力を見せたプリキュア5に対抗しようと、短期決戦を挑んでしまったのが、ダークプリキュアの敗因です。





もうひとつの原因は、シンフォニーセットをコピーしていなかった事です。

ダークプリキュアはプリキュア5の能力を全てコピーしたと言っています。
ですが、ルージュバーニングとダークネスファイアー(強化版)がかち合って、残ったのはルージュ側です。
ダークレモネードの『歌』も、レモネードシャイニングの前には、全くなすすべなく全弾直撃を受けています。
ダークプリキュアの直接の敗因は、シンフォニーセットに力負けしたことです。


では、なぜコピーしなかったのか?
まぁ、ぶっちゃけミギリン&ヒダリン戦でシンフォニーセットを使わなかったからなのですが……、
どうも、シャドウ自体がシンフォニーセットの存在を知らなかった節があります。


あれだけプリキュア5の対策をしていたシャドウが、クリスタルシュートとファイブエクスプロージョンには、全くなすすべなく直撃を受けていました。
クリスタルシュートはともかく、ファイブエクスプロージョンは『最初に当たった相手を自動的に爆殺する』技であり、身代わりを立てれば逃げる事が可能ですし、ミルクを含む誰か一人がかけた瞬間に発動できなくなります。
あれだけプリキュア5対策を立てていたシャドウが、最大攻撃力を誇る技に無策だったと言うのは逆に不自然です。
(本来なら対策できたけど、スーパー状態だったからスピードが速すぎて……とかも考えられなくはないですが)

ダークプリキュアがシンフォニーセットを持っていないのに、『全ての能力をコピーした』を発言していることを加味すると、シャドウ自体がシンフォニーセットを知らなかったと考えた方が辻褄が合います。



……てことは、シャドウが知っていたのはナイトメア戦前半のプリキュア5……
「鏡の国」の時間設定が、放映と同じ11月と考えると、シャドウの情報源が見えてきます。

プリキュア5については、そこそこ詳しいが、シンフォニーセットやファイブエクスプロージョンは知らない人物。
シャドウにプリキュア5のことを教えたのは、おそらくガマオです。



シャドウは、ドリームコレットを狙うにあたり、まず情報収集を考えたのでしょう。
おそらく、それが9月くらいでシャドウが情報源として目をつけたのがガマオ。
プリキュア5との戦闘経験があり、生活に困っているから金次第で情報を引き出せる。
ナイトメアから逃亡した身だから、守秘義務に関してもそれほどガードが固いわけでもなさそう。
(さすがに、カワリーノやハデーニャが喋るはずありませんしね)

その頃、プリキュア5はシンフォニーセットによる強化とプリキュア合宿で、戦闘スタイルが変りつつあったけれど、ガマオは当然、そんなことなど知りません。
(一応、プリキュア合宿は見てるし、ミントシールドも見ているけど、そこまで深く考えてるはずない。)
……もしかしたら、ダークレモネードが『歌』を武器にしていたのも、ガマオが悪意でうららの歌に関するこだわりについて言ったからかもしれません。

そして、情報を得たシャドウは「鏡の国」を制圧し、ミギリン&ヒダリンにプリキュア探しを命ずる。
だから、ダークプリキュアたちはシンフォニーセットを知らずに、相手の切り札が通常必殺技だと思って能力勝負を挑み、押し負けた。
「すべての点で5分以上」と思っていた前提が違ったのですから、ある意味、当然の敗北だったのです。




#昨日の自分を越えてゆく
プリキュア5のうち、ルージュ・レモネード・ミントは、ダークプリキュアに影響を受けて、GoGo!で同じような戦闘スタイルを手に入れました。
ドリームは、ダークドリームと『友達』になりました。
ダークドリームとの別れは、デスパライアとの和解やGoGo!での夢原のぞみの言動に大きな影響を与えています。


プリキュア5の中で、唯一アクアだけがダークプリキュアに影響を受けている様子がありません。
もうひとつ、興味深い点としては、ダークアクアとキュアアクアが、どちらも『剣』で戦っている事です。


シャドウの情報源がガマオだと仮定すると、シャドウはアクアソードを知りません。
(そもそも、アクアリボンの存在を知らないはずです。)
……ということは、シャドウは他のダークプリキュアと同じように「アクアはこう変化させたほうが、もっと良くなる」と考えて調整したはずです。

シャドウが「一歩先」を踏まえて行った調整と同じことを、アクアは先にしていた。
他のメンバーは、ダークプリキュアを「見て」から変ったのに、アクアはシャドウの一歩先を行っていた。





夢原のぞみとは別の意味で、水無月かれんも『昨日の自分を越える』ことにこだわっていた。
だからこそ、ダークアクアの一歩先に『剣』を習得し、『昔の私を越える』と切り伏せた。
それこそが、かれんなりの覚悟と努力の結晶だったのかもしれません。





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