ジオンの残業
〜スペースコロニーの経済学〜




2012年6月に地球圏の経済の話がありました。




サラミスの仮想敵は?  投稿者:KS


そもそも「地球連邦」という建前上統一された政体=外敵が存在しない状況で「何」と戦うために連邦の宇宙軍は増強されたのでしょうか?

例えば『レイズナー』のように対立している複数の勢力がそれぞれ宇宙進出を進めているのなら、宇宙軍の強化は必然です。その時代は大艦巨砲主義が主流であり、サラミスなどは当時建造されたものがそのまま使われているとしたら何の問題もありません。

しかしどうやら『ガンダム』では連邦成立後に宇宙移民政策が本格化している模様。設定上もサラミスなどが盛んに建造されたのは0070年代という事になっています。
ここしばらくの話題のように「実は、成立後も無視できない反連邦勢力が存在していたのだ」という場合であっても、連邦政府がその気になればスペースコロニーという「最初から人工的な、限定的な環境」では監視の目を行き渡らせて「武装」を管理する事が可能なのです。偽装された地下工場などで小火器を生産するくらいは何とかなるかも知れませんが、宇宙空間で大規模な戦闘を行う軍備を整えようとするのは、事前に食い止められるのではないでしょうか?
(後にジオンがやったような「自治体ぐるみでの大規模な計画でもなければ「軍備」レベルの生産など不可能)
いわば各コロニー内の警察で対処可能なレベルであり、本格的な宇宙艦隊などを建造する必要などありません。
ついでにいうと、地球連邦の成立過程でも「宇宙軍同士の大規模な戦闘」の実例があったとも考えにくく、連邦が後にサラミスなどを建造する際には(存在しない)現実の戦訓ではなく、机上の理屈が優先したとも考えられます。

地球内に残った反連邦勢力に対しても陸軍、空軍の増強は必要でも宇宙艦隊などは不要。さすがに反連邦勢力だって気軽にひょいひょい宇宙の同志に物資や兵器を支援するロケットなんか上げられるはずもありません。

ただ、この「連邦がコロニーの武装(の可能性)を強く抑圧する」というのは、好意的に言い換えれば「連邦政府がコロニーの安全に責任を持つ」という事でもあります。
『ジ・オリジン』のドズルのセリフによれば、あの世界には「宇宙海賊」が存在します(これについては項を改めて)し、コロニーに近づくデブリや小天体の排除など「武装し、機動力のある組織の常駐」は不可欠です。
この役目も責任持って担当していればいいんですけど、知っての通り連邦は宇宙に対して「権利は与えないけれど面倒な事は丸投げ」という傾向があります。その結果、各コロニー各サイドに「一定のレベルでコロニー保安のための機動戦闘部隊」を自弁するよう許可するなり命令するなりしたと思われます。
その際に生産されたのは、恐らくチベやムサイなどではなく、画面には現れていないもっと小型で貧相な兵器。

植民地や属国を支配する際に常につきまとうジレンマですが、わざわざ本国から軍隊を派遣するより、人や武器を現地でまかなった方が安上がりに決まってます。しかし、一歩間違えば「植民地軍」がそのまま独立運動の中枢に変貌してしまう。
歴史上何度も繰り返されたこの状況に、地球連邦もまた陥ったのでしょう。

サイド3を中心に宇宙市民の権利運動が高まるとともに宙域保安隊を増強してコロニー防衛隊へ、さらには「国軍」へという動きが盛り上がり、それに対抗するために連邦は慌てて宇宙軍を増強し、サラミスやマゼランなどの大艦巨砲主義に走ったのではないでしょうか?
もちろんこの時点で各コロニーに連邦宇宙軍に対抗できるだけの戦力なんてあるはずがありません。
じゃあ巨砲が狙うのは何かというと、これは「コロニーそのもの」ではないでしょうか?
もちろん法的も倫理的にも絶対のタブーとされているのでしょうけど、連邦がその気になれば「戦艦並みのビーム砲」でコロニーそのものを遠方から破壊できるぞ、という言外の圧力によって反抗勢力を威圧する。
言ってみればサラミスやマゼランなどは「大艦巨砲の激突による決戦主義」というドクトリンが生んだ兵器ではなく、「実際には使わない事を前提に、標的国そのものを壊滅させうる示威によって覇権維持の目的を果たす」という冷戦期の核ICBMに近い代物だったのではないでしょうか?

もちろんこれも過去の歴史に類例があるように、びびって項垂れる奴ばかりでなく怒りやより強い反発も招いてしまう訳ですが。

宇宙軍の実際の業務(海賊など、小規模な武装勢力の鎮圧)はもっと小型のパトロール艇や宇宙戦闘機で充分だったんでしょうね。







地球圏経済  投稿者:KS


以前にも触れたネタですが、地球−コロニー間にどのような経済があるのか、延いては「地球はコロニーに対してどのような『圧政』が出来るのか」がなかなかいいモデルが思いつかないのですよね。

コロニー建設や移住にかかった費用をコロニー市民から徴収するのは当然として、それをどういう形で「実益」に変換するのか? 例えば「サイド2から本年度分5億クール徴収」とか言ってもそれが単なる為替送金の数字のやりとりでしかなければうま味はありません。
ですから何らかの形で地球−コロニー間で貿易が存在し、不当に安く買い上げるか高額で売りつけるかするのが自然でしょう。
あるくびゅーずさんのお説を拝借すれば、反連邦思想の連中を「生きるために精一杯でテロるほどの余力がない」状態に留めておくというメリットもありますし。

しかし何度も繰り返している通り、コロニーは「自給自足できる単位」として作られるはず。余剰人口の捨て場をいつまでもケアする訳にもいきません(そして0070年代ともなれば新規移民はほとんど行われていません)。

となると悪代官が年貢を搾り取るが如く「コロニーの余剰産物を地球が安く買いたたく」「なおかつ私企業ではなく『通商公社』で扱う事で、負担を税金に上乗せする」形になると思われますが、そこで適当な「産物」は何でしょうか?

・食料
『SEED』ではプラントが食料納入を迫られていましたが、宇宙世紀でこれは難しいところです。確かに安定した環境と豊富な太陽光という有利な条件はありますが、何より地球側の都合として「自分たちの生死に直結するもの」をコロニーには依存したくないはず。それにジャブローのお偉いモグラさんに代表される「地球の特権階級」たちは宇宙産の食料を嫌いそうですし。
後にデラーズ・フリートが「宇宙への食料依存度を高める」事を意図した作戦を実行した事を考えると「現状では依存度は小さい」「しかしある程度の輸入はある」というあたりでしょうか?

・エネルギー
太陽電池で生み出した電力というのもコロニー側の豊富な産物です。しかしこれも依存はしたくないでしょうし、軌道エレベーターもマイクロウェーブ送受電システムがなさそうな宇宙世紀では「どうやって地球に送るのか」という問題がありそうです。

・重工業製品
これも悩ましい代物です。連邦政府としてはコロニーを管理下に留めておくために、宇宙の自主武装に繋がるような工業力の増強は避けたいところでしょう。

・化学製品
薬品やある種の合成樹脂など、無重量環境でこそ生産できる分子化学工業製品というのはコロニーの「特産品」として有力です。問題はどの程度地球側の需要があるかですね。

・鉱物資源
コロニー生産から引き続き行われる小惑星からの採掘物は意外にいけるかも知れません。地球では採れない、あるいはもう枯れている、環境破壊に繋がるので新規の鉱山が掘りづらいなどの理由で得にくい金属があるのかも。材料として整える程度なら「コロニーの工業力向上」も抑制できるでしょう。

ただまあ、いずれの産品にしろ「地球はコロニーへの依存は避けるはず」「地球の人口は少なく、いわゆる上流階級中心でガンガン生産力を上げての右肩上がり経済を謳歌しているとも思えない」という問題はついて回りそうなんですよね。







火星といえばトータル・リコール  投稿者:artey


火星の開拓が進まないのはある意味当然と考えます。

そもそも公転周期が違うので火星が常に地球と木星の間にあるわけでなく、あえて中継地点にしようと思ったらタイミングを2回計る必要が必要があります。そもそも火星に目を引くような資源が眠っているわけでもありません。

ただオールズモビルのような連中がいることからも、テストを兼ねた火星探査や開発が行われたんじゃないでしょうか?







コロニー生産  投稿者:龍崎海


>KSさん
ならば、ブランドとか希少価値というものを行ったのではないでしょうか?
完全環境ゆえのブランド牛とかなら、食糧が依存するわけではないですし。
そして、現実でもよくあるブランド品は地元民が食えないという現象が起きれば、コロニーで不満が高まるでしょうし。
その他にも利益は出ないが失われつつある伝統芸能や工芸品を学ばせるよう義務付けられたりとかもあるかもしれません。







コロニー経済  投稿者:鐸碑


コロニーは、エネルギーは太陽光による無限の供給があり、完全循環型環境を構築しているとはいえど。
その源となる酸素や水、窒素や炭素等の元素はいったん外に出すと、等量を外部から供給しないと目減りしていく一方で環境維持ができなくなっていきます。

で、しょっちゅうとは言わないまでも、希にはデプリ衝突で穴が開いたり、普段のドックからの船の出入りの際に流出したりと全体量から見ればわずかでも回復不能な損失が生じる筈です。

コロニーは安定期に入れば、建造当初よりは少なくて済むでしょうが、それでも一定量の酸素・水・希土類等の供給を受けなければならない筈です。
まして、何らかの産物を輸出するとなると確実にその原材料も外部から入れる必要があります。

つまり、コロニーに対して「酸素」「水」「土壌成分」などの補充という形で物資を輸入する必要があります。
これは安定期に入ることで減らす事はできても、無くす事は不可能でしょう。
この供給に対して税を課しておけば、簡単確実に取り立てることができたことでしょう。

龍崎さんのおっしゃるのと逆方向で、食料生産というのは主要産物になってるんじゃないでしょうか?
ブランド食品というのは伝統や権威付けが重要でしょうから、地球産の食品はブランド品として、コロニー産の数十倍の値段が付いて供給されており、コロニーのブルジョア層のステータスとして供給され。
その何十倍ものコロニー産食品が地球の一般市民用の食料として安く買いたたかれているんじゃないでしょうか?

コロニー産の食料を止めても、地球産ブランド食品をコロニーに卸すのを辞めて地球で流通させると腹は満たせるけど、価格差を利用した方が効率的という感じであれば、コロニーから搾取するのに都合が良いんじゃないでしょうか?

コロニーから食料を輸出させるというのには、コロニー内の有機物備蓄量を減らさせる=有機物の原材料を輸入させるという事を強いる効果があります。
同化された窒素や炭素、水素や酸素を持ち出したら、外から補充しないといけませんからね。

コロニーは失われる物資の補充という観点で、必ず一定量の輸入をしなければ成りたたない。
輸入するには外貨が必要。
外貨を稼ぐために輸出を行った場合、輸出品として失われた元素を補填する為に輸入が必要となる。
コロニーというのは、極端に利鞘が薄くなる形でも、外貨を稼ぐ為の輸出という行為を避けて通れない(そして、すればするほど原材料分余分に稼ぐ必要が出る)という性質がある以上
供給源が1つのコロニーしかないという状態でない限り、コロニーから供給が断たれる心配をする必要はないのではないでしょうか?
特産品というような価値の高い物を作らせるのではなく、安い物を大量に輸出させて、その原材料も輸入させる。
そういう経済政策だったんじゃないでしょうか?







無題  投稿者:ザク1.5


地球がコロニーより優れている点
・空気が無料
・地下資源(希土類のレアアースなど)、天然ガスや石油、ウラン鉱石、宝石類、地熱・温泉
・岩塩や海水の塩分、塩湖など
・雷(電気エネルギーを取り出せれば)
コロニーが優れている点
・空気は光合成や太陽光発電の電力で水を電気分解で酸素(水素は燃料にする)を生産すれば無料、窒素は植物が循環するとして
・天気が安定で人工で調整、太陽光のソーラー発電や太陽熱蓄熱は24時間365日いつでも可、雨はスプリンクラーで降らせる
・低重力(ルナツーや月面)や無重力も簡単に作り出してルナチタニウムなど生産可能

地球コロニーが関係ないもの
・ヘリウム(核融合発電の燃料、木星で調達


エネルギーや金属生産などではコロニーが圧倒的に優れていて
地球のメリットはエネルギー面ではコロニーに勝ち目が無いのでレアアースで勝負するしかないですね。

地球の地震は未来の地震学で予知や耐震免震(今は制震や断震もあります)などの技術が進歩して地震被害は無いとして(雷も)
コロニーのデブリも対策は進んでいるとして危険面は考慮していません。
作中に雷は出てきてジオン兵が「連邦の新兵器です」ランバラル「雷と言うやつだ、一度地球に来たときに見たことがある」と言っていますので、雷はジオン兵にはなじみが薄いんでしょうけど。







土を売りつける  投稿者:KS


皆様、いろいろと意見ありがとうございます。

特に鐸碑さんの

>>コロニーから食料を輸出させるというのには、コロニー内の有機物備蓄量を減らさせる=有機物の原材料を輸入させるという事を強いる効果があります。

これはちょっと盲点でした。
少々調べたところ炭素は小惑星からでも補充できますが、他の元素はどうなんでしょうか。リン、ナトリウムなどが採取できないと結構厳しいかも。
ついでに、先の考察で我ながら失念していたポイントにも気づきました。
それは、コロニーを「理論値どおりの循環環境にするためには、人体を完全にリサイクル資源として扱わねばならない」という事です。
以前にも宇宙世紀の葬儀について書き込んだ事がありますが、木星帝国はともかく普通のコロニーではそこまでの事態には陥ってないでしょう。となれば、死体という形でも各種元素の損失も見込まねばなりません。
数十年のレベルでは問題にならない現象であっても「コロニーの環境維持、居住者の生存のため」として損失分の補充を義務化すれば地球では二束三文の土壌や有機肥料などを超高額でコロニーに売りつけるのはありそうですね。
もちろん超々長期的には「地球を枯らす」事に繋がるのですけど、恐らくそこまでの視野は誰も持っていないでしょう。

あるいは数十年以上先には宇宙世紀の次のステージとして地球への依存を断ち切るためにコロニー国家が火星や木星の四大衛星へ進出し、そこへ定住した人々と「既得権を持つコロニー」との間で争いが起こり……という事があるのかも知れませんね。







圧制  投稿者:ばぁびぃ


地球がコロニーに強いるのは簡単だと思いますよ。

土が無い、空気が無い、水が無いコロニーですから、人だけ送り込んで、その3つのどれかの供給を止めると言えば、そのまま全員死亡ですから。

コロニーが完全循環型環境だというのは不可能だと思います。
あのサイズの環境で億単位の人間が完全循環はいくらなんでも無理。
地球規模でも30億が限界と試算されてますから。

現在の地球は資源と環境を使い潰して無理やり60億の人口を維持している状態なのです。この人口を維持すれば、どんなに環境維持技術が進んでも、いずれ滅ぶ。(わかりやすく言えば、貯金と総収入を超えた消費をしているので、いずれ総資産が0になって破産する)
選択肢は二つ。地球人口を40億以下まで落すか、世界の文明レベルを19世紀まで戻すか。…どちらも不可能な選択肢です。
(もう一度ヒトラーが出てきて世界征服に成功すれば別ですが…。ギレンの言っている事はこれです。総人口の制御。…文明レベルを下げるのは不可能ですから)

地球と同じように、コロニーは生化学的、エネルギー、物理的、どれも完全リサイクルの世界ではありません。
現在よりはるかに進んでいるにしても、環境を維持したリサイクル社会ができるのは、UCのコロニー規模では、1基あたり数千から、どんなに無駄をなくしても数万人。…UCのコロニーは数十万の人口を持っています。
足りない分は、地球か外惑星から運び込むしかありません。

地球も同じ状況ですが、純粋に地球はコロニーより大きいというだけで多少の余裕があります。
(余裕のある時期でなければ、エリートは地球に残らず、地球が棄民政策の地になっているはずです。 エリートは宇宙に出てゆき、地球は貧乏人の巣窟で、宇宙人からの搾取でいずれ枯死する。 そうでないのは、宇宙の方がより環境が厳しいからです)

たとえ工業エネルギーは太陽電池でどうにかなっても、外から資源搬入が出来なければ、人間を含む生物が生きているだけで、コロニー内の必要物資は減り、不要物は増えます。(産廃の処理をするだけでも物資とエネルギーは食うのです)
…これはエネルギーを物質に変換する技術が発明されない限り変わりません。
(未来少年コナンはこの壁を突破して、太陽エネルギー…おそらく電力…を直接、物質に変換する技術があるという設定だった。キューティーハニーの空中元素固定装置は大気中の元素を別物質に変換するだけなので物質の総量は変わらない。変換に使ったエネルギーは消費する)

純粋に物理的大きさで、コロニーは地球より余裕がありません。
地球が100年先に破産(死滅)する規模の圧力でも、コロニーは2〜3年で滅ぶのです。(サイズの差で)
地球人が全員10年以内に餓死しても、コロニーが百年栄えるように物資を送り込む、なんて事がおきれば別ですが、地球エクソダス計画でもなければそんな事はありないし、その場合も、最初に地球から出てゆくのはエリートでしょう。(笑)


コロニーに運び込む物資と、処理して廃棄する物資、つまり、コロニーから出入するなにがしか、全てのものに税金をかければ、それだけで莫大な収入&コロニー市民への負担になります。


UC世界のコロニーが地球より上に立てる唯一の例外は、地球以外の場所(木星でもアステロイドベルトでも火星でも)から、100億を越えた人類の生存に必要な量の物資を地球圏に運び込む最重要なルートを押さえている場合だけです。
(コロニーは地球ほど大きな水溜り【海】を持っても居ないし、コロニーを掘っても鉱物資源は出ない。(人工地盤だから当たり前) 食糧の生産に関しては、鐸碑さんの言うように完全無欠ではない。水や土の供給を止められればすぐ(数年から数十年)に終了)
…今の日本の政治を見てると理解しにくいかもしれませんが、最低でも十年単位でものを見るのが政治です。w


宇宙に軍備がなければ、地球が宇宙軍を整備して宇宙移民を意のままに支配するのは難しくないと思います。

逆説的に、宇宙移民が航宙権確保のために躍起になったと言うのは納得できる話です。


つまり、私の意見としては、コロニーは貿易を干されたら(生活と言うより、生存必需物資の輸入を干されたら)数年で死滅する。

1940年代に、日本が石油の98%を輸入していた米国に宣戦布告したのと同じ理由です。
…止められたら、死ぬしかない。だから備蓄のあるうちになんとか手に入れる手段を講じる。^^;


……え〜っと、つまり航宙路確保のために作られたサラミス最強?(違w







資源リサイクル  投稿者:七味


「資源のリサイクルで永続的な文明維持が可能」という言説は「永久機関は可能である」というのと同じです。

空気や水、その他全ての資源に言える事ですが、リサイクルするのに別の資源やエネルギーが必要です。
エネルギーは太陽光発電や原子力発電(宇宙世紀なら核融合)で賄うとしても、その太陽光パネルや原子炉を造る材料はどこかから持って来なくてはいけません。

100%以上の効率のリサイクルというものを達成できない限り、地球もコロニーも安泰とは言えず、単に資源の枯渇問題を先延ばししてるだけです。
ガンダム世界の場合は小惑星を開発したり、他の宇宙規模のSF作品だと他の恒星系の惑星を開発したりしていますが、「1単位の水をコストゼロで2単位にできる」ような装置でもない限り、文明を維持する為に「目減りする資源との戦いを克服するために生存権を拡大する」という部分は変わらないでしょう。







スペースコロニーは経済的には最初から破綻しております<1>  投稿者:340


ばあびぃ様

おっしゃることご尤もと思います。
恐らくは、私のみならず、KS様も大枠では同意なさるのではないでしょうか。


と申しますのは、私はKS様の書き込みを読みながら、その問題意識は、別のところに
あるのではないかと考えているからです。

纏めるとすれば、以下のようになるでしょう。
まあ、ここまで意訳すると、私の問題意識でしょうがw


・コロニーは、住民が生存するだけで、その生産力を大幅に超過する物資を消耗する。
・これに対し、メインの輸入元である地上に対して支払える代価はごく僅か。
・この、地球から見て大幅な輸出超過状態の中で、そもそも税を課す意味があるのか。
・課したとして、代価として意味あるものは受け取れるのだろうか。


これが地上の他国同士なら、借財(輸出超過分にせよ《関》税額にせよ)を払えない相
手から取り立てる意味はあります。
最悪、領土や資源奪取なり住民の奴隷化でもすれば良い訳ですから。
(まあ、まず元は取れないでしょうがw)

しかし、スペースコロニーと連邦の関係は、地方自治体と国家の関係に準えられます。
コロニーの側からすれば、輸入に伴う「帳簿上の借財」こそあがりますが、どの道払う
べき代価はほぼないのです。
KS様の言うように、特殊合金など無重量状態の特産物以外は、サービス財(別途)が
ようやくある程度でしょう。
私には、地上や外惑星等からの輸入物資の運搬費にさえ見合うとは思えません。


この状態で、空気や土に税をかけたところで、定価を上げるのと変わりはありません。
スペースコロニーは、地球連邦の経済価値にとって「無限増殖する赤字」そのもの。
何よりこれは、コロニーの「建造当初から分りきったこと」だったというのが皮肉です。


そもそもスペースコロニーの住民は、基本的には棄民政策で地上から追われた身。
コロニーの建設拡張時には、これがまさに業務だったのでしょう。
大げさに言えば、刑務所を受刑者が拡張していくようなものですが・・・。
そして地上は、この大飯喰らいを維持「拡張」するためになけなしの資源を浪費する。

これが巨大な喜劇−すなわち大悲劇−でなくてなんだというのでしょう?


そう、何をどう「納得するのか」という心理的な問題が核心ではないのか。







スペースコロニーは経済的には最初から破綻しております<2>  投稿者:340


さて、以下は私の想定するプレ一年戦争の概略です。
連邦成立という政治的な、また核融合によるエネルギー革命があったことは確かと思われま
すが、複雑になり過ぎますので取りあえずは後回しにしております。


@ 人口増による地球環境の破壊が猶予なきものとオーソライズが形成される。

・いわば宇宙殖民の「動機付け」の形成です。
・70年代当時は、日本を含む先進国でも人口はまだ増え続けています。
・非ローマレポート世代には実感がないでしょうが、同時期は資源枯渇の認識期でした。


A ここで、人口問題の「延引」のため、月・外惑星の資源化が計られコロニー計画に。

・あくまで「解決」ではありません。地球上より遥かに希薄な資源なのですから。
・また、60年代の「宇宙開発」熱は実感を伴った時代でもありました。


B コロニー群形成から「棄民」に

・当初こそ、コロニー建設は情熱に燃える技術者の行為であったでしょう。
・この労働こそが、コロニーから地上に「輸出」できる「資源」サービス財でした。
・しかし、その本来の目的は「増えすぎた人口」の移出であり続けたはずです。
・ちなみに日本は、明治から戦前戦後に至るまで「棄民」の常習国家でした。


C コロニー建設の飽和を期に「今後」についての迷走が始まる

・人口問題の目処こそついても、これを維持する資源の分配は、コロニー偏重となります。
・地上の「エリート」がこの是正化を意図した場合、コロニーにとっては即、死活問題。
・これこそが一年戦争のトリッガーではなかったのか。
・ただの「圧制」ではなく「分配」そう、政治の永遠の課題です。
 (まあ、コロニーにとっては死活問題ですから議論すらタブーの「圧制」でしょうが)


D 穏健で思想的な解決方法模索から、直截な方法論に。

・ダイクン派からザビ家への権力奪取は、私の目から見ても必然です。
・そう、連邦もダイクン派もザビ家も、皆が「問題」解決を目的としていたのではないか。
・合成の誤謬こそが、一年戦争とそれ以後の暗黒を産んだのではないか。



「棄民」された側にとって、それなしでは済まない資源の大量投入は「約束」だった筈。
しかし、このパンドラの箱に手をつけることも、問題の「延引」を計った時点で必定。
どの道いつかは破裂する風船(宇宙開発バブル)だったのです。







スペースコロニーの自給率  投稿者:鐸碑


現代科学の水準では、大量の物資を持ち込まないと無理というのはその通りでしょうが。
宇宙世紀の時代に置いては、外に物資を出さない限りにおいてコロニーの自給率というのはかなり高いと思われます。

太陽光という形でエネルギーを地上の何倍も効率良く受けているという前提がある時点で、まったく永久機関とは程遠い物ですから。
大気浄化のシステム、水浄化のシステム、有機物の回収システムこれらが、電力や熱の供給だけで完璧に行われており、ロスが生じない限りは数百年単位の閉鎖環境が維持できる物なんじゃないでしょうか?

そうなっていないと仮定した場合、コロニーの自治独立運動や地球(環境)破壊攻撃を行う理由がありませんから。
現代科学から見れば困難である、エネルギー以外は完全に循環できるシステムを実現したのでコロニーは永続的生存環境であり、微量の補給は必要なものの地球から独立しても存続できる。
これは宇宙世紀の科学技術水準としてクリアしてると考えるべきでしょう。
でないと、長い宇宙世紀の歴史におけるコロニー国家の行動がまったく違うものになっている筈ですから。

地球への帰還や地球からの物資の簒奪が主たる目的になる筈です。
しかし、ジオンが戦争継続の為に鉱物資源を採掘していた以外、地球環境を利用するという視点での戦争は行われていません。
デラーズは地球の食糧生産を破壊することによるコロニーの発言力強化を狙ってますし。
ティターンズとエウーゴは思想戦争の類。
ネオジオン(ハマーン)も別に地球の資源を求めた攻撃をしていませんし。
シャアは地球を人の棲めない環境にしようとしています。
さらに、クロスボーンはコロニーでの独立主権国家の樹立ですし。
ザンスカールも別に地球の資源を狙った攻撃ではないように見えます。

地球による搾取がないならば、コロニーは自立していける。
その前提があるが故の宇宙世紀の政治情勢となっていると思います。
コロニーは、輸出をしたら必ず原材料を仕入れないといけないものの
内部だけで完結する事は十分に可能なんじゃないでしょうか?

ムーンムーンとか、何年も完全に外部と交流を絶たれた状態で維持されてきました。

技術的なブレイクスルーがスペースコロニー実現の過程で有ったことは間違いないでしょう。
無から有を造れないにしても、空気も水も有機物も外に出して無くならない限り、循環して再利用(その過程で太陽からのエネルギーは必須)できるというのを実現している筈です。

それが実現していても、全体から見れば微量(コロニー内の全量の0.01%とか多くても0.1%とか)の損失は出るので、補給はしなければならない。
その程度の話で、地球環境自体には依存してないというのが宇宙世紀の前提になっていると思いますが、いかがでしょう?







「微量」でもマイナス成長は耐え難いのではないでしょうか  投稿者:340


鐸碑様

もちろん、現在の宇宙ステーションに比べれば随分「微量」だろうとは私も考えます。
しかし、その「微量」こそが政治的にクリティカルな問題になる場合もあります。


模式的に考えてみましょう。
年99%のリサイクル率を持つスペースコロニーに、0〜99歳まで100人が暮らしたとします。
損耗はわずか1%ですが、「必ず」毎年誰かが一人死なない限り、生活水準はどんどん低下。
しかも子供を生むこともできません。10年もしないうちに破断界が来るでしょう。

「微量」であっても、それに耐えろと一般の生活者に求めるのは不可能なレベルです。
ムーンムーンのような、難破船生活(+宗教的呪縛)は普遍化しにくいものでしょうから。

まして人情は「より良い生活」を求めます。
少々は技術開発で補えるかもしれませんが、とても年率数%の「成長」は見込めません。
何より技術の発達を促すベースとなる経済が縮小均衡となるのですから。
(技術の進展に「筈」はないかと。私が子供の頃の21世紀は宇宙船が飛び交う時代でw)

もし、これを1年戦争開戦前の連邦がソフトランディング先と考えていたならば、確かに
「圧政」でしょう。
しかも母数は数(十)億にものぼるわけです。途方もない「微量」です。


先進国における出産低下を見慣れた今の目からは信じがたい話ですが、70年代は10%近い
経済成長が見込まれていた時代です。
その当時に源を発するアニメが、産児制限や縮小均衡を是とする世界観でないのも仕方が
ないかとも思います。


また1年戦争より後の戦争目的の主なものが仰るとおりなのは理解しております。
私は、「1年戦争の開戦事由」が、その程度の「微量」な差異であってもおかしくないと
考えており、それ以後の戦争はいわば1年戦争の余波です。

使いにくい言い方ですが、1年戦争で数百のコロニーが良質「資源」となりました。
落としたりしたのは数個ですし、この「資源」を使う住民は「いません」。
ある程度のリサイクル率があれば、当分は困らずに、山賊と戦争できる状況ともいえます。
CCAまで表向きの戦争理由が仰るとおりでも、そこまで無理はないのではないでしょうか。
(すみません。CCAより後は私の守備範囲外です。これはお詫びいたします)


最後に、私はコロニー「独立」とはただの自給自足のことではないとも考えております。
あくまで「『対等』の関係で需給を決定できる」関係づくりではないか、と。

そう、制宙権を確保できさえすれば、地球から必要な資源を搾取するのは簡単な話。
ギレンの戦争目的の真の部分が演説で語られなかったように、「制宙権をもった上で地上と
『対等』な関係≒必要な物資は奪取できる」のだと考えてはいかがでしょうか。


何となれば、スペースノイドという「棄民」には、生きていくに必要な程度の資源確保は、
基本的人権と認識されていると考えられるからです。







循環システム  投稿者:自律神経衰弱男


宇宙世紀には、海底都市が存在するようです。Vガンダムの33話に登場しました。アンダーフックという名前です。

宇宙に対して海の中という場所の違いはありますが、来るべき本格的な宇宙移民計画を開始する前に、海底都市を建設して、循環システムの練習をしていたものと思われます。

ではコロニーが何十年も何百年も自立できるほどの循環システムって、何だろうということですが、今、私の横にもやしもんという漫画がありまして、おそらく『菌』の力だったりするんじゃないかと思う次第です・・・。

宇宙世紀というと科学技術がハード面で発達しているようで、実はバイオ工学も進歩しており、「人間が吐いた二酸化炭素をマッハの速さで酸素と炭素に分解する菌」とか「死骸やゴミをものすごい速さで分解する菌」なんかが土壌や空気中にいるのかもと考えております。
何せ、現時点で役割や性質が判明している菌は今発見されている全体の一パーセントにも満たないわけで。未来ともなると宇宙時代の役に立つような菌を有効活用出来たりしているんじゃないでしょうか。

もしバイオ技術が発達していなかったら・・・0079年ともなると長い間コロニーの温室暮らしで体の免疫がナマっているジオン軍が地球に降下したら、インフルエンザウイルスとかの病気にすぐにかかってあっちでハクショーン!こっちでハクショーン!鼻水ビショビショ、喉もイガイガ。熱で頭もポーッとしてきて、若いやつらなんか「清潔なジオンに帰りたーい(泣)」なんて言い出してとても戦争どころではなかった・・・というシチュエーションになりかねません。しかし、劇中ではザクさんたちが元気にヒートホークを振り回したりなんてしているところをみると、宇宙移民が地球特有の病気にかかって苦しいといった描写はありません。となれば、宇宙世紀はバイオ学がお盛んであり、コロニーの循環にも貢献しているとも考えられるとおもいます。







島流しか、開拓者か  投稿者:KS


既に述べた通り、宇宙移民の主な(唯一の、ではなく)目的は「地球の人口を減らし、環境負荷を抑制する事」だと思われます。作中の事実としてそれは一定の成功を収め、新規移民がほとんど行われないのが開戦以前の地球圏の状況です。
究極的には、錬金術でも使わない限りコロニーが「完全循環」にならないのは確かでしょう。しかし「事実上の安定した閉鎖環境」として、外部からの補充やケアなしにやっていける時間がどの程度なのか、というのは作中では明示されていません。
これがもし数年以下であれば、コロニーは完全に紐付きの「地球の延長、付属物」でしかあり得ません。どんなにあがこうが、地球から資源供給が止まれば死ぬしかない。住民の心も常に地球というベースキャンプ、母港の方を向く事になるでしょう。言い換えれば「離れ小島に押し込められた地球人」という意識から逃れられないはずです。
一方一世代あるいはそれ以上の余裕があるのであれば、突き詰めれば地球と縁切りできないとしても自らを「自立しうるコロニー市民」だと考えるようになり、中長期的な関係改善を求めての交渉も行われるのが自然でしょうね。
で、作中の流れとしてはこっちです。
やはり物資のリサイクルに関しては何らかのブレイクスルーにより、我々の想定より遙かに高精度・高効率になっていると考えていいのではないでしょうか。

確かに宇宙移民はあくまで人口増加に伴う諸問題の「先延ばし」であって「根源的解決」ではありません。しかしそれはコロニーにとってのみでなく、地球にとっても、です。
要は「限られた資源でやりくりしなければならない範囲」が「地球」から「コロニーを含む地球圏」に広がっただけなのです。コロニーが自給できず地球に依存する物質は、地球上でも「増える」訳ではないのですから。
要は先延ばしによってどの程度「危急の問題」としての圧力が低下し、物心両面の余裕が生まれたかでしょうね。

作中で描写されるサイド7、サイド6などの風景は緑地が豊富で、家も高層集合住宅などではなく一戸建てが基本など住環境としてはそれなり以上に快適なものです。少なくとも「より多くの人間を押し込める事」を最重視した過密スラムではありません。半強制的に移民を進め、しかも一度押し込めてしまえばそこからおいそれと移動できないという事を考えれば、その気になればどれだけ劣悪な環境も構築できるのに。
居住地や職業の選択などの点で人権侵害なのは確かですが「快適な生存権」は尊重すべきものであり、事実十二分に配慮されていると考えられます。
(もちろん移民させられた側には様々な不満も残るでしょうけどね)

そもそも最初にコロニーを建設するための資金や手間は地球からの持ち出し。
その上でコロニー市民の生存にも地球からの永続的支援(輸出)が必要なのだとすれば、地球上にスラムがあるのに比べても移送コストの分地球側の負担が大きくなるんじゃないでしょうか?
棄民政策などと言われていますが、少なくとも建前上は「地球さえ無事なら後は知らん。お前ら勝手にせえや」というものではなく「ある程度安定した閉鎖系であるコロニーによって拡張された人類社会の永続的発展」を見越し、目指したものではないでしょうか。
(その上で地球とコロニーの人口格差や、地球に輸出しうるコロニー産物、逆にコロニーが必要とする地球産物などを考えると貿易は成立するのか、物資のやりとりがないならどうやって圧政を敷き重税を実益に変えるのか、というのが当初の疑問だった訳です)

宇宙移民によって少なくとも計算上数百年の余裕が生まれる。その猶予期間のうちに火星や木星四大衛星などまで人類の生存権を広げていく、というのが少なくとも当初の目論見だったのではないでしょうか。
ところが地球の負荷が減った段階で新規移民が止まるだけでなく、宇宙開発政策全体が消極的になり、地球に残った奴らが特権階級化して「投資の回収」にかかったためにコロニー市民も生活に追われるようになり、様々な軋轢が加速し……というシナリオもありそうな気がしてきました。







よりよい棄民政策  投稿者:KS


これはオマケ的な思いつきですが「人類社会全体の永続的発展」よりも「棄民による地球のみの安泰」を重視するのなら、もっと積極的に「月面移民」を推進するというプランはどうでしょうかね?

元々地面がある分、恐らく開発費用はコロニーより安上がり。資源だって採掘しやすいから強制移民させた連中からの搾取も比較的容易。
しかも特別にトレーニングしない限りは住民は「低重力人」になってしまうため、事実上地球帰還は不可能。1Gのコロニーに比べれば「不法帰還民」や「逆侵攻による制圧・進駐」をあまり警戒しなくてもよくなるという大メリットがあります。







地球は恵まれているからコロニーに施しを!  投稿者:七味


単に電力(発電)に限るなら、原子力発電なら地球でも宇宙でも可能で、同じ技術を使ったものならば効率は変わりません。
地球の場合、海水(に含まれる水素)が豊富にあるので核融合に使う重水素や三重水素の獲得にそれ程困らない利点はあるでしょう。

太陽光発電は昼夜が無く雲も空気も無い宇宙の方が安定して高効率に発電可能ですが、それ以外の水力発電や風力発電、潮力発電や地熱発電は地球でしか行えません。
石炭や石油や天然ガスのような化石燃料にしても、実際は完全に枯渇するまで搾り取って無くなるより、太陽光発電や核融合発電に比べて採算が合わなくなって掘れば掘るほど赤字になるから産業として成り立たなくなる可能性の方が高いですから、いざとなったら炭鉱や油井を掘り返す手段もあるでしょう。

宇宙にあって常に昼間にある太陽光発電衛星から地上に送電する方法もある訳ですし、エネルギー自給の可能性的には地球の方が恵まれているでしょうから、空気や水やその他の必須資源を生産する意味でコロニー側が不利なのは否めないと思います。
地球は、いわゆる森林に生えている樹木だけでなく浅い海に漂うプランクトンや藻の類も光合成で酸素出しますから、人工的に浄化しない限り絶対に汚染が回復しないコロニーと比べれば「水と空気はタダ」でしょう。

コロニーは宇宙の筒ですから本物の地球の方が資源的に恵まれているのは当然と言えば当然なのに、その恵まれている地球の方が空気や水にかかる費用が軽く、自転車操業のようなコロニーだけが重税だとしたら、地球に対する不満も出るでしょう。
地球環境を回復させるために全人類が平等に分かち合う痛みなら納得もできましょうが、何故か地球に残る人が居てしかもその人の口から「地球の為に痛みに耐えよう」とか言われたら、まあ暴動の一つでも起こしたくなるでしょうね。
「全員が平等に貧乏であるより、貧富の差がある方が不満が出る」のが人間社会です。


実際は、特に移民初期であれば地球からの持ち出しが多くて「地球側の赤字」だったでしょうが、だからといってその赤字を回収するシステムが存在しないんですよね。
現実の帝国主義時代の欧米諸国による植民地政策は、植民地に最初から人と土地と資源があったから成り立ったのですが、宇宙移民の場合は土地から自力で作らねばならないから大赤字でしょう。
補填しようとしてもコロニー側は維持するだけでも多額の費用がかかり、地球に与えらえるモノがあるとすれば物的資源ではなく知的資源に限られるでしょう。

双方が欲しがるモノを合意の上で交換するというのが経済の最も原始的な形で、貿易というのも双方が欲しがるもの、売りたいものや買いたいものが無いと成り立たないですが、これを考えると「コロニー側が地球に欲するモノはあっても、地球側がコロニーに欲するモノは特にない」という事になって、それが「コロニー側の貿易赤字」になり、さらにコロニー行政にかかる費用も考えるといわゆる「双子の赤字」である可能性があります。
さらにここでコロニーという地方自治体がどの程度の自治権を持っているのかという話になりますが、もしも地球からの統制で自由な金融政策が行えないとか通貨に関する決定権が無いとかになると「我々は搾取されている!」という考えに繋がるでしょう。
地球から見れば「必要で適正な管理」だとしても、コロニーから見れば「地球の特権階級を富ます為の非情な搾取」になりえます。







コロニー考察の発端  投稿者:自律神経衰弱男


>七味さん
>海水(に含まれる水素)が豊富にあるので核融合に使う重水素や三重水素の獲得にそれ程困らない利点はあるでしょう

そういえば、重水素や三重水素は地球ではレアものだった気がします。
その為に木星まで出稼ぎする必要がありました。・・・もしかしたら、宇宙世紀においての宇宙開発技術は、木星でレア資源を採掘することが本命で、移民政策は木犀まで出稼ぐための前哨基地目的で造った「ついで」というのはどうでしょうか。

増えすぎた人口は、ただ食わして住まわすだけなら、砂漠を緑化するなどして、技術系統は全然違いますが木星くんだりまでいく必要なくとも食わすことはできたんじゃないでしょうか。

でも、等しく人間的な生活をさせようと思ったら、膨大な電力が必要です。

その為に核融合技術に白羽の矢が立てられ、核融合発電を現実にするには、木星まで出稼ぎして、レア資源をゲットする必要がある。

木星までの大規模な中継地点が必要になる。

最初は月、ルナツーやアクシズなどの資源衛星が開拓される。この辺で調子に乗って、「ボンピーから順に宇宙に追い出せば、地球の自然も回復する・・・!」という計画が立てられる。宇宙においてのインフラが整っていれば、目的のレア資源もコストを安くして入手できるという算段。

宇宙世紀の始まり。大々的な宣伝によって、富豪でありながらも宇宙時代に夢を乗せて、移民と一緒にコロニーで暮らす人々が若干数出始める(レイ家、ザビ家、ヤシマ家、マツナガ家、フィーゼラー家など)。後に彼らが元からの資産と地位を駆使して一年戦争で活躍し、戦争激化の一端を担う。

戦争によって流れた宇宙富豪のお金は、アナハイムにて一点に集中し、グリプス以降の歴史につながる…

こういう流れを妄想しています。







コロニーの経済成長  投稿者:鐸碑


コロニーには、エネルギー(太陽光)資源以外の資源は全くありません。
何か財を生み出すのは、労働力以外有りえないと言うことになります。
工業加工にせよ、食料生産にせよ、外から入れた材料を加工して外に出す以外ないわけです。

つまり経済成長とは、労働量の増加という形で現れる筈です。
これ以上の成長が見込めるか否かは、既に、コロニーの人口はキャパが限界に達していたのか?
この一点に掛ってるのではないでしょうか?

人口的なピークは1年戦争開戦前だったでしょう。(半分になった人口が2,3世代153年のVガンダム時点で埋まらないと思われる)
この時点でも、まだ何割かの余裕を残していたと思います。
そうでなければ、ジオンだけの反乱で済まなかったでしょう。

コロニーを新造しなくても、3〜5割の人口増加を受け入れられる余地というのがまだあったのではないでしょうか?
そういう状態であれば、決定的に何かを失う(確率的には少しずつどうしても失われますが)ことが無ければ、閉鎖しての経済成長は見込めます。
人口が増加しても受け入れられる余裕がある余裕のある循環システムが稼働していたでしょうから。

作中の描写を見る限り、このラインは崩せないと思います。







経済的側面を加味したコロニー経済の閉塞感  投稿者:340


鐸碑様

>経済成長とは、労働量の増加という形で現れる筈です。

コロニーとしての経済成長を見るなら、確かに仰るとおりでしょうね。
ただ、「独立戦争」の勃発原因を考える場合、必要なのは「一人当たり」の成長量です。
(今回の議論は「戦争の原因とされる圧制が成り立つか」という所から始まっています)

コロニー住民の個々人の多くが、自ら望むレベルの成長の中にいるなら戦争は阻害要因。
逆であれば一発逆転に賭けたくなる、あるいは賭けざるを得なくなる。


そう、人口の流入だけによる「経済発展」では、むしろ個々人は貧しくなります。
元来限られているコロニーの生活の場としての資源が、頭割りで少なくなるからです。
これは、そのコロニーの資源にどれだけの余裕があるかとは関係ありません。
単純に算術的に減少し人の心理を蝕みます。「最大多数の最大幸福」に対する逆行です。

そもそも、増えた労働力で何を生産します?
コロニーは空間的にも、維持のために支払われる代償からも飽和状態という状況で。
むしろ失業を促進しかねないでしょう。それは生活人にとってあまりに惨めな現実。


KS様とも話し合いたいところですが、1st他の画面上で描かれるスペースコロニーでの
生活は、宇宙世紀の時代の住民にとって、そこまで満足のいくものでしょうか。

確かに緑に囲まれた一戸建て中心ですが、それは宇宙開発開始以前でも−世界の一部で
しかないにせよ−到達していた利便性・快適性の範疇です。
青い猫型ロボットが用意するような便利道具に近いギミックは「ハロ」程度。
巨大なインフラと核融合推進の宇宙船を実現している時代に、何と言うささやかな生活。

一世紀前の水準に全員が追いつくことは確かに大事ですが、その代償が大きすぎます。
板子一枚向こうに真空の地獄が用意され、隕石なりその気のテロで何百万人の葬儀場。
生まれ育った地である二世三世にとっては、これを捨ててまで地球に下りようとは考え
ないでしょうが、「地上のエリート」に対し怨嗟を溜めていくには十分なレベルかと。


このような潜在的な恐怖・喪失感が蓄積される中に、地上の連邦政府が「改善提案」を
した場合、それがどれだけ穏当かつ現実的なものであれ、激発があったのではないか。

「不安の中で生きる俺たちには、一人一人が発展する権利がある」

この欲求の当初の受け皿が、「市民運動レベル」のダイクン派だったように思うのです。
資源が有限であり、マクロ経済から見れば連邦のほうがよほど合理的指針を提示しても、
否、合理的であればあるほど反発を産むでしょう。
抗議の主張が誤ったものである時、それを認めて引き下がることがどれだけ難しい事か。

このエスカレーションがダイクン派の夢想的=低レベルな実行力で破裂したその時こそ、
ザビ家の跳躍台になると考えたいのです。






「景気」という呪縛  投稿者:KS


そもそもあの世界で現代的な「経済的成長」がそれほど望まれているのでしょうか? 皆が「普通なら享受できるもの」だと思っているのでしょうか?

火星や木星という次のステップへの足場としてならともかく、コロニーがそれ自体富を生まないものであるのは明白。
さらに地球も少数のエリートが残り、過剰な人口で疲弊した環境を大切にする社会になっているはず。そして『ガンダム』作中の描写から、それはある程度成功している模様。サハラの緑化などはまだにしても「20世紀末」程度には回復しています。
つまり「現在」のようなガンガン開発や生産を行って(資源を濫費し、自然を破壊し、廃棄物を生み出して)右肩上がり経済バンザイ、というのが社会の常識ではないんじゃないでしょうか?
地球のエリートの暮らしを支える産業従事者もかなりの数いるでしょうが、金持ちが身内でぐるぐる資本を回すのが経済活動の基本になっている可能性、そしてコロニーも含めていわゆる好景気よりも「安定した現状維持」「低成長・無成長を前提とした社会」が重視されている考えるべきでは?
(いっそ資本主義経済とは異なる何か新しい経済システムが柱になっていると考えられればいいのですけど、アナハイムなど私企業が幅を利かせてますし……)

一般市民の不満についても煮られる蛙の喩えじゃありませんが、人は身の回りで少しずつ起きている変化、起きていない事は当たり前の現実として受け入れます。
例えばかつて夢想された21世紀が実現していないからといって今の我々は、その事に不満を抱いているでしょうか? エアカーがない、宇宙旅行できないと嘆くでしょうか?
各方面の技術が横並びで必ず発達するという保証がある訳でなし、核融合炉とスペースコロニーが実現していても日常生活が変わらない事は充分にあり得ます。そして作中の描写からはそう判断するのが妥当です。
(50年くらい前の人に現代の現実を伝えたら「何でみんなが超小型コンピュータを持ち歩くくらいに技術が発達してるのに、実験レベルじゃない宇宙ステーションも世界政府もないんだ?」と首を傾げるかも知れませんね)。
わざわざ人工的に構築されたコロニーの環境がアレというのは、宇宙世紀の一般人にとってあれが「好ましく、快適なもの」であると考えるべきでしょう。それに地球に残ったエリート(エシェンバッハ家などは名門で権力者で民間人という適切なサンプルです)も「20世紀的豊かさ」を謳歌しています。あの世界の人々にとってあれが「豊かで幸福な暮らし」であり、サイド7の風景に見られる「20世紀末アメリカ郊外住宅地風」は最高とまではいかずとも充分な憧れなのでは?
(これは同時に、移民開始までの中産階級〜低所得者層の居住環境の過密さ、劣悪さを想像させる材料です。過剰人口が主因の環境悪化が洒落にならないレベルだったからこそ半強制的に移民を行うなんて政策が実行されたのでしょう)

もちろん快適な街を用意したからといっても「強制的な移民」自体が不満の根源でしょうし、地球との格差など宇宙市民の憤懣は募る材料はいくらでもあるでしょう。
ただ「現代的な経済発展が必然・常識になっており、それが叶えられないのは不満である」というのは無条件の前提にはなり得ないと思うのです。






ついでに  投稿者:KS


合法的かつ大規模な補給ができないはずのデラーズ・フリートが、コロニーの残骸という明らかに無茶な環境で3年間生存出来ています。

もちろん艦船に「年単位」の自活力があるとは思えませんし、宇宙世紀世界ではかなり高効率のリサイクル技術が確立しており、地球からの補給なしではコロニーが数年で干上がる、というような事はないのではないでしょうか?

兵士の中に、本業はコロニーの環境システム技師という人がいて、何とか残骸の中から浄水システムと酸素精算兼食料生産用のクロレラタンクを発見し……なんて想像をしてしまいました。






戦前と戦後  投稿者:ばぁびぃ


コロニー経済について、一年戦争前と一年戦争後で、あきらかに違う点がひとつあります。

戦前はさほどの影響力を持たなかったとしても、一年戦争後になら、コロニーの主要輸出産品となりうるもの。

それは農業です。

ジオンのブリティッシュ作戦は失敗しましたが、コロニーは落ちています。
いちばん大きなのが落ちた場所はオーストラリア沿岸部。直径500kmからのクレーターが…と言うことです。

これは全地球規模で数十m級の津波が襲うことは明白です。

世界の農地のほとんどは低地にありますから、壊滅的被害を受けることになります。
ことにアジア、インドは全滅でしょう。(オーストラリアは言うまでも無い)

内陸で被害を受けずに残りそうな世界の穀倉地といえば、ウクライナ、ロッキー山脈が盾になってくれる北米中央部(東海岸とメキシコ湾沿いはダメでしょう)ぐらいです。
南米は大西洋から波が回り込むのでブラジルの東半分くらいはダメでしょう。
ヨーロッパ全域はほぼダメだと思われます。
この当時、アフリカの農業生産力がどの程度のものなのかが良くわかりませんが、アジアの農地が壊滅した状態で地球人の食糧を支えきれるほど生産力は無いでしょう。

津波を受けた農地は1年2年で回復できるような被害ではありません。
ガレキを片付けたとしても、表土は流され、塩をかぶってしまった農地の生産力が戻るにはそれなりの年数がかかります。
しかも作中描写の雰囲気から、戦争中にそれほど大規模で広範囲な復旧作業がおこなわれたとも思えませんから、被害を受けたまま固定化され、使えなくなってしまった農地は相当のものになるはずです。

さらに、コロニー落着後、数年間は地球規模で天候不順。
農地が被害を受けるということは、そこに住む人々も当然被害を受けているので就農人口の減少。
…などが起こります。

この状況で、0083にデラーズがさらに北米穀倉地を壊滅させたら、主な食糧生産地はウクライナのみ、と言うことに。

コロニーは食糧生産においてかなり優位に立てると思われます。







怨嗟  投稿者:龍崎海


>340さん
>一世紀前の水準に全員が追いつくことは確かに大事ですが、その代償が大きすぎます。
原発事故を見るとそれほどって感じはしないのですが。
原発もテロがあれば国一つ滅びますが、原発がある地域の人は他の地域の人をそれほど恨んでいるようには思えません。
実際に事故が起きても暴動とかおきませんから、それがそこでは当たり前なら、遠く離れた地球の人がどう暮らしていようとあまり気にしないのではないでしょうか?







物資の輸送コスト  投稿者:鐸碑


宇宙世紀の世界には、ジブラルタル他何カ所かにマスドライバーが存在した筈です。
(ジブラルタルはVガンダムの中に登場し、地球から物資の打ち上げに長らく使われてきた人類のインフラであるとされている)

マスドライバーがあれば、地球の重力圏を脱出し軌道に乗せる所までは、微調整としての推進力は必要ですが。
質量を宇宙空間まで押し上げるのには電力以外必要ないという事になる筈です。
エネルギー問題は、宇宙太陽光発電と核融合炉でクリアしてますから、現代の常識から考えるとはるかに低いコストで、「物品」を宇宙にあげられるんじゃないでしょうか?

そう考えると、よりエネルギー供給の安定的な宇宙空間の循環系であるコロニーに有機物を持ち出して、持ち出した有機物を循環させて食料生産するというのは、効率の良い食料生産方法なのかもしれません。










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