ジオンの残業
〜階級のお話・またまた〜




2011年11月に階級の話がありました。




無題  投稿者:ふゃんねこ


ジオンの残業・階級のお話 を読んでいて思ったことがあります。

戦闘で功績を挙げたり、戦死によって二階級特進 などはわかるのですが、
平時、どのように階級が上がっていくのでしょうか?

連邦などは一年戦争が始まるまで平和な時が長く続いたはずです。
そのような場合、どうだったのでしょうか?

分かる方が居られましたら、よろしくお願いします。







昇進  投稿者:龍崎海


普段の勤務態度とか勤務年数から上司が昇進試験を受けさせるかどうかを判断し、その試験を合格すれば昇進するんじゃないでしょうか。






軍隊は階級社会  投稿者:七味


> ふゃんねこさん

功績というのは、実戦で敵を倒す事だけではありません。
「敵を倒す事が任務」となると、「味方を助ける事が任務」の医官とか「物流が任務」の補給担当官とかが出世できなくなります。

自衛隊は発足以来本物の戦争に参加していません(紛争地域での平和維持活動任務ならある)が、敵兵を一人も殺していない将軍や提督(将補以上の方々)が沢山います。

階級の昇進では、少尉以上の士官階級とそれ未満の下士官、兵では多少異なります。
以下、近現代の日本(主に陸軍、陸自)を例にしていますが、日本が模範とした欧米の軍隊も基本的にはそれ程変わりません。
ただし、これがどの程度ガンダムの宇宙世紀に適用できるかは未知数です…。


・士官
自衛隊では「将〜三尉までの8階級(+幕僚長たる将)」
日本軍では「大将〜少尉までの9階級(+元帥大将)」

士官になるには、士官学校を卒業して任官されるか、下士官から士官教育課程を経て昇進するか、一般大学卒から士官教育課程を経て任官されるか、という「試験」を必ず通らねばなりません。

士官学校(防衛大学校)卒の生粋の士官は、現代風に言う「キャリア官僚」です。
自衛隊でも旧軍でも、一佐(I)と一佐(III)のような区分けで職務の内容や先任順、俸給が異なります。

自衛隊でも旧軍でも、他国の「准将」に相当する階級はありません。
どちらも発足当時は軍の規模が小さかったので足りたのですが、任務が複雑化したり軍の規模が大きくなってくると不便なようです。

旧陸軍だと「師団長は中将」と法律で決まっていた上、元帥というのは階級ではなく大将の名誉称号で、「元帥〜准将」の5階級ある欧米列強軍と違って将官が3階級しか無いので「師団長より上だけれど総司令官でもない」役職が中将だらけになってしまい、「師団長である中将の上司が軍司令官の中将で、その上司が方面軍司令官の中将で、その上司になってやっと総司令官の大将」みたいな、訳の解らない状況がありました。

士官は、旧軍では官吏の中でも上位に扱われる「高等官」という立場で、位階(正三位とか従七位とかのアレ)とも対応していました。

戦前の天皇は「大元帥」として「全軍の最高司令官」という肩書きでしたが、あくまで名目上の話で、事実上は「軍令において天皇を補佐する」陸軍参謀総長と海軍軍令部総長が、それぞれ陸海軍の最高指導者でした。
いわゆる「大本営」というのは戦時における陸軍参謀本部と海軍軍令部の"調整機関"で、大本営の下にそれぞれ並立していましたので、陸海軍を統合的に統括する最高指揮官は存在しませんでした。

現代の自衛隊の場合、防衛大臣の下にある統合幕僚本部という組織が陸海空の自衛隊の上位にあり、統合幕僚長たる将という人が、実質的に自衛隊の総指揮官となります。

・准士官
自衛隊では「准尉」
日本軍では「准尉(海軍では兵曹長)」

「最上級の下士官」のような扱いで、「俸給等の待遇は士官並みだが職務は下士官」のような、軍歴が長く専門知識を買われている人が昇進します。
少尉(三尉)より下の階級ですが、勤続年数や俸給は少尉より上ですので、士官学校を卒業したばかりの新米少尉より実質的に偉いです。
士官学校在学中に実地研修として一般部隊に入る場合、学生は「准尉ないし曹長の待遇」で扱われます。

・下士官
自衛隊では「曹長〜三曹の4階級」
日本軍では「曹長〜伍長(海軍では上等兵曹〜二等兵曹)の3階級」

法律では、このランク以上が職業軍人。つまり現代では「国家公務員」で旧軍では「官吏」の扱いになります。旧軍では、高等官ではない下級官吏(判任官)でした。

士官が頭脳で兵が手足とすれば、下士官は命令を的確に手足に伝えて遂行する神経のような位置にあります。
軍の規模が大きくなったり、任務内容が複雑になると増やされる傾向にあり、現代米軍の下士官階級の数は5つ以上あります。

・兵
自衛隊では「士長〜二士の3階級」
日本軍では「兵長〜二等兵の4階級」

兵の地位は「正社員ではない期間契約社員」のような扱いになります。

旧軍は徴兵制があったので、特に士官学校や幼年学校など目指さない成人男性だと自動的に二等兵から始まります。
20歳以上の10人に1〜2人が徴兵されましたので、「当選」した人は都市だと外れ籤、貧困な村落だと当たり籤のように見做されていたようです。

旧軍では現代でいう公務員の扱いではなく、あくまで(徴兵は国民の義務なので)一時的に軍務についている一般人として待遇され、殆どの人は数年の勤務の後に予備役兵として登録後に除隊して一般社会に戻り、定期訓練での臨時招集以外、いわゆる「召集令状」が無い限り軍務に復帰しません。
また太平洋戦争末期のような異常事態でも無い限り、あまりに高齢の人が再召集される事はありません。

自衛隊は志願制ですが、任期中に大型自動車とか危険物取り扱いとかの免許をただで取らせてくれるというので、一番下っ端であるこのランクでも結構人気があるそうです。
大卒などの学歴条件が無く、身長や体重、視力や体力等が規定の条件を満たしている日本国民ならば男女問わず誰でも志願できるので倍率が凄いらしく、任期中の退職は原則認められないので脱柵(兵舎からの逃亡、脱走。休日に外出してそのまま帰って来ない事)も多いようです。

兵長(士長)から、下士官である伍長(三曹)に昇進するには数ヶ月の下士官教育と試験の合格が必要です。
いわゆる「叩き上げ士官」という人は、このランクから20〜30年かけて士官に昇進した人で、二等兵から佐官までなったら「兵の神様(兵の元帥)」などと、他の一般キャリア士官より尊敬されたようです。


で、これらの階級の人たちはどういう時期にどういう理由で昇進するのか?
基本的には一般の商社と同じで、時期ごとに勤務成績や勤務態度を評価されて、評価の高い者から昇進します。士官の場合、士官学校の席次も響きます。
昇進の時期は4月や10月、その前後が多いですので、昇進時期が来ると皆一斉に昇進します。

旧軍の二等兵の場合、4月に入隊したら早ければその年の10月に。遅くとも次年度の4月に一等兵に昇進します。これは徴兵制によって毎年一定数の二等兵が新たに入ってくるので、特に訓練成績が悪いとか素行不良とかでない限り、ほぼ自動的に昇進します。

ただし勤務態度が悪くなければ昇進可能なのはここまでとも言え、これ以上に昇進する場合は成績が良くないと難しくなってきます。
一等兵や二等兵は一方的に命令に従って動くだけですが、上等兵や兵長になると班長や分隊長として数人の兵を指揮する立場に回るので、それなりの能力が求められるわけです。
普段の兵舎での生活や、訓練での成績がより重視されるようになってきます。

組織はピラミッド型なので、高階級者ほど数が少なくなり、昇進できなかった人は次の機会まで昇進しません。
ですから「ずーと平社員」のような人も出てきます。
でも、軍隊は商社と違って何か利益を生み出す組織ではないので、「ずーっと平社員」みたいな人が定年退職まで延々と居続けてもらっても困ります。
国家から支払われる給料の負担もそうだし、肉体が資本の軍隊で50歳の兵隊とか使い物になりませんから。

なので「停年」という制度で強制的に予備役編入や退役、除隊させます。
これは、4年制の大学では最高で8年まで在学可能というのと同じように、同じ階級のまま留まれる年限を設けているのです。
例えば、少尉から中尉になるには最低でも少尉として1年くらいの勤続が無いと昇進できませんが、かといって少尉のまま10年も20年も居られるかというと、停年の年限があるので不可能です。
また、階級ごとに「退職定年」もあるので、「停年には達していないけれど定年に達した」場合も、サヨナラ軍隊生活です。
40歳で少佐くらいならOKでも、40歳で少尉とかは勘弁してくれって事ですね。
だから年限までに頑張って昇進しないと、予備役に編入されて娑婆に戻る事になります。

平時における昇進に関する評価対象ですが、勤務態度の善し悪しや、日頃の訓練成績、上司や部下からの評価が主です。
兵から下士官、下士官から士官へ昇進する場合、それ用の特別な試験もありますが、基本的には「その階級で規定されている月数(18ヶ月とか24ヶ月とか)以上を勤務した人の中での成績上位者」から優先的に昇進します。

平時であれば、だいたい2〜6年くらいで階級が一つ上がるくらいのペースでしょうか。
2階級特進などは、戦時であって功績に対してというより、有能だがその任務に就かせるには階級が足りない人に対して特例的に飛び級させる場合(米軍では3階級特進とかもあった)と、戦死した時に遺族年金などを加俸する目的で特進させる場合が殆どです。
戦死すれば必ず2階級特進かというとそうではなく、「生前の業績が優秀」とか「勇敢に戦って死んだ場合」のみの措置で、普通に死んだ場合は生前の階級そのままか、1階級特進くらいです。

ただし、医療や建築など特定の専門分野に精通した人を民間から引き抜いてくるような場合、業種によってはいきなり少佐として待遇するような事もあります。


現代の制度と比較すると、幾ら能力や戦功に恵まれたとは言え1年で4階級も上がったシャア(中尉→大佐)が、いかに異常かお解りでしょうか。
他に銀英伝のラインハルト皇帝とか、若年者の猛スピード昇進というのはフィクション(主に和製)にしか無いものです。
戦時で多大な戦功を立てたとしても、こんなペースでの昇進は現代ではありえません。
武勲に対して勲章や報奨金などは貰えても、職位と直結している階級を簡単に上昇させるのは組織として不味いからです。

現実の歴史では、中世社会で「武士(騎士)に生まれたから15歳で立派な指揮官。家臣の忠義さえあれば20歳で立派な武将」みたいな家柄重視の制度でなければ、10代や20代で重要ポストには就けません。
で、そういう中世の「家柄と手柄重視」の制度と、現代の士官学校のような「学歴と能力重視」の制度は相容れないんですよね…。







昇進  投稿者:龍崎海


>七味さん
>戦時で多大な戦功を立てたとしても、こんなペースでの昇進は現代ではありえません。
ちょっと疑問に思ったのですが、クーデターや革命とかが起きてもありえないのでしょうか?
また陣営を変えた場合階級の変動はどうなるのでしょうか?
ガンダムでいえばシャアは大佐から大尉になっていたと思いましたが。







にちようび  投稿者:そめスケ


>龍崎海さん
>ガンダムでいえばシャアは大佐から大尉になっていたと思いましたが。
 あれはシャア・アズナブルが大尉になったのではなく、「クワトロ・バジーナ連邦軍大尉」の籍を入手して成り済ましていたんだったような……







>龍崎海さん  投稿者:あるくびゅーず


ちょいと横から。
>ちょっと疑問に思ったのですが、クーデターや革命とかが起きてもありえないのでしょうか?

これは、前提条件が大幅に変わってきます。
ありえるありえないで言えばありえるという回答になると思いますが、
クーデーターとか革命は、その時点で首謀者やその夢見る仲間達次第でどうとでもなってしまいます。
歴史上でいえば、どこぞのチョビヒゲ伍長は総統にまで上り詰めましたし。

>また陣営を変えた場合階級の変動はどうなるのでしょうか?
>ガンダムでいえばシャアは大佐から大尉になっていたと思いましたが。
クワトロ=バジーナ大尉という人物に、シャア大佐が成りすましたものですから、これも昇進云々とはあんまし関係ないです。

ちなみに陣営を鞍替えするのは歴史的に見て、裏切り者としておおむねあまり良い評価を受けていません。
例外はいますけどね。

ラインハルトが短期間で昇進したのは結局、「皇帝の姉に対する恩寵」が無縁だったはずはありません。
門閥貴族で、かつ戦功があった者もいるのに、短期間で元帥は異常すぎます。
ただ、ゴールデンバウム王朝は専制主義に偏り過ぎており、作中では小戦隊の司令官さえ元帥杖を持っていたという時代もあったそうなので、
昇進システムが崩壊しかかっていたのかも知れませんが。







階級話  投稿者:ふゃんねこ


>七味さん
非常に詳しい解説、ありがとうございます。
軍人も色々と大変なんですね・・・
まぁ、戦闘状態になったらそんなこと気にしてる場合じゃなくなるんでしょうが。

>ただし、医療や建築など特定の専門分野に精通した人を民間から引き抜いてくるような場合、業種によってはいきなり少佐として待遇するような事もあります。
ガンダム作品(UC、CE等問わず)でこういう例ってありましたでしょうか?

>龍海崎さん
シャアの場合、「クワトロ・バジーナ」という人物に階級ごと成りすましたはずです。
元ジオン軍人ですし、本来なら連邦軍には所属出来ない立場のはず。







軍という組織の話  投稿者:七味


> あるくびゅーずさん

伍長閣下は、総統という名の国家元首として国防軍と武装親衛隊に対する統帥権を持つ最高指導者となっただけで、軍人として元帥や元帥位の上級大将になった訳ではありません。
「立身出世」ではあるでしょうが「軍隊での昇進」とは違う意味の話と思います。
現代日本で例えれば「元自衛隊の陸士長が総理大臣になる」ようなもので、こういう事なら民主制国家ならどこでも、可能性としてありえるでしょう。
当時のワイマール共和国は、「世界一の民主制国家」だったのですから。


> 龍崎海さん
> ちょっと疑問に思ったのですが、クーデターや革命とかが起きてもありえないのでしょうか?

クーデターや革命は「特殊な事例」と考えてください。
平和な状況を想定した場合では当て嵌まりませんし、戦争中であっても起こる事は多くありません。
あるくびゅーずさんも仰っていますが「何でもあり」なので、革命によって元兵士が将軍になった例を挙げても、「それは例外だ」という話です。

特に20世紀以降の情報の高速化と多量化、軍備の規格化が促進された現代軍の場合、「革命で下級士官が突然元帥になった」としたら、恐らく組織として機能しなくなります。

近代革命の代表例であるフランス革命だと、王統派と敵対した革命派の軍では将校(当時は貴族や騎士の地位)の人材不足が酷く、革命派についた貴族の若手将校とか、本来は中隊長程度の人材が旅団長をやったり、無理矢理な事もありました。
米国の独立戦争では、大陸に渡ってきた人達は欧州での下層階級者が多かったので、やはり将校を中心に軍隊組織は劣勢で、初期は反乱鎮圧に来た英軍に対してどう戦って良いのかわからないような人が隊長をやっていたりしました。

ガンダムであれば、宇宙戦国時代までは比較的安定している連邦軍より、敵対するジオン軍や他の組織の方が、こういう「無茶苦茶人事」は起こり易いでしょうし、実際に起きていますよね。

> また陣営を変えた場合階級の変動はどうなるのでしょうか?
> ガンダムでいえばシャアは大佐から大尉になっていたと思いましたが。

シャアの場合、偽名ですし身分も詐称していますから、一般的な例には当て嵌まらないです。
連邦軍が、シャア大佐と知った上でクワトロ大尉として扱っていたにしても、それはそれで「政治的な意図があった」という事でしょうし。
エゥーゴ幹部やアナハイム社の幹部であれば、知っていてわざと泳がせていたとしても不思議じゃないでしょう。

現実問題として軍人が陣営を鞍替えした場合、中世とかならば「仕えた相手次第」でした。
傭兵という職業が一番わかりやすいですが、傭兵は雇う側との待遇や報酬の契約がその都度変わりますので、Aという組織で働いた時とBという組織で働いた時で待遇が全然違うという事もありえます。

他に、例えば現代の日本の自衛官が退職して、別の軍事組織に入ったとしたら、以前の経歴が全く考慮されずに一兵卒扱いという事は考えにくいです。
特にフランスの外人部隊や、非合法の武装勢力(傭兵)では、正規軍時代の経歴によって待遇が変わってきます。
「経験者募集。未経験者お断り」という狭い業界で、自衛隊のレンジャー徽章を持っているとかすれば、加点対象になるでしょう。


> ふゃんねこさん
> ガンダム作品(UC、CE等問わず)でこういう例ってありましたでしょうか?

宇宙世紀以外のアナザーガンダムについては然程詳しくないので、宇宙世紀限定の話です。

映像作品では、医師やら技師やら、パイロット以外の専門職の描写は殆ど無い(ハサンのような船医は居ても、彼が最初から連邦軍の軍医だったのか民間から引き抜かれたのかは不明)のですが、シャリア・ブルは木星船団という軍事組織でない民間から引き抜かれた人物でしょうし、Zでロザミアを監視していたオーガスタ研の人とかも、軍人ではない(せいぜい軍属)でしょう。

他に、MSVに出てくるエリオット・レムという技官はジオニック社の人物、つまり民間人でしたが、ジオン軍に出向してテストパイロットを勤めるに当たって佐官の待遇で働いていたらしいです。

> まぁ、戦闘状態になったらそんなこと気にしてる場合じゃなくなるんでしょうが。

本格的な戦争になっても、基本は変わりません。
前線の士官の死亡率が高まるから、穴埋めの為に下級士官の出世が早まるような副作用はあっても、例外が増えるだけでシステムが根本的に変革する話ではないです。
戦争といっても前線部隊は毎日眠らず戦闘している訳ではなく、むしろ上級士官になる程、戦闘の為の弾薬や食糧を送ってもらうために書類仕事や幹部会議の機会が増えます。







RE:軍という組織の話  投稿者:ふゃんねこ


>七味さん
なるほど、エリオット・レムは民間人でしたか。
よくわかりました、ありがとうございました。







無題  投稿者:しせい


中世は、平均寿命が短い(7かけー当時の14歳は今の20歳、当時の21歳は今の30歳にあたるという説)から、(当時は)20歳でそれなりの地位があるのもおかしくないです。

ラインハルト(とキルヒアイス)はアンネローゼのコネといえば説明できます。
しかしヤンの場合は29歳で大将です。(1巻の10章の1には「20代の大将はいくつかの前例があったが、将官の年間三階級昇進は初めてのことである」という記述があります)







銀河英雄伝説の階級  投稿者:鐸碑


銀河英雄伝説の世界は未来の話で、中世とは逆に寿命は延びていて30歳代位までは青年と言われている状況です。
70歳過ぎて現役で最前線に出てがんばってるビュコック提督等も出て来ます。
なので中世の例を持ち出しても意味がありません。

ラインハルトについては、銀河帝国には権力の横車で階級を上げる事ができる慣例が長年できていたこと、ラインハルトが皇帝寵姫の弟という事で注目を浴びていたこと、という有利な条件が整ってる上に、宇宙歴で五指に入るのは確実視される軍事の天才だったことが原因でしょう。

ラインハルトの存在が疎ましいと思う上官らは、失敗か泣き言をいうのを期待し無茶な任務を押し付ける、ラインハルトはそれを引き受け成功させて明確な武勲を立てる。ラインハルトの失敗を記録させたいと思ってる状況故に、ラインハルトの成功が公式に記録される。
武勲を上げたから栄誉を与える必要があるし、生意気な若僧の部下を自分の下に抱えて置きたくない上官は栄転という形で出て行って貰いたがる。軍の査定をする部門の人間も寵姫の弟という事でごますりとして昇進判断に甘くはなる。
そんなこんなで尉官・佐官をとんとん拍子に駆け上がり、将官になって艦隊を指揮するようになると。
大きな会戦の中で明確にその判断で勝利を導くような功績を立ててしまうから隠せない。門閥貴族からは嫌われていても部下からは信頼させてるし、昇進という形で結果に結びつくという感じでたった五年で上級大将に上り詰めた訳です。
ローエングラム伯爵家の家名を継いだのと帝国元帥宇宙艦隊服司令長官になるまでは皇帝の傘の下での昇進で。
それからは自身の政治抗争の末勝ち取った帝国軍最高司令官職と帝国宰相、銀河帝国皇帝という形ですね。

ヤンの方は、エルファシル赴任時点で中尉、エルファシルの英雄になって少佐まで昇進。
その後の昇進については、非常に盛んであった帝国と同盟の戦争状態でラインハルトが軍事的才能を発揮した結果、同盟軍の被害が大きく前線で活躍する人材の損失が大きく、最前線の士官の欠員が多かったことに起因するのでしょう。
後方勤務の要領の良い士官等は、昇進して前線へ行くのを拒んで、後方でのゆっくり昇進を望むけっか、前線で経験を積みいくらか功績を立ててたヤンのような立ち場の人間が、穴埋めの為に前線に立つという前提の元昇進させられていった流がヤンを少佐〜准将まで引き上げて行ったんでしょう。
その後はヤンが出たら勝ち、ヤン以外は勝てない状況が続いてる訳で、ヤンの勝利が派手に宣伝される都合上、昇進させないと具合が悪いから昇進という形になったのでしょう。
ヤンが功績を上げてない=同盟軍は負けているという事を公表しないといけませんから。
ヤンは同盟唯一の勝利者であったために、敗戦を糊塗する為の政治的判断の結果、昇進することになり、同時に新たな無理難題を押し付けられたという事でしょう。
将官時代のヤンは、元帥になる前のラインハルトに似た状況だったと言えなくもありません。










戻る