トップページへ  議会質問目次へ  質問要約記事へ 質問全文リストへ

建設住宅委員会96−2−1

 新宿の動く歩道に反対、横沢入りの開発凍結陳情の不採択を止めた

 

◯曽根委員 ただいまの建設局の報告に対して、一言意見を述べたいと思います。

  青島知事は当日の記者会見で、動く歩道の設置はホームレスの人たちを追い出すためにやったのじゃないと述べていますが、この場所に動く歩道設置の計画がなかったら、もしくは着工を急がなければ、その後の施設収容の経過を含めて、今回のような事態にはならなかったし、もっと別なさまざまな方法をとれるゆとりが持てたであろうことは明白であります。

したがって、まず第一に、今回、この場所への動く歩道の設置が果たして必要だったのかということが厳しく問い直されなければならないと思います。

  この歩道設置は、都庁移転の当初から構想があったということですが、実際に具体化されたきっかけは、世界都市博覧会での歩道設置が計画され、博覧会終了後、その機械本体をもらい受けるという話がまとまったためです。

また、その費用は、今お話があったように、宝くじの収入から十億円提供されるので、一般会計には負担が少ない──移設費用くらいは必要ですが──ということで進められてきました。

  ところが、博覧会が中止になって、話は振り出しに戻った。その後、年度内に完成しなければもらえない宝くじの資金も間に合わなくなってきた。

にもかかわらず、なぜ着工が急がれねばならなかったのか。しかも費用は十三億円に膨らみ、すべて建設局の予算になるし、完成後は維持費に毎年五、六千万円もの費用がかかるのに、なぜなのか。

東京都は、この当然の疑問にきちんと答えているとは到底いえません。

  私たちは、動く歩道の設置について、必要がないとは考えていませんが、あれば便利になる人もいるのは確かなんですが、しかし、この時期に、道路改修予算を使って新宿のこの場所に設置を急ぐ必要があるのかと問われれば、そんな理由はないといわざるを得ません。

つまり、不要ではないが不急の施設だと思います。

これは私たちだけではなく、例えば一月二十九日付の東京新聞でも、街頭アンケート、二十人に聞くという記事の中で、大半の方は、工事費が高過ぎる、税金のむだ遣いです、短大生、二十歳、女性とか、都職員のためでしょう、自分で歩けといいたい、会社役員、四十六歳、男性、大した距離じゃないのになぜつくるの、三十五歳、女性、主婦、必要ない、お金がかかり過ぎる、会社員、三十歳、男性など、圧倒的に、動く歩道設置が急がれるものではないという意見が占めています。

  また、私たち日本共産党都議団にも、この件に関してたくさんの苦情が電話でありました。なぜ今どきこんなところに十三億円もかけてというのが共通した声であります。

  この点で、高齢者や障害者への配慮ということもいわれましたが、それならば、西口から都庁まで八百メートルのうち二百メートルだけしか使えないやり方ではなく、ほかにもいろいろ方法があるはずであります。

私たちは、例えば都庁への循環バスの無料化をいってきました。しかし、これはいまだに拒否されております。バスの無料化は、年間一億二千万円程度の費用で可能だということを、昨日、交通局の方に確認をいたしました。

  以上のことから、今回の地下歩道への動く歩道の設置は、都民の納得の得られる内容ではないということを、まず厳しく指摘しておきたいと思います。

  それから、後で請願の審査もあるんですが、この商店街からの切実な請願が出されている地下歩道の環境改善の問題、ホームレスの方々に対する対策の問題を含めてなんですが、これについては、この新宿の地下歩道の問題だけではないことはもちろんご存じのとおりです。

二十三区内だけでも三千人を大きく超えるホームレスの方がいるということを東京都も確認しています。

  また、都の企画審議室は、昨年の七月に、「新たな都市問題と対応の方向−路上生活をめぐって」という冊子を発表しています。

私、これをざっと読ませてもらったんですが、この中で、東京都の行政としてのホームレス対策は不十分であったということを認めております。早急に行政の踏み込んだ対策が必要である。

その中身として、次のようなこともいわれています。「現在の対応策では、生活保護法との関連において、各種施設への入所や生活保護の受給が決定された場合には、法律に基づいた具体的な保護を受けられるものの、それ以外の場合には、一時的に施設に入所させるという、いわば一時的な保護になっている場合が多い。」「さらに一歩進んで、それぞれの状況に応じた『自立』を促進することが重要である。」という中で、具体的には例えば、就労対策として、日本社会は「市場原理にたつ自由な経済社会であり、これらの路上生活者が就労するためには、市場原理とは別の次元で新たに就労を創設する必要がある。」「負担の軽い就労先の開発、職業紹介の強化、働く人の福祉を主眼とした社会貢献的な職の創造などを通じ、一般的な労働者との間の公平性に配慮しつつも就労機会の拡大を図る必要がある。」ここまで踏み込んで提言がされています。

  私たちは、ここでもいわれているとおり、ホームレスの方々に対する対策は、一時しのぎでは解決しない。就労の対策を含めた、医療、福祉、そして住宅などを含む総合的な対策を、国や都の責任で、区市町村に押しつけないで、きちんと行っていく必要がある、この点を私は強く求めておきたいと思います。

  以上です。

 

●五第一九〇号 東京都総合火葬場(仮称)建設に関する請願

〔要旨〕   東京都総合火葬場(仮称)の建設について、将来の展望を踏まえ、次のことを実現していただきたい。  1 火葬に関する一連の儀式を速やかに済ませるためにも、斎場との合築を考慮した都営の大規模総合施設(別図「理想図」参照)を建設すること。

 〔説明〕   東京都内にある火葬施設は、島しょを除き、十六か所(区部八か所、多摩八か所)である。

このうち都の所管する施設は、「瑞江葬儀所」一か所であり、これは東京市時代(昭和十三年開設)に設置され、歴史的経緯で今日に至ったものである。

   区部八か所の内の他の七か所は民営であり、多摩八か所の内訳は公営七か所、民営一か所である。近年、これらの施設は年次計画により近代化が図られつつあり、効率的な運営がなされ、周辺環境への配慮も進んできている。また、多摩地域においては、平成八年度に公営火葬場の開設が予定されており、都民の火葬場への需要は満たしうる状況である。

  法律上も、火葬場に関する事務は、一般に基礎的な地方公共団体である市町村の事務とされている(地方自治法第二条第四項)。また、都市計画法も火葬場等都市施設の事業施行者が原則として市町村である旨定めている(都市計画法第五十九条第一項)。

  したがって、東京都が自らこれ以上火葬場を建設することは、東京都と区市町村の事務分担の観点からも、適当でないと考えている。

     ─────────────

 

◯山本委員長 本件について発言を願います。

 

◯曽根委員 請願五第一九〇号について意見を述べたいと思います。

  請願者の方は、こういう形を理想とするというような図まで入れまして、東京都が総合火葬場をつくってほしいというふうに請願しているわけですが、私の知るところでは、現在、都内二十三区には八カ所の火葬場があるわけですが、ほとんどが民営で、瑞江の一カ所だけが都営だと。

これは戦前からのものだということなんですが、八カ所の民営を含む──大半が民営の火葬場で、ちゃんと亡くなった方の火葬ができているのかといいますと、私は地元は北区ですが、年末年始は大変な待ちになるわけです。  これは比べるのはどうかとは思いますが、阪神の震災のときに、遺体を早く焼かなければならないけれども間に合わないという事態もあったというふうに聞いており、現在の特に二十三区内の火葬場の数が十分とはとてもいえないと思います。

  そういうときに、民間でこれから火葬場ができるのかなと考えれば、これはかなり難しい。

一般的には市町村の課題です。

しかし、東京二十三区のような場合には、東京都が何らかの方法で火葬場を計画することはあってしかるべきじゃないかと思いますので、この請願者の方の理想的な図になるかどうかはともかくとして、この趣旨は酌むべきではないかというふうに思います。  以上です。

 

●五第二三一号の二 お台場運動広場に代わる運動広場の確保に関する請願

〔要旨〕  2 都立芝公園内の野球場を、港区に移譲すること。

〔説明〕   芝公園は、昭和五十六年度第三回都区協議会で都区の合意をみた「特別区への事務事業の移管について」において都が設置管理するものとされた公園であること、また、都立公園内の施設は全都民を対象とした施設であって、当該野球場も港区民以外の多くの都民にも利用されていることから、要望の趣旨に沿うことは困難である。

◯曽根委員 お台場運動広場にかわる運動広場の確保ということなんですが、具体的にいいますと、この建設・住宅委員会にかかっているのは、都立芝公園内の野球場を港区に移譲してもらいたいということです。

  お台場運動広場というのは、今まで臨海開発地域で空き地になっていたので、港区の方が多く利用していたわけですが、今度あそこに何か建物が建ってきていますよね。

それで使えなくなったということで、私の聞くところでは、これは港の区議会、区民の皆さんの一致した要望として、東京都にぜひお願いしたいといっているんだというお話なので、ぜひかなえてあげられるものならばあげたいというのが私の率直な感想なんです。

  そこで、今、芝公園野球場という具体的な請願ですので、この野球場の利用状況について簡単にちょっと聞いておきたいんですが、抽せんの申し込み、それから、実際の利用は抽せんの結果によってまた変わるんですけれども、港区民の方、それから港区在勤の方、それ以外の方、それぞれどれぐらいの割合で申し込み、もしくは利用しているのか、お答え願いたいと思います。

 

◯阿部参事 都立芝公園野球場におきます利用状況でございますけれども、港区民からの申込状況は一六・八%、三千二百五十一件、それから、その利用状況におきましては、港区民が一二・四%、三百七十五件でございますけれども、現在の都立の運動公園の申込方法が住居地別になっておりますので、このように住所地区分ではわかりますけれども、残念ながら在勤状況という形での統計はとってございません。

 

◯曽根委員 それで、建設局の公園緑地部の方から資料をいただいたんですが、神奈川県にお住まいの方が一四・四%申し込んでいますね。こういうのは、多分、港区のあたりに勤めに来ている方ではないかなというふうに推察するしかないんですけれども、そうすると、これは推測ですが、在勤の方の利用もかなりあるというふうに思われる。

  一六・八%申し込んでいて一二・四%というと、当せん率が港区の方は悪くて周辺区の方は逆に高いので、何かそういう優先権みたいなのが、逆の形で何か不利な点があるのかなというのはちょっとわかりませんが、運動広場が港区の場合は極めて限られているという事情をお聞きしておりまして、しかも、ここも抽せんで申し込みになり、申し込んだ人が必ずしも当たらないという状況ですので、何らかの方法で、東京都は港区の区民の方、在勤の方が利用しやすいような便宜を図ることはできないだろうかと。

区に移譲とまではいかないまでも、区民の方が何か利用しやすい方法を話し合って考えていくべきではないかというふうに思います。この点は要望して、意見とします。

●五第二三四号の二 都市高速道路中央環状新宿線計画の撤回及び環状六号線拡幅計画の見直しに関する陳情

〔要旨〕   次のことを実現していただきたい。  2 環状六号線拡幅計画を見直すこと。

〔説明〕  2 環状六号線は、都市高速道路との役割分担のもと、都心に集中する交通を分散・誘導することにより、道路交通の円滑化を図るとともに、副都心の整備育成や区部周辺のまちづくりのための基盤形成等の役割を担う重要な路線である。本路線の拡幅事業は、平成三年三月に事業着手し、既に用地の約七割を取得済みで鋭意事業の推進を図っているところであり、計画を見直す考えはない。

 

◯曽根委員 新宿区内の地域の高速道路中央環状新宿線の建設に伴って、その上部の環状六号線の拡幅工事が今行われているわけですけれども、通称山手通り、私も毎日のように通るところなのですが、大変な工事なんですね。

  でき上がる道路の、環状六号線の道路幅が大幅に広がるにもかかわらず、歩道の幅は広がらないんですね。車線だけ広がるわけなんですよ。これじゃあんまりじゃないかという声は、地元の方から強く出ております。区議会にも、たしか陳情が出されていると思うのです。

  この陳情者の方は、環状六号線の計画全体の見直しを主張されて陳情を出されていますが、この委員会にかかっている部分は、環状六号線の拡幅計画を見直すということであります。したがって、この陳情者が求めている具体的な歩道幅の拡幅については、地元の強い声であり、もちろん私たちは、中央環状新宿線、上部の環状六号線の拡幅計画全体として根本的に再検討すべきだという考え方でありますが、歩道幅を広げるぐらいはできるんじゃないかというふうに思いますので、これは、その部分は趣旨を酌んで趣旨採択ができると思いますので、ぜひお願いしたいと思います。

  以上です。

 

●六第八号の七、第九号の七 公共料金の値上げ案の撤回に関する請願

〔要旨〕   次のことを実現していただきたい。  2 次に掲げる使用料・手数料等の値上げを行わないこと。

 

◯曽根委員 請願者の方は、二つの項目について請願をしており、今ご紹介のあった、住民に納得のいく説明をするということはもちろんですが、同時に、野川は水量不足になっている、これ以上の莫大な費用のかかる拡幅工事は必要がないし、またもちろん自然も破壊されてしまい、もとには戻らない、人工の自然をつくるという話ですが、拡幅工事は必要ないのではないかというのが二項目目なんです。

私は、両方趣旨を酌むべきだというふうに思っているんですが、この請願者の理由の中には、拡幅工事そのものが三十年以上前に計画されたもので、今になって実施するといっても、必要性について改めて今日的にどうなのかと。特に、水量不足でありながら五〇ミリ対策は必要だというんですが、実際には水があふれたことは、その後一度もないというようなことです。

三十年前は確かに貫井南町付近でも相当あふれていたらしいんですよね。しかし、その後は、ほかの水系の改修なども進んで、大分改善されてきているんじゃないかということなんです。

 そこで、ちょっとお聞きしたいんですが、ここ十年ぐらい、時間五〇ミリを超える降雨状況はどうだったのか、この地域でわかれば一番いいんですが……。それから、水害状況はどうだったのか、それについてお知らせいただきたい。

 

◯吉田河川部長 五〇ミリを超える降雨につきましては、平成四年七月十五日の一回でございます。それから、水害の状況でございますけれども、河川から越水しました被害は、幸いにこの十年間ございませんでした。ですが、内水はんらんによります被害は、平成二年を除きまして毎年発生しております。

 

◯曽根委員 そうすると、二、三年に一遍起こる可能性があるので対策が必要だといわれている五〇ミリ降雨というのは、実際には十年間で一回だと。それから、内水被害というのは、これは結構あるんですよ。

私、北区にいますけれども、やっぱり毎年のように起こっている。マンホールの水が出ちゃう、そういうのはあるんですが、川からあふれるということはない、なかったという、やはり最近の十年間の経験があるわけですよね。それをもとにして、請願者はそういうことを、実績からいっても、経験からいっても──経験がないものをあえて理由にしてこの住宅密集地域の河道拡幅を何が何でもやらなきゃならないのだろうかということなんです。

  東京都は、河道拡幅だけが治水対策じゃないわけですね。その後、いろいろと発展していると思うのです。本請願の箇所について、技術的な面で考えて、河道改修にかわる、例えば調節池、浸透施設などの設置を行うことで、技術的に治水対策はできないものだろうか。率直な技術的なお話で、東京都の考えというか、すぐれた技術をもってできないものかということをお聞きしたいと思います。

 

◯吉田河川部長 野川の治水対策につきましては、調節池、浸透施設の設置も行っております。時間五〇ミリ程度の雨に対処しますには、雨の降ります頻度とか降り方の多様性というものを──より効率的に、また確実に対処いたしますには、川を広げます河道拡幅を基本にして、私ども進めております。

 

◯曽根委員 例えば調節池だけだと、五〇ミリ降雨レベルのものが、一回たまった後に、直後にもう一度来ると、調節池の水が抜けないうちに水があふれてしまう可能性があるというようなお話を聞きました。四十八時間ですか。そういう二山来る場合があり得るのでというお話もありました。

しかし、それにしても、この十年間の経験からすれば、そういったことは一度もなかったし、また、現在の調節池だけではなく浸透方式などを活用すれば、私は、現在の技術力で十分に、河道拡幅以外の道はあるというふうに思うのです。また、都心部で、ここよりもさらに住宅が密集したところでは、河道拡幅は事実上困難ということで、拡幅以外の道をとっているわけですよね、実際に。

そういうこともありますので、私は、総合治水対策ということで考えるべきであると。昨年暮れの議会でも、私どもの同僚の松村議員が、石神井川の改修問題について本会議で一般質問を行いましたが、その趣旨と同じなんですけれども、本当に河道拡幅、立ち退かなければならない人の生活再建のことなどを考えると、それ以外の道があるならば、それをぜひとってほしいこと、それから、野川の自然は一度壊すとやっぱりもとに戻りませんので、ぜひこれは残すべきではないか、両項目について趣旨採択をお願いしたいと思います。

  以上です。

●六第八六号の一 五日市町横沢入りの保全に関する陳情

〔要旨〕   五日市町横沢入りについて、次のことを実現していただきたい。  1 自然公園または都民の森として保全すること。(1のうち「自然公園」の部分について建設・住宅委員会)

〔説明〕   対象地は、規模が小さく、住宅地などの開発計画があり自然公園として指定する計画はない。

 

◯曽根委員 私からは意見を申し上げておきたいと思います。

  今、ほかの委員からも熱心な質問がありましたので、ダブりを避けたいと思いますが、ただ、質疑をお聞きしていて、この陳情の趣旨は自然公園にならないかということだと、それについて、自然公園は建設局の扱いなので、建設局は、自然公園になるかならないかについて調査した。これは規模が小さい、だからならないと。

陳情者の趣旨というのは、自然公園にしてくれということが限定的にいわれているのではなくて、何としてもこの横沢入の場所を守りたいというのが本来の趣旨です。そういう点からいうと、ちょっとすれ違いになっているのかなというふうに思いました。

  ですから、請願項目のうち、1の一部がここにかかっているわけですが、本当は、自然公園にするかどうかも都市計画の問題なわけですよね。したがって、都市計画をどうするかについては都市計画局が主たる扱いになるでしょうから、どちらにしても建設局だけで決められることではないというふうに思います。

  また、五日市町やJR東日本に対する、開発の中止を申し入れる問題は、これはもう当然ほかの委員会にかかるわけです。そういう点からいうと、私は、この委員会でだめとかいいとか結論を出し切れる問題ではないだろうというふうに思うわけなんです。

  それで、陳情者の方から大変熱心にいろんな資料を私のところに送ってきているんですが、それを見ますと、例えば日本野鳥の会の雑誌ですとか、とにかく東京でここしかもう里山といえるところはないと、秋留台の特にこの横沢入しかないということらしいんですね。

  それと、おととしだと思いましたが、多摩出身のベテランの自民党の議員さんから、私、こういう本をいただいたんですよね。(実物を示す)一冊ずつ買い取って皆さんに送ったんですかね。

本を送られることはいろいろあって、とんでもない本も来ますから、開いてみたら、この横沢入のことについて書いた本なんです。

読んでみましたら、たしかこれ千三百円で、結構高い本なんですけれども、内容は本当にすばらしい内容ですね。ある小学生が横沢入に虫とりに行ったときに農家の人と出会ったことをきっかけに、横沢入の自然と小学生が触れていくのを作文のような形で、だんだんだんだん横沢入の自然がわかってくるという形で書いてあるんですね。

すばらしい本ですよ。だけど、本屋に並んでいて千三百円というと、この表紙だけ見て買うかなと思うと、私、買わないかもしれない、送っていただいて本当によかったと思ったんです。

それで、最後に、横沢入の全景の絵が載っていて、これが横沢入の自然の貴重な姿なんですよという内容になっている。自然を守れとか声高にいっていませんけれども、これを読むとね、これを読んで、あそこを住宅地にしてしまえというふうにはなりませんね。本当にそう思いました。今になってみると、これをわざわざ送ってきた方の──どうなのかなと思いますけれども……。

 そういうことで、陳情者の陳情の手紙にもありますように、横沢入は、水生生物を初めとする貴重な動植物の宝庫で、唯一のヘイケ、ゲンジボタルの自生地であり、また法律で保護しなければならないトウキョウサンショウウオのまとまった生息地であり、本来なら自治体が率先して守らなければならない大切な場所だと。

絶滅の心配をされるオオムラサキ、オオタカの姿もよく見かける。わずか六十ヘクタールの地にもかかわらず、キツネ、タヌキ、ホンドヒメネズミ、ムササビ、テン、アナグマ、カヤネズミなど多くの哺乳類が生息している。まさに丸ごと生物多様性の博物館になるところです。

この貴重な自然は全都民の財産であります。丸ごと自然公園として残すべき貴重な自然です。どうかこの横沢入をお守りください。

東京都に残る最後の最後の里山を、どうか先生のお力でお守りください。心よりよろしくお願いいたします。

  ここまでいわれますと、本当に何とかしなくちゃいけないんじゃないかと。

せめて都市・環境委員会だとか経済・港湾委員会、特に都市・環境委員会がこの問題を全面的に議論する場所じゃないかと私は思うのです。そこにまだかかっていないときに、こっちで結論を出すというのはどうかなと。

私は採択をすべきだと思いますが、まあ、もし採択が今すぐ難しいのであれば、保留とかも含めて、あるんじゃないかというふうに思うので、先ほどのいろいろな議論がありましたが、この陳情の趣旨を酌む方法を何とか編み出せないものかというふうに思います。  以上です。

 

◯長尾委員 議事進行について。

  私も、お話を聞いて、最初の書いたあれとちょっと意見が違ってきたもので、できましたら理事会を開いていただいて、継続なら継続の形にできないかというのを理事会でお諮りいただきたいと思うのですけれども、いかがでしょうか。

 

◯山本委員長 速記をちょっととめてください。    〔速記中止〕

 

◯山本委員長 速記を始めて。  大変失礼しました。  それでは、暫時休憩をいたしまして、理事会を開いて、今の長尾委員の動議に対して検討をさせていただきたいと思います。ちょっとお待ちいただきたいと思います。

  暫時休憩いたします。

 

◯山本委員長 委員会を再開いたします。  ただいま理事会で協議いたしました結果、本件については、本日のところ保留とすることに理事の皆さんで申し合わせいたしました。

  お諮りいたします。  陳情六第八六号の一は、保留とすることにご異議ございませんか。

   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

 

◯山本委員長 異議なしということで、それではさよう決定をさせていただきます。

 

トップページへ  議会質問目次へ  質問要約記事へ  質問全文リストへ