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2007年12月13日都議会財政委員会
石原知事の法人税3千億円国税化容認を追及
「オリンピック開発優遇を条件に国の財源吸い上げを許すのか」

●「合意」にいたる経過は知事のトップダウンの暴走

○曽根委員 今回の福田総理との会談の結果、石原知事が法人事業税の一部を国の税金に転化することを認めると。実質的には三千億円の財源、税収不足が生まれるだろうと。これを了解したということについて、私からも、本当にこの前代未開ともいうべき合意の中身についてちょっと聞きたいと思うんですが、まず事実経過が全くよくわかりません。
 たしか先月末まで、知事は財務局に反論ペーパーをつくらせ、「訴訟も辞さない」と、国と闘う姿勢を強調していたと思いますが、まず、いつから国との妥協調整に入ったのか、その経過を教えてください。

○真田主計部長 その辺の経緯につきましては、私どもお答えできる立場にございません。

○曽根委員 報道されているところでは、四日の定例会開会日ごろに妥協したのではないかといううわさがあって、知事は強く否定したという報道がありました。しかし、七日に与謝野自民党政調会長さんですか。与謝野氏が(「政調小委員長」と呼ぶ者あり)政調小委員長、与謝野氏が知事を訪ねて、その後の発言は違うわけですよね。石原知事は、国がこれだけ無法なことをずるなら、東京から三千億円ふんだくる代償もあってしかるべきだ、何を今からどうしろとはいわなかったが、これは総理に約束してもらわわないとと言及したというふうに、これは記者の取材に答えた形で発言があり、明らかにこれは三千億円持っていかれることを前提にして、それに対する代償という発言に変わっているわけです。
 しかも、その翌日の八日に財務局長が、国の財務省、総務省の官僚と接触して、その後のトップ会談が出てきたという報道もありますが、これは事実ですか。

○真田主計部長 先週末の段階で非公式に、国から都に対しまして国の考えについて説明がございました。非公式なものでございまして、メンバー、内容等については申し上げられません。

○曽根委員 財務局長は、反論ペーパーまで知事の指示のもとにつくって、いわば知事を理論的に支えてきた。この立場で、なぜ財務省、総務省、国と接触して妥協調整路線の担い手にならなきゃならなかったのか、全く理不尽な話ではないでしょうか。これこそまさに、トップダウンの弊害だと、しかも重大なトップダウンの問題だというふうに、これまた、いわざるを得ません。

●「地方の格差」への国の責任を免罪するのか

 大体、地方分権問題の出発点は、自治体が六割の仕事をしながら四割しか自主税収がないと。こういう問題から出発して、しかも今日、都市と地方の格差が問題になっている。
 この間題についても、これは都もいってきたわけですが、国が地方交付税、そのほかを一方的に削減するなど、ナショナルミニマムで国が責任を持つべき部分まで後退させてきたことが大きな原因だというふうに私たちも主張してきたわけです。

 したがって、この解決の道は国の責任できちんと、教育とか国が責任を持つべきナショナルミニマムを財政保証することと、それから税源移譲で地方の自主財源をふやすこと、地方自治の拡充。それでも残る格差については自治体間で、私たちは国の介入を許さず、自主的に税制も含めて解決していく、こういうことが課題だというふうにいってまいりましたし、東京都も、今回のような解決では本意ではないというのは先ほど繰り返しありましたが、出てきた結論は明らかに百八十度転換、地方自治や分権の原則を、いってみれば投げ捨てるものになっているのではないでしょうか。
 この点については、実態としてはそうだと、いうことは認めざるを得ないと思いますが、いかがですか。

○真田主計部長 今回の措置につきましては、るるご答弁申し上げてきたとおり、私どもとしましても、地方税の原則に反しまして、また地方分権にも反することから、都として到底受け入れられるものではないというふうに考えておりますし、先ほど冒頭、知事のコメントの中でもご説明しましたとおり、知事からもその旨ははっきり総理の方に申したわけでございます。
 しかしながら、ぎりぎりの知事と総理の折衝の中で、東京都は首都東京を担っている、あるいは地方の一員でもあるというようなことも含めまして、また総理からもぎりぎりのお願いの話もありました。
 最終的にはそういったことを総合的に判断し、知事が大局的な見地からそういう判断をしたのだというふうに考えております。

●地方税を国税に転化させた罪は重い

○曽根委員 ぎりぎりの判断というふうにおっしゃいますが、しかし、結果として地方自治、分権の大義をみずから捨てた、この影響は大きいと思いますよ。
 しかも抜本改革を求めると、それまでの暫定措置だといいながら、知事がいう「抜本改革」とは交付税のことは一言もいっていないんですね。消費税の税率引き上げここのことしかいっていないわけですよ。
 これまで地方の財政難は交付税で解決すべき問題なんだというふうに繰り返し主張してきて、抜本改革を求めていた知事が、今回のコメントでもなぜ交付税のことを、ひとこともいわないのか。

 そして、しかも税金で解決すべきじゃないといいながら、地方税を国税に転化することを認めてしまった。地方分権と全く逆行する話でしょう。地方税が国税になってしまうんですから、こういう道を開いたこと、・・・
(「だから、知事は苦渋の選択をしているんだ」と呼ぶ者あり)
 ・・・これは全く、「苦渋の選択」といいながら、また「暫定措置」といいながら、地方分権に対する大義をみずから捨てたといわざるを得ないと思いますが、いかがですか。

○真田主計部長 先ほど来申しあげていますげれども、本来そういったものについては地方税の原則あるいは分権の原点からしまして、決して受け入れられるものではございませんけれども、一方で、先ほど申し上げたようないろんな状況、それから暫定的な措置であるということ、それから首都東京としての重要性についての総理の認識、それから協議の場の設置、そういったものを総合的に判断して、知事が大局的なご判断をされたものというふうに考えております。

●知事の”抜け駆け”で国の介入がズルズル続く危険も

○曽根委員 このまま「暫定措置」がずるずると延び延びに続いて、国税による国の介入が続くということもあり得るという観測も出ています。
 ましてや「抜本改革」が知事のいうように消費税率の引き上げということであれば、これは到底私たちはもちろんですが、国民的合意も得られるものじゃありません。
 この景気が厳しいときに、しかも原油・物価高騰がまさに今、激しくなろうとしているときに、物価高騰をあおるような消費税増税を、中小企業、零細商店街、国民の生活、だれが今認められるんですか。
 こんなことを持ち出して「抜本改革」というなら先に延びてしまいます、これは。そうすると国の介入が続くということになりかねないんじゃありませんか。

 しかも、知事はそれと引きかえにみずからの、「十三項目」ですか、重要事業について国に協議の場をつくらせたといって自慢しているわけですが、こういうやり方、自治体同士の協力で国と対決していこうといっていた知事が、いや、ほかの自治体はともかく、自分のところはこれを認めてくれと国と個別に取引をするという形で、本当にほかの自治体にこのことが認められると思いますか、納得されると思いますか。

○真田主計部長 何回も同じことを申し上げて恐縮ですけれども、知事としましては、地方自治体全体が置かれている厳しい窮状、それから東京都がその中で首都東京としての役割を果たしていかなければいけないけれども、一方で地方の一員としてその役割も果たしていかなきゃならない。そういう中で総理の方から誠意ある申し入れがあり、最終的には抜本的な税制改正を目指すけれども、それまでの間の暫定的な対応でというようなお話もありまして、をれらを総合的に判断して知事がご判断なさったことでありまして、これは都民の理解を得られるものと考えております。

●都民や議会に断りなし!知事の独断専行で国と取引き

○曽根委員 地方の窮状といわれたから仕方がないというふうに、あたかもほかの自治体、特に地方の自治体の窮状に手を差し伸べるかのようないい方ですが、しかし、都の中には、都の幹部には、三千億円ぐらいなら大丈夫、もっと傷つくぐらいならこれぐらいで妥協をという声があったというようなニュアンスのことを知事自身がおっしゃっているじゃありせんか。つまり、この辺で何とか傷を浅くしておきたいという思惑。
 それから、国と勝手に取引して、ほかの自治体では、つくりたくたって高速道路なんかはなかなか認められないと。そういうときに国幹会議にもかかっていないような高速道路を優遇でつくらせてもらうと。こういうやり方が、ほかの自治体から見て、東京はうまくやっているなと。とんでもないやりかたということで、抜け駆けというふうに見られても、これは任方ないといわざるをえないと思うんです。

 こういうことこそ、いわば自民党の与謝野氏の働きかけを受け、また福田首相から声をかけられて、知事がお気に入りの十三の事業について協議の場を設けるというだけの約束で唯々諾々となってしまった。これは本当に知事のトップダウンの暴走というべきものだと思いますが、いかがですか。

○真田主計部長 先ほど来申し上げていますけれども、諸般の状況を総合的に判断して知事が大局的な見地からご判断なさったものでありまして、トップダウンの暴走というふうには決して考えておりません。

○曽根委員 こういうことこそ都民合意が大前提であるべきであります。
 都民にも議会にも秘密・・・。我々野党ですけれども、どうも与党の方々にも秘密だということで、本当に国と勝手に取引きすること自体が民主主義の根本原則を否定するものでありますし、我々議会も本当に、こけにされたというふうにいわざるを得ないと思うんです。

●3千億円と引き換えの要求は都民そっちのけの浪費型オリンピック事業だらけ

 それで、そのかわりに重要施策については協議の場を設けさせることができたというこの中身についてなんですが、この一つ一つについて国から一体どういう優遇措置が引き出せるんですか。これについてそれぞれ答えてください。

○真田主計部長 先ほどリストについてご説明しましたけれども、リストが意味しているところは、ダイレクトにお金が欲しいからということで申し上げているわけでもなく、首都東京をいかに発展させるかということで、そのことが重要だという観点から知事は十三点をお示しになったんじゃないかというふうに考えます。
 むしろこの機会に大都市の発展を国・都の間でしっかりと真正面からテーマに据えていくことこそが大切であるというふうにお考えになっているんだと思います。それが今回の合意の中でも、首都東京の重要性を総理が認めたことにもつながりましたし、またその協議の場の設定にもつながったものだというふうに考えております。
 個別の事業についてはコメントする立場にございませんので。

○曽根委員 しかし、これ、財務局は最終的に予算を組まなきゃならない。東京都の予算の元締めですから、これだけ莫大な費用のかかる事業を知事が国に協議を要請したということで、認められたらどういうことになるかを考えなきゃならないと思うんですね。

 例えば外環道を、国幹会議にかけるかかけないかはともかく、優遇して早期着工させてくれというのがありますが、もともとこれは地元の区や市のほとんどが現在の都の計画の見直しを求めている事業ですよね。
 国の特別優遇を取りつけて無理やりこれを進めるということになると、住民や自治体との合意も、それから、言われている環境問題も無理押しした上に、これは総額、本体だけでも一兆三千五百億円、上部道路も東京都は考えてますから、これが約六千億円だと見られますが、合計約二兆円もかかる事業を、まともな手続さえ踏まないで、飛び越えて押し進めるということになるんですが、財務局としてこれでいいんですか。国との関係で、前向きの協議に入るというんですけれども、それは構わないんですか。

○真田主計部長 リストにお示ししてございますインフラ整備事業は、国の取り組みが鈍く、いまだ事業化には至っていないものでございまして、これが実現すれば東京の活力増進に大きく寄与すると考えておりまして、都政にとって重要な施策であるというふうに考えております。そういった協義の場がなかったとしても、いずれかの時点でほ具体的な検討が必要な施策であるというふうに考えております。
 また、リストの意味しているところは、先ほど申しましたとおり、お金が欲しいということをストレートに、ダイレクトにいっているあれではなくて、あくまでも首都東京を今後いかに発展させていくかという大局的な観点で国としっかりと真正面から議論していくということが大切だということで、知事がご提案なさったというふうに考えております。
 もとより財政状況はこれから厳しくなりますけれども、厳しくなっても、必要な施策については、その優先順位をちゃんと精査した上で措置していきたいというふうに考えております。

○曽根委員 お金の問題だけじゃないということを繰り返しいわれるけれども、本当に、お金を要求しているというよりは、先ほど、浪費家の親に対して長男として何とかしなきゃならぬという話がどなたかからありましたけれども、私たちにいわせると、今度は親にかわって自分が浪費を始めると・・・。そういうことを親に認めさせるというような話じゃないですか、これは。
 例えば、考え方の問題としても不可解なのは、交通政策審議会答申によらない地下鉄建設を認めてくれと、これは一体どういうことなんですか。

○真田主計部長 ご質問の点につきましては、東京の特性に応じた施策展開のための規制緩和、分権改革の例示として挙げたものでございます。

○曽根委員 分権改革といいますけれども、今、交通政策審議会によらなくても急いでつくらなきゃならないと東京都が考えている地下鉄というのは、オリンピックの会場へのアクセスの地下鉄以外には考えられないと思うんですが、そういうことを想定しているんですか。

○真田主計部長 あくまでも分権改革、規制緩和の例示として挙げたものでございまして、具体的な路線を想定したものではございません。

○曽根委員 私たちも昔というか、以前、エイトライナーとか進めてきたんですよ。まだ地下鉄とも何とも決まっていない。いろんな路線の話がありましたよね。なぜわざわざ地下鉄と銘打っているのかといえば、しかも今、地下鉄で路線、十三号線以降の具体的な事業化はないわけで、地下鉄というと考えられるのはオリンピック以外ないじゃありませんか。
 (「例えばといっているじゃないの」と呼ぶ者あり)
 その「例えば」が、だからオリンピック最優先ということでしょう、いってみれば。
 その下には(オリンピック関連の)財政保障、招致活動に支援を頼むよということまで入っている。

●問題ある「認証保育」以外は福祉も教育もなし

 大体この重要施策のリストが、いってみれば財政収入は減るし、財政運営が厳しくなるけれども、重要なことはやっていかなきゃならないというふうに今、主計部長がおっしゃった、その重要なものというのがこういうことになるわけですよね。
 そうすると、ずうっと見渡してみると、都民の暮らしや福祉、教育にかかわることは認証保育所以外ないわけですよ。みんなほとんどがハードの関係。
 それから、今問題になっている格差是正の聞題、ワーキングプア対策、医療や保険、介護の制度の問題。国との関係でも東京都が要望を出しているものはいろいろありますよね。それなのに、こういったことに優遇、重要というものが絞られていく、偏重されていくということ自体が大問題じゃないでしょうか。

 認証保育所だけ入っているんですけれども、認証保育所制度というのは何か国に優遇してもらうといいことがあるんですか。

○真田主計部長 先ほども申し上げましたけれども、具体的な事業につきましてはお答えできる立場ではございません。

○鈴木委員長 曽根理事、質問の重複は、なるべく避けて。

○曽根委員 認証保育所はほかの方は聞いていないと思うんで。
 それで、認証保育所を、どうなるかわかりませんけれども、仮に国にこれを認可保育所並みに認めさせて国の補助金がくるようにすると。それで国からもお金が出るよという(ことをねらっている)話だとすれば、とんでもないことですよ。
 認証保育所自体、営利企業が参入したことによってどういう問題が起きているかということを、先日、私自身が代表質問で取り上げたとおりで、企業の認証保育所のほとんどが、都が立入調査をしなきゃならない。そのうち半分が指摘を受ける。重大な指摘が幾つも出ているという事態で、じゃんぐる保育園みたいな例が出ているわけで、そういう制度の検証もなしに・・・福祉、教育で出ているのはこれだけですから。
 それを国に求めると・・・。もう知事が本当に目玉にしているお気に入りの事業だけを偏った並べ方をして、それで国に優遇を求める。これ自体が都民から見ても重大なことだと思います。

●3000億円の減収を都民にしわよせするな

 三千億円の税収が減ることを国との関係で認めた上に、ここに並んでいる事業を全部本当に国が容認して一斉にスタートしたら、大変なお金が支出されていく。借金もふえるでしょう。
 一体どうやって財政運営を都民生活にかかわる事業に傷をつけないでやっていくことができるのか、私はちょっと考えにくいと思うんですよ。
 どういうふうに財政運営ができるんですか。

○村山財務局長 議論の前提なんですけれども、国の税制、日本の税制というのは、基本的にほ国が法律で定めるとそれで決まってしまうというふうにまずなっております。
 したがいまして、今回の中身についていろいろ文句があるわけですけれども、今回の措置についても、国とすれば、法律を変えてそのような制度にすれば、別に恒久法でも何でもすることは可能なそういう制度になっております。
 したがいまして、総理が知事にいいでしょうかと了解を求めるということは制度上全く必要がないというところからまずこの間題は始まっております。
 そういう状況の中での税制改正の動きに対して、この間、議会の皆様方のご尽力、ご協力をいただきながら反対をしてまいりました。理不尽な税制改正というのはよくないんだと、抜本的な改革をしなければいけないんだというふうにいってまいりました。
 そういう中で、今回いろいろな紆余曲折がある中で、総理があえて知事に対して協力を依頼してきたというのは、この間の議会の皆様方と一緒にやってきた大きな反対運動の一つの結果でございまして、その中で、先ほど来、主計部長からるるご説明申し上げておりますように、一つは何とか地方の立場に立ってご協力をいただけないかという協力の要請、それから、しかしながら首都東京の発展についての重要性はよくわかっているという認識の表明、それを具体的にやっていくために、初めて個別団体との間で協議を新たに設けて、その中で首都としての重要施策の推進について協議をしていこうという提案、これらがなされたわけでございます。
 そこで、知事といたしましてほ、先ほど来申し上げているような、全体として東京が日本の中で果たすべき役割、地方の一員としての立場、それ以外にもいろいろ政治的な情勢についてのご判断を含めた上で、あえて今回の措置について税財政制度の抜本改革までの暫定措置とすることという条件を付した上で、それに協力するというふうにご判断を、ご決断をされたわけでございます。
 そのことの意味は、会体として今回の措置が、やろうと思えば国として強引にやってしまうことができるような状況の中であった上で、その中で何を切り開いでいけば全体として東京のためになるのか、地方のためになるのか、日本のためになるのかという、そういう判断のところから、やはりここはしっかりとした暫定措置ということを明確にしようではないか。
 その上で抜本改革に向けて、そのことをスタートにして、さらにアクセルを踏める状況にしようではないかというご判断と同時に、首都東京の繁栄に向けてしかるべき具体的な例を挙げた上で、今後の協議に向けてより具体性を高めようというご努力をされたというふうに私どもは受けとめております。
 そういう中で、いろいろ個別の施策については恐らく曽根理事との間で見解の相違はあろうかと思いますが、全体として東京のために何をなすべきなのか、あるいは日本のために何をなすべきなのかという大所高所からの判断に立った今回の知事のご決断であったというふうにご理解を賜りたい。

○曽根委員 そういう話をされるので、簡潔に申し上げておきますが、まず国会は、先ほど民主の方もおっしゃったように、簡単に、福田内閣がこういう法律を決めますといって、国民の大方の合意がない法案について通るような状況にないことは、だれもが知っている事実ですよ。そんな簡単に通りませんよ。
 「抜本改正」だといっている消費税増税だって簡単じゃないですよ。福田首相自身でさえ簡単じゃないということを認めざるを得ないんですから。抜本改革だって先のばしの可能性は十分ありますよ。
 (「だから何」と呼ぶ者あり)
 だからこそ福田首相は知事に、味方になってくれよということでしょう、いってみれば。そうしなければ事態が打開できないのをよくわかっているから、首相が会ってほしいといったわけですよ。それに対してどういう態度をとったかと。

●石原知事が犯した二つの大きな誤り

 私、二つ大きな問題があると思うんですよ。
 先ほどからいっていますが、一つは、地方自治、地方分権の大義を捨てたことなんですよ。地方の財源である地方税を国の税金に置きかえるということを認めちゃったんですよ。ほかにも幾らも財政調整の方法はありますよ。
 このことは、ほかの自治体との関係でも大きなマイナスになるし、東京の孤立化を導く道だということを私は言わざるを得ないんですよ。

 もう一つは、「首都東京の繁栄のため」ということを認めさせたといいながら、実態、中身は、都民の繁栄ではなく、知事がお好みのオリンピックに間に合わせた東京の都市づくりの話じゃないですか、ほとんどが。
 それを認めさせたといっているけれども、こういう特別扱いを国に認めさせることで、また地方からも孤立し、都民にとっては、この中身を本当に知れば、こんなことを約束するのと引きかえに何で税収不足を認めちゃうのかと・・・。
 (発言するもの多数)
 都民から見れば怒るじゃないですか。自分たちが苦しんでいる物価問題や医療問題、福祉問題、教育問題、何にも入っていないんですから。
 (「あるじゃないか」と呼ぶ者あり)
 格差是正、どこにあるんですか。そういう問題をやはり犠牲にしているということが第二の大きな問題だといわざるを得ません。

 私、この間題は、したがって、先ほどお答えはほとんど個々の事業についてはできないということなので、事柄の性格上、今後の財政運営の大きな根幹にかかわることですから、必要な委員会も集まって合同で審議するぐらいの問題だと思うんです。
 その点で、きょうは質疑の機会を鈴木委員長に与えていただいたので大変感謝をしたいところですが、同時に、今後も必要に応じて合同の委員会などを呼びかけていただきたい。
 その点で委員長のお骨折りをぜひお願いしたいと思うんですが、いかがでしょうか。

○鈴木委員長 本件に対する質疑は本日で終了いたします。ほかに発言がなければ、お諮りをいたします。本件に対する質疑はこれをもって終了したいと思いますが、これにご異議ありませんか。〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕異議なしと認め、報告事項に対する質疑は終了いたしました。

(委員長は回答しないまま質疑終了を宣告。このあと委員会後に改めて曽根から委員長に引き続きの審議の機会を要請しました。)

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