2005年4月25日百条委員会曽根はじめ尋問 松澤財務局長尋問で外部監査の以前から総合学院つぶしをねらっていた事実が鮮明に ●財務局職員が1月13日に敬心学園を調べたことを知らないはずがない ○曽根委員 それでは、松澤証人に対する証人尋問を行いたいと思います。 最初に、私の前に、二人の方の尋問で既に出ている問題なんですが、ことし一月十三目の財産運用部副参事の、この専門学校設立認可の資料借り出し問題ですね。 今、松澤証人のお話では、副参事が独自に調べに行っている。その目的は、財産利活用の中で、昨年十月に、福祉保健局がこの練馬の統合問題について断ってきた。しかし、それについて問題意識を持って調べに行ったんだというお話でした。あなたも、部長も、知らないというふうに証言されている。 それで改めてお聞きしたいのは、その副参事は、その資料を入手した後、一定の情報を得たと思われますが、そこで得た情報をなぜ宮川部長にも、そして、あなたの場合には知らなかったということですが、なぜ局長にも報告をしなかったというふうに説明しましたか。 ○松澤証人 そこまでは、正直のところ、まだ聞いておりませんが、ただ、担当副参事の話によれば、生活文化局から借用した資料は自分で閲覧して、それを自分で見て、あとはそのまま返却したと、こういうふうにいっております。 ○曽根委員 先日の証人尋問で、宮川部長はこういうふうに証言をされているんですよ。 ことしの一月の上旬だということで、「そのころは、知事から、端切れの土地の活用はどうなったということの催促があり、財務局内では、局長から、とにかく早く成果をまとめろというような話があった」と。それで、「我々もこの問題に限らず、利活用に絡む問題で何か一つ成果をまとめられないかと、所管で調査を命じているというような中で、そのような段階だったと思う」というような発言を、証言をされています。 つまり、知事サイドから、端切れの土地ということは、昨年九月の財産利活用推進会議のことだと思いますが、そのことについての成果を求める督促があって、局長からの下命もあったと。それで問題意識を持っていた副参事が調べに行ったのは当然だと思いますが、じゃ、部長なり局長なりに、得た情報の提供をするのが理の当然であって、自分で隠しておく理由はさらさらないと思うんですが、どうしてあなたのところにこの話は来なかったんですか。 ○松澤証人 なぜ来なかったかといわれても、これはちょっと私もわかりかねないところはございますが、ただ、今の事実関係でいえば、昨年の九月の二十四日に都有財産の利活用推進会議をスタートして、それ以降は、ある意味じゃ、会議の運営というのはとまっていた状況の中で、知事の方からも予算査定、あるいは庁議の席で、年が明けてから、端切れ地の問題も含めて、都有財産の洗い出しをもっと早くやれというようなお話もございましたので、私の方としては、この研修所の統廃合の問題でなくて、まず各局が持っている 行政財産の遊休な土地、これについて、公営企業も含めて、洗い出しをもっと早くして、とりあえずまず第一段階としては、まず洗い出しをした実態をまず出さなきゃいけないんじゃないかということを、再三ですね、再三というか知事なりそういうお話があった後に、財産運用部の方に話をしているということでございまして、そのこととダイレクトにこのことが結びついているかどうかについては、特にそのことをもって何か私が指示してやったとか、そういうことではございません。 ○山崎委員長 聞いたことだけ、わからなければわからないでいいですよ。 ○曽根委員 しかし、財務局として調べに来たといって、山内証人の証言が事実だとすれば、既に副参事はかなりの問題意識を持っていて、校舎の賃貸について五年で終了ではないことを明確にできる書類があればよいのだがとか、無償で都有地を学校法人に貸しており、その点を含める、建物賃貸料にそれを入れるべきじゃないかというような、これはその後出てきた外部監査人の指摘ですね。こういう問題意識を持っていたと。 これが事実だとすれば、財務局長のあなたが、もはやこの時点で、副参事が情報を入手した時点で、局として全く知りませんでした、こういう問題点を、というのは通用しない段階に来ていたということをいわざるを得ないと思うんです。この問題については、この間題点を指摘しておきたいと思います。 ●財務局がひた隠す「弁護士意見書」について 次に、これは宮川部長にもお聞きしましたが、弁護士意見の資料について。 これは、前回、我が党が、二月二日現在、弁護士意見の文書をあなたに示しました。あなたは調べてみたいということでしたが、その後、資料は出てきたのは口頭意見でした。この文書そのものについての調べの結果はどうなりましたか。 ○松澤証人 そうした事実はございませんでした。 ○曽根委員 どうやって調べたのですか。 ○松澤委員 これは、財産運用部の方に一応聞いて、調べてもらって、そういう話で確認 したわけでございます。 ○曽根委員 この文書は、私たちは、財務局の方々が間違いなくつくったという情報を得て、文書もここにいただいているものです。現に存在しているもので、あなたも、私の想像するに、間違いなく知っているはずです。少なくとも財産運用部では、もうかなりの人たちがこれを使っていたはずです。なぜ隠すんですか。 ○松澤証人 先ほど答えましたように、そういう事実はないということでございます。 ○曽根委員 委員長、お許しを願って、先日の一月三十一日現在、弁護士意見の文章を証 人に渡したいと思います。よろしいですか。 ○山崎委員長 はい、どうぞ。みんな持っているよな、あれ。何枚もになっちやった、同 じものが。 〔曽根委員、松澤証人に文書を渡す〕 ○曽根委員 一月三十一日現在の弁護士意見という部分を含む、「東京都社会福祉総合学院に係る外部監査報告案と財産上の問題について」という文書を今お渡ししました。これは当然ながらあなたは知っていなければならない文書だと思いますが、いかがですか。 ○松津証人 特に知りませんでした。 ○曽根委員 これは、一月二十八日にあなたが出席した包括外部監査の恐らく事前報告を要約して、それについて弁護士の意見を付随させたという形のものだと私は見るんですが、そうすると、そこに書いてあるように、さらに財務局の立場に立った見解をまとめてみるというふうに書かれていますけれども、この部分を踏まえて二月二日の弁護士意見がさらにつくられたというふうに見ると、まさに財務局のその後の動きも含めて、ぴったりと符合するわけです。 これは、あなたが知らないとするならば、あなたが出席した包括外部監査で出された問題点、そしてそれに対する弁護士意見、そして、これを踏まえて、さらに二月二日の弁護士意見、あなたが知らないなら、一体だれがこの文書をつくって、こうやって形にすることができるんですか。 ○松澤証人 ちょっとわかりかねます。 ○曽根委員 これは、繰り返しになりますからこれで終わりにしますが、大きな疑惑が残るというふうにいわざるを得ません。間違いなくこれはあなた方のところでつくっているんですよ、これは。 ●顧問弁護士の「口頭意見」について 次に、資料で出された顧問弁護士の意見について、これは、あなた自身が直接顧問弁護士から聞いたことがあるんですか。 ○松澤証人 ございません。 ○曽根委員 で、顧問弁護士の意見は四つあって、その中に、一月二十八日の外部監査報告案への口頭意見の資料があります。これについて、あなたはだれから、いつこの内容について報告を受けましたか、それとも受けていませんか。 ○松澤証人 資料でご提出している顧問弁護士の相談内容の、四回やっておりますが、そのー回目の話でございますか。これにつきましては、二月の二日の日に、宮川財産運用部長と、それから総合調整課長が来たときに、こういう顧問弁護士の相談をしているという話を聞いたところでございます。 〔委員長退席、野村副委員長着席〕 ○曽根委員 そのときに、宮川部長らの報告のときに、意見を要約した文書やメモはなかったんですか。すべて口頭だったんですか。 ○松澤証人 口頭でございます。 ○曽根委員 それを聞いたあなたも、その口頭報告をメモもしないで、そのまま聞き流したということですか。 ○松澤証人 これは、二月の二日の日に、演渦副知事に三局長が呼ばれて、その後、帰ってきてから、副知事の指示の事項、指示する、指示された事項を、一応、宮川財産総合…、部長、宮川部長と、それから課長に話をしていく必要があるということで呼んだときにそういう話を一緒に受けたと、こういうことでございます。 ○曽根委員 そうすると、どういうことですか。二月二日の午後三時半ごろ、あなたを含めて三局長が副知事に呼ばれて指示を受けたということは先日お聞きしました。同時に、それと並行して、たまたまあれですか、宮川部長・・じゃない、前回の証言によると、田崎総合調整課長が弁護士から一月二十八日の包括外部監査報告案についての意見をちょうど並行して聞いていたと。で、あなたが副知事からの指示を伝えるために呼んだら、弁護士の意見が出てきたと、こういうことになるんですか。 ○松澤証人 出てきたということではなくて、一月二十八日に包括外部監査報告が事前説明会があって、あった後に私の方から、それについて財産運用部の方にちやんと調査してくれという話をしておりまして、その関係で財産運用部もそこからスタートして、いろんな形でやった中で、文書を出さなきゃいけないという詰もあってやっていたわけでございますが・・ちょっと長くなって済みません。それで、二月二日の日に、今申し上げましたように、副知事の話があったときに、財産運用部の方から来たときに一緒にその話をしたら、文書でそういうことも出したい旨の話を財産運用部の方からあったと、こういうことでございまして、そのときに弁護士の方からも、出した方がいいだろうという、そういう話があったと、こういう話を聞いたわけでございます。 ○曽根委員 何か非常にでき過ぎた話だというふうに思うんですが、しかし、そうであるならばですよ、それが事実だとするならば、今、副知事から指示を受けたばかりで、そのことを部下に伝えようとしたら、部下の方も動いていて、まあ、一月二十八日ももらっていますからね、報告を。それで、弁護士からの意見も聞いていたと。その内容は、財務局の今後にかかわる非常に重要な内容であることは間違いありませんよね。 その内容をすぐにでも副知事に、これは連絡をするなり伝えるなりすべき内容だったんじゃないですか。あなたはそれをしなかったんですか。 ○松澤証人 特にしておりません。 ○曽根委員 それは大変おかしなことだと思うんですよ。あなたはすぐにこの弁護士の意見に基づいて自分の名前で二月三日付の福祉保健局への公文書をつくって送っていますよね。非常に重要な問題ととらえていたことは明らかだと思うんです。本来ならすぐに副知事に報告すべきことだったんじゃないですか。これを放置すれば、この契約状態を放置すれば、住民監査請求に問われたときに、責任が場合によっては知事に及ぶというようなこともあり得たんじゃないですか、この弁護士の意見からすれば。どうなんですか。 ○松澤証人 何をもって副知事に報告しなきゃいけないかというところがちょっと私どもわかりにくいところはありますが、要は、弁護士さんにも意見を聞いたら、事実関係を調べた方がいいだろうということが、弁護士さんも妄ういう意見だったということで、あくまで財産運用部の方が、そういう文書で出した方がいいだろうということを前提にした中で、弁護士さんにそういう意見をあわせて聞いた中でそういうことが出てきたということでございますので、これは、ある意味ではスタートラインというふうに理解していただきたいと思います。 ○曽根委員 スタートラインっていいますけれども、私たちが得た資料だって、もう一月段階からあなた方は弁護士の意見をとっているんですよ。しかも、副知事が、先ほど幸田証人の発言によれば、その後、弁護士の意見があるということもしゃべっているということからすると、明らかにあなた方は、副知事の指示が正式に出る二月二目以前の段階から弁護士に相談していたのは間違いないと思います。しかも、その資料を出そうとしないと。 私たちが資料要求しても、不存在とか、提出延期とか、調査を依頼したことはないが、口頭では相談したとか、いい逃ればかりです。どんな事情があろうが、百条委員会に対してこうした態度は絶対許されないということを改めて申し上げておきます。 ●福祉保健局との文書やり取りについて 次に、福祉保健局への文書、先ほど申し上げましたが、二月三日付から始まりますね。 この文書についてもお聞きしておきたいんですが、あなたが弁護士意見に基づいて二月三日付の福祉保健局への公文書を送り、これに対して二月九日に回答がありましたよね。その後、三月二日にまたあなたは文書を送っていますね。この二月九日から三月二日までの間に両局間で文書のやりとりはなかったんでしょうか。 ○松澤証人 これについては、はっきり私も事実関係調べていないんでわかりませんが、そういうことはなかったというふうに思っております。 ○曽根委員 それで、三月二日の文書は、事実上、敬心学園が五年の定期賃貸借契約終了後、この文書によりますと、事業団に確実に返置されるのかどうかの回答を求めており、また、それを法人に確認させるという、事実上の明け渡しの要請文書のような内容になっているんじゃありませんか。 ○松澤証人 お答えいたします。これにつきましては、三月二日付で私の名前で福祉保健局長の方に照会したものでございますが、あくまで事業団ではなく福祉保健局長あてに出して、事業団に建物が返還されることが確実な場合は確認書を出してくださいと、こういっているわけでございまして特に今委員がおっしゃったようなことではございません。 ○曽根委員 だれが見ても、これは調査ではありませんね。 いずれにしても、あなたは、これの文書を見る限り、敬心学園が平成十九年内月に建物を原状復帰して明け渡すのは当然と考えていたということは間違いないですね、この文書によれば。 ○松澤証人 今回の定期建物の賃貸借契約からいけば、これは間違いなく十九年の三月に返るということでございますので、私どもも、当初は、そういうことが可能なのかということも含めましてこうした文書で確認をとらなきゃいけないということでやっているわけでございます。 ○曽根委員 委員会への資料では、濱渦副知事からも、学院の利用形態を賃貸契約からもとの姿に戻す検討をするよう指示があったというような資料もありますし、また、つい最近、先日の、四月二十二日の知事の記者会見でも、「契約を、だからまず一回原状復帰、もとに戻すということと私は思います」というふうな知事の発言もあります。とにかく一回、敬心学園に建物を明け渡させて原状復帰させるという立場であなたもー貫して動いていたと、考えていたということでよろしいんですね。 ○松澤証人 先ほど答弁させていただきましたように、財産管理の立場から、これがちゃんと建物返還がなされるかどうかということを基本的に確認しなきやいけないということがございまして、また、それをちゃんとした形ではっきりさせないと、事実関係をはっきりさせなきゃいけないということもございまして、三月二日付でああした文書を出したわけでございますが、これにつきましては、知事の方からも、三月一日に三局長が呼ばれて調査を指示されたことの中で、福祉保健局に指示して、学校法人が十九年三月末に建物を返還するか否か文書で確認することと、こういうようなことがございまして、これは資料の方にも出ていると思いますが、そういうこともございまして、そういう形で三月二日付で文書を出したと、こういうようなことでございます。 ○曽根委員 改めて確認しますが、知事からも指示があり、濱渦副知事も同様なことをいっているんですが、あなた自身、十九年四月には敬心学園は建物は明け渡すのは当然と、そうすべきものなんだと、これは、契約上。そういうふうに考えていたというふうに認識してよろしいんですね。 ○松澤証人 基本的には、学校を民間で運営しておりまして、生徒の方もいらっしゃる中での問題でありますし、そういった問題をどういうふうにやるかという、こういう課題もございますが、基本的には、福祉保健局の方で、そうした、十九年三月未で一応建物が返還されるということになれば、これは、その建物の下にある土地というものも当然財産管理の問題から成っておりますので、そういうことをちゃんとやっぱり確認して、これからどうしていくかということも含めましてやっていかなきゃいけない課題と、こういうふうに受けとめたわけでございます。 ●財産利活用推進会議について ○曽根委員 あなたは繰り返し財産管理の立場からというふうにおっしゃっていますが、いかにその考え方が無理筋の話であって、しかも本当の意図は別にあったかという点について次に聞いていきたいんですが、いわゆる財産利活用の推進会議などの問題なんですけども、まず、あなたは、都有財産利活用推進会議、昨年の九月二十四日に第一回が開かれました、幹事長を務めていますね。 ○松澤証人 そのとおりでございます。 ○曽根委員 で、この都有財産利活用推進会議でも、また、その前につくられた第二次の財産利活用総合計画でも、その前に出された第二次財政再建推進プランでも、いずれにも小日向の社会福祉保健医療研修センターの社会福祉総合学院への統合、もしくは研修センターの見直しなどが課題として入っているわけですね。 で、先日、宮川部長の証言の中から、この小日向の研修センターの総合学院への統合計画について証言した部分を拾ってみますと、次のことがいわれています。 まず第一に、自分が部長になる前から、第二次総合計画に基づいてこの話は動いていたこと、 第二に、本格的に福祉保健局と交渉したのは自分が部長になってからであること、 第三に、有効活用を検討すべき各局の研修所の中で部長自身が交渉に行ったのは小日向の研修センターだけで、それは、小日向が研修所活用で一番大きなテーマだったので、自分がみずから乗り出したこと、 第四に、都有財産利活用推進会議を一度しか開かずに進めてきたのは、全体の場で提案するより、個別に当たって調整を進めた方が効果的との局長の方針が示されたからであること、 第五に、九月に福祉保健局を訪ねた後も、十月上旬に小日向の統合、売却のチャート図を示したり、十月二十一日に統合困難との回答があっても、その後も説明を求め続けてきたこと、 第六に、ことしの一月には知事から、端切れの土地の活用計画はどうなったとの催促があり、財務局長から、この間題も含めて何か成果を出せないかと指示があったと、自分たちもそれに従って動いていたこと、 最後に、最終的にこの統合計画を凍結することを確認したのは二月中旬ごろであること、以上七つぐらいのことをいっているんですが、これらの宮川証言について、松澤証人は、これらはすべて事実というふうに認めてよろしいんですか。 ○松澤証人 済みません、ちょっとたくさんございましたので、ちょっと頭の中が全部一遍に整理できないものですから、一つ一ついっていただければあれですけど、上から三つの部分については全く事実だと思います。 それから、四番目はどういうあれでしたですか。 ○曽根委員 局長の方針で、個別に当たった方がいいと。 ○松澤証人 これは、個別に当たったという意味合いもあるかもしれませんが、どちらかというと、九月の二十四日に財産利活用推進会議をやった後は、財産の洗い出しとかデータベースとか、それからいろんなそういう作業に入ったので、そういう作業ベースの方に進んでいくということで、利活用推進会議がその後はずっと中断していると、こういう状況でございます。 それから、五番目は……。 ○曽根委員 十月以降もいろいろ説明を求め続けてきたことです。 ○松澤証人 これにつきましては、私の段階では、九月に宮川財産運用部長と吉川総務部長が会った中で、包括外部監査があるから、それまでは待ってくれというお話を財産運用部長の方から聞きましたので、事実上、それをもって、この社会福祉総合学院と小日向のセンターの問題については、私はそこで一つクローズということもないですけれど、なかなか先に進まないと、こういう認識を持っておりました。 ただ、今回いろんな形で事実関係を見ますと、その後も事務ベースというか、財産運用部の副参事ベースではかなりそういうものをやってきた事実はあると、こういうようなことでございます。 それから、六つ目の、端切れ地の知事の発言があったからというお話ございますが、これにつきましては、先ほどもご答弁させていただきましたように、知事からそういうようなお話があって、私の方からは、あくまでこれは遊休資産をどういうふうにやるかという前提としての、公営企業も含めた洗い出しを早く急がないと先に進まないということで、何回か財産運用部の方に指示というか、お願いをしたわけでございます。 それから、七つ目が……。 ○曽根委員 最終的な凍結が二月中旬ごろだと。 ○松澤証人 これにつきましては、そういうことで、財産運用部としてはそういう形になっているのかもしれませんが、私の方の認識としては、その九月の吉川総務部長との話の中で、包括外部監査の結論が出るまではという話があったので、それ以降については、事実上、この統合の問題については、私は凍結してきていると、こういう認識でございました。 ○曽根委員 まあ、かなり宮川部長も発言をしていて、ちょっと最後の方は、私も並べたものですからわかりにくかったかもしれませんが、まあ、大筋、あなた自身が知らなかった動きもあるでしょうけれども、大筋財務局の財産運用部のこの統合の件に関する動きはこうした流れだったということは認めてよろしいですね。改めて確認します。 ○松澤証人 この社会福祉総合学院と小日向のセンターの、研修所の問題については、私がもう来る前から一つのそういう考え方が出ておりまして、私が来てから、それについて、まあ、もちろん局の了解というか、局の合意がなきやいけないので、そういうことを十分踏まえながら、できるものならやってくれと、こういう指示を出したわけでございます。 そういう中で、八月から九月ということで具体的なことになったと思いますが、九月の段階で、さっき申し上げたような状況になったので、これについては、それ以降、事実上、私の段階では凍結と、こういうふうなことになっているというふうに認識しております。 ○曽根委員 あなたは九月で凍結なんだというふうにおっしゃいますが、宮川部長はそうおっしゃっていないんですよ。で、あなたは知らなかったかもしれませんが、少なくとも十月上旬に課長レベルで売却のチャート図まで示しているんですよね、福祉保健局に対して。 それから、十月二十一日に回答があったけれども、それで終わりになっていないんです。いただいた資料のメモで確認しても、一月の中旬までは少なくとも引き続き説明を求め続けているんです。そういうふうに理解してよろしいですねといったら、確認したんです、宮川部長も、そうですと。 つまり、あなたは知らなかったといいますが、財産運用部は少なくともことしの初めまでは引き続きこの統合計画を追いかけていたということは、あなた自身が知らなかったと、だから凍結なんだとはいえないでしょう。現実にそういう動きがあったことを担当部長も認めているんですから。どうですか、それについては。 ○松澤証人 継続するという意味合いは、まあいろいろあると思いますが、一つ一つ、十月の段階とかそういう中で副参事がやってきたということは、ある意味では追っかけていたというか、今の委員のお話ですとそういう形になりますが、ただ、現実的には、もうなかなかそういう包括外部監李が入ったということで、この間題については、そこら辺がはっきりしないと出てこないというのが状況だったというふうに、そういう意味で申し上げているわけでございます。 ○曽根委員 で、少なくとも一回、部長が相手の局に交渉に行って、その後、チャート図まで示したり、断られても説明を求めるなど、ことしの初めまで追及しているのはこの施設だけで、ほかの局の研修所についても当たってみましたけれども、私たち調べてみましたが、そこまで財産運用部が、周到にというか、執拗に追いかけているものはありませんでした。しかも、部長も、この小日向の研修所の問題が一番大きなテーマだったということも明確に答弁をしています。 そこでお聞きしますけど、私不可解なのは、あなたは前回の尋問の際、二〇〇一年、平成十三年当時、先ほどもありましたが、主計部長として総合学院を学校法人に貸し付けて、補助金が減らせるようになったとかいうことを、まあ説明を聞いて、この契約のことは一般的には知っていたというふうに証言をされていますよね。 昨年来、研修所の統合計画の最も大きなテーマとして、財産運用部、あなたが責任者で、財務局全体でも追いかけてきた、追及してきた、この小日向の研修所を学院に統合すれば、その前提として、今貸している専門学校を明け渡すことになることは、当然認識していたはずなんですが、どうですか。 〔野村副委員長退席、委員長着席〕 ○松澤証人 もともとですね、調べましたところ、この小日向のセンターを売却して、それで社会福祉総合学院、練馬の方に持っていくという案そのものは、去年の五月ごろにそういう案が固まったというふうに聞いておりますので、それ以前の話ではないわけでございます。 ○曽枝委員 いや、私が聞いているのは、少なくともあなたが責任者で、あなたが去年の九月までだとおっしゃったとしても、去年の九月までは少なくともあなた自身も、この統合計画を進める立場にいたと。そしてその以前に、既にこの練馬の施設は学校法人に貸し出されていると、一括貸し出しになっているということをあなたは知っていたと、一般論としては知っていたと。 そうすれば、当然ながら、小日向の施設を持っていけば、今貸している学校は出なければならないんです、施設を。それはもう大前提になるわけですよね。それを十分考え、気がつく余地、時間は、十分にあったわけで、当然昨年の九月ごろ、そのことを認識していましたねということを確認したいんです。 ○松澤証人 昨年の九月の段階では、私、財務局長に七月に来てから、この小日向の統合案については一つの財産管理上の、施設の有効活用といいますか、その中の大きな課題になっておりましたので、当然それを認識した中でずっと取り組んでいかなきゃいけないと、こういうふうに思っていたわけでございます。 ただ、さっきいったような事実があったんで、それ以降は凍結状態になっていると、こういうことでございます。 ○曽根委員 あなたは、この学園、専門学校に対する貸し付けに契約上の問題があるということを知ったのは、一月二十八日の外部監査報告のときだというふうにおっしゃっていますよね。それまでは、一般論として、主計部長のときにも聞いていたし、その後の財務局の予算概要にだって、この社会福祉事業団がやっていたリカレント教育を、民間法人に委託することによって補助金も浮いたという、事業の再構築の代表例としても挙がっていますよね、平成十五年の予算概要には。 これは一般論、小さな問題じゃないんですよ。東京都としては、民間に任せることによって補助金が浮いた代表例として挙げられているものですよね。財務局がつくった文書の中でも。 そういうものとしてわかっていたわけですから、その貸している民間法人を、しかもあなたは当時 去年の秋の当時は、契約上の問題があるなんていうことは知らなかったわけでしょう。つまり何の問題もなく学校を貸していた。その学校を、立ち上がってから短期間で閉鎖させて、建物を別の用途に使うことができるというふうに考えていたというこ とでしょう。どうなんですか。 ○松澤証人 私が主計部長当時、この間題、社会福祉総合学院について知ったということは、もちろん概要的な、設置目的とか、場所とか、規模とか、こういうことはもちろん承知しているし、また、そういう状態にあったわけでございますし、それから十四年度予算からの変更点ということで、運営を民間委託することとか、空き教室を有効活用することとか、建物賃貸料を徴収、これは当然そこの中で知ったわけでございます。 ただ、財務局長になってから、五年間の賃借−一賃貸借契約になっているとか、民間の特定の学校法人がなっている、こういうことをそのときになってから知り得たわけでございまして、そういう意味で、この研修センターというのは五年で、まあ、ある意味では期限が来ると、十九年の三月に来ると。 こういう認識のもとに、それならば研修所の統廃合ともフィットするんじゃないかというようなこととのあわせの中で、そういうようなことを考えたと。こういうことでございます。 ○曽根委員 私、そのことを聞いているんですがね。そういうことを考えたときは、ことしの一月二十八日以前ですから、この敬心学国に対する貸し付けに問題がある、弱点があるというふうには思ってなかったはずですよ。つまり契約上の問題もない。東京都も、いわばそれでもってお金も浮く。財務局も予算概要で、いわば称賛していた事業の一つですよ、民間委託で。 そういう相手の学校を、五年間で閉鎖させて、それで別の研修センターをその建物に持ってくると。事実上追い出しですよ、学校の。そういうことをすれば、当然、社会問題になるくらいのことは想像できたと思いますよ。いかがですか。 ○松澤証人 このお話は、若干繰り返しになりますが、五年間の賃貸借契約と−−−−一建物ですね、こういうことというふうに理解しておりましたので、それならばあいた場合にはと、こういう考え方でございます。 ○曽根委員 そんなばかな話があるわけないじゃないですか。リカレント教育は委託であって、委託の事業をやりながら、貸し付けていたのはなぜかといえば、当然それは専門学校が立ち上がったからでしょう。そのことを知らなかったはずないですよ。あなたは前回の証言のときに答えているんですから。 あなたは前回の証言のときに、財務局長になりまして、いろいろな形で五年の賃借であるとか、民間の学校法人は特定のところが使用しているとか、そういうことは十分承知しておりましたと答えていますよね。 ですから、昨年の秋の時点では、当然ながら、民間法人が学校もやり、東京都の委託も受けてリカレント教育はやるんだけれども、まあ学校を、建物を使って学校をやっていると、自分たちで。それを追い出さなければ研修所の移転なんかできないじゃないですか。 それを、貸し付けてですよ、契約上も、その当時は問題があったと思ってないわけですから、当然の契約をしている相手を五年で出てもらって、それはもう、だれが考えたって常識、小林理事長の証言を聞くまでもなくですよ、五年間ぐらいでまともに、ちゃんとこの学校が安定するなんてことはだれも考えられないし、大体赤字が解消されるのに三年ぐらいはかかるというぐらいのことは、だれだってわかることじゃないですか。 それを追い出してでも、研修所を持ってこれると考えたというのは、どうしてかっていうんですよ。 ○松澤証人 これはまあ認識の問題でございますので、そこまでどうだったかという話をされると、なかなかそこら辺のことはございますが、繰り返しになりますように、これは五年間の建物賃貸借ということはわかりましたので、それならば、先ほど申し上げたように、これはそれで期限が切れてあれするならば、それはあとは財産の面から活用できると、こういうふうに認識したということでございます。 ○曽根委員 そんなのはね、大体こういう問題は統合計画を、財務局がああいうチャート図まで書く前にですよ、で、小日向は売却まで考えていたんですから、そういう計画をつくる前に調べておくのが常識だと思うんです。 ●なぜ統合計画の前に資産アセスをやらなかったか しかも今回は、これも私、今回調べてみて気がついたんですけれども、第二次財産利活用総合計画の中では、この新資産アセスメントを実施することになっていますよね。つまりこの利活用の対象となる、例えば研修所などの有効活用を図るべき施設については、これによると・・夕イムスケジュールによると、おととしの十一月から始めて、十六年度ですから、昨年度の七月までに新資産アセスメントの第一次分を、評価と提言の講評としていくことで行って、それを財産活用の見直しの推進に反映させるというふうに図がなっていますよ。 この、去年七月に一次分が出るはずだった新資産アセスメントですか、これはどうなったんですか。 ○松澤証人 まあ、一つの計画でございますけど、なかなかそのとおりにまだ進んでない と、こういう状況でございます。 ○曽根委員 このいただいた資料103番によると、新資産アセスメントの実施状況、政策形成中と、こういうふうになっていますよね。 ですから、研修所が一つの目玉として、見直しの対象の施設として第二次プランにも、この第二次総合計画にも、財産利活用の推進会議にも上げられていて、その研修所の中の最大のテーマは小日向だといわれているのに、小日向の新資産アセスメントすら出てこないと。 アセスメントということは、評価するわけでしょう、現状を。利用状況とか。それで統合する相手の練馬についても調べなきゃならないわけだ。ところが、アセスメントをやってないから、今みたいな問題が起きるんじゃないですか。 なぜアセスメントが出てからこういう売却だとか、統合の計画を立てなかったんですか。順序が逆じゃないですか。 ○松澤証人 まあ、どちらが先かという問題になりますけれど、あくまでやはりアセスメントをやるにしましても、相手方といいますか、福祉保健局、所管のところが了解して、ある程度そういう形でやらないとできないわけでございますので、そういう面で進んでいないということでございます。 そういうことを含めて、こちらの方でつくって、案はありましたけれども、なかなかこれが、九月の段階ではそういうお詰もあって、凍結状態になっていると、事実上ですね。そういうことになっているわけでございます。 ○曽根委員 だって、アセスメントは、去年の七月までに第一次出すと。第一次を出すんだったら、当然この小日向の施設については出てなきゃおかしいですよ。 というのは、第二次の総合計画の前に第一次総合計画というのがあるので、私見ましたけど、第一次総合計画には対象の物件のリストが全部上がっていて、その中に小日向は入ってないんですね。第二次の直前の、恐らく第二次財政再建推進プラン中で出てきたんでしょう、初めて。 ですから、ここを統廃合したり、見直しするのであれば、当然アセスメントをやらなきゃ状況わからないわけですから、いち早くこれをやって、去年の七月までに結論出して、その上で本格的に話し合いをすると。局にも交渉に行くというのはわかりますよ。 しかし、アセスメントをやらないで、いきなり交渉に行ってるんですよ。これは実態として、統合構想が無理やりでも今ある専門学校を追い出してしまうことになるのがはっきりするから、アセスメントを避けたんじゃないですか、実態は。 ○松澤証人 これは、十五年の十一月に第二の財産利活用推進計画をつくった中で、研修所の見直しということが出たわけでございまして、そのときには具体的な、この件に限らず、まだメニューというのはできてなかったというふうに聞いております。 それを、年が明けてから、具体的にやる組み合わせが、まずどんなものがチョイスとしてあるかということを、まず事務ベースで−−−−−一財産運用部の方でつくって、それに基づいてどうアクションしていくかと、こういうふうな段取りになったわけでございまして、それが七月なり、あっ、八月なり九月と、こういうところから始まっていると、こういうふうなことでございます。 ○曽根委員 で、今の松澤証人の証言を聞いても、なぜ、一昨年の十一月につくった第二次総合計画に基づいて、どうして去年の七月までにアセスメントが出せなかったのかの理由にはなっていません。 はっきりいいまして、前回の宮川証人に対する証人尋問の結果を見ても、今の松澤証人の話を聞いても、どう考えても、この第二次総合計画が出されて、で、アセスメントをやるはずなのがやっていない。 しかも、推進会議までつくってやったんですけれども、目玉である研修所も、ほかの局は全く動きがなくて、小日向だけが執拗に追いかけられているということで、全体が、とにかく小日向を練馬に持っていくということで、そこにだけ執拗に、何が何でもということで動いていたというふうに見ざるを得ないんですよ。あらゆる、あなた方の証言から見ても。 この点で、私たちは、やはり練馬の学院を問題にしながら、実は本音は、小日向の施設、研修施設の練馬への統合を何が何でも押し込むということに、一つの大きなねらいがあったというふうに見ざるを得ないということを指摘して尋問を終わります。 |