2005年4月22日百条委員会曽根はじめ議員尋問 知事の「けが人」発言前日2月24日、出納長は濱渦副知事と共に知事に会いレクチャーしていた ○山崎委員長 曽根委員。 ○曽根委員 それでは、櫻井出納長に証人として尋問させていただきます。 出納長は、ことしの二月二十四日の午後は何をされていましたか。 ○横井証人 失礼しました。申しわけありません。 知事とお会いをしておりました。 ○曽根委員 あなたの専用車の記録を見ると、二月二十四日は、午後一時三十分に都庁を出発して、千代田区に出張されておりますが、これは平河町の都道府県会館で知事にお会 いになっているということでよろしいんですか。 ○櫻井証人 時間は覚えてございませんけれども、都道府県会館に行った記憶はございます。 ○曽根委員 そのときは、出納長一人で行かれたんですか。 ○楼井証人 知事からのお呼びによって、私一人で参上をいたしました。 ○曽根委員 現地で濱渦副知事と合流されませんでしたか。 ○櫻井証人 今申し上げましたように、私は、知事に呼ばれてお伺いしました。そのときに、濱渦副知事は後からいらしたと、そういうふうに理解を、記憶しております。 ○曽根委員 演渦副知事も来られたということですね。確かに、濱渦副知事の記録を見ましても、十三時三十分、あなたと同時に都庁を出発して、十三時五十分に千代田区に行っています。そして、車だけは、濱渦副知事の車は十七時四十五分に都庁に返しています。 ここで、濱渦副知事とあなたとで、知事とどういう話をされましたか。 ○櫻井証人 私がお話ししたのは、あくまでも知事でございまして、その知事に対して、特別な指示をいただいたことについて、現在、どういうような状況だということで報告せいということなので、その部分を報告いたしました。 ○曽根委員 今回、問題となっている社会福祉総合学院の問題を知事に、何か特命があったというようなお話がありましたが、それらの報告など、話をされていたのでしょうか。 ○櫻井証人 今の二十四日の話ということでよろしいんですか。そういうことならば、特別な指示をいただいた社会福祉総合学院のことについて報告をせいと、こういうことでございましたので、その時点で把握していた大枠の事実関係について、口頭でお話を申し上げたと、そういうことでございます。 ○曽根委員 そうすると、翌日、二月二十五日の記者会見での知事の発言で、ちょっとこれは重要なので、読ませていただきますが、「あれはね、とても大事な問題が出てきてね、ちょっとびっくりしているんですよ、私もね。これは、いわゆる社会福祉総合学院なるものについては、都民共有の財産である都有地を使って、特定の学校法人が学校を設置して運営しているということですが、私はこれを認めた覚えはありません。十三年の十一月に民間に委託するということだけは聞きましたけれどね。その後、ここで一々お話ししませんが、もう少し精査して報告もするし、皆さんも調べていただけばわかるけれど、かなり無理なことをしている感じがするね。大体、学校なんていうのは、前後合わせて三カ月でできるものじゃないのが、しかも残っている文書の中に、特例中の特例だとか、どういう権限で出たかわからない念書なるものがあってね、これはとても大変な問題だと思います。 学校ができていて、そういう形で運営されているのは、今度初めて聞きました。これね、外部監査のメリットの一つで、私は、こういうものは正面から受けとめて、正すものは正していかなきゃならないと思っています。けが人が出るかもしらんね、この問題は」と、こう発言されています。 ここに出てくる「念書」、「特例中の特例」などの情報は、そうすると、前の日、あなたと濱渦副知事が知事に対して行ったものと考えるのが、だれが考えても、そういうふうに考えざるを得ないんですが、いかがですか。 ○櫻井証人 先ほども申し上げましたように、私が呼ばれて、知事にこの特別な指示をいただいた社会福祉総合学院の件について報告をしたということでございます。 その元資料は、先生方のお手元にも届けていると思うんですけれども、福祉局の、福祉保健局の資料、それを見ていただければわかるんですけれども、その中に、念書、それと、特別なケースでこうですよというようなことをいっている文書がございます。そういうことを、この福祉保健局の資料を使って、淡々と事実関係をご説明したということでございます。 ○曽根委員 それからもう一つ、けが人が出るかもしれないと。これは明らかに、違法性を知事が、このことについては認識したというふうに受け取らざるを得ません、けが人という言葉は。ほかにとりようがないと思うんですよ。 つまり、あなたと濱渦副知事で知事に会って、この問題は、やっぱり違法性があるということを知事に情報提供したというふうに考えるのが自然なんですが、そういう事実はあったんですか。 ○櫻井証人 一点申し上げますけれども、私は、濱渦副知事と会ったわけじやありません。私が知事に呼ばれて行ったところ、たまたまいらしたというのが私の理解です。私は知事に対して、特別な指示に対してご報告をしたということで、福祉保健局の資料、これを見ていただければわかるんですけれども、淡々とその事実関係をご説明したまででございまして、けが人が出るとか何とか、そういうことを言及した覚えは一切ございません。 ○曽根委員 そんないい加減な証言じゃ困りますよ。 知事は、けが人が出るかもしれないと。つまりこの間題では責任者がいて、その責任者は、違法性の責任を問われる可能性があるんだと考えていたということに、これを読めばどう考えてもそう受け取らざるを得ないと思うんですが、このけが人とは、だれのことなんですか。 ○櫻井証人 知事が、知事ご自身の言葉で発言なさったことであり、私にはわかりません。 ○曽根委員 それでは、あなたは知事に対して、この違法性の問題とそれの責任者について言及しませんでしたか。 ○櫻井証人 どういう趣旨の責任者ということかわかりませんけれども、我々管理職というのは、それぞれ職務権限と、その裏腹の責任をしょっているわけでございます。そういう意味で、私自身も含めて、全部責任をしょっているわけでございますけれども、この場でもっては、先ほども申し上げましたように、福祉保健局の資料を使って、あるいは包括外部監査報告書の中にこういうことが触れられておりますということを、淡々とご説明しただけでございまして、そういう個人名とか何かということについて言及したことはございません。 ○曽根委員 知事のいい方は、平成十三年の十一月に民間委託したことは知っていたがその中身について初めて知ったと。 で、当時のやはり契約に問題があり、そのときの責任者が問題だというニュアンスに聞こえますが、そういうニュアンスのことをあなたが知事に対しておっしゃったんじゃないんですか。 ○櫻井証人 福祉保健局の資料に基づいて、粛々とご説明をしたまででございます。 ○曽根委員 もう一つお伺いしますが、先ほどの、これはさっきの証言ですから、記録はちょっと正確にわかりませんが、あなたは、自分自身一人で知事に呼ばれて特命を受けたと。副知事の濱渦氏とは別に調査もし動いてきたというようなお話をされています。 このときは、あなたはたまたまといいますけれども、同じ時間に都庁を出発して、同じ席に知事のところに行って、その後もかなりの時間そこにいたわけです。とても偶然と思えませんが、明らかにこれは、あなたと濱渦氏が一緒に知事に対してこの問題で対応していたといわざるを得ないじゃないですか。いかがですか。 ○櫻井証人 劇はいろいろつくれるんでしょうけれども、私は先ほどから申し上げていますように、知事から特別な指示をいただいて調査をしろということで、知事と直結してこの件については動いてきております。 それとは別に、知事は濱渦副知事の方に、私の記憶では一月二十八日の包括外部監査報告の事前説明会のときに、関係局長ともども調査をしろという指示を出されております。 そういうことで私は別建てでやってきておりますし、今までのこの関係に対する件について、濱渦副知事に報告したことはございませんし、この一月二十……失礼しました。二月二十四日につきましても、私は知事から呼ばれて行ったわけでございます。そこで、福祉保健局の資料に基づいてご説明をしたと、ご報告をしたと、それだけでございます。 ○曽根委員 そこまでいうならもう少し聞きますけれども、資料を委員の方に配ってください。証人にも渡してください。それではですね、この後あなたは一たん都庁に戻って、その後また庁用車を使って千代田にまた行っているわけですが、これはやはり都道府県会館にまた戻ったんですか。 ○櫻井証人 戻った記憶はございません。 ○曽根委員 どこへ行ったんですか。公用車を使っているんですから、公務ですから説明責任がありますよ。 ○櫻井証人 今この場では、記憶にございません。 ○曽根委員 よく思い出してください。時間はありますから。 ○櫻井証人 申しわけありませんけれども、今この場では記憶はございません。 ○曽根委員 濱渦副知事の専用車の記録を見てくださいよ。千代田区に行って、五時四十五分に車を帰しているんですよね、都庁に。その後、あなたの方の車に出納長、五時五十分から六時十分までに、その千代田区に、どこに行ったのかはともかく戻って、その後は、出納長外一名で、あなたの車で、乗った時間が二十二時四十分ですよ。この間、何していたんですか。十八時十分から二十二時四十分まで。 ○櫻井証人 もちろん公用車を使っているわけですから、関係者の会合だろうと思うんですけど、今この場では記憶にございません。 ○曽根委員 この外一名というのは、この前に知事に会っているんですよ。翌日は知事の定例記者会見で。重要問題である特命を受けた練馬の社会福祉総合学院問題を報告して、その帰り、副知事もその席は一緒だったと。あなたはたまたまというけれども、副知事は車を帰している。あなたは一たん都庁に戻って、またここに戻ったんじゃないですか。 それとも、副知事と待ち合わせて、あなたと外一名であなたの公用車で十時四十分まで千代田で何していたんですか。大体もうはっきりしているじゃないですか、これ。副知事と一緒に同席して、その後の副知事の車を見れば。 どうなんですか。副知事と一緒じやなかったんですか。十時過ぎまで。 ○櫻井証人 どうも、この社会福祉総合学院の関係と私のその庁用車の関係がどこで結びつくのかよくわかりませんけれども、都道府県会館で知事にご説明したことは、先ほど申し上げたとおりです。その後、都道府県会館に行っておりません。 その先生がおっしやっている時間外の関係でございますけれども、大変申しわけないんですけれども、今記憶にございません。 ○曽根委員 二十二時四十分から杉並に行っていますよね。それから自宅に戻っていると。杉並区といえば、濱渦副知事の自宅があるところですよ。濱渦副知事を送ったんじゃないですか、あなたの公用車で。これ、どう考えたってぴったり符合するじやないですか。その後の濱渦副知事の公用車が都庁に戻っている。で、あなたと車で外一名が加わった。それで杉並区に行っているんですよ。 よく思い出してくださいよ。ここまではっきりしているんだから。正直にいってくださいよ。濱渦さんと一緒だったんでしょう。 ○櫻井証人 失礼な話ですね。私は先ほどから、都道府県会館には戻っていません、濱渦副知事とも同乗していませんと申し上げているつもりですけれども、先生がそういうような形でもってお決めになっているというふうに、私には聞こえます。 私は、少なくとも知事から呼ばれて行ったことは確かです。ですからそれは、きょう証言の場で申し述べたとおりです。その後は、濱渦副知事とは全く別行動で、その日は一切行動を一緒にしておりません。 ○曽根委員 あなたは濱渦さんとは別行動だったという。しかし、あなたは夜の十時過ぎまで千代田に車からおりていて、帰りには外一名が加わっている。これはもう記録から間違いないんですが、それでも記憶が戻らないと、これについては覚えがないということで、いい張るんですか。もう一度確認します。 ○棲井証人 繰り返しになりますけれども、濱渦副知事とは、その日、都道府県会館で知事からお呼びになったときにいらっしゃいましたけれども、その後、一緒に行動は一切しておりません。 ○曽根委員 だれが見ても、これはもうあなたが濱渦さんと、私はもう間違いなくたまたまではなくて一緒に知事に会って、で、翌日知事がこのような発言をするような情報を知事に与えて、その後はつるんでいたというのは明らかじゃないですか、これはもう。こういうふうな行動をともにしているという状態が、やはりこうした問題を生んでいるんですよ。はっきりしているじやないですか。 それから、ちょっと先ほどのことでなんですが、知事が記者会見で、あなた、出納長に特別にこの問題を指示をしたことはないと表明したらしいんですが、あなた自身は、この知事が発言したらしいんですけどどうですか、これを聞いて。 ○山崎委員長 ちょっと、今もう一回いってあげて。先ほどの記者会見のことですか。 ○曽根委員 失礼しました。先ほどの三時からの定例記者会見で、石原知事が、この問題で出納長に特別に指示したことはないと表明したようなんですが、私は直接見ていませんが、そういうことが今伝わってきているんですが、もしこれが事実だとしたら、あなたはどう思いますか。先ほどの証言との関係で。 ○櫻井証人 私は、その事実を確認しておりませんけれども、先ほどから申し上げていますように、社会福祉総合学院の関係については、知事の方から財産関係を中心に調査をしろということで、特別な指示を受けています。 ○曽根委員 あなたがそうおっしやるのであれば、この質問はここまでに、尋問はこれまでにしておきますが、偽証罪という問題がありますので、証言については真実のみを答えてください。 続いて、もう一つ別のことをお聞きしますが、出納長室からの資料の中に、社会福祉総合学院に関する調査改善委員会というものの設置について、資料がありました。この委員会の設置目的は、どのようなものですか。 ○櫻井証人 社会福祉総合学院の関係については、このような形で先生方にいろいろご心配をいただいているわけセございます。そういう中で、執行機関として取り組もうということでもって、知事が指示されて関係局長で取り組みをしているわけでございますけれども、なかなか進まない。また、この先どういう方策をとったらいのかということについても見えてこないと。こういうことがございます。 そういう中で、やはり現実に学校にいらっしゃる生徒さん、学生いるわけでございますから、そういうようなことも踏まえながら、土地建物の権利関係、こういうものを精査した上で、一刻も早く今後の方策、こういうものをまとめなくちやいけないと。こういうようなことが必要だろうということでもって、調査改善委員会、特別職を中心とする委員会でございますけれども、その場でもって、関係局長ではなかなか進捗しなかったそういう取り組みをしていこうじやないかと、こういうようなことでございます。 ○曽根委員 ここに、その提出資料の九十二番の中に、最後の方についていたんですが、出納長室が出した、その資料があるんですけれども、その最後に添付されている中にですね、社会福祉総合学院に関する調査改善委員会の設置についてとありまして、三月二十四日付の資料です、ここに、三として、当面の対応となっていて、予算特別委員会百条委員会における関係局長答弁及び各局議会対応の十分な調整並びに知事特命調査の確実な実施という言葉があります。 つまり、予算特別委員会はともかくとしてもですね、百条委員会について、そこでの対応を調整するということはどういうことなんでしょうか。ここに出席していたのは、福永副知事を座長として、濱渦副知事、大塚副知事、竹花副知事、横山教育長、出納長、事務局長は総務局長、事務局は行政監察室です。この中の何人かは、証人として証言を求められている人たちで、その人たちが、その百条委員会での対応を調整していいんですか。 証人は、自分の責任で、個人の責任で真実のみを語るということ、決まってるじゃないですか。こんなものはあり得るんですか、こんなことが。あなたのところの資料だから、お聞きしますけど。 ○櫻井証人 これはあくまでも私ども執行機関の取り組みでございますけれども、今先生おっしゃられた、それぞれ副知事を初めとしたメンバー、それと今先生おっしゃらなかったんですけれども、総務局長、それと福祉保健局長、財務局長、これもメンバーになっております。 そういう中で取り組んでいくわけでございまして、そういうところの百条委員会対応についても、それぞれが十分な対応できるようにしていこうじやないかと、こういう趣旨でございます。 その具体的に、この場で証人と呼ばれた者がどういう証言するか、それは先生がおっしゃったようなそれぞれの証人の立場で、きょうも宣誓いたしましたけれども、率直な自分の事実関係、これを申し述べると、こういうことになろうかと思います。 ○曽根委員 そういうことならば、こんな会議必要ないんです、百条委員会に対しては。ずっと証人尋問だけやってきたんですから。この百条委員会も。 ですから、対応というんで資料の提出とかそういうことなら別にしても、ここへ出てきている、証人として出席する人を事前に集めて調整するということは、そこで証言する内容にだってかかわってくることは間違いないじゃないですか。十分ありますよ、これは。 そこで、この問題については、こういう証言で意思統一をするというようなことがあっては、断じてならないわけですよこれは。ですよね、当然。しかし、こういうことができるわけです。この会議では。でき得るわけでしょう、物理的に。どうなんですか。そういう、場合によっちゃ答弁内容、そこでの発言内容についての調整はなかったんですか。 ○櫻井証人 今までの調査改善委員会の取り組み、実質一回、計二回開いておりますけれども、最初はいうならば特別職、そして先ほど申し上げた関係局長も含めて、こういう取り組みをしていこうじやないかと、みんなのコンセンサスを得てこういうものができ上がっていると、こういうことでございます。 で、二回目に、少し中身に入りましたけれども、それは、これまでの三局の取り組み内容、こういうものを特別職に、いうならば説明すると、こういうものが中心でございまして、この百条委員会の関係について具体的に何か取り組んだというようなことではございません。 ○曽根委員 こういう調整は一切やらないことが、この百条委員会の、少なくとも関係者一人一人について、問題点がどうなのかということについて、わざわざ証言するときだって別々にやっているわけです、一人ずつ呼んで。後ろに全部並んでいるのと同じことになっちゃうんです、これじや。これは、改めて強く申し上げておきたいと思います。こんな調整の場はね、つくるべきじゃないんです、これは。 それからこの資料は、幹事局が、事務局長が総務局長であるにもかかわらず、なぜ出納長室から出ているのか、それからこれは知事に対してブリーフィングをしたときの資料ということになっているんですが、つまり、ここでの内容を出納長室のあなたのところから知事にブリーフィングしたということになるんですか、この資料も。 ○櫻井証人 先ほどから申し上げていますように、私は知事からはこの社会福祉総合学院の関係について、特別な指示を受けて調査を進めてきている立場にございます。 そういう中で、一方では別建てで、三局長が今後の方策も含めて検討をするというようなことになっているわけでございますけれども、これも先ほど申し上げましたように、なかなか先が見えてこないという中で、現に学校に生徒さんいらっしやるわけで、学生さんいらっしやるわけですから、早く都民の目線に耐え得るような方策を示していかなくちゃいけないと。 そういうものを考えますと、現在の関係局長を中心とした取り組みじや非常に限界があるということでもってお話ししたところ、具体的なそれじや取り組みどうするのか考えろと、こういうことでございましたので、案をつくりまして知事にご説明し、知事にご決定をいただいたと、そういうことでございます。 ○曽根委員 そうすると、知事の指示のもとにこうした調整委員会もつくって、調査改善委員会というのをつくって、答弁調整もして、予特だけじやなくて百条委員会についての打ち合わせもして、内容は知事に逐一報告した、その役目はあなただったと、こういう経過なんですか。 ○櫻井証人 知事からそういう素案をつくれということでもって素案を出しまして、知事のもとに特別職全員集まって、これを検討し精査した上で、こういう形でもって知事が決定をされたということでございます。 で、その中で実務的にも円滑に進むようなことでもちまして、関係三局長−−−一総務局長、福祉保健局長、財務局長、これも入れた形で実践と、それと今後の方策を出すためのスキルアップ、これを図るために、知事をのもとでの特別職の総意として、こういう形でやった方がいいんだろうということでこういう決まったと、こういうことでございます。 ○曽根委員 改めて知事の先ほどの記者会見での発言の真意も含めてですね、やはり証人として来ていただいて、きちんとした知事の証言を得ることが、どうしても必要だということを指摘しておきたいと思うんです。 次に、あなたは二〇〇三年度、平成十五年度に財務局長になりましたが、この年度の予算概要の中に、施策の見直し再構築というところがあって、廃止、休止する主な事業を六つ挙げられていますが、その中の一つに、東京都社会福祉総合学院の運営費補助が廃止になったということですよね。この代表例として特別に明記されていたことは、その年度の財務局長ですから当然知っていましたね。 ○櫻井証人 申しわけありませんけれども、承知しておりませんでした。 ○曽根委員 これは別に細かいことらて、さっきちょっとお話があったような気がしますが、細かいことではなく、予算概要というのは書くものは限られているんであって、ここに特記されているものなんですよ。六つしかないんですよ。施策の見直し再構築。 もちろんあなたが組んだ予算じやありませんよ。あなたはその年の夏ぐらいになっているかと思うんですが、しかし、その年度の予算執行に責任持っている最高責任者ですよ、あなたは。その年度の予算概要を当然逐一見ていなきやならないし、この施策の見直し再構築で、なぜ社会福祉総合学院の運営費補助が廃止になったのかという理由については、あなた自身が知らないでは済まされないものじやないですか、この概要というのは限られているんですから。挙げられている項目は。それをなぜ知らなかったんですか。 ○櫻井証人 財務局長の仕事は大変広範でございまして、先生のおっしやるように、その一々をすべて承知していればそれはベストだと思いますけれども、先ほど申し上げましたように十五年度予算概要の中でそういうことを表記されているということは、承知しておりませんでした。 ○曽根委員 それでは、その年度の平成十五年、二〇〇三年の二月に、我が党の大山とも子議員が厚生委員会の予算審議の中で、この学院を民間に貸してその賃貸料分で補助金を減らしていくというこの予算概要で、原案出された問題について、時間限られている中の大きな問題として取り上げて、当時、都の福祉人材教育への公的責任の後退であり、実態は民間学校のために税金でつくった施設を丸投げしているようなもんじやないかと、この学校の実態について厳しく批判する質問をしているんですけれども、これ予算審議の委員会ですよ。厚生委員会ですけれども。その年度の執行に責任持っているあなたが知らないのは私はおかしいと思うんですが、ちゃんと知っていたでしょうね。 ○櫻井証人 財務局長就任時は、承知しておりませんでした。 ○曽根委員 そうすると、この年度に財務局としては、我が党は厳しく批判したんですけれども、この学校に貸し付けをしてその賃貸料で補助金を減らすと、こういうやり方については、いわば大変手放しで評価してこの概要には載せていると。そのときは、財務局のこれは評価なんですね、この問題についての。 それが今日では、貸し方が問題だ、執行をね、一時的とはいえ停止させるというようなことまであなたはやっていると。一体いつ認識がこんなに大きく変わったんですか。何が原因なんですか。 ○櫻井証人 先生のお立場が、その十五年度二月のときとどう違うのか、よく見えない部分がございまして、ちょっとどういう表現していいかわかりませんけれども、少なくとも私はこの一月二十八日の包括外部監査報告書で、この社会福祉総合学院の件が、包括外部監査人から種々意見をいただいて、その中で、知事の特命を受けて調査する中で、財産関係にも幾多の心配事、懸念があるなと、こういうようなことでやってきているわけでございまして、そういう意味で、財務局長時代と認識の差があるということでございます。 ○曽根委員 しかしですね、外部監査の報告は、確かに学院のあり方を抜本的に見直す必要があるというふうに書いてありますが、契約を更新する場合は賃貸料の改定交渉を行う必要があるということで、貸し付けそれ自体が問題だとは外部監査人は主張していません。にもかかわらず、あなたは異例の執行停止っていいますか、要するに予算の支払いを停止することまでやって、何が何でもこれを食い止めたいという動きをしたというのは一体、外部監査人の報告ではそこまで指摘はしていないんですよ。その財産の貸し付けの問題までは。一体どこでそういうことをあなたは考えたんですか。 ○櫻井証人 先ほどもお答え申し……失礼しました。証言を申し上げたかと思いますけれども、その補助金の三月の執行にかかわる件につきましては、会計処理期間中にこの補助金の関係について、包括外部監査で触れられているところから、福祉保健局と私どもの方で考え方をすり合わせしておいた方がいいだろうと、より慎重を期した方がいいだろうということで照会をしたことでございまして、支出期限が三月末日でございます。ですから、そういう会計処理の時間的な、ままあるということでもちまして、そういう対応したということでございまして、執行停止ということではないということを、先ほどから申し上げているつもりでございます。 ○曽根委員 実態は、明らかに三月二日に出納長室に持ち込まれたものを三月未、恐らく二十四日のこの調査改善委員会ですか、ここで何か議論があったんじやないかと私は思うんですけれども、その直後には執行していると。一カ月近く引き延ばしたことは事実ですよ、これは。私は今の尋問を見ても、明らかに自分の権限で予算の執行を一時とめてまで、何が何でも学院の、学校法人の貸し付けを問題にして、これを機に再契約を中止させようという意図が見え透いているというふうにいわざるを得ないと思います。 それは何の意図に、なぜそういうふうなことが出てくるのかということで、以前から財務局の方にもお聞きしていますが、財産利活用の問題です。特に小日向の研修センターの統合問題なんですが、今まで若干尋問がありましたので少し省略しますけれども、あなた自身が財務局長のときに、あなたの責任でつくられた第二次財産利活用総合計画の推進の中でこの問題が出てきています。 その後、この第二次計画をつくって以降、同研修センター、小日向の研修センターの統合について、あなた自身はどのように取り組んできたのかを、経過をいってください。 ○櫻井証人 重ねて証言申し上げますけども、先ほどもその補助金の関係について、執行停止というお話をいただきました。極めて残念であります。三月二日に持ち込まれたもの、で、支払い期限が月末、その間に公金運用上、支払い期限ぎりぎりのところで払うというのは、これは企業感覚からすれば当然のこと、知事がかねがねおっしやっている、コストあるいは金利意識ということを持てば、当然のことだと私は理解しておりますし、実際に私どもの照会に対して、福祉保健局の方から回答が来たのは二月、あ失礼しました、三月の二十二日か三日だと思います。ですから、私どもはそれを受けて直ちに、月末もある中で、支払い期限が迫っている中で適切な会計処理をしたと、こういうふうに考えております。 それと、先生のお尋ねの小日向と社会福祉総合学院の件でございますけれども、これも先ほど証言申し上げましたけれども、第二次都有財産の総合利活用計画の中で、どうしてもこれまでの財産の利活用の壁を乗り切るというためには、局の壁、これを越える工夫をやっていかなくちやいけない。あるいはいろんな行革の中で、各局でいろんな形での事務所、事業所等の施設の空きスペース等々の発生も現実に出てきていると。そういう中で、やっぱり全庁的な取り組みという形に変えていかないとなかなかうまくいかないんじやないかと、こういうことを考えたわけでございます。 そういう中で、いきなり都民の方々が利用されている施設を検討対象ということになると、今までの都の未経験の分野に取り組んでいくわけでございますから、直接そういうことではなくて、都の職員が利用するいわゆる内部施設、こういうものを一つのテストケースというようなことでもって取り組んでみようじやないかということでもって、各局の研修施設、こういうものを事例として検討したと。そういう中で、他の局も含めまして小日向の施設、そして社会福祉総合学院、これがあったと、こういうことでございます。 ○曽根委員 考え方は先ほどもお聞きしたんですけれども、私から見ると、非常に異例の熱心さでこの間題、追求しているんですね。あなたが財務局長のときには第二次総合計画をつくり、これを推進する第二次財政再建プランにもこのリストが挙がっている。そして今度は、昨年九月に都有財産一出納長に去年の夏なられたと。そうすると、今度は九月 に都有財産利活用推進会議の副委員長のポストにおさまって、立場を変えながらも今日まで一貫して、この中でこの研修所の統廃合。なかんずく、ほかのところも全部当たったんです、私たちは、局を。ほとんど具体的には進んでいないし、財務局の働きかけも余り熱心じやない。しかし、福祉保健局に対してだけは、チャート図を送りつけ、部長が乗り込み、断られても執拗に働きかけるという形で、この小日向の施設を何としても練馬に持っていくという働きかけをしていることは、事実経過で明らかだと思うんです。 で、お聞きしますけれども、′小日向の施設、この現状は、研修所としての有効活用という点ではどう評価されているんですか。 ○櫻井証人 異常なということがどういうことなのか、その尺度というのは非常に不明でございますけれども、都有財産利活用推進会議という取り組み、おっしやるような取り組みの中では、この各局の研修施設の、いうならばそういう事例としての、検討してきたということも含めまして、すべて個別の活用事例については凍結状態ということにございまして、これについて、私が何かやってきているということは一切ございません。 ○曽根委員 あなたの意見として、小日向の施設の現状は、研修所として有効性はどうなのかと。あなたは衛生局の時代、大変長かったわけで、あそこを使っているのは、かなりの部分衛生局でしょう、看護婦さんの研修とかb私もこの間行ってきましたけど。そういう点では知り尽くしているはずですよ、あの施設について。私は、職員の方などに聞く限 り、場所も便利だし、大変使い勝手のいい施設だと、これを練馬に移すことなどどだい考えにくいというふうな話を聞いていますが、どうなんですか。練馬に移して、研修所としての有効性が上がるんですか、あの練馬の大泉の方に移して。 ○櫻井証人 練馬に移すというのは、私は一切知りませんし、どういう形でもって研修施設を集約化していくかどうかという中で一つのプランとしてありますけれども、全く、先ほどもいいましたように、凍結状態だと申し上げているんです、すべてが。その中で、これから、あれからまた一年余たっているわけですから、ほかの局でもいろんな施設の空きスペース等々の発生もございます。そういう中で、トータルとして、都のいろんな施設のいわば再配置といいましょうか、再利用といいましょうか、そういうようなことは考えていかなくちゃいけない時代になっていると。そういう中の検討対象のあくまで一つでございまして、何が決まっているとか、どうなっているとかということは、まだ一切見えてい ません。これからでございます。 ○曽根委員 そこまでいうならお聞きしますけど、九月に利活用推進会議を一度だけ開いただけで、その後、なぜ促進の幹事会なり課長級会議を開かないんですか、全体会議も含めて。つまり、研修所の統合が非常に大きな課題だと、あそこでわざわざ、幹事会で宮川部長が発言していると。各局の協力お願いしますと発言しています。それぐらいですよ、発言は。幹事会の発言というのは、それ一個きりですよ。しかし、それがほとんど進んでないんですよ、小日向も含めてですけれども。 だったらば、全庁的にもう一度会議を開くなり課長級会議を開いて、促進を図らなきゃならないところが、全然そういう会議は開かずに、個別に小日向の統合だけを追いかけているんですよ。どういうことなんですか、これは。 あなたは、財務局などに対して、この小日向の研修センターの統合の促進を、その後、推進会議以降、指示したり状況を問い合わせたことはありませんか。一切ないといえるんですか。 ○櫻井証人 小日向のことを先にお答え、証言しますけども、一切ございません。 それと、都有財産利活用推進会議でございますけれども、 ̄先生のおっしやるように、一体何やっているんだというふうなことでございましょうけれども、私の認識として、それで、そういうことでこの推進会議の取り組みを事務局にもお願いをしてきておりますけれども、何といっても今急がなくちやいけないのは、あと一年弱に迫った公会計制度改革のために、財産情報システムの構築を急がなくちやいけないんです。ですから、これを何としてでも早くつくり上げなくちゃいけないということでもって、優先的に取り組んできております。 そういう中で、実はこれを全庁的、統一的な情報システムにしようということでやっておりますので、それまで各局ばらばらでやったやつを、そこにいうならば束ねるというか、そういう中でいろいろ苦労はございました。例えば公営企業局、これ、参加していただかなければなかなかうまくいかない、財産情報としてもうまくいかない。と同時に、例えば一元化するために違う情報も必要だと。A局ではこういう情報が必要だ、B局じゃこういう情報が必要だということで、そこいらの交通整理もしなくちゃいけない。そういうことを実はこの二月まであれこれやっておりまして、ようやく全庁的、統一的な財産情報システムの展望が開けたということでございます。 そういうことで、先生、私どもが利活用について何かということでございますけれども、そういうことは、残念ながら今現在では、大変申しわけないんですけど、まだ具体的な取り組みに至るまでには至っていない、その準備作業の段階だというふうにご理解いただきたいと思います。 ○曽根委員 ちょっと申し上げておきますが、私が聞いているのは、あなたが、九月以降にこの問題で指示したり問い合わせたことはないかというだけで、最初にお答え、一言で済むんですから、私の尋問よりもはるかに長い証言で、そんなこと求めていませんので、簡潔にお願いします。 ことしの一月十三目、財務局の財産運用部の副参事が生活文化局に出向いて、臨床福祉専門学校の認可にかかわる資料を借り出していますけれども、あなたが財務局長や財産運用部に直接または間接的に指示したんじやないんですか。 ○櫻井証人 指示しておりません。 ○曽根委員 財務局がこの件で顧問弁護士に相談していることを知っていましたか。 ○櫻井証人 具体的には存じ上げておりません。ただ、私の財務局長時代に実際に財産処理した経験から、法律問題を整理しなくちゃいけない部門であるということは承知しております。 ○曽根委員 私どもは、前回の証人尋問の際に、一月三十一日現在の弁護士の意見を含んだ東京都社会福祉総合学院にかかわる外部監査報告案と財産上の問題についてという文書が財務局の内部でつくられているということで、その写しをこの委員会に示しました。その前にも、平成十七年二月二日現在、弁護士意見という文書を示しました。これら弁護士の意見が文書として財務局の中でつくられ、存在していたということについて、あなたは知りませんか。 ○櫻井証人 知りません。 ○曽根委員 あなたが指示して処分させたことはありませんか。 ○櫻井証人 今申し上げたように、知りません。 ○曽根委員 最初の知事への二月二十四日の訪問といい、それから、次にお聞きした点でのあなたの財務局長時代の認識の問題といい、そしてまた小日向の施設の統合に対する執着といい、あらゆる角度から見て、あなたが練馬の学院問題を小日向の施設の統合に利用しようと画策した事実は、もう明らかだと思います。改めて疑惑、疑義が深まったというふうにいわざるを得ません。引き続き、私どもはこの事実を追求していくことを申し上げて、尋問を終わります。 |