トップページへ  議会質問目次へ   

2004年9月15日文教委員会

水元、志村、久留米高校統廃合見直し請願、夜間中学教員削減復活、日の丸・君が代強制反対請願を質疑

●地域に無くてはならない3つの高校の募集停止凍結を

○曽根委員 それでは、三つの学校の統廃合問題について、一番共通している問題は、来年春に募集停止になる学校がすべてかかわっているということで、今回のこの九月の請願審議は恐らくラストチャンスだと思います。次はないわけですから、私は保留というのはあり得ないんであって、これは皆さんの意向を酌むということであれば採択、どんなに譲っても趣旨採択が当然だというふうに思っております。その立場から質問させていただきます。
 先ほど来、話がありますように、高校統廃合の新実施計画も含めた三つの計画の抱えている問題点、私どもも何度も繰り返し指摘してまいりましたので、繰り返しませんが、この三つの高校の問題というのは、その象徴ともいうべき問題を抱えていると思います。
 第一には、人口動態や地域の中学卒業生の実態の変化、また教育制度の見直し等々、今後のそうした推測される動向に対する対応が三つの計画を通してほとんどないということなんですよね。
 つまり、九七年度につくった計画がほとんど動いていない。そういうしわ寄せが、第一次計画がもう大体学校が立ち上がってきて、第二次計画が一番高校の数を減らすものが多いわけで、その二次計画の中でも、特に人口急増地帯である東部葛飾地域、そして城北の板橋地域、ここで学校を実際になくしてしまうと。学校の名前や制度を変えるんじゃなくて、なくしてしまうということによるしわ寄せが最も厳しくあらわれているのが、この水元と志村ですよね。
 以前、私も平成十四年度、二00二年度の新たな人口推計が出たときに、計画が終了する二○一○年ごろには、当初計画に比べても中学卒業生で四千五百人以上のずれが出てきて、計画どおりやると、六割が都立高校に行くとしても、高校で十校ぐらいが足りなくなってしまうんじゃないかということを指摘したことがあります。
 それは、そういう推測は東京都も認めて、それを含んだ三次計画をつくるんだという答弁が当時ありました。
 しかし、今回の水元高校など、また志村高校にしても、その十校ぐらい不足する中の一校分に当たる地域なんです、それぞれ。ですから、学校を残すということぐらい考えないと、この人口増、そして中卒生の生徒増に対応できるはずないんですよ。
 先ほど質問がありましたので、最初の質問、省略しますが、今後つくっていく総合学科高校の学級数を調整して対応したいというお話でしたが、一体どれぐらいの学級数が調整できるのか。その学級数が調整できるだけの教室を、立ち上げるときから学校に余裕を持たせてスタートするような計画になっているのか、空き教室を最初からつくっていくのか。
それから、それでもって学校を一つなくすのに匹敵するぐらいの教室が確保できるのかどうかお聞きします。

○伊藤参事 学級規模は、十八学級を基本としておりますが、地域的な生徒数の急増につきましては、施設規模が許す場合、学級増による対応も想定しております。

○曽根委員 私の質問にちゃんと答えてほしいんですけれども、新しい学校をつくるときに、学級数をふやせるだけの余裕のある教室を最初から想定してつくっておくことができるのか。そういうことは、普通、学校を新設するときできないと思うんですけれども。
 それから、学級数で調整することで、学校が一つなくなる分に匹敵するだけの調整能力があるんですか、それで規模として。せいぜい一学級か二学級程度じやないんですか。

○山際学務部長 先ほど、樺山委員のご質問に対しまして、今後金町、水元地区に急激な人口増があった場合、その推移を見きわめて、葛飾区内の都立高校の学級増によりまして進学先の確保を図るべく検討していきたいというふうにお答え申し上げたわけでございます。その受け皿といたしましては、例えば南葛飾高校あるいは葛飾南高校、葛飾の高校ですか、そうした学校が、現在は六学級でございましたが、かつて七学級あるいは八学級というふうな状況もありました。それだけの受け皿があるということ。
 さらに、今曽根委員がご質問でございますが、新たな総合学科高校につきましては、工業高校を改編して増改床するということで、比較的施設についてはゆとりがあると。私どもは、標準規模で六学級として出発する予定でございますが、そうした人口の急増等に対しては、六学級をさらに上乗せすることも可能であろうと、このように判断しております。

○曽根委員 もちろん幾つかの学校に分散するということは考えられるでしょうが、それにしても、先ほどもお話ありましたが、七百世帯のマンションができると、それから千数百世帯の三菱工場跡の団地ができる。金町には数百世帯のマンションができる。ほかにもたくさん、ぞろぞろと計画が出ているんです、葛飾地区だけでも。

 それから、お隣の足立、墨田、江東、江戸川など、いわゆる旧の同学区の中でもマンションラッシュなんですよ、いわばこの地域は、東部は。
 そういう中で、例えば先ほど出た三つの世帯数だけでも二千数百世帯がふえると。一つのまちができるわけです。まちができると匹敵するだけの人口がふえるわけで、そのキャパシティーとして学級数の増加で対応できるという状況では私はないということをはっきりいわなきやならないと思うんです。
 だからこそ、もう既に水元、志村も同じですが、計画当初に、その廃校の理由となった二次募集をやらなきゃならない学校だということは、とうの昔にクリアして、今や一・五倍前後の倍率が毎年続いているという状況になっているわけで、それから、そのしわ寄せも、先ほどお話がありましたが、定時制や高校進学ができない生徒も三倍近くになっているなど、影響が広がっているわけです。
 したがって、地元の方々、そして地域の実情からいって、この請願の趣旨は、少なくとも統廃合計画の見直しを今後していくかどうかはともかくとしても、来年度まで時間が欲しいと求めている請願を受けとめない理由はないということは申し上げたいと思うんです。

 それから、志村高校について見ても、こちらは板橋区内の生徒が半分以上を占めているわけですよね。請願者からいただいた資料によると、この春の生徒の在籍数五百四十五人中五百十五人が旧第四学区に居住し、四百十四人、約八割が徒歩、自転車通学という、まさに地元にと.ってなくてはならない学校だというふうに訴えております。
 それで、今八割方が徒歩、自転車通学しているという、この板橋の志村高校については、やはりこれをなくしてしまうということが、その生徒たちの後輩、中学生、中学卒業予定者が行くべき学校の行き先が極めて遠くなるために、公共交通機関を利用しなければならないなど、非常に通学時間を大幅に延ばさざるを得なくなるという影響が避けられないと思います。こういう点でも、学校に通う生徒さんたち、またその保護者の方々の要望を受けとめるという点で、志村高校についても、これはきちんと考えなきゃならない。
 私は、学校の、少なくとも募集停止を延ばして、その動向を見きわめるということが必要だと思いますが、志村高校についてはいかがでしょうか。

○伊藤参事 志村高校につきましても、都立高校の規模と配置の適正化などの観点から、志村高校と北野高校の発展的統合を決めてきたところでございます。一部において存続の声があるところではございますが、両校の伝統を生かしていく中で、学校教育の充実を図り、魅力ある学校づくりを進め、都民及び地域の期待にこたえられるよう努めてまいりたいと考えているところでございます。

○曽根委員 地元の声に、要望にこたえていきたいという話がありましたが、地元の方々が今求めているのは、少なくとも水元高校については時間が欲しいということではないでしょうか。それは、当然の理由があって、人口動態、今流動的であると。今後を見きわめるためにも、一年間募集停止を延期してほしいという極めてもっともな理由だと思うんです。
 それから、地元の 飾の場合は、PTAの会長さん十四名、つい昨日ですか、私のところにはがきが来まして、新たに十四人目のPTA会長さんが、いわばこの請願に名を連ねていいと、賛同するということで名前を出してくれたということで、この中学校関係者がそろって声を上げているということは、都として地元の声として受けとめることはできる
んですね、そうすると先ほどの答弁で。いかがでしょうか。

○伊藤参事 水元高校、志村高校のそれぞれの地域に根差した教育の実践をしてきた実績につきましては、理解しているところでございます。
 一方では、現在都立高校改革において、生徒の多様化に応じて単位制高校、総合学科高校、エンカレッジスクール等、特色ある学校づくりを進めているところでございます。
 今後、統合対象両校の伝統を生かしていく中で、学校教育の充実を図り、都民及び地域の期待にこたえていける学校にするよう努めてまいります。

○曽根委員 地元の声にこたえていきたいというのであれば、最大の願いは水元高校、志村高校を残すことであり、少なくともその検討の中で意見もいい、地元の皆さんの声が反映されるための時間が欲しいということなんですね。この点を強く求めていますので、ぜひこれにこたえていただきたい。申し上げておきます。

 それから、久留米高校ともかかわって、私、この間のこの三つの学校については、統廃合の過程で新しいタイプの高校をつくるということで、率直にいって、最初は大いに期待を持たせておきながら、途中で計画がどんどん変更され、縮小されてしまうという事態が起こってきたということを言わざるを得ないんです。
 例えば、久留米高校については、これは以前も取り上げましたから簡単にしますが、総合学科高校になるんだと。百億円かけた晴海高校のカラーパンフレットを持っていって、校長先生などに、こういう高校になるんだから、ぜひ認めてほしいんだという話をしたそうですよね。
 ところか、その後、久留米高校の建てかえは中止になって、ごく小規模な改修、私は小規模だと思うんですが、改修で済ますことになってしまった。

 実は、志村高校についても同じような話があって、最初に出されていた計画では、これは平成十三年一月の板橋区単位制高校の基本計画、これは北野高校につくるわけですが、この中を見ますと、二十九の特別教室が計画されているわけですね。二十九の特別教室をつくるということは、現在の北野高校は改築をしなければ到底対応できないと、だれもがそう考えていたと。当然のようにそういう議論もあったと。
 しかし、その計画を、建築計画を進める委員会が途中で立ち消えになってなくなってしまったと。それで、もう二十八の特別教室も、改築計画も消えてなくなって、北野高校も改修のみというふうになっているんですね。
 そういうふうに、一たん期待を持たせておきながら、後で計画が縮小していくというのは、私、本当に消費者行政でいいますと、いわゆる見せ金商法といいまして、一番たちの悪いやつなんですよ。全く同じだとはいいませんが、何かすばらしい高校になるような計画が、具体的にバラ色の計画が示されておきながら、後で崩れていくという、こういうことに対する怒りもあるんだということをぜひ知っておいていただきたいんです。

 久留米高校は、ご存じのとおり、最初は普通科高校のままでいいんだと、なくさないでほしいという要望がありました。これも保留のままです。
 次に、サッカー部だけは継承させてほしいということで、募集停止期間をずらして、先輩から後輩に、たとえ一年間でもクラブ活動を一緒にやって、総合学科高校にサッカー部を引き継ぎたいんだと。サッカー部が一年間切れてしまうと、顧問の先生もやめなきゃならないし、全部が切れてしまうんだという話がありました。これも保留になりました。
 今回は、やむにやまれずということだと思いますが、総合学科高校になるのは仕方がないと。しかし、今までの総合学科高校で大きな問題になっていたホームルームの教室がないという問題についてはクリアしてくれと。六学級三学年で十八学級、そのうち十四学級しか普通教室が保障されないと。あと四学級足りない分を何とかしてほしいという話が入っています。
 私、こんなことぐらい、施設の計画の、これからやるわけですから、改善でできるはずだと思うんですが、特にこの請願項目の中でも、この程度のものはこれからの中でも変えていけるわけですから、それを受けとめて改善の方向を検討していただきたいんですが、いかがでしょうか。

○伊藤参事 東久留米地区総合学科高校では、多様な選択科目を開設するため、基本的には多数の講義室を必要とする教科教室制を採用しております。
 一年次につきましては、ホームルーム活動を重視するため、普通教室の整備を予定しているところでございます。その他の二年次、三年次のホームルームの活動については、開校している他の総合学科高校と同じく、整備される講義室や特別教室を活用することにより、対応を予定しているところでございます。

○曽根委員 二年、三年生の中では、特別教室をホームルームの部屋にしなきゃならないところが出てくるということですよね。
 実は、私、高校時代に同じような経験があって、私のホームルームの教室というのは生物室の隣だったんです。高校一年のときですけれども、都立高校です。そのときには、生物室で授業を実験をやるときにはそっちの部屋を使うんだが、講義の授業をやるときには私どものホームルームの教室をほかの学級が使うわけですよ。一年生ですかね、生物ですから。そうすると、そのときには我々はどこかに移動しなきやならないわけです、ほかの教室に。たしかあのときは、その授業を受ける学級に入れかえで行って、向こうで受けると。
 そういうのが、毎日一回とはいいませんが、週に何回かありまして、私たち渡り鳥といっていたんですけれども、都立高校の一年生の中で八学級があるうちの、我々の学級だけ、H組といいますが、H組だけが渡り鳥をやっていたんです、一年間。本当にみじめな思いするんです。荷物もなくなっていくし、いろいろな形で。
 特別教室にホームルームを置くというのは、そういうことなんですよ。特別教室を使うときは出るわけでしょう。そこを完全にずっと使えないわけですから、普通教室じやないんだから。それぐらいの改善、できないかと。
 その部屋はあるんですか、スペースはあるんですかって聞いたら、あるというんですよ。今最上階に計画している普通教室を縦に半分に仕切った小教室というんですか、細長い、それがたしか四つぐらい並んでいるんですね。これは、この関係者の方が桐ヶ丘高校にも同じ部屋があるというんで見に行ったそうなんですけれども、桐ヶ丘高校では細長い縦の小教室は、クーラーでもない限り、夏場は絶対使えないと。狭くて、暑くて、最上階で天井から熱がおりてくると。おまけに広さがないから本当にレンジの中に入っているようだというんですよ。本当に使えないそうです、夏場は。
 そういう教室をつくるぐらいだったら、そこは普通教室を二つにして、それから余り先生たちの間で役に立たないといわれている環境講義室など、そういった特別教室も普通教室としてつくった方がいいんじゃないかという具体的な提案もされています。そういう形で、ぜひホームルームの教室は確保していただきたいんですよ。これぐらい現場の声を聞いてくれたっていいじやないかというのが率直な声ですよ。そういうことは、強くお願いしておきたいと思うんです。

 この間の経過を見ますと、地元の声がこのように・・ほとんど知らないでしょう、今の詰も伊藤さん。伝わっていないんですよね。検討もされていない。ただ、現場は非常に切実に声を上げている。こういう中で計画がどんどん進んで、とうとうどん詰まりの募集停止直前まで来てしまったわけなんです。出された請願は、全部保留になっています。
 私は、最後に申し上げたい。これは、私、北区に住んでいる関係で、近くの志村高校の関係者の方からいっぱいいろいろ手紙をもらっていて、署名を集めてくれた方、佐藤さんという代表者の方に、あちこちの中学校の人たちや父母の人たちが署名を集めて送ってくれて、手紙が添えられているんですよね。
 佐藤さんたちの存在にいつも励まされ、勇気をいただいておりますと。大切な学校存続の署名ですが、遅くなって済みませんということで手紙が添えてあったり、それから、これは板橋五中の職員の方ですかね。職員の大部分の方の署名をいただきましたと。大変だと思いますが、頑張ってください。志村が廃校になると進路指導が大変だと。子どもたちの行き場をどうすればと、中学校は因っていますというふうなそれぞれの中学校や地元の関係者の声が寄せられて、この五千、六千という数が積み上がってきているわけなんです。
 この重みは、単に予算の問題だけじやない。やはり地元の高校を大切にしたいという地元の思いが結集したものなんですね。
 区議会でも、これは第四学区ですけれども、この間、例えば板橋区では平成十一年と平成十二年と平成十四年、三回にわたって見直しの意見書を上げています。私の地元北区でも、平成五年から始まって、九年、十一年に二回、三月と九月に上げて、平成十四年にもう一回意見書を上げています。文京区は平成十四年、豊島区も平成十四年に見直しの意見書を上げているんですよね。第四学区の四つの区で、すべてが意見書を出しています。
 ことしは、志村高校、軟式野球でも、それから写真部、書道部も東京都の大会に出場して頑張っているんです。こういう地元の努力を無にするのかということを、私は率直にいいたいですね。
 最後に申し上げますが、この請願について、率直にいって、さきに行われた本委員会の理事会で、紹介議員を出している会派の方も保留をつけているというふうに聞いていますが、保留ということは、事実上の、今回は否決に等しい事態なわけですよ。ですから、私は、今まで、私お聞きしても、私も涙出ますよ。だからこそ、この場で委員会で会派の決断として趣旨採択できるじやないですか、今までの話を聞けば。
 率直にそういうことを申し上げて、質問を終わりたいと思います。

●夜間中学の先生を元の人数に戻して

○曽根委員 前の何人かの方の質問とダブらない範囲、なるべくダブらないようにしながら幾つか質問していきたいと思います。
 この問題は三月の議会でも、また、その後も何度かお話を聞いたり質問をする機会がありましたが、夜間中学の中に日本語学級があって、年配の方も含めて東京におられる日本の国籍の方ももちろんいるわけですが、帰国者、外国籍の方など多様な方々が、日本語を学びながら、いわば自立の道をそこに目指していくと。単に学校教育というにとどまらず、今、日本全国を見渡してもそういうことをやっているのは東京だけですし、東京の学校の中でもこうした貴重な学びと成長の場と自立を目指す場というのは、本当に五つの学校によく奇跡的にこういう場があったものだというふうに、私もこの間題を知って初めて、いろんな問題が起きて初めて、私の場合、足立四中に行きましたが、実態を見させていただいて痛感をしたわけです。
 その中で東京都が、私は評価したいと思いますが、日本語学級について国に要望を出したということは大変よいことだと思うんですね。そういう前向きさ、これをぜひ今後も、もちろん東京でやっている日本語学級の制度の上でも生かしていただきたいということが質問の趣旨なんですが、国に求めた都としての理由、また根拠、そして、こういう制度にすべきなんだというお考えがありましたら、まずお聞かせいただきたい。

○山際学務部長 公立義務教育諸学校の学級編成及び教職員定数の標準に関する法律というものがございます。その法律におきまして、夜間学級は、昼間の学級と合算した学級数で教職員定数が算定をされております。また、夜間日本語学級は法令の規定がなく学級と認められていないために人的措置がなされていないなど、制度的に未整備な点がある、このようなことから日本語教育の一層の充実を図るために、国に対して関係法令の整備を要望したものでございます。

○曽根委員 なるほどと思います。つまり、一番法令上の規定がないのは、学級が認められていないこと、したがって人的措置がないこと、これ決定的だと思うんですよね。つまり、学級があって教えてくれる先生がいてこそ初めて教育の場はできるわけで、人と学級の問題を抜きにしては日本語学級はあり得ないと。ところが、東京都の行っている措置は、その根幹にかかわる人的配置を、正規の教員を減らしてかわりに非常勤に置きかえるということなんですね。国に求めている基本的な立場、考え方からいえば、みずから行って全国の先頭を切ってきた日本語学級について、一番の根幹として今、人的措置という言葉があったように、人の配置を単独負担でやってきたというのを、国に要望する一方で、みずからは減らしていくと。これは、いろいろ事情があることはわかりますよ。しかしそれにしても、志の問題としては、何でこれが同時になるのか、両立するのかということは疑問を持たざるを得ませんよね。
 そこで私としては、まず基本的に、東京都は、国にも求め、みずから全国に先駆けて模範となってきたんですから、この日本譜学級の教育水準、根幹のところできちんと維持をすべきという立場をまず明確にしておくべきだと思うんですが、いかがですか。

○山際学務部長 日本語能力が不十分な生徒に対しまして日本語教育を行うことによりまして義務教育を保障し、日本社会への定着と自立を促進することは必要であるというふうに認識をしております。今後とも設置者でございます区市と連携をいたしまして、日本語指導の充実に努めてまいりたいと、かように考えております。

○曽根委員 日本語指導の充実に努めるということですので、そういう観点から、今回の措置について考えてみたいと思うんです。
 つまり教員定数が、正規の教員は減らされたが、その穴埋めとして非常勤講師を配置される。また今、再雇用の詰もありました。これらの措置で水準が維持されているのか、そして今後これに加えての何らかの工夫が−−一一つまり水準を維持し指導充実というのであれば、考えているのかについてお聞きします。

○江連人事部長 日本譜学級担当教員の定数見直しによりまして常勤の教員で担当できない授業時数につきましては非常勤講師で対応しているところでございますが、非常勤講師の配置につきましては、学校の実態に応じ、先ほど申しましたように、区の申請に基づき措置しているところでございます。
 このことによりまして、日本語の習熟の程度に応じたグループ編成が可能となります。あるいは、多様な選択授業の設定など、教育課程の一層の弾力化を図ることができるというふうに考えております。さらに、専任教員と非常勤講師の連携、協力によりまして、指導体制の充実が期待できるものというふうに考えております。
 こうしました点から、非常勤講師の活用は、日本語能力が十分でない多様な母国語を話す生徒に対しまして、きめ細かな指導を行う上で効果的であるというふうに考えております。

○曽根委員、確かにいろいろな語学ができる非常勤講師が潤沢に配置されるということであれば、今お話のあったように、授業時数を持つわけですから、授業時間についてはいろんな工夫ができると思います。しかし私は二つの点で、非常勤講師や再雇用の方では穴埋めできない穴が空いていると思うんですよ。
 その一つは、私がイ司った足立四中も、また墨田の文花中も行きましたけれども、既に夜間の学級は、夜間中学は、専用の教室を設けて、学級としては一学級なんですが、その中をグループ分けして、今までは一学級に二人の担任がおりましたので、それぞれ一人ずつがグループを事実上の学級として担任しています。これは足立四中もそうでしたし、教室が専用の教室なので、ほかの中学生の普通の昼間の中学生の教室と違いますから、その専用の教室があるんですね。で、三学級という登録ですが、実際は六学級なんです。担任が一人ずついるんです。クラス数掛けるこで配置されていましたから。そういう実態は、ほかの学校でもほとんど同じだそうです。
 とすると、教員が実際に減ってしまっている二校二名、ここのところでどうなっているかというと、ある学校では既に二つのクラスを実際に担任している先生が出てきているという実態があります。つまり、非常勤講師は担任にはなれないわけですから、複数のクラスを教員が持たざるを得ないと。もちろん、人数は普通の日本の生徒さんに比べれば少ないのは確かですが、いろんな語学、母国語を持っている生徒さんへの対応としては、今でも大変だと。十人以下の人数だけでもそれでも一クラス運営しても大変だと。それをニクラス持たざるを得ないということで、頑張っておられる先生の話がありました。
 もう一つは、先ほどもありましたように、生活指導です。生活指導は、先ほどお話にあったように、非常勤講師では、授業は持てても生活指導はできないと思うんです。生活指導といっても、一般の中学や何かと比べてもはるかに多い生活指導の実態としては全部つながっているんだよ、二十四時間。二十四時間対応で携帯電話を持っているというふうに先生がおっしやっていました。ほかの体制が整えば、そこのどこかを切れるかもしれませんが、今のところは、その外国人の方々にとってその先生が最大の頼りという状況があるそうで、私は簡単には切れないと思うんです。そういう生活指導の分野、これは率直にいってお認めになると思うんですが、その分野はやっばり埋め合わせができてないじゃないかという点についてはお認めになりますか。

○江連人事部長 生活指導等につきましても、専任の教員、非常勤講師あるいは再雇用職員と連携、協力しながら指導体制を確立していきたいというふうに考えております。

○曽根委員 生活指導について専任の教員と非常勤講師が連携、協力といいますが、生活指導の仕事そのものは教員でしかできないと思うんですが、そこのところ厳密にちょっとお答えいただきたいんですけれども。

○近藤指導部長 生活指導については厳密には教員でしかできないのではないかというお話でございますが、今までお話の中にございますように、外国籍の子どもたちについてはただ単に学習だけではなくて、さまざまな分野でもって生活指導的なケアが必要でございます。したがいまして、この場合におきましては必ずしも教員でなければできないということではなくて、社会のいろいろな状況等を詳しく知っている方も生活指導については十分対応できるものとして考えております。

○曽根委員 ちょっと紛らわしいので、もう一回確認しますよ。先生の仕事としての生活指導という分野がありますよね。校務分掌でありますよね。それについて、非常勤講師の方は授業以外にそういうものを持てるんですか。仕事とできるんですれ時間数としてその仕事の中に給料を払えるんですか。

○近藤指導部長 校内には学校の校務分掌という組織がございまして、その校務分掌において、例えば生活指導についてはこれをやるということについては校長の権限でもってその方に指定することはできるわけでございます。

○曽根委員 指定する相手は教員ですね。

○近藤指導部長 教員に限らず、その場におる職員すべてに命ずることができると考えております。

○曽根委員 そういうことがもし可能であれば、率直にいって、それでは非常勤講師の方を通っている生徒さんたちのさまざまな問題に対処できるようにして、そのかかわった時間もちやんと給料を払えるようにできるんだったら、現状で先生がいないところがあるわけですから、やっていただきたいと思います。やれたかどうかについては後で確認させていただきます。私は、普通できないと思いますよ。だからこそ、多くの先生方が、先生じゃなきゃできない分野があるというふうに訴えられていると思うんです。それをちゃんと
給料を払うこともして。ボランティアじやないんですから。そのことは、できるんだったらやってくださいね。
 私は、全体として五つの学校にしかない学級、日本語学級、ここの中で、担任の先生がきちんと配置されていた、それをわざわざ外して、極めて権限も、それから勤務時間数も限られた非常勤講師に置きかえていくということが、国に制度を求めていながら、やはり考え方としては後退じゃないかというふうに前から指摘しました。
 先ほどもちょっと話があったので省略しますが、久里浜少年院の話がありましたね。私もちょっと同じ話を聞いたんですよね。何でこの話が出てきたのかというと、あるブラジル出身の方が、自分の子どもを少年院に入れてほしいという要望が出たというんですよ、話の中では。
 つまり、犯罪、非行をしなければ入らない、入ること自体マイナスであるべき少年院がなぜ外国の出身の子どもにとって求める場所になるのかといえば、少年院の方がはるかにケアがいいからですよ。もちろん、日本語学級や夜間の学校と少年院とは位置づけも目的も全く違いますから同列に見ることはできませんが、外国出身の方々にとってマンツーマンで日本語を教わり、パソコンの勉強までできる少年院のケア、せめて日本のどの地域に住んでいても、非行、犯罪を犯さなければ入れないような少年院以下の教育水準は何とかしてもらいたいという願いは当然じやないでしょうかね。そういうことを考えれば、今の日本語学級だって極めて体制は不十分だと私は思います。
 そういう点で改めて申し上げますが、今、定数が削減されたこの見直しというのは、実態としてはまだ二名、しかし教員定数としては既に各校一名ずつははがされているわけですから、五名ですか、はがされているわけですから、定数をもとに戻すということがやはり一番のまず当面求めていることであって、さらには、本来ならばもっと定数をつけてほしい、学校もふやしてほしいというのが私は関係者の強い願いだと思いますので、そのことを受けとめて取り組むようにお願いしたいと思います。
 以上です。

●学校ごとの内申書の格差の問題で、陳情趣旨採択を主張。

○曽根委員 この陳情については、一つは中学校の調査書の評定の仕方に地域間格差があるという問題を是正してほしいということなんですね。是正はしていきたいというお話が今、都の教育委員会の方からありました。しかし、根本的にはこれは国の制度で、授業の態度や何かも含めて評定に加えていくという制度になっているわけですね、ことしの春から。
 実際それをやられてみて、そう大きな違いはないよという人もいますが、先生の主観によってはかなりの差がついてしまうと。ほんとにそれが生徒自身の総合的な力を示すものになるのかどうか。また、そこまで生徒を授業時間も含めて学校生活全般にわたって、いわば監視カメラのようにずっと追い続けるということが果たして高校入試に必要なのか
ということも含めて、私は根本的な問題は国の問題だと思うんです。
 しかし、この制度を使って高校入試をやっている以上は、東京都にそれが公平になる責任があります。したがって、この趣旨は当然だと思うんですね、公平化を求めるのは。それと同時に、都の説明にもあったように、東京都自身も同じように主観的な判断が入らざるを得ない自己PRカードっていうのを昨年から実施していて、これは再三、私、問題点
は指摘したとおりで、生徒がみずからの主観や場合によっちゃ虚偽も含めて書いてもチェックできない高校の側で点数をつけるという、だれが一体客観性を担保するんだという制度なんですね、自己PRカードというのは。

 そういうものとしても、都がそういう制度もつくってやっているということも含めて、やはりこの方のいうように、中学校間の格差も地域間格差もあれば、東京都の高校間のこういう見方の格差も生まれている。極めて入試制度の評価の仕方が主観に流れやすい事態になっているという問題全般は見直しが必要だと思います。この際、意見を申し上げておきたいと思います。
 以上です。したがって、この陳情については趣旨採択ということで私たちは受けとめたいと思います。

○東委員長 ほかにありませんか。一それでは、ほかに発言がなければ、これより採決
を行います。
 本件は、起立により採決いたします。
 本件は、趣旨採択とすることに賛成の方はご起立願います。
  〔賛成者起立〕
○東委員長 起立少数と認めます。よって、陳情一六第三六号は不採択と決定いたしました。

●日の丸君が代押しつけがエスカレート。学校「研修」による生徒へのしめつけ

○曽根委員 今回の通達、実施指針の撤回と教職員への処分の撤回、この問題は既にことしの春の議会でも、第二回定例会でもたしか出ておりましたので、私たちも議論をしてまいりました。
 実施指針の問題点は、昨年の秋、そしてことしの春、この間の二定の中でも私、近藤指導部長などと議論をしたわけです。したがって、私らの態度は明確であり、指針撤回は当然であり、またそれに基づく処分を撤回すべきです。
 ただ、事態はさらに進行して、私きょうちょっと初めての機会だからお聞きしたいのは、処分に基づく研修が行われているわけですよね。これは処分を行ったことをもとに、その処分の対象となった教員がちやんと処分のあったことを反省して心を入れかえよということですよね、簡単にいえばそういうふうな研修になっているのか、効果があるのかということについて率直に聞きたいんです。
 それで、まずこの研修の根拠ですね。どういう根拠と対象者、対象となった理由などについて、八月にも行われましたが、その後も何か行われているようですけれども、東京都の位置づけをお聞きしたいと思います。

○近藤指導部長 再発防止研修のことだと受けとめておりますが、この再発防止研修は地方公務員法に基づく懲戒処分を受けた教職員に対して再発防止に向け教育公務員としての自覚を促し、自己啓発に努め、モラルの向上を図ることを目的として実施したものでございます。
 また、今回の対象者は、卒業式・入学式等において国歌斉唱時に起立することなど校長からの職務命令に従わず、職務命令違反として懲戒処分を受けたものでございます。
 なお、受講対象者の数でございますが、八月二日と九日に実施いたしました基本研修では二百二十一名、八月三十日に実施いたしました専門研修では三名でございます。

○曽根委員 八月二日と九日は戒告ですか、戒告の処分を受けた人。八月三十日は、二回目の処分を受けて、減給になるんですか、停職ですか−の措置を受けた人というふうに聞いています。そういう方が三名いたんですね。停職じゃないのかな。減給何カ月聞かということで。
 それで、これは服務事故再発防止研修というふうに聞いたんですが、それ間違いないと思うんですが、要綱を前にいただいたときに、ちょっとびっくりしたんですが、この要綱自身は三年前ぐらいにつくったものですよね。その三年前につくったときには、もちろん卒業式の不起立問題というのは、当時はまだ職務命令かかっていませんでしたからありませんでしたよね。三年前の服務事故といえば、一般的に受けとめれば教員による非行ですよね。それから服務上の時間内の飲酒、生徒たちに対する体罰とか、そういったことだと思うんですね、一般論でいうと。そういうものを、要綱を使って今回、卒業式・入学式で起立しなかった先生たちの処分を行い、その研修にこの要綱を使ってやったと。
 一体、時間内の飲酒その他、いわゆる、だれが見てもこれは先生の仕事上のやり過ぎとか行き過ぎというか問題行動。これと、今回の場合、どなたも明確にこれは処分がされる可能性を十分知りながらも、その職務命令に従うことよりもみずからの思想信条の自由を確保するということを優先させた先生方ですよ、ほとんど圧倒的に。そういう方々が反省するためにこの研修を行ったと。服務事故再発として行う。これ、設定そのものが私ちょっと、全くミスマッチじやないかと思うんですが、そういうことは検討しなかったんですか。

○近藤指導部長 初めに、先ほど八月二日というお話ございましたが、八月二日は戒告処前につくったものでございますが、この要綱に基づいて研修をやることについては何ら齢靡がないと考えております。

○曽根委員 これは私が疑問に思うだけじやなくて、こういう先生方を非難しているいろんな方いますよね、そういう方々だって、こんな研修で反省するはずないっていうふうにみんないっていますよ。私もそうだと思うんです。そういう類の問題じやないんだと、こういうのはね。
 実際に、ここの研修の中で、我々から見れば反省文、正式には報告書というんでしょうかね、受けた先生方に書かせたわけですよね。その反省文も書いて一カ月以上たっているわけですが、実際に反省のあれを示したものになったんですか、受けた方々は。

○近藤指導部長 受講者が研修終了後に研修報告書を出していただいているわけでございますが、その研修の内容等については今現在確認作業を行っているところでございます。

○曽根委員 確認作業が、わずかに、多いといったって二百二十名程度の人数しか受けていないし、紙っぺら一枚の報告書を読むのに何で一カ月以上もかかるんですか。しかも近藤指導部長自身は読まれているんでしょ。読んでないっていうんだったらちょっと責任者としては私はあれだと思うんですが、いかがですか。読んだ印象をいってください。

○近藤指導部長 この報告書といいますのは、一つは研修の内容がありまして、もう一つ所感という欄があるわけでございます。
 この研修の内容につきましては、参加したほとんどの先生たちがきちっと示してございます。所感につきましては、さまざまな意見があるわけでございます。
 なお、反省したかどうかということでございますが、これにつきましては、今後も、その後の、研修後の勤務の状況等につきまして校長先生から報告などもいただくわけでございますが、それらと含めまして判断をしてまいりたいと考えております。

○曽根委員 その後の勤務状況のことはあるでしょうが、しかしその研修を受けたことそのものに対する所感を書いているわけですね。私、受けた方何人かに聞きましたが、きっぱりと、私はいわば職務命令違反というふうにして処分されるようなことをやっていないというふうに書いたという方がもう圧倒的でした。そういうことは、近藤指導部長も読まれたんでしょ。読んでないってことないですよね。

○近藤指導部長 全員のを読んでおります。

○曽根委員 余り時間かけたくないんですよ、私もこういうことではね。もっと後にやら

なきゃならない問題があるので。
 どうだったんですか。全員読んで、私は職務命令違反を行って悪うございましたという趣旨のことを書いた人が一人でもいましたか。

○近藤指導部長 そのような形で必ずしも書いているとは私は見ませんでしたけれども、ただ、この研修を受けてよかったとか、そうした感想も同時にあったということだけはお伝えしておきたいと思っております。

○曽根委員 わかりました。反省したのはなかったわけですね。
 私ね、反省するような文章は書かないだろうということは、だれが見たって明らかですよ、この研修としては。わずか二時間の、しかも卒業式・入学式の不起立問題、具体的に全く詰も出ていないというふうに聞いていますし、一般論としての職務命令違反はまずいよという話だけで、これははっきりいって、反省させるためといいながら、反省するつもりがないことは百も承知で行っている見せしめ研修ですよ。これを世間では見せしめ研修といっているんです。
 しかも、さらに問題なのは、生徒の不起立の責任をとらされた先生方の研修の問題なんですよ。そちらの方はどうなっているんでしょうか。

○近藤階導部長 これは教育課程の適正な研修ということでとらえてよろしいでしょうか。
これにつきましては、七月の十五、十六日両日に、不起立のあった学校の校長先生、それから副校長先生、そして主幹の方、そして生徒の多くが起立をしなかった学校とも同様に集めまして、今後そうした課題を起こさないためにどうするかということについて研修を行ったものでございます。

○曽根委員 つまり、先生の不起立があった学校と、それから生徒が立たなかった学校と、対象百一校とおっしやいましたよね。百一校の管理職を対象に都の教育委員会で研修を行った、こういうことでよろしいんですか。もう一度確認を。

○近藤指導部長 生徒の不起立等により厳重注意などを受けた教員、そして不起立等により懲戒処分を受けた教職員が所属する学校の管理職及び主幹を対象にして行ったものでございます。

○曽根委員 そうすると、そういう学校は管理職が研修を受けて、今後そういうことのないようにと管理職としての責任を持って研修を受けるが、じやあ実際に厳重注意などを受けた先生方はもう研修を受けないわけですか。どうなんですか、その点は。
 実際に担任するクラスの生徒が、多くが立たなかった場合、先生が厳重注意処分など受けていますよね。その処分を受けた先生自身は研修を受けないんですかということです。

○近藤指導部長 そうした教員に対しましては、先ほど申し上げました教育課程の適正にする研修を受けた校長先生または副校長先生等がその教員に対して指導を行うという形でございます。

○曽根委員 前にお聞きしたときに、そういう先生方を対象に、学校内で管理職が校内研修という形で、今の指導という範囲なのかもしれませんが、やるんだとお聞きしたんですが、それは事実ですか。

○近藤指導部長 ご指摘のとおりでございます。

○曽根委員 それは、恐らくこの間、夏季休暇もー−一生徒は夏季休暇だけど、先生は学校にいたんでしょうから、もう既にやられているところもあるでしょうね。これからもさまざまな形でそういう校内研修やられていくと思うんですが、生徒が不起立だったことの責任を問われたその先生を、校内研修とはいえ、生徒のいる学校で管理職が今後、国族・国歌の指導は生徒が立つようにやりなさいということを研修でやると。その結果、問題は、問われているのは生徒が起立して喜んで歌うようになるかどうかですよね。そういうふうになる指導研修が行われ得るんですか、これは。

○近藤指導部長 教員は、教育公務員でございまして、学習指導要領に基づいて適正に子どもたちに指導するのが職務でございます。したがいまして、その観点から繰り返し繰り返し子どもたちに対して指導を行っていただきたいと考えております。

○曽根委員 私は、教員自身の不起立による処分だって、さっきもいったように撤回すべきだというのは前からいってきたし、それをまたさらに研修でもって受けて、反省が足りないから何回でも研修を受けさせるみたいな詰も出ているわけで、とんでもないと思いますが、さらにとんでもないのは、生徒の責任をとらされた教員がいくら研修を受けたって、生徒自身が、これは卒業式のときにも明確なように、生徒自身が自分で考えて立たなかったんですから、生徒を指導すること抜きに事態が変わることはあり得ないわけで、先生がそういうことの責任をとらされて校内研修で管理職からぎゅうぎゅうやられている姿を見て生徒がどう思うか。それで、ああ、やっぱり国旗・国歌は大事なんだと、この次の卒業式や入学式では立って喜んで歌おうじやないかというふうに生徒がなるんですか、これで。
どうなんですか。

○近藤指導部長.繰り返しになりますけれども、学習指導要領に基づいた内容のことを子どもたちに指導するということでございます。したがいまして、学習指導要領に基づいて先生が子どもたちに何度も何度も指導するということは当たり前のことだと私は考えております。

○曽根委員 私ね、ボタンのかけ違いがここまでくるとね、本当に世間の笑い者になるといいたいんですよ。つまり、板橋高校の生徒さんや卒業生の方々に私直接聞いても確認しましたし、さまざまな方が証言もしていますよ。つまり生徒さんは、私は君が代の歌詞が自分の考えと違ったから座ったんだと、ほかの人たちも自分たちの意思で座ったといっていたと、それなのに先生を処分するなんておかしいと、私たちぐらいの年になれば自分の考えがあって当然だと、だれかにいわれたから座ったようにいうのは失礼だというふうに明確に生徒は述べているんであって、これは生徒自身の思想信条の問題ですよね。これは、前にも確認したように、生徒自身がみずからの思想信条を守るためといいますか、貫くために座っているのは仕方がないということになるんですね。
 こういう生徒が、その責任を担任の先生がとらされて、校内研修でぎゅうぎゅうぎゅうぎゅうやられているというのを見て、じやこの生徒たちが、今度は立って歌おうというふうになるんですかね。なると思いますか。近藤指導部長、どうなんですか。ますます国旗・国歌なんてのはとんでもないものだというふうに思うんじやないですか。まあ、スポーツの試合で国旗を振って選手を応援するオリンピックでも、そういう気持ちになっている、自然にそういう気持ちになっている生徒たちでさえ、こんなことが日常茶飯事でやられていたら、逆に、こんな恐ろしいものはないというふうになるんじゃないですか、逆に反発して。どうなんですか。

○近藤指導部長 卒業式・入学式における国旗・国歌の指導については、これは高校だけでやっているわけじゃないんです。小学校でもきちっとやっていただいているんです。中学校でもきちっとやっていただいているんです。その子どもたちが高校に来たら指導されないということがあってよろしいんでしょうかね。私は、あくまでも小学校も中学校も高校も、学習指導要領に基づいて授業というのはなされているわけでございます。したがいまして、それに基づいて今後とも指導していただきたいということでございます。

○曽根委員 私の質問に直接答えないんでね、今の近藤指導部長の話については申し上げておきますが、私は前にも国旗・国歌問題についてきちんとした教育が必要だということは申し上げていますよね。つまり正確に、日の丸がなぜ国旗としてなったのか、君が代なぜ国歌に制定されたのか、そのときにはどういう議論があったのか、歴史的にはどうなのか、客観的に教えればいいんですよ、ちやんと。その上で生徒さんたちが判断すると。当然ですよ。そういう指導は、別に学習指導要領だといっても否定はしていないんですから。
 何もかも授業のやり方まで全部、学習指導要領で指導されているんじやないんですからね。
 そういう教育をした上で、なおかつ生徒さんが立たなかったという責任を先生に押しつけているから、子どもたちは混乱するわけですよ。自分たちが最終的にはいろんなことを客観的に学んだ上で判断すればいいものを、何で先生が毎日のように研修と称してぎゅうぎゅうやられるんだと。しまいには、いうこと聞かないから今度は職務命令で学校から放逐されるんでしょう、先生が。そういうことになりかねないわけでしょう。
 そういう事態が学校で生まれるということについて、じや子どもたちは実際に客観的に自分の考えと違ったから座ったんだと、ほかの人たちも自分たちの意思で座ったといっていたと、それなのに先生を処分するなんておかしいと、私たちぐらいの年になれば自分の考えがあって当然だと、だれかにいわれたから座ったようにいうのは失礼だというふうに明確に生徒は述べているんであって、これは生徒自身の思想信条の問題ですよね。これは、前にも確認したように、生徒自身がみずからの思想信条を守るためといいますか、貫くために座っているのは仕方がないということになるんですね。
 こういう生徒が、その責任を担任の先生がとらされて、校内研修でぎゅうぎゅうぎゅうぎゅうやられているというのを見て、じやこの生徒たちが、今度は立って歌おうというふうになるんですかね。なると思いますか。近藤指導部長、どうなんですか。ますます国旗・国歌なんてのはとんでもないものだというふうに思うんじやないですか。まあ、スポーツの試合で国旗を振って選手を応援するオリンピックでも、そういう気持ちになっている、自然にそういう気持ちになっている生徒たちでさえ、こんなことが日常茶飯事でやられていたら、逆に、こんな恐ろしいものはないというふうになるんじゃないですか、逆に反発して。どうなんですか。

○近藤指導部長 卒業式・入学式における国旗・国歌の指導については、これは高校だけでやっているわけじゃないんです。小学校でもきちっとやっていただいているんです。中学校でもきちっとやっていただいているんです。その子どもたちが高校に来たら指導されないということがあってよろしいんでしょうかね。私は、あくまでも小学校も中学校も高校も、学習指導要領に基づいて授業というのはなされているわけでございます。したがいまして、それに基づいて今後とも指導していただきたいということでございます。

○曽根委員 私の質問に直接答えないんでね、今の近藤指導部長の話については申し上げておきますが、私は前にも国旗・国歌問題についてきちんとした教育が必要だということは申し上げていますよね。つまり正確に、日の丸がなぜ国旗としてなったのか、君が代なぜ国歌に制定されたのか、そのときにはどういう議論があったのか、歴史的にはどうなのか、客観的に教えればいいんですよ、ちやんと。その上で生徒さんたちが判断すると。当然ですよ。そういう指導は、別に学習指導要領だといっても否定はしていないんですから。
 何もかも授業のやり方まで全部、学習指導要領で指導されているんじやないんですからね。
 そういう教育をした上で、なおかつ生徒さんが立たなかったという責任を先生に押しつけているから、子どもたちは混乱するわけですよ。自分たちが最終的にはいろんなことを客観的に学んだ上で判断すればいいものを、何で先生が毎日のように研修と称してぎゅうぎゅうやられるんだと。しまいには、いうこと聞かないから今度は職務命令で学校から放逐されるんでしょう、先生が。そういうことになりかねないわけでしょう。
 そういう事態が学校で生まれるということについて、じや子どもたちは実際に客観的に日の丸・君が代の、国旗・国歌がなくちゃ困るから、まああっていいじゃないかというふうに思ってる子だっていると思いますよ、私は。しかしそういう子たちだって、こんなことで先生が責められる筋合いじやないと考えているのに、日々責められているという先生の姿を見れば、それはもう先生かわいそうだから、じや今度は立ってやろうかと、こんなのは納得したものじゃないんですよ。心の自由が縛られていることになるじゃないですか。
どうですか。

○近藤指導部長 先ほど国旗・国歌の指導だけというお話がございましたけれども、これは学習指導要領におきまして、我が国の国旗や国歌の意義を理解しそれを尊重する態度を育てるということが明確に書かれているわけでございます。これは何も卒業式・入学式だけに限ったわけではございません。また、先生がいじめられていればどうなんだというお話がございましたけれども、今回の卒業式・入学式においても大半の子どもたちは起立したんですよ。したがいまして、私どもがいっているのは、学習指導要領に基づかないで指導を行っているほんの一部の先生たちに対して話をしていることでございます。

○曽根委員 学習指導要領がある以上は、それに基づいて指導を行うということを絶対だめとかいうことは私たちもいえませんよ。国旗・国歌のことも書いてあります。しかし、国旗・国歌の指導にはいろんなやり方があるということも事実だし、そこまですべてを書き込んであるわけじやない。その先生それぞれのやり方があります。

 それから、前からもいっているように、先生自身の考え方を生徒から問われたときには、やはりそれは、人間対人間の教育ですから、ロボットじやないんですから、自分はこう考える、しかし君たちはそれぞれ判断してほしいと、こういう指導が私はやられていると思うんですよ、日々。それを、君たちはこんな日の丸・君が代に立つべきじゃないなんてことをいっている先生が現にいるんだって、処分された先生がみんなそうだったんならともかくとして、そんなことをいっている先生は、私聞いたことありませんよ。客観的に君たちよく考えてくださいという話をしているんですよ。
 それなのにかかわらず、生徒たちは自分で考えて立たなかった場合には、それがたとえ少数か多数かは関係ありません。生徒たちが立たなかったら先生が責任をとらされるということ自体が大きな間違いですし、生徒たちがそれによってがんじがらめにされるという事態が現に起こっていて、板橋高校の卒業生は、本当にこれ一生忘れられない、ひどい経験だというふうにいっているんですよ。こんなことをまたことしの秋から冬、来年の春繰り返すのかと。こんなこと繰り返していたらほんとに東京の教育は子どもたちにとってだめなものになってしまうということをはっきり申し上げて、先生はもちろんですが、生徒たちの良心の自由を奪うようなこんなやり方は、研修も含めてやめるべきだということを申し上げたい。
 以上です。

トップページへ  議会質問目次へ