2004年10月4日文教委員会 学生・院生の学ぶ権利保障を最優先に 首都大学の文科省認可を受けての質疑 ○曽根委員 何点かこれまでの質問者とダブった点がありますので、そこは割愛しながら必要最小限の質問をさせていただきたいと思います。 まず最初に、先ほどの五つの留意事項の質問がありまして、その受けとめについては答弁がありました。同時に、非公開、非公表というんですか、他の意見が三つあったと報道されています。その内容について答弁を聞くと、必ずしも批判的でないような表現がされておりましたが、これについては既に新聞報道があって、第一には、教養という普遍的性格を持つ言葉に、都市という限定的な語を冠することに違和感を覚える場合もあると指摘した上で、開学に先立ち学部・学科の名称を再検討することを妨げるものではないという、ちょっと複雑ないい回しですが、都市教養学部という学部名については、開学に先立って再検討することも考えたらどうだというようなニュアンスかなと思うんですが、そういう意見があった。 また、教育研究の質を担保するには、教員の意欲・モラルの維持向上を図ることが必要として、都側に教職員が一致協力して開学準備に当たる機運の醸成に努めるよう求めた。 これは、当然ながら今までの大学教職員の方々と管理本部とのさまざまな形でのこの間のやりとりや、そこに生まれた不信感や、そういったものを踏まえて、これを解決する努力は大学管理本部側に求められていると思うんですね。 さらに三点目として、大都市における人間社会の理想像の追求という首都大学東京の大学の理念についても、これはさまざまな学問的アプローチが必要だというような認識が示されたというふうに報道されています。均衡のとれた教育研究体制の構築を進めるべきだという意見のようです。 これらについては、非公表ということだそうですが、報道されている今、私が読み上げたようなことは事実なのかどうか。そして、事実だとするならば、これはかなり管理本部が進めてきた首都大学東京の基本的な構想、根幹にかかわる批判的な意見が含まれているというふうに見ざるを得ないと思うんですが、事実かどうかと意見についての受けとめをお聞きしたいと思います。 ○紺野参事 その他の意見ということに関するご質問かと思いますが、これについては先ほどもお答えいたしましたが、大学設置審議会の場で、そのような意見があったことを伝達するという性格のものでございまして、認可の条件等ではございません。 その上で、今回伝えられたその他の意見は、都市教養という新たな概念が幅広く理解されるよう努めること。教員の意欲・モラルの維持向上のための環境整備に努め、設置計画を円滑に履行する体制を確立維持すること。新大学の使命である大都市における人間社会の理想像の追求のために、学問分野の均衡のとれた教育研究体制の構築に努めること、この三つでございまして、これらはいずれも首都大学東京がさまざまな新しい取り組みをしようとしていることに対して、それが円滑に機能するようにとの見地からのものと私どもは受けとめております。 ○曽根委員 それでは、新聞報道でかなり詳しくかぎ括弧までつけて、その意見についての文言を引用しているんですが、例えば開学に先立って学部・学科の名称を再検討することもあるじゃないかというような趣旨のことがいわれたというんですが、これは事実と違うんですか。 ○紺野参事 私どもに伝えられているその他の意見の中には、そういった表現もございま す。 ○曽根委員 時間のあれがありますので、最初からそういう表現があったということを認識しておられるなら、先ほど私がわざわざ報道記事を読み上げたわけですから、そういう意見があったとその場で答えていただきたいんです。これからそのようにお願いします。 こうした批判的な意見もあったということを踏まえて、しかし、開学には何の支障もないということで済まされるんでしょうか。都市教養というあいまいな名前をつけたことが、今後の首都大学のあり方そのものについて、やっぱり社会的評価を下げるんじやないかという懸念があるからこそ、設置審議会はこういう意見を付したんだと思うんですね。このことをちゃんと踏まえないと、スタート後にも大きな批判や、または混乱を招くことになりかねないということを申し上げておきたいと思うんです。 具体的に今起きている事態について質問していきたいと思うんです。 この認可がおりる前後、既に受験生は来年の大学を決めるということと受験の準備に入っているわけで、それに当たって当然参考にされる各受験産業の難易度ランキングや偏差値、こういうものを見ると、私たち、別にこの偏差値が絶対的なものとはもちろん考えておりませんが、それにしても今まで都立大の、例えば人文学部が偏差値六九とされていたものが、首都大学東京の都市教養学部は偏差値六○と、九ランク落ちますと、本当に大学のトップクラスから真ん中ぐらいまですとんと落ちてしまうわけですね。これはベネッセの難易度ランキングですけれども、社会的評価として一つ出ているわけです。したがって、もちろん風評というようなこともあるでしょう。中身はまだこれからなんですから、首都大学は。しかし、こういった問題を克服して、やはり全国から優秀な学生が受験してくるというふうにすることは、都立大の今までの実績から見ても相当頑張らなければならないということだと思うんですよ。 そのために何が必要かという点で、もちろん都立大学の今まで積み上げてきたものをきちんと継承すべきだということは、私たちさんざんいってきましたので、これはぜひお願いしたいんですけれども、同時に優秀な受験生が首都大学を新しく受験するとすれば、やっぱり都立大学から生まれ変わった大学としても選んでくれるようにするための努力が必要だろうと思うんです。 先ほど授業料の話が出ました。昨年、法科大学院を新たに設置する際に、法科大学院の授業料を国の方の法科大学臨よりも若干下げて学生を募集したわけです。したがって、先ほどの話では、恐らく今も国立と同じですから、現行維持とすれば、国の方の独法化された国立大学と授業料を同じに設定をするということが今、相談されているようですが、私は思い切って法科大学院をつくったときと同じように少し下げてでも、やはりそういう面からも多くの受験生が受験しやすくする。高額所得の子弟でなければ、私学などはなかなか受けられないという中にあって、公立大学のよさと魅力という点では、やはり授業料が、だれもが入りやすいという点では、下げることがあってしかるべきだと思いますが、そうしたことは今後の検討の中に全くもうあり得ないのか、それとも何らかの検討の余地があるのか、いかがでしょうか。 ○宮下参事 授業料につきましては、先ほどご答弁申し上げたとおり、来年度につきましては、現行と同じ水準ということに経営準備室調整会議で方針を確認しているところでございます。 もっと下げたらどうかというお話ですが、昨年の法科大学院につきましては、ほかの大学院が五十二万八百円と学部と同じという中で、法科大学院については、コストもかかるということでそれより高い水準なんですが、それは、ほかの国立大学より上げ方が少なかったということで相対的に低くなったわけですが、現行の水準を下げたわけではございません。少なくとも来年度の授業料については現行水準ということでご理解をいただきたいと思います。 ○曽根委員 私は、あくまでこれは相対的な問題として申し上げているんです。確かに、法科大学院をつくるときには、大学院は学部の授業料よりも全体的に上げたわけです、国の方も。しかし、東京は上げ幅を下げて、相対的には低くしたわけです。それはやはりそのときの事情があったわけです、繰り返しませんけれども。大変混乱した事態があった。そういう中で、受験も出おくれたわけですけれども、高い倍率になりました、結局。やはり私、授業料を下げたということが、効果なしとしないと思うんです。 少なくとも優秀な学生を集めるためにできることは何でもしようと思えば、せっかく独法化したということのメリットを生かすのであれば、自分で決められるんですから、授業料を思い切って下げて募集するというぐらいの思い切った手を打たないと、全国と競争し合うというのか、伍して受験を成功させるということは難しいんじゃないかと率直に申し上げたいと思うんです。 それから、あわせて、大学院の授業料といいますか学費についても、私は検討していいんじゃないかと思うんです。というのは、文化系の学科などでは、今でも公立よりも私立が低い場合があるわけです。今度は、法人化された場合、そういう意味では文化系の学科の大学院などについては調整できるわけですので、私学などとの均衡なども考えて、公立のよさということで思い切って考えていいんじゃないかということを申し上げておきます。 先ほど、学生のサークル、そのほかの活動やスポーツなどでの府大戦の位置づけなどについては質問がありましたので繰り返しませんが、私、大変残念なのは、この夏に出された管理本部のパンフレットには、学生のそうした活動については一切載っていなかったということなんです。これは別に載せてもいいんじゃないかなと思うんですが、あれだけ立派なオールカラーのパンフレットをつくりながら、学生のサークル活動は何一つ載っていない。その前の年までを見ると、ちゃんと都立大などの受験生向けのパンフレットには載っているんです、サークル活動。こういうところは直ちに是正していただきたいということを申し上げたいと思います。 次に、大学院についてですが、来年度の大学院は現在の形のままで新大学の大学院となるということが既に決まっていますが、その翌年度、平成十八年度の大学院の新たな構成が今検討されて、中間まとめの段階まで来ているというふうに聞いています。 率直にお聞きしたいんですけれども、新しい大学で、先ほどもいいました都市教養学部というような、私は学問的に極めてあいまいな概念だと思いますが、それに対応するような研究課程を、例えば都市教養研究科というようなものを新大学の大学院として設けるつもりがあるのか。もし違うとすれば、どういう研究科を新大学の四年制を卒業した後の都市教養学部に対応する研究科として設置しようと考えているのか。その点についてお聞きします。 ○紺野参事 大学院のあり方につきましては、この間、教学準備会議のもとに、原島文雄東京都専門委員を座長とした大学院検討部会を設置し、現大学教員もワーキンググループに多数参加して新大学院等の構成の検討を進め、過日、大学院構成や特色等を中間のまとめとして取りまとめたところでございます。 この新しい大学院構成は、大都市における理想像の追求を実現し、時代の要請に応じた魅力的な教育研究を推進するとともに、学部との接続性や機動的、弾力的な運営の実現にも配慮したものでございます。 現在考えております研究科は六つございまして、人文科学研究科、社会科学研究科、理工学研究科、都市環境科学研究科、システムデザイン研究科、人間健康科学研究科の六研究科でございます。都市教養研究科というものはつくる予定はございません。 ○曽根委員 現大学の先生たちも入っていろいろ検討した結果、やはり都市教養研究科というものはつくるという結論にならなかったということは、いろんな事態がありながらも賢明な一つの判断が出たんだと思うんです。そのかわり、今度の首都大学ではつぶされてしまう人文科学とか社会科学など、都市教養の中に編入されてしまうものですが、それぞれは独立して三つの研究科にするということらしいので、私はここにも、いろいろ議論を重ねていけば、都市教養学部というものが、首都大学の四年制の間だけといっても、一たんそういう形でくくってやりながら、大学院といういよいよ学問のそれぞれの専門に行くという段階になれば、それは成り立たないということがはっきりしてきていると思うんです。 そういう点からも、先ほど設置審の指摘もあったように、都市教養学部なるものの名称や構成については根本から考え直すべきだということを、この点からも申し上げておきたいと思うんです。 そこに進んでいく大学院生の人たちにとって今一番心配なのが、自分を現に大学院で指導している、もしくは、四年生ぐらいになると指導教官がいるわけです。その方がどういうポストに置かれるのかということによって、自分がちゃんと指導を受けて大学院を無事卒業し、マスターやドクターになれるのかどうかということだと思うんです。 何しろ、今度、教員の人たちは、今都立大学の学部としてのポストがあり、同時に大学院としての先生のポストがあり、二またをかけているわけです。中心は大学院の方だというふうに聞いていますけれども。そしてさらに、新大学がスタートすると、そこに移る先生については、新大学の大学のポストがあり、新大学の大学院のポストも再来年からまたできてくる。四つのポストが一人の先生によってかけ持ちになるわけです。 そして、それぞれのポストについて、もしその先生が何年か後に他の大学に転出したり退官をした場合には、四つのポストのどれに後がまを据えるのかということが私は問題になってくると思うんです。どこを中心に考えていくのか。 新しい大学のポストを中心に考えるとすれば、旧都立大学の学生に指導してきたその先生の専門分野はどう生かされるのかということが問題になる。何しろ学部の構成が全く新大学は違いますから、そういう意味で非常に難しい話になってくると思うんです。そこが最大の学生、院生の不安なんです。 そこで、一点だけお聞きしますけれども、既に設置審議会で新しい大学の学則というものも承認をされたようなのでお聞きしたいんですが、大学院生について、今指導教官がいて、その方が他の大学に移った場合、今の制度では何でも他の大学に移った先生であっても、指導教官としての実質的な指導が続けられるように副次的なボストを与えて、現都 立大学の方に戻ってきて指導を続けることができるような制度があるそうなんです。 こういう制度はせめて維持しないと、本当に後がまを据えられない、つまり、研究指導の担当がいなくなってしまうという学生、院生がぞろぞろ出てきてしまう危険があるんですが、こういう制度は少なくとも維持すべきだと思いますが、いかがでしょうか。 ○紺野参事 例えば、お話しの指導教授が転出した場合の学位論文の審査等の問題があろうかと思いますが、学位規則、これは旧文部省の政令でございますが、第五条では「学位の授与に係る学位論文の審査に当たっては、他の大学院又は研究所等の教員等の協力を得ることができる。」と規定されておりまして、こういったことも活用しながら、現大学が存続する間、教育保障の一環として論文審査等が行われるよう努めてまいります。 ○曽根委員 今のお答えは、これまで都立大の中で行われていた学位論文審査における他 大学転出後の先生の役割というのも今の制度で維持できる見通しがあるということでよろ しいんですね。改めて。 ○紺野参事 そのように努めてまいります。 ○曽根委員 それはぜひお願いしたいと思うんです。これでもって、先生がやめるたびに、その先生と一緒に優秀な研究生、ドクターコースの人たちがぞろぞろとその先生について大学を去っていくというような事態、本人にとっても極めて不幸な事態になりますし、都立大学から首都大学に移ったために、優秀な先生ももちろんだけれども、院生もいなくなつてゃったというようなことがないようにやっていただきたいと思うんです。 それから、入試準備を含めてこれから膨大な実務があり、しかもおくれているわけです。 ほかの大学では大体夏休みぐらいに試験問題はできているというふうに聞いていますので、ニカ月おくれぐらいと見ていいんじやないでしょうか。これから急ピッチで準備を進めることになると思いますが、しかも、新大学設立に伴う研究室の移動や事務の新しいやり方になるわけで、膨大な煩雑な実務が伴ってきます。 いずれにしても、通常以外の人と予算が必要だと思うんです。今でも教員、職員、ぎりぎりの現状ですから、このままの体制でこの作業に突っ込めば過労死も出かねない事態だと思います。これは冗談抜きで本当に大変なことになります。したがって、来年度に向けての関連予算の増額を前倒しで確保しなければならないと思いますが、いかがお考えでしょうか。 ○宮下参事 新大学の関学に向けた経費につきましては、平成十六年度の当初予算において措置しているところでございます。 ○曽根委員 私も当初予算を見たんですけれども、大したことないわけです。これは、既に七月に設置者が行われて、その時点で認可がおりるだろう、つまり、通常の入試準備でいけるだろうというふうに見通した段階での予算なんです。しかし、実際にはニカ月おくれの認可となって、入試の準備はこれからですし、しかも、入試問題の作成に当たるべき現都立大学などの先生の中に非協力の方もいるわけです。これは現実問題としてあるわけです。だから、入試問題をつくる先生も限られてしまうということになるわけです。 ですから、そういう意味では臨時のスタッフや予算も必要だと思うので、私は補正予算を組んでもいいぐらいだと思っているんです。少なくとも来年度予算で新大学発足に当たっての十分な予算を確保するということが必要ですが、いかがでしょうか。 ○宮下参事 当初予算で開学に向けて準備をする努力をしていく所存でございます。 ○曽根委員 何だか判じ物みたいな答弁で、もうこれ以上やりませんけれども、本当に過労死などが出ないようにちゃんとやっていただきたいということを強く申し上げておきます。 こういう中にあって、いよいよ新しい大学改革を、本当に都民の納得できる、また学生、院生や先生たちが合意できる内容で進めていくということのために、協力し合う体制をつくっていかなきゃなりません。したがって、今後新たに、例えば、先生たちのまだ合意されていない任期制の導入とかを何が何でも開学に間に合わせるとか、こういうことを持ち込めばまたまた混乱を深めることになりかねませんから、私は、例えば、労使間での合意に至っていない問題、また、大学の先生たちと管理本部の側でまだ積み残されている問題については、現状で新たな条件の変更その他を持ち込まないでやっていただきたいということを申し上げたいんです。 特に三年任期の任期制の導入については、これはほかの大学の先生たちにとっても非常に重要な問題で、いってみれば、優秀な先生がそれによって集まるのならまだしも、ほかのどの公立大学を見てもとっていない制度なわけですから、都立大だけ首都大学になるときにそういう制度を導入すると、本当に敬遠されてしまうということになりかねません。 この間、法科大学院で欠員が出て、憲法の先生を募集したようですけれども、去年、システムデザイン学部ですか、そのときと同じように、普通ならば、公立大学で有名大学ですから三けたの倍率があるのが当然のところを、極めて低い倍率しか出なかったという点では、もう既に多くの全国の教員から敬遠されつつあります。そういう点では、間違っても任期制の導入などは、開学に何としても間に合わせるというふうなやり方はとらない、やはり話し合いで解決していくという姿勢で臨んでいただきたいんですが、いかがでしょうか。 ○宮下参事 二〇〇七年に大学全入ということになりまして、これからますます大学間競争が激化していくわけでございまして、そうした状況を見据えますと、任期制、年俸制の導入は、長期的視点に立っても不可欠ではなかろうかと考えているところでございます。 既に来年四月から採用予定の教員もいるわけでございますが、この方々は任期制、年俸制を前提に応募していただいた方々でありまして、優秀な方々に応募していただいたと考えております。そうしたことから考えますと、任期制、年俸制を導入すると優秀な教員が集まらないということもなかろうかというふうに考えているところでございます。 ○曽根委員 新しい方が優秀かどうか、私わからないので、何ともいいようがありませんけれども、しかし、これはあくまで、今教鞭をとっておられる先生方と管理本部側でまだまとまっていないのは事実ですし、新しい方はともかくとしても、新大学に移られる先生方の条件としては、これを無理押しすればまた新たな混乱になる、もう入試どころじやなくなってしまうということにもなりますので、あくまで協議で解決というふうにしていただきたいと思います。 最後に、これだけはどうしてもお願いしたいんですけれども、昨年来いい続けているんですけれども、院生、学生の人たち、または教員もそうでしょうけれども、大学管理本部に要望を出そうと思うと、いや、それはできないんだ、大学にいってくれということで、全部窓口は大学ということになっていました。さっきワンストップ相談というような詰もありましたが、大学でいいですから、大学に管理本部の出先を置いて、ちゃんと細かいことも含めて、大学の先生が全部答えられるはずないんですから、ちやんと学生の問い合わせや相談にこたえられる体制をとってほしいんです。 この間、私の方に相談があったんですけれども、ごくごく簡単な、単純な問題、例えば学生に学位を与えるのはだれなのか。それは教陵会なわけですけれども、教授会が新しい大学にちゃんと組織として残るかどうかさえわからない、だから、学位がだれからもらえるのかわからないという質問を出したっきり、これは本部にも行っていると思うんですが、一カ月も返事が来ない。こんなこと、私が聞けばすぐ答えが来るわけです。 こういう単純な問題も含めて、もっと複雑な問題がいろいろあるでしょうから、これは先生だけで対応できないのははっきりしているので、大学に出先を置くのが院生、学生やその関係者にとって一番便利だと思いますから、そういうところに、相談なり、これからいろいろやっていく上での必要な、場合によっては交渉もあるでしょうし、そういう窓口を置いて責任ある人を配置していただく。これぐらいは、これから開学に向けて一生懸命やっていこうというのであれば、大学関係者の協力を取りつけるためには必要なんじやないでしょうか。いかがですか。 ○紺野参事 学生への説明は、学生の教育に直接責任を負っている、また学生の事情を熟知している大学が行うこととしております。今後とも、大学管理本部と各大学が密に情報交換を行いながら、大学を窓口とし学生への対応に当たってまいります。 ○曽根委員 もう何もいうことはないという感じ。こんなもので本当に大学改革を語る資格があるのかなと思うような答弁でしたが、そんなことでは、せっかくまじめに新大学にもついていってやろうと思っている先生たちや、それから優秀な学生さんや院生なんかは本当に失望します。そんな門戸を閉ざしたような態度でいつまでもやっていたら。 最後に、村山新本部長に、余り細かいことを聞いてもなんなんですが、一昨年ですか、国会で独立行政法人法が成立する際に、衆議院でも参議院でも、大学の自治、そして学問の自由については尊重するということが付帯決議で、これは全会一致で決議をされました。これはもうごく基本的なことなんですが、改めて、新大学をつくるに当たって、この衆参の国会決議を尊重して運営していくということを本部長としてお答えをいただきたいんですが、いかがでしょうか。 ○村山大学管理本部長 いずれにいたしましても、九月三十日付で設置認可がおりるという事態でございます。これまでさまざまな形で新大学の設置についてご議論があった。いろんな立場の方が大学にもいらっしやって、学内にもいらっしやって、いろんな議論があって、それはそれとして貴重なことでございました。それを踏まえて九月三十日に認可がおりた。 これからあと半年、実際には、来年四月に関学をしても、それから後が大学改革のいわば本番ということになるわけでございまして、そういう意味で、先ほど来先生方からご議論があるように、本当にこれからの時代を生き抜いていって、国民、都民のためになる大学にしていくというのは大変なこれからの課題だというふうに思っております。そういう意味で、衆知を結集して私どもも頑張っていきますし、大学の教員の方々の意見にもよく耳を傾けて頑張っていきたいと思っております。 そういう意味で、これまでいろいろあったかとは思うんですけれども、ぜひとも、新大学をいい大学にするという観点で、建設的なご議論を引き続きよろしくお願いしたいと思っております。よろしくお願いいたします。 |