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2002・6・7文教委員会(大学、都立校改革の請願陳情質疑)

●都立短大存続を求める非常勤講師の陳情を審議

○曽根委員 今、野上委員からもいろいろ質問がありましたので、ダブらないような範囲で私からも何点かお聞きしておきたいと思います。
 最初に、この陳情をいただいて、実際の授業の様子とか、大学の中で非常勤の方々が占めている役割、負っている役割、やっぱり現場に行かないとわからないと思いましたので、先日、晴海の夜間の講義ですけれども、授業を見学してまいりました。
 私が行ったのは、六時から一校時が始まって、七時半ごろから二校時が始まるんですけれども、一校時の方は日本の経済史、二校時の方は労働学と心理学の授業を半分ぐらいずつ聞かせていただきました。
私が想像していたのに比べて、まず参加している、授業を聞いている学生の年齢層が非常に幅広いということ。十代か二十代そこそこという一般の学生らしき若者と、片や六十代、七十代の方々、その間の恐らく働き盛りと思われる中年の男性、女性、本当に幅広くいて、夜ですから、やっぱり疲れも出て、居眠りもあるのかなと思ったんですが、ちょっと眠そうな顔をしているのは若い人の方で、年配の方の方は非常に熱心に、前列に陣取って、お互いにボールペンを貸し借りしたりしながらーー恐らく常連なんでしょうね。きちっときてるんでしょうね。
 聞きますと、講師のそれぞれの方の持っている学生数の七割から八割はちゃんと出席しているんですね。これは、普通の一般の昼間の大学でもなかなか難しいことじやないかと思いました。                   
 今お話があつたように、授業も大変熱心で、学生の人たちの現在の関心にもこたえると
いうことで、その日の新聞記事を使ったり、工夫がされているというふうに思いました。
 私は、都立の短期大学昼間部、夜間部それぞれについて、全く今のままで未来永劫変えなくていいんだとは考えませんけれども、少なくともこういう現場の状況や、そこでの熱心な授業や、学生の熱心な参加をきちんと把握するならば、簡単に、再来年度になりますか、もう、募集停止でなくしていいんだということにはならないだろうなというふうに強く実感したわけです。
 あり方の検討は大いにやるべきでしょうが、単純に廃止ということには、やはり私は反対せざるを得ないということを改めて表明しておきたい。今まで余りきちっと言ったことはなかったんですけど、現場を見てそう思いました。
 そこで、この方々は、短大を廃止しないでほしいという立場を明確にして陳情を出されていますが、それももっともなことで、ことしの春に資料を文教委員会でいただきましたが、都立の短期大学では教員の半分が非常勤なんですね。常勤の方ハ十八名に対して、非常勤百二十六名ですから、都立短期大学で非常勤の方が占めている役割というのは非常に大きいと思います。

 それで、私、現場を見てきたこともあるので、特に夜間部については、これは残すべきじゃないかなと非常に思ったんです。都立夜間部について、社会人も含めたーーまあビジネススクールの構想も出ていますけれども、そういうものでは果たせない、教養を含めた学びの場としての存在意義があると思うんですが、そういう評価について大学管理本部の見解をお聞きしたいと思います。

○菊地改革推進担当部長 都立短期大学の夜間課程につきましては、幅広い社会人等への教養教育等の場としての役割を果たしています。
 また、入学した個々の学生の学習意欲に問題があるとは考えておりませんが、ここ数年来、定員割れの状況が続いており、今年度に至りましては入学者数が定員の三分の二にとどまるなど、長期的な傾向として教育需要が低下しているものと考えています。
 一方、都立の大学には、教育内容の充実や社会への貢献が求められておりまして、限られた予算、人員等の中では、プロフェッショナルスクールなど、より教育常要の高い分野に資源を投入し、都民の期待にこたえていく必要がございます。
 また、大学改革大綱では、新大学には短期大学課程は置かないこととする一方で、大学の講義を広く都民に開放するものとしており、社会人聴講生制度を今年度導入しており、既に実施している科目等履修生制度の対象科目の拡大や、修業年限を定めない長期履修学生制度、いわゆるパートタイム学生制度、さらに、IT技術を活用した遠隔教育による時間帯に拘束されない教育機会の提供などを検討することとしております。
 これら多様な学習機会の提供により、社会人の学習需要にこたえてまいります。
○曽根委員 今、短大夜間部の果たしている役割を、ある意味で中身として引き継ぐものも出てくると思います。しかし、例えば聴講生制度は学位は取れないわけですよね。それから、ビジネススクールとかプロフェッショナルスクールは、やっぱり実学的、極めて限られた分野のものになります。
 確かに定員割れはしていますが、私が見る限り、一定数の学生が熱心に参加し、年代も幅広く来ている。これからの高齢化社会の中で、単純に若者が少なくなったから大学も小さくしていいということでは全くないという現状が、特に夜間にはあります。
 そういう点でいいますと、もちろんすべてを現在のままでいいとはいいませんが、ビジネススクールなど新しい分野に取り組むのも結構なんですけれども、現在のものをゼロにしてしまうという計画には問題があると思います。  
 次に、非常勤講師の方々の第二番目の要望として、これが最も切実な問題だ
と思いますが、雇用の問題です。
 これについて先ほど詳しくご答弁があったので、くり返しませんが、非常勤講師の方々が、私は非常に難しいことだと思いますが、組合をつくっているわけですね。みんなばらばらに大学に来て、ばらばらに帰って、あちこちかけ持ちのために、大学から大学へ飛んで歩いているわけですから、その方々が連絡をとり合って組合をつくるということ自体が大変だと思います。それは、ご自身の、皆さんの中での問題ですけれども‥。
 そうやって苦労してつくっている労働組合として、雇用の場である都立大学に対して、今後の雇用の安定化、それから仕事の確保について交渉の申し入れがあつた場合は、これは当然ながら誠実に対応していただきたい。このことはお約束いただきたいんですが、いかがでしょうか。


○菊地改革推進担当部長 繰り返しになりますが、非常勤講師の採用につきましては、新年度のカリキュラムを決めるまでに、大学、学部自治の観点から、大学の中で、学部ごとの教授会におきまして、非常勤講師の必要性の有無、講義数等が年度ごとに決められ、予算の範囲内で執行されることになります。
 平成十七年度の新大学立ち上げにおきます非常勤講師の採用につきましても、新大学の中で同様に検討されるものと考えています。
 短大につきましては、在学生との関係もあり、具体的に何年度に廃止になるか、現時点では明らかではございませんが、数年間程度の期間を要するものと考えております。
 こうしたことも考慮いたしまして、お申し入れの件につきましても大学と協議を行い、適切に対応していきたいとかんがえています。

○曽根委員ちょっと漠然とした答弁だったんですけど、労働組合として雇用されているところに労働条件に関して交渉を申し入れる、これは受けなきやならないはずなんですが、いかがですか。

○菊地改革推進担当部長 交渉の当事者ですとか、また交渉のこちらの体制ですとか等々も含めて検討してまいります。

○曽根委員 交渉は受けるんですね。改めて確認します。

○菊地改革推進担当部長 必要に応じて適切に対応してまいります。

○曽根委員 労働基準法、労働組合法で、労働組合を結成した場合には交渉権があるわけですよね。それ、ちょっとちゃんと確認してくださいよ。対応だとか対処だとかいわないで、これは交渉を受けなきやならないはずなんですから、そういうことを確認したいだけなんですよ。
○菊地改革推進担当部長 労働組合の構成員等、ま恕ハがの大学の非常勤講師の方々等の確認を踏まえた上で、当然組合の中に入っていますれば、その場合に交渉していく必要があると考えております。

○曽根委員 最後に、大学改革について、この陳情の中では、大学関係者と都民の総意に基づいて進めるようにという要望が入っています。もちろん立場は短大を残してほしいということで、大綱を既に発表している管理本部とは明確に考え方が違う方々ですけれども、しかし、事大学改革に関して、都民や大学関係者の総意に基づいて進めるべきということは、これは余りにも当然のことであって、管理本部としても先ほどのご説明にもありましたが、当然受けとめるべきことだと思いますが、いかがでしょうか。

○菊地改革推進担当部長これまで、大学改革大綱の策定等の過程でも、大学と行政から成る検討会議を設置いたしまして、また、議会、都民、外部有識者の意見も踏まえながら検討を進めてまいったところでございます。
 特に、今回の大学改革につきましては、教育研究を担う教員の意識改革が不可欠でございまして、今回設置いたしました新大学設立準備委員会のもとに、課題別や部局別の検討体制を置き、各大学から多くの教員の参加を得ているところでございます。
 今後とも、こうした検討と並行いたしまして、都議会のご議論、ご意見を初め、外部有識者から成る大学運営諮問会議や、都民の方々から寄せられた意見等を十分に参考にいたしまして、大学改革大綱の内容の具体化を図ってまいります。
○曽根委員改革大綱を具体化していきたいというのが結論でしょうけれども、
私は、大学改革をどんな形で進めるにしても、大学に今勤めたり通ったりしている人たちの声を無視しては結局は成功しないという、この方々の思いからだと思うんですね。そういう点では、大きな意味ではこの意見は当然のこととして管理本部には受けとめてもらいたいし、できることなら、この議会でも、第三項目については、いろいろあっても合意できるんじゃないかと私は思うんですが、残念ながらちょっと事前の調整がついていないということなので、今回は、私たちはそのことを配慮して保留にせざるを得ないというふうに考えて
いますが、全体として非常勤講師の方々、これから大変厳しい状況を迎えることは間違いないわけで、その雇用と労働条件確保のために当局が全力を尽くすことを求めて、私の質問を終わります。

●ドンキホーテの葛飾出店への住民要望を審議

〇曽根委員 服部副委員長、野上委員それぞれからかなり立ち入った話も、質問もありましたので、ちょっと私、重箱の隅をつつくみたいな話になるかもしれませんが、どうしても確認しておきたいことを幾つか聞きたいと思います。
 その前に、もう4年ほど前になりますが、今の西東京市、当時の保谷市にドンキホーテが出店を既にしていて、たしか十一時に営業を終わる約束がいきなり延ばされたということで、住民の方から請願が出まして、私、現地へ行ったら、本当にひどいんですよね。
 当時は露骨でしたよ、ドン・キホーテ側も。我々が行くだろうというのがわかつていたみたいで、本社からわあーっと人が来ているんですね。若いのが。店の周りを取り囲んで、中に入らせないような感じなんですよ。それから、ほかの杉並の話もありました。二十四時間営業したいんだと。しかし、閉店時間をどうしても設けろといったら、一分間だけ閉店しますと。夜中になったら一分間だけ閉店といって、一分後には開店とやるやり方とか、ありとあらゆる法の網をくぐるようなやり方をやった。
 それが四年たって、この間、たまたま野上さんもご一緒だったんですが、地元の方々とドン・キホーテ側との交渉を傍聴させていただいたんですが、当時に比べると極めてソフトムードでした。しかし、どうもやはり羊の皮をかぶっているんじやないかなというふうに、四年間でそう本質的に変わったとは思えないんですね。
 特に、売れるものは何でも売るというのが基本だということを繰り返しいっているそうなんですね。ただ、住民の皆さんが頑張って、大人のおもちやですか、そういうものはやめさせた。しかし、アダルトビデオはどうしても売りたい。それから、サバイバルナイフ
についてはガラスケースに入れるなど一定の配慮はするが、ビデオについてはそういうことはしないと。一定の条例に基づく区分をするだけ。
それからやっぱり社長さんときちんと対談したいというふうに住民代表が申し入れたら、いや、私は社長の代理だから、私で不十分ならもう交渉は打ち切ると開き直るとか、相変わらずところどころにちょっと正体が見えるという感じがありました。
 それで、住民の皆さんの気持ちとしては、事は青少年問題だけじやないということははっきりしていると思うんですね、これは。大店立地審の方にもかかわっているわけで。しかし、もう最後のよりどころも、あの審議会が終わっちやうともうよりどころとしては文教委員会しかないということで、ここに皆さんが期待を寄せてきていると思うんです。
 生活文化局は、条例上の権限をいえば、極めて限られた権限しかないのはよくわかっているわけですが、その権限を駆使して、このドン.キホーテの野放図な出店や、その後の営業を、いかに住民のいわば良識で抑えるために力になれるかということを考えていただきたい。
 行政は公平中立というのは当たり前のことですけれども、少なくとも都民がこういう事態で困っているときには、きちんとその側に立って、環境なり健康なり衛生問題を含めて守るというのが自治体のあり方の基本だと思うんです。その点は先ほど服部副委員長からお話があった。
 そこで、まず一つは、アダルトビデオは表示方式の商品になるんでしょうか。それについては、表示図書類については五つほど陳列方法があると思うんですが、今現在、ドン・キホーテはどういうやり方をとろうとしているのか、それには問題がないのか、条例上でいえばどうなんでしょうか。

○中島都民協働部長 知事が有害であると指定した指定図書類及び業界が自主的に規制している表示図書類につきましては、今、曽根委員がおっしやられたように、条例によりまして五つの方法で区分陳列することを義務づけておるわけでございます。
ドン・キホーテは、このうち手元のリーフレットの四番目の、百五十センチ以上の高さにまとめて背立てで陳列し、見やすい箇所に青少年制限の掲示をする方法を採用する予定であるというふうに聞いております。
○曽根委員 背立てということは、ビデオがあれば、表紙にいろいろとどぎつい絵や何かが出たのを表に出して売り込むタイプじやなくて、背のタイトルだけが見えるようにするということですね。それにしても、普通の商品の並べ方とそう大差はない、最も軽い方法を選ぶ。売る側としては、当然そういうやり方をとっていると思うんです。
 私が一番心配なのは、こういうお店ができれば、どうやってもそういうものが青少年の手に渡っていく。請願の文章の中にも、このような「大型店が深夜営業をしたり、アダルト商品を販売したりすることは、その営業方法の工夫・配慮のいかんにかかわらず、青少年への悪影響を防ぐことはできないものと考え、深く憂慮している。このことを強く出店者側に主張し、自粛を要請したが、いまだ受け入れてもらえない」んだと。やはり店そのものができることが大きな問題になるといっているように、この陳列方法の規制だけではなかなか有効な手だてにならないんじやないか。
 一つは、やはりこれを十八歳末満と明らかにわかるお客さんに売らないように。これは住民の方も求めているんですが、当局側からもきちんと要求してほしいということが一点。
 そして、もう一つは、もしそういうものを青少年らしき人がドンキホーテで買っているよ、買って出てきたよという通報などがあつた場合、条例で定められているとおり、直ちに立ち入り調査その他、厳しく対処するぐらいのことは少なくともできるんじやないかと思うんですが、いかがでしょうか。

○中島都民協働部長 生活文化局としましては、従前から都民や区市町村等から通報を受けている事例が幾多ございます。その場合については、当然立入調査を実施しております。現地において、健全育成条例の遵守をしてくれという旨、指導を行っております。
 ドン・キホーテ青戸三丁目店の営業開始後につきましても、先ほどからお話ししているとおり、問題があるということになれば、適宜立入調査を行い、条例の遵守について指導を行っていくという考えは全く変わりはございません。
                                
○曽根委員 はっきりいって、徹底してやってもらいたいんですよ。この住民の皆さんの請願、厳密にいえば、行政の側がアダルト商品の販売自粛を指導せよと。これは、行政指導はできません、条例に定められている範囲ですとなりますけれども、皆さんが求めていーーアダルト商品を売ろうと思っても、周りに学校はたくさんあるし、高校はある、そういうところにどんどん渡ってしまう、大人が買っていっても、子どもに渡るということだってあり得るわけですから。
 地域にそういうものがどんどん広がってしまうことを防ぐためには、一つ一つのところを厳密に、ちゃんと条例に基づいて規制をかける‥かけられるところは徹底してかけるということによって、結果的にはそういうものを売っていること自体がお店の品位を下げ、住民に受け入れられないという結果になつて、やめざるを得ないというところに追い込みたいという気持ちがあると私は思うんですよ。
 だから、そういう意味で、厳密に文章を読めば、できる範囲は限られているかもしれないが、徹底して東京都が頑張れば、自発的自粛に追い込むことは十分できると思うので、そういう協力関係を、このことに関しては近隣の方々と連携してやっていくようにお願いしたいし、そういう趣旨を踏まえれば、時間の問題などもありますが、東京都としてやれる限りのことを大いにやるということで、趣旨を酌むということはできるんじゃないかということを申し上げて、終わりたいと思います。

○東委員長 他にありませんか。
  「なし」と呼ぶ者あり
○東委員長 それでは、発言がなければお諮りいたします。
本件は、保留とすることにご異議ありませんか。
  「意義なし」と呼ぶ者あり
○東委員長 異議無しと認めます。よって、請願十四第十六号は保留といたします。

●都立高校改革問題で、人口増加への対応、定時制の存続を要求

○曽根委員 二つの請願と二つの陳情が出されておりますけれども、共通した要素を挙げ
れば、今、石川理事からもお話があったんですが、一つは、第一次、第二次計画を、地元関係者の合意も十分得ないまま実施することはやめて、都民、関係者の参加で見直してほしいということ、これは従来からも出ていました。
 二つ目に、希望者全員の高校入学を保障する高校改革にしてほしい.少なくとも都が公私の協議で九六%の就学計画を出しているんだから、これはちゃんと守ってほしい。この間私が質問したら、今実際は九二%程度ですか。
それから、第三に、人口推計との食い違いを解決しないままの第三次計画はやめて、この問題をクリアしてほしい。                  
 四つ目に、先ほどお話もあった三十人学級など、学級定数の改善を実現してほしい。
 こういう四つの内容がどの請願陳情にも大体共通して見られる要望だと思います。いずれも、これは今の時代の流れの中で当然の要望だと思います.
 わたし、たしか前回二月の請願陳情の審査の際に,人口堆計との食い違いについては指摘をしたところです。この間題から少し前回に加えて質問していきたいと思っているんです。

 前回もこの表をお示ししましたけれども、今から八年後、平成二十二年時点で中学卒業見込み込み、人口堆計では四千五百人、現在の高校改革計画から上回ってしまう.これをどこで受け入れるかという問題が現在の計画上で出てくるという間顔であります.長期計画の中では、三十校程度の調整を必要としているということが、第二次計画の中に出てくるわけです。
九年度の学校数と比較して三十校程度調整を図る。調整を図るということは要するに減らすということですね。そういうふうに述べています。そして、既に一次、二次計画で二十校以上が実質減ということで決定をされ、まだ未実施のところもありますが、三次計画で、これでいうと、残り九校ないし十校程度の学校を減らすペースで進んでいけば、八年後には四千五百人の生徒があぶれてしまうということになってしまうわけで、単純に都立高校の七百二十人を基本とする定員で割り返せば、十七、八校が足りなくなるよということは前回指摘したところです。
 これを解決するためには、三次計画で仮に学校を実質減らさないというふうにしたとしても、まだ足りるかどうかというのは徹妙だ。十七、八校が足りなくなるんですから。したがって、一次、二次計画で廃止を決定した学校であっても、未実施のところもたくさん残っているわけですから、一次、二次計画全体を見直さないと、必ず矛盾が出てくるというふうに思わざるを得ないんですが、第三次計画の中では、この問題について対処を考えているんでしょうか。

○山際都立高校改革推進担当部長 生徒の変動、教育人口推計の変動などがごどいますが、新たな実施計画における適正化計画につきましては、そうした人口推計の変動あるいは教育環境を整備する観点など、総合的に考慮するとともに、また各種の検討委員会を設けて、報告が出ています、そうしたものも踏まえて、総合的に現在検討をしているところでございます。

○曽根委員 総合的に検討する際に考えなきゃならないことが幾つかあると思うんです。
 一つは、まず東京の人口の変動は非常に不安定で、つい五年前の計画の人口堆計が今はもう使えないという状況です。したがって、五年前に決めた計画、一次、二次についても、てこでも動かさないという都の姿勢では、高校の絶対数が不足するという事態は当然出てき得るわけですし、現に人口増が起きて矛盾が出ているわけです。
 それから二つ目に、一次、二次の中で、これは私もこの間幾つかの請願を受けて取り上げましたが、小石川工業、それから久留米高校、今回の南野高校についても、前から出ています。残してほしいと地元から多くの声があり、吟味をしてみれば、これは当然、いずれももっともだという正当な理由があるものも、数々あるということが二つ目。                   
 それから、三つ目に、今回私いろいろ調べている中で、八王子のことしの春に募集停止になりましが、八王子の高陵高校のように、もともと地元はぜひ普通科高校をつくってほしいといっていたのに、東京都がコース制度が今一番有効なんだということで、コース制度を持ち込んで新築の高校を建てた。そしたら、建ててわずか十年でこれを廃校にしてしまうという計画が出てきた。ほかのタイプの高校に切りかえるのかと思ったら、高校そのものを
やめて、どうも多摩のユースプラザの候補地になるようなんですけれども,転用してしまう。このケースは、地元からいえば、じゃ、コース制度って何だったのか。普通科高校でよかったのに、なぜコース制度にして、それがなぜ十年で学校そのものをなくすというふうになってしまうのか。総括されているのかということがもう一つ出てくる。まだ学校が残っているわけですから、こういう点では、普通科なり、またほかのタイプなり、検討する余地は十分にあるわけですから、地元の合点がいかないのは当然だと思います。
 こうした幾つかの問題があるので、私は、一次二次計画で決めたところも含めて、三次計画の中では全体を見直して、改めて出すというぐらいのことを考えなければ、三次計画をやっても意味がないと思うんです。その点について、一次、二次計画の廃止決定校などについてどうするのか、この点をお聞きしたい。
 あわせて、今取り上げた八王子高陵高校のようなコース制の学校については、その後も続々つくっているわけですけれども、九七年度、高校改革計画が出た以降は、どんどんと廃止対象になって、四校が既に統廃合対象になっているわけですよ。だから、コース制度の路線を変えたのか、変えたのなら総括をしたのか、このこともあわせてお聞きしたい。

○山際都立高校改革推進担当部長 まず、一次、二次実施計画における都立高校の適正化計画についてでございますが、これについては、都民に広く理解をされているところでございます。新たなタイプの高校への期待にこたえ、そして教育環境改善を図るためにも、一次、二次の適正化計画は計画どおり推進をしてまいります。
 二点目に、コース制についてのお尋ねがございました。コース制については、生徒の能力、適性あるいは興味、関心等が多様化、関心等が多様化している現状に対応するものでございまして、意義があるというふうに考えております.十五校中四校廃止というようなご指摘がございましたが、これについて繋トス制云々ではなくて、当該校`ノ′応募者が非常に少ない、二次募集を行っている、あるいは中退者が多いというふうなことを総合的に判断して、決定をした、そういうものでご−ざいます。

○曽根委員 一次、二次で廃止を決定したものであっても、例えば二次計画の中には、今後の人口動向なども踏まえて、調整、見直しがあり得るというふうに書かれているわけです。これは別に三次計画で新しい学校を出して、そこを変えるという意味では、私は、ある必要はないし、一次、二次で決めたところでも調整はあり得るという意味に、大きくとらえるのは当然だと思うので、このことを改めて強調しておきたい。
 それから、コース制についても、今、意義は今日もあるようなお話でしたが、そういうお話ではだれも納得しないと思います.意義があるんだったら、なぜ九七年以降一切つくってないのか.それから、現に途中でやめたりなどする生徒が多くなって、廃止に追い込まれています。私は、最初から、入学のときから全部学科、教科がずっと全部決まっていて、自分で選択の余地がないコース制というのは、やっばりいろんな意味で問題があって、総合学科とかいろんな形をその後やってきているんだと思うんですよ。実態は、東京都は明らかにコース制について見切りをつけている。そういう点をやっぱりはっきりさせないまま、また次々と新しいタイプの高校をつくっていく。都が内部で計画して、一方的につくって、また後でこっそり方針を変えるみたいなことを繰り返すことは許されないというふうに思います。
 この点でいえば、日本の教育行政というのは、もう文部科学省から、大もとから今ぐらぐら揺れているわけですし、そのことは国民みんなが知っているわけですから、不十分な点が明らかになれば、一つ一つ改善していくのは当然だと思うんですよ。そのことにちゅうちょする必要は何もないし、何か全部正しいというふりをしているだけで、内部であれこれやりくりする時代ではないということを厳しくいっておきたいと思います。
 今の点の関連で、恐らく高校改革計画の中で今東京が一番力を入れているのは、予算を見ても、また位置づけを見ても、総合学科高校だと私は思うんです。総合学科高校については、今後一学区ごとに一校程度、十校を目指すというふうになっています。ところが、一方で既に学区廃止の方針が出ているわけです。我が党は、学区廃止をいきなりやるということは都民の理解も得られていないし、大混乱を招くということで、これは反対していますけれども、もしそれでも学区をなくすべきなんだというんだったら、学区ごとに一校ずつという総合学科高校の配置基準もある意味ではなくなるわけで、整合性がなくなると
思うんです。またすでに二校はスタートしているわけです。晴海総合高校とつばさですね。現時点で私も見に行って、晴海総合高校はなかなかすばらしい内容の教育をやっていることは十分見てきたわけですけれども、本当の意味で教育効果の評価には、先ほどの例も含めて時間の経過が必要だと思う。したがって十校整備というようにコンクリートしないで、実施状況を検証しながら、順次整備を進めるやり方が必要ではないかと思いますが、総合学科高校についてのこれからの整備のあり方、見直す考えがあるかどうか、お聞きします。

〇山際都立高校改革堆進担当部長 今後の総合学科高校の設置についてでございますが、ただいまご指摘ございましたとおり、五年前に設置されました晴海総合高校については、委員ご指摘のとおり、かなりの評価がございます。応募倍率も高い、あるいは中退率も低い、そういうような状況もございます。
 また、平成十三年七月に実施した都民意識調査におきまして、都全体で十校程度設置することが望ましいというような意見が最も多い、そういう状況から見まして、地域バランスの観点も含め、学区に一校程度設置する必要があるというふうに考えております。

○曽根委員 一つは、都民要望が十校程度求めているんだ、それは私当然だと思うんですよ。私が見ても、やっぱりその学校の設備、それから教育内容や条件、普通科高校に比べれば、際立っていますし、そういう学校を自分のところの身近につくってほしいと思う都民の要望は私当然だと思います。
 だから、そういう都民の声にこたえて、必要な高校を均等に需要に応じて全都に配置していくという考え方自体は悪いことではありません。しかし、問題は、総合学科高校についていうならば、都民アンケートにこたえた一般の都民の方々には見えない問題が幾つかあるんですよ。それは一つは、晴海総合の場合は京橋、それからつばさの場合には羽田と、少なくとも一つの総合学科高校をつくるのに二つの学校をつぷしているわけですよ。つぶされる学校の痛みというのはその学校の関係者にしかわからない問題が多いということです。そのことを一般の都民アンケートにこたえる方々にわかってくれというふうなアンケートになってないし、またわかってもらうということは難しいでしょう。
 もう一つの問題があります。私昨年秋に指摘しましたが、総合学科高校をつくるのに、少なくも今までの二校は、普通の高校に比べて物すごいコストがかかっている。このコストをかけることが決していけないとはいいません。これは既にうちの方の質問でお答えいただいているので、紹介しますが、晴海総合高校は一つの学校に百三億円かかっているわけです。つぱさ高校はたまたま体育館が前の羽田の体育館を使ったために、六十七億程度で済んでいますけれども、晴海総合高校の体育館だけで約三十億円かかっていますから、これがもし、つばさも同じように体育館を新築すれば約百億円かかるわけです。単位面積
当たりの校舎の建築費でいえば、晴海総合高校は、バブル当時だという話もありましたが、つぱさ高校の方がさらにコストが高い。確かに設備はいいですよね。小さい教室がいっぱいあるし、最新の設備がそろっている。それにしても、同じとき、たしか昨年発注した新宿の戸山高校が体育館も校舎も全部合わせて三十二億円でできているのに比べて、なぜ三倍以上かかるのかというのは私はやっぱりよくわからない。これは将来吟味していく必要があると思います。もちろん公立の東京都が発注してつくった学校ですから、必要最小限の設備のはずなんです。したがって、一つの学校に全部つくれば百億円程度のコストをかけて、これから十校ずっと東京じゅうにつくっていくのかどうかということは、私は学校施設の整備のお金のかけ方としては問われる問題はあると思うんです。
 なぜならば、その一方で、例えば養護学校などで施設整備費が激減したり、いまだに耐震補強がままならないという状況、計画されたものまでおくれているという現状が、最近も明らかにされたところですから。全部がふんだんに予算が回っているわけじゃないですから。
 そういう問題がある以上は、私は、総合学科高校を十校コンクリートという考え方を改めるべきだ。実施状況や経過を見ながら改善すべきは改善する、またもしコストの上でむだ遣いがあったのであれば、やっぱり見直していくということも都民に明らかにしながら、必要なところは是正するということが求められております。
 それから、八年後に人口増で四千五百人が今の計画よりあふれてくるといっても、都内全域共通じゃないんですよね。これは非常に貴重な資料として、この請願を寄せてくださった方々が計算してくれたんですけれども、先ほどの人口堆計でいいますと、二〇一〇年に四千五百人ずれますが、再来年、二〇〇四年の時点で既に、現計画から一千百六十六人の中卒生が多くなってしまうということになるんですが、その中で特にずれの大きい地域がある。これは既に今中学二年生の生徒が、自然に成長していけば二〇〇四年には中学卒業するわけで、人数が大体わかるわけです。そうすると、現計画に対して、多いところからいうと、第六学区が現計画より三百五十二人、二年後にはもう多くなってしまう。第一学区で三百三十一人、第五学区で二百五十三人、第十学区で二百十九人のずれが二年後に生まれる。千百六十六人のずれが全部的に生まれる中で、この四つの学区だけで半分ぐらいになりますか、もっとですか。半分以上を占めている。したがって、人口増が一偏在しているわけですね。
 ところが、一番大きくずれる第六学区についていうと、もともと都立高校がちょっと少な目なんです。しかも、この間数えてみたら十一校が統廃合対象になっているんですよ。葛飾の水元高校とか墨田川とか、江東の工業ですか、それぞれ各区に統廃合対象校があって、それで水元高校なんかでは、廃止対象になっているにもかかわらず、ことしの入学生が、応募倍率が非常に高かったという事態まで起きている。江東区では人口増のために区の方がマンションをもうこれ以上つくらないでくれということまでいい出しているぐらい人口急増が問題になっている。 したがって、今の計画のまま突き進んでいくと、都全体でも矛盾が起きるんだけれども、特に第六学区のように人口急増地帯、一方で統廃合はどんどんやっていくというところで、これは明らかに矛盾が起きます。私立高校に賄ってくれといったって、私立高校は今もうそんなふえるわけじゃないんですから、こういうところは公立高校でカバーして変更していかなければどうにもならないんじゃないでしょうか。
 今の私の話を受けて、一次、二次全くいじらなくていいのかどうか、もう一度山際さんのお答えをいただきたい。

〇山際都立高校改革推進担当部長 一次、二次の適正化計画についての考え方は先ほど述べたとおりでございます。新たな実施計画における適正化計画につきましては、人口推計の動向あるいは地域性等を含めまして、現在総合的に検討しているところでございます。

○曽根委員 それ以上立ち入ったお答えは無理でしょうから、計画の案が出た時点で改めてまた質疑をさせていただきたいと思います。私は、場所場所によって、やっぱりどうにもならない事態が起きてくると思います。その点はあえて申し上げておきます。
 それから、チャレンジスクールも、私の地元の桐ヶ丘高校、今度江東区にも新築でつくられますし、こういう学校を求めている、またそこに行ってよかったという生徒がいることも、私も地元ですから、いろいろ聞いたりしています。昼間部も定時制も含めて、必要としている生徒もいると思うんです。
 しかし、ここで問題なのは、チャレンジスクールをつくるときに、一回に四つか五つぐらい定時制をつぶすわけです。そして、そこに通っていた生徒たち、そこに通うべき生徒たちといいましょうか、全部チャンレンジスクールに集めるわけですから、非常に距離が遠くなる。チャレンジスクール自体に、いろいろ新しい可能性はあったとしても、定時制の中で私たちが非常に重視しなければならないと思うのは、それぞれがいろんな事情でハンデイを持っているわけですから、自分の住んでいる、もしくは職場の近いところに学校を配置していきたいという点では、その点が全く犠牲になってしまうということは、このやり方では避けられないと思うんです。この点については、改めて必要なところには現在の併置校型の定時制も残す、全部チャレンジスクールにくくるようなやり方はやめて、これは別々に検討するというふうに方向転換をすべきだと思いますが、いかがでしょうか。

〇山際都立高校改革堆進担当部長 現在の改革堆進計画におきましては、周辺の夜間定時制を吸収、統合いたしまして、昼間、定時制独立校を設置するというふうな考え方でございます。これについては、全定併置の課題に対応するとともに、夜間定時制高校の教育条件の改善を図ろうというものでございます。五月に発表いたしました定時制高校の検討委員会報告におきましても、この考え方を基本としているところでございまして、この報告を踏まえ、現在検討を鋭意進めているところでございます。

○曽根委員 そうすると、ちょっと確認しますけれども、一つ一つの学校についていえば、昼間を使ってまた夜使うという併置校型の条件を改善するということは単独校になれば確かになるでしょうが、先ほど私が指摘した通学時間などがどうしても長くなってしまうという問題については、そういう条件改善の方が優先し、通学時間については、次善の問題である、二次的な問題であるという扱いになるということになるんですか。

○山際都立高校改革堆進担当部長 昼間定時制の独立校の設置については、先ほどご答弁申し上げたとおり、全定併置の解消によりまして、全日制課程にとっても、あるいは定時制課程に学ぶ生徒にとっても、教育条件の改善につながるものであるというふうに考えております。通学距離が遠くなるというような課題もございますが、東京のように交通の利便性が高いという地域においては、十分対応可能な課題であるというふうに考えております。

○曽根委員 交通の利便性が高いところだけじゃないということもありますし、私が申し上げたように、引きこもりや障害者や、もちろん職場で働いて終わってから駆けつける生徒さんや、本当にさまざまなハンディを持っている。それだけに、もちろん時間をかけてでも通ってくる昼間の生徒さんの需要にこたえるチャンレンジもいいでしょうが、私はやっぱり夜間のできるだけ身近に通っていける定時制の併置校型であっても、残すべきは残すというふうに改めて計画を考え直すべきだということを申し上げたいと思います。
 最後に、いろんな声にもかかわらず、統廃合が進んでいる中で起きている問題について、一点だけちょっとただしておきたい。
 それは、募集停止になったり、募集停止に向けて規模をどんどん小さくしていくという中で、都の教育委員会は、残った生徒さん、最後の学年まで必ずきちんと責任を持つ、不利な条件に置かないということを約束するわけですよ。約束したが、多くの学校で守られていないんです.これは現在も進行中なんですけれども、既に廃校になったり、募集停止になってしまったところの例としては、例えば、千歳高校では結局最後の二年間、二〇〇○年から体育祭ができなくなった。それは校庭の事情で近くの駒沢グラウンドなどを借りてやっていたんですけれども、予算が足りないということでとうとう体育祭はつぶされた。
 それから、鳥山工業でも、昨年はやっぱり体育祭、文化祭は全部中止。閉校式だけ認められた。墨田川高校の堤校舎では、最初は募集停止になっても必ず先生を加配して、選択科目の履修には困らないようにするというふうにいっていたのが、校長がかわった途端に、そんな話は聞いてないということで、全く定数が加配されなかった。したがって、選択科目は希望してもとれないという生徒がたくさん出たという問題が現に起きているわけです。これは事実です。
 こういうことはやっぱり約束違反。たとえ、反対で頑張った人たちがいるといっても、それはやっぱり都が、それでも統廃合するからには、約束した以上、子どもたちを不利にさせない、みじめな思いをさせないという努力を最大限すべきところが、こういうふうになっているということは、私は許されないと思うんです。事態を改善して、今後絶対こういうことがないようにしていただきたい。いかがでしょうか。

○山際都立高校改革推進担当部長 これまでも、募集停止などによりまして小学校規模が縮小する過程で、教育活動等に支障が出ないように私ども努めてきたところでございます。
 今後も同様に、閉校等の影響により教育活動が低下することがないように、学校とも十分情報交換を密にし、対応してまいります。

〇東委員長 それでは、ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
 本件は、いずれも保留とすることにご異議ありませんか。
    〔 「異議なし」 と呼ぶ者あり〕

●港養護学校のPTAから出された「近隣に適地を探して、移転して欲しい」との請願についての質疑

○曽根委員 私もこのことは一言意見をいっておこうと思ったんですが、その前に確認なんですけれども、先ほどご説明の中で、一万平米以上の土地を近隣に確保することが非常に困難な状況にあるというご説明がありました。つい三カ月ちょっと前に、私、マンション計画が既に出ていたときだったので、この港養護の問題についてお聞きしたときには、たしか部長さんは移転を含めて総合的に検討したいというお答えだったと思うんですが、この姿勢そのものは変わっていないんですか、それとも移転はもう難しいという決断を下したんで
すか。

○比留間学務部長 今お尋ねの移転の問題につきましては、その候補地につきまして、立地が都心の中心部である、あるいは都財政の状況ということで非常に難しい問題がごさいますけれども、さきにご答弁申し上げましたように、移転も含めて総合的に検討してまいりたいというふうに考えてございます。

○曽根委員 以前から、私も前回写真を示して質問しましたが、お話のあったように、産業道路とモノレール、新幹線、高速道路と囲まれておりまして、障害児の教育環境としては都内で最悪だと私は思います。ことしの一定で私が質問したように、マンション計画が進んでいて、仮に環境が多少改善しても、港養護の昼間の日照を取り戻すのは極めて困難だと思います。私は、本来なら、環境を害するのがわかっていて、あえて進出してくるマンション業者に、しかも国有地を提供するなどということ自体が問題だと思いますけれども、児童生徒の安全や学校教育が待ったなしということを考えれば、急いで適地を探して、移転を進めていくというのはやむを得ないと思います。そういう点で、この移転要望については、当面困難というようなお話もありましたが、私は急いで趣旨を酌んで当局に頑張ってもらいたいということを申し上げ、趣旨採択をすべきではないかということを申し上げておきます。

○東委員長 ほかにありませんか。他になければ、お諮りいたします。
     本請願は、保留とすることに異議ございませんか。

●30人学級を求める陳情審議で都の態度に緩和の兆し

 現在の状況ですが、都教育委員会では学級が持つ社会的集団としての教育効果等の観点から、学級編制基準については変更せず、国の教職員定数改善計画を踏まえ、平成十三年度から教科等の特性に応じて多様な学習集団を編成し、少人数の授業を実施するなど、指導の充実に努めているところでございます。
 説明は以上でございます。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。

○東委員長 説明は終わりました。
 本件について発言を願います。

○曽根委員 三十人学級にしてもらいたいという陳情については、同じ趣旨の問題で繰り返しこの間私も聞いてきているので、あえて全部をやるというのは避けますけれども、この方の陳情を出された趣旨は、お聞きしてみると、個人で出されているんですね。全国的にどんどん四十人を下回る学級定員に、高校を含めて踏み出している。東京都はなぜ一つもないんだろうか。素朴な疑問を持って、東京でもぜひやってもらいたいということらしいんです。こういう請願陳情は今後非常にふえてくると思います。個人の方も入れると、膨大な数が来るかもわかりません。私もわかりませんけれども。そういう点で、先ほど石川理事からもありましたけれども、今後、いつまでたっても四十人が基準で結構という時代ではないという中で、じゃ、そういう声にどうこたえていくのか。
 一つは、東京都自身が、今お話のあったように、現在の基準どおりでいいという態度をいまだに固持している。しかし、既に区市町村段階では、東京都や国に、三十人やそれに準ずる少人数学級に路み出してほしいという声が次々上がっている現状です。中には自分の区市町村で財政を独自に負担するからやらせてもらいたいという声も恐らく出てくる可能性があります。昨年の秋、私が質問した際には、そういうものは、これは都道府県に権限がありますので、認めないというお答えでしたが、今日の時点で、こうした区市町村独自の少人数学級を実施したいとした場合の都の教育委員会の対応についてはどうなんでしょうか。

○比留間学務部長 東京都教育委員会といたしましては、児童生徒が社会性を養うための教育効果の点で、生活集団としての学級には一定の規模が必要であるというふうに考えております。
 教育水準の維持向上を図るためには、それぞれの自治体が地域の実態に応じてさまざまな努力、工夫を行うことも重要でございます。今後実際に要望があった場合には、全都的な視点で検討する必要があるというふうに考えてございます。

○曽根委員 都の基本的な考え方は今変わってないというお答えです。しかし、今までのような、いってみれば門前払いという態度はとらず、都の視点も踏まえて検討する必要があるということですから、その前にお話しになった地域の実態に応じて、それぞれの自治体が考えていくことは重要だ、工夫をしていくことは重要だというのは、さきの第一回定例会で知事の答弁された趣旨とも合致している、この点は非常に重要だと思うんです。
 私は、自治体がそれぞれ自分たちの町をどうしていくか、特にこれから二十一世紀のかぎを握っているともいうべき教育で、子どもたちを学校でどういうふうに育てていくか、学ばせていくか、それを考えたときに、少人数学級、三十人への道は避けて通れないという中で、今後手が挙がってくる、もしくは東京都に迫ってくることは十分に考えられるわけで、この点は、きょうは若干の変化がありましたけれども、ぜひ今までの態度に固持せず取り組んでいただきたいことを求めて、終わります。

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