そねはじめ都議、決算委員会で北区の2大開発を建設局に質問 |
1)赤羽北再開発で赤字250億円。そのツケを住民に押しつけるな |
●赤字は平米当り73万円。他の再開発の10倍 |
そね議員は、財務局から「都施行の3つの開発で赤字が1500億円」と公表されたことで地元住民は「はじめて聞いた」と憤慨していることを紹介。 都は赤羽北の分が250億円と答弁。白髭西地区(49ha)亀戸・大島・小松川地区(99ha)に比べ、3・4haの赤羽北地区で、単位面積当り73万円という他地区の10倍近い赤字が生じていることが明らかとなりました。 ●建設局は「赤字は避けられなかった」が「開発は途中で止められなかった」と弁解。 「赤羽北地区の開発は事業開始がバブル崩壊直前だった。 |
しかし長期不況が固定化した95年ごろには赤字は見通せたはず。なぜ今ごろ発表なのか」とのそね議員の質問に、都は「公共開発の目的はほぼ達成した。しかし事業収束段階で多額の欠損(赤字)が避けられず、将来の事業遂行のために明らかにした」「事業の早期完成に努力したが、経済の悪化で欠損の発生が避けられなかった」と弁解しました。
これに対し、そね議員は「事業のかなめの用地買収が進んだのは、バブル崩壊で地価が下落し、開発に反対していた地権者が売らざるを得なくなったからだ。買収した都も、処分段階はさらに下がって赤字がふくらんだ。地価が急落した時、都が決断して事業を見直せば、地元で営業を続けたい地権者は大勢いたはず。言い訳は許されない」と厳しく指摘しました。 ●約束違反の17階ビル計画は、やはり赤字の穴埋め また、約束違反の17階のビル計画によって、都は藤和不動産への売却に当って「敷地の効用は高まったことは間違いない」と答弁。都市計画まで変更して民間に売却したことで、多少なりとも赤字の穴埋めにしたことを事実上認めました。 ●「近隣住民の理解と協力が得られるよう努力」を約束 そね議員は、開発地域の商店街が、すぐそばのスーパーライフに太刀打ちできない構造になっているなど、都のまちづくりは成功していない点を指摘し、「今後の公共施設の配置や周辺道路整備、環境対策など住民要望を最大限尊重すべき」と質しました。 開発部長は「今後も住民の理解と協力は不可欠であり、誠実に対応しながら事業完成をめざしたい」と表明しました。 (2)堀船印刷工場計画は「船運をまともに検討させよ」と建設局河川部に要求。 深夜のトラック配送は6割が騒音基準オーバー ●堀船印刷工場は、二つの大きなエポック そねはじめ議員は、印刷工場(K−21プラン)が、高速道路の出入り口ができて便利なるのをねらって計画されたことから、中央環状線の開通は、地元にとって交通渋滞解消どころか、さらなる交通ラッシュをもたらすことことを強調。しかし一方でもう一つのエポックとして、隅田川を活用した物流の本格的な可能性が開けるかどうかの試金石でもあることを指摘しました。 都は、97年の政府通達でそれまで公共しか認めていなかった荷揚げ場を民間にも認めたこと、しかしその後新たな許可はなかったと答え、この工場計画が先鞭をつけるかどうかが問われていることが明らかになりました。 そね議員の質問に、建設局は地元区長や知事の意見を受けて、事業者に舟運利用の検討を求めたのに対し「配達が2時間遅れになる」とか「ロール紙の搬入も無理」などの報告をしていたこと、 その中身は、工場からすぐの川までトラックに積み、船に積んでかなり上流まで船に頼り、配達地域のそばでまたトラックに積み換えるなど、わざわざ時間のかかる条件を設定したこと、ロール紙は実際には使っていないコンテナに積みこみ、それが橋げたにかかるのを理由にするなど非現実的なことも浮き彫りになりました。 ●建設局も、舟運利用に、前向きに取組を そね議員は「深夜のトラック便が直接工場から出入りすれば、1月の走行テストでも、54回のテストで6割の33回が基準オーバーになった。たとえ事業者がアセスを強行突破しても、必ず深夜の環境破壊は地元住民の猛烈な批判を受ける。 事業者が舟運を計画せざるを得ない時は、河川部も川の安全や治水だけでなく、こうした新たな物流への取組の促進に努力してほしい」と提案しました。 |