トップページへ  議会質問目次へ 2期目質問リストへ

2000年12月13日厚生委員会
国の医療費1割負担への連動措置に反対

◯曽根委員 日本共産党を代表して、第三百十二号議案、第三百十三号議案に反対の立場から意見表明を行います。  この二つの議案は、いずれも国の老健法の改定に連動させて、老人医療費助成・マル福の対象者、及び障害者医療費助成・マル障対象者の一部について、医療費の自己負担を、一割を基本に定率制に変えるなどの変更を行うものです。これにより、通院でも一・五倍、入院の場合、数倍に医療費の負担がはね上がることが予測されます。

 医療保険法の改定は、これまで、老人医療費無料制度時代、さらに、有料化されてからも長く守られてきた高齢者の医療費負担の定額制を定率制に変えるもので、多くが慢性疾患などを抱え、定期的に通院しなければならなかったり、入院の機会が多くなる高齢者にとって、上限が設けられているとはいえ、かかった疾病とその治療によって、自己負担がどこまでふえるかわからないという耐えがたい苦しみを与えることになり、これまでの負担額引き上げより一層の受診抑制が起きることが予測されるものです。収入が限られている大部分の高齢者にとって、背負い切れない負担を押しつけるものとして、断じて認められません。

 たまたま本日の毎日新聞に、東大和市の六十九歳のパーキンソン病の男性からの、今回の医療費改定が、難病などにとっては手痛い打撃だとの投書が載っていました。それは、入院しなくても月一回通院し、現在五百三十円のところ、今度の改定で、大病院であれば、診療、薬剤費合わせて約五万一千円の一割の五千円に上がるからです。この病気では、薬は高価だが一回も欠かせず、通院先は大病院に大体限られており、改定で負担が六から十倍になるとしています。そして、この方は、病気のために職も失い、不本意ながらの年金生活、貯金も大きく取り崩したし、低金利にも泣く、こんな非情な政治に義憤を抑えられないと結んでいます。

 大病院に通院せざるを得ない事情は、障害者も同じです。こうした声を押し切って改悪された老健法に、マル福、マル障を連動させる都の条例案は、断じて認められません。  健康保険財政の赤字の解決は、国の公共事業の見直しの中で、国保への補助率を大幅に引き上げることや、高すぎる薬価の見直しで十分に可能であることは、我が党が繰り返し指摘しているとおりです。  さらに、都の場合は、マル福制度は、今年度から廃止に向けての削減が始まっており、辛うじて制度適用が残された六十五歳以上の対象者に追い打ちとなる点でも、高齢者に対する都の冷たい仕打ちとして許しがたいものです。  しかも、障害者に対するマル障については、もともと国の老健法と連動させる根拠がないにもかかわらず、都が今年度から制度対象者の所得制限を厳しくしたと同時に、残った対象者についても、非課税者以外は老健法連動としたために、今回の法の改悪で一割負担がかかってしまうものです。当面、連動させないと決断した新潟県や愛知県の例を見ても、都の姿勢には全く道理がありません。健常者に比べて罹病率のはるかに高い障害者に対する医療費のさらなる負担増の押しつけは、まさに障害者の命の重みを軽んじるものとして、都の福祉行政に大きな汚点を残すものです。
 したがって、両議案に反対であることを表明し、意見とします。

トップページへ  議会質問目次へ 2期目質問リストへ