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震災レポートNO.19 <2011・4・8>

おなじ頃建てた大規模公団住宅でも被害にかなりの違いが・・
豊島5丁目団地(5千戸)と高島平2丁目団地(9千戸)の被害比較

●北区内で最大のUR(公団)住宅団地である豊島5丁目団地では、1千戸以上のドアが歪んで開閉が不自由になり、修理屋が入って、それでもドアが閉まらない場合に、南京錠で対応しているケースが多数に及んでいます。ある号棟では、防犯のために24時間、警備員が巡回までしています。

●そこで、同じころの大規模団地の公団住宅として、高島平2丁目団地の被害状況を確認させていただきました。
 この団地は自治会として1万部近い戸数全てに自治会報を発行しており、そこに団地でいちばん大きかった、V字方の建物の被害を中心に写真入で記事が出ていました。その写真の原板を見せていただくと、下の画像のようなものでした。

●建物の、V字の継ぎ目の12階部分で、大きな天井のずれが生じています。片方が競りあがり、片方が沈んだと思われ、10センチ以上の段差が生じていました。
 こういう被害は、同じV字型の建物を抱えると豊5団地でも全く同様の現象が見られました。

●しかし、高島平の特徴は、ドアの軋みがほとんど無かったということです。建物が大きく歪むという被害は免れたもようです。
 緊急対応のリストを見せてもらいました。3月11日から15日までの4日半の間に、緊急対応は37件と記録されていますが、うち18件がガスの緊急停止で、震度5弱以上で停止するしくみなので当然です。居住者がガスの復旧のさせ方を知らなかっただけでした。
 ほかもテレビや家具の転倒が9件程度で、団地全体として大きな被害という認識ではないとのお話でした。

●同じ頃建設された公団の高層団地でも、荒川からかなり距離のある高島平と、隅田川の流れのそばにある豊島5丁目団地とで、液状化問題や、高層階でのゆれの大きさが違っていたということが想像されます。
 こうした分析は、是非北区や公団として精力的にとりくむべきと思います。


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