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浪費型オリンピックのウラオモテ レポートNO.70

予想通り2016年開催都市はリオに決定
東京は3位にとどまり落選

●10月3日未明、コペンハーゲンで行なわれていたIOC総会で、2016年オリンピック開催都市が、ブラジルのリオデジャネイロに決定したことが報じられました。

●やはり”南米大陸で初の開催””都市と政府が一体の招致活動””ブラジルの社会変革の契機としてのオリンピック開催理念”などが、評価委員会だけでなくIOC委員全体からも高く評価されたもので、きわめて的確な結果だと思います。
 そして、リオと共に、マドリッドが決選投票まで残ったのをみても、やはりオリンピック大会成功には、市民の高い支持が決定的であることが、はっきりしたのではないでしょうか。

●東京が3位にとどまったことについて、石原知事はインタビューに「残念」「これから反省」すると答え、2020年をめざす声は、知事からも都の幹部からも出ませんでした。
 やはりこれまでの低い都民支持では、次をめざすとは言いにくいと思います。

●日本共産党は、2005年に知事が突然オリンピック招致を表明した当初から、オリンピックそのものに反対ではないが、石原知事の「オリンピック招致」の背後にある、石原流都市再生の膨大な浪費構想こそ問題であり、ムダ遣いのテコとしてオリンピック招致を利用すべきでないと批判し、招致計画に反対してきましたが、この追及が都民利益を守る上で必要なものであり、重要な役割を果たしたことを確信しています。

●これまでのオリンピックを口実にした財政運営で、3つの点が問われます。
 第1には、すでにほとんど使ってしまった150億円の招致経費、とりわけ都民の税金100億円について、招致自体の是非をおいたとしても、予算の使い方にばらまきや浪費がひどすぎたことや、民間委託が事実上電通一社に独占されていたことなど、経過と共に改めて責任を問われるでしょう。

●第2には、オリンピック準備基金の4千億円は、当初の約束どおりいったん取り崩して、都民に最も有効な使い方に転ずるための論議が必要です。間違っても「2020年めざしてとって置こう」などという安易な議論は許されません。

●最後に、知事が「オリンピックに間に合わせる」と豪語してゴリ押ししてきた外郭環状道路計画をきっぱり中止・再検討することをはじめ、オリンピックをテコにした浪費計画の見直しです。

●これらをきちんと取り組めない場合は、知事の辞任を含め重い責任が問われることは当然です。
 逆に「2020年をめざせ」との声が、石原知事や側近、都議会の推進勢力から出てくる可能性は高いでしょうが、これまでの都民無視・トップダウンのやり方に根本的な反省がない限り、都民の支持はますます後退し、惨めな失敗を繰り返すことは、誰の目にも明らかです。

●市民レベルの感想やインタビューの中で印象的だったのは、リオやマドリッドの子どもたちが、2016年のオリンピックに自分も(場合によっては選手として)参加できるチャンスと捉えていたのに、東京の若者は「世界のアスリートを間近に見たかった」という声が大半だったことです。都民の多くが、スポーツを楽しむくらしや時間のゆとりがもてない現状を痛感せざるを得ません。

●もし、東京に2度目のオリンピックがありうるとすれば、前回のような「都市の経済成長」の契機ではなく、市民スポーツの広がりを前提に、都民誰もが支え、創り上げるオリンピック大会が可能になったときではないかという思いを、私はあらためて抱いています。

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