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浪費型オリンピックのウラオモテ9−0930 レポートNO.68
あまり報道されないIOC評価報告書の「サマリーの概要」
IOCの「リオにやらせたい」本音がアリアリ

●8月末に発表された、IOC評価委員会の報告書では、前回に比べ、東京が必ずしも優位ではないことが報じられていますが、実際は、評価委員会の判断は、もっと明確に、初の南アメリカ大陸から立候補しているリオデジャネイロに傾いていることが、報告書の最終部分に掲載された「サマリー」の中で明らかにされています。

●また東京については、他の3都市に比べて、立候補ファイルのなかに明らかに意図的にカムフラージュされた部分があることが、サマリーの中で、簡潔に指摘されているのも特徴です。
 IOCの評価を高めるための、石原知事の招致や競技施設プランの誇大広告ぶりを、反対論者のヒアリングも参考に、評価委員会が見抜いていることもかなり明瞭になっています。
 都は「他の都市も大なり小なり申請後の変更や曖昧な部分がある」と言い訳していましたが、あまりに不誠実な東京の問題点が指摘されたことは、致命的な評価につながりかねないと思います。

●以下に、報告書のサマリー部分の要約を、一覧表で紹介します。東京や他都市の評価で特徴的な箇所を太く表示してあります。
(明らかに優位の評価は、好意的な評価は、問題指摘はで表示)
        サマリーの要約
東京 シカゴ マドリード リオデジャネイロ
総括 立候補ファイルや評価委員会
訪問時に得られた情報は質の高いものであった。
立候補ファイルやプレゼンは詳細で質は高い 立候補ファイルやプレゼン
の質は様ざま
立候補ファイルやプレゼンは、
詳細で質は非常に高い
ビジョン、レガシー及びコミュニケーション 社会・環境・経済において持続可能性を追求する大会。
大会ビジョンUniting Our worlds”は活力と持続可能性、遺産と革新を融合し、青少年育成やスポーツ参加などの都市戦略を実現する。
ミシガン湖畔の既存施設と仮設施設を活用することで都市の中心で大金を開催する。
大会計画は都市計画と密接に連携している。大規模な恒久施設を建設するよりもむしろ、コミュニティ特に、若者に対し、持続可能な環境・社会・スポーツのレガシーを残すことを目標としている。
大会ビジョンは、マドリッドのスポーツの伝統、国際スポーツイベントの招致戦略に適合している。ハード・ソフト両面のスポーツレガシーが地域参加を促進し、社会及び都市を再生する。ヒューマンタッチの大会ビジョンは、コミュニティースポーツやレクリエーションのための広範なプログラムを含む。 スポーツが社会の統合の触媒にというビジョン。招致はブラジル政府が主導。大会ビジョンはスポーツへの投資を通じた社会的融合という政府の計画と一致。大会がブラジルとリオのショーケースに。
成長に向けた2400億ドルもの政府計画の下、リオは、都市再生に向けた取り組みをスタートさせている。大会開催は、この取り組みを加速させるが注意深い管理と監視が必要である。
大会の全体的コンセプト 1964年大会施設使用に加え新たな施設整備により100年レガシー”を創出。
 持続可能な開発と都市再生を強調し、都市の長期計画と適合している
選手村IBC/MPC主要ホテルは市中心部に存在。22競技施設は都市の中心8km以内に存在し、コンパクトな計画である。馬術と射撃については、選手村から5km以上離れている。また、ロードサイクリングとマウンテンバイクは、それぞれ256kmと293km先のウイスコンシン州にあり選手村は分村となる。
選手村の後利用とメディア村の移設と再利用がレガシーになる。
非常にコンパクトな大会コンセプトは、効率的な運営を促進する。
射撃とセーリングを除くすべての競技会場、選手村、IBC/MPCは、市の中心部から半径10km内にあり、公共交通でアクセスできる。
ただし、セーリングは361km離れており、分村でサポートされる。
施設計画は都市計画と社会の要求に適合
大会は新施設・輸送施設・インフラ施設等整備の触媒に。
政治経済の状況及び構造 地域社会に持続可能なレガシーを提供するというビジョンを表明しているが、IOC独白の世論調査の通り2016年大会に対する世論の支持は、相対的に低いという懸念がある。

日本 賛成54・5% 
    反対19・4%

東京 賛成55・5% 
    反対23・3%

アメリカ  賛成61・1%
       反対9・0%

シカゴ   賛成67・3%
       反対12・2%
IOC独自の世論調査のとおり、大会のビジョンは強力な世論の支持を得ている。

スペイン  賛成85・8%
       反対2・8%

マドリード 賛成84・9%
       反対6・8%

大会のビジョンは世論の強い支持を得ている。
リオ2016からOCOGへの移行は、2007Pan−AmeriCanGamesで得られたパートナーシップや経験が活かされる。
2014FIFA World Cupは、インフラ整備や組織的経験を加速させるが、マーケティングやコミュニケーションの点で、2016年大会への影響が懸念される。

ブラジル 賛成68.9% 
      反対 15.6%

リオデジャネイロ 
      賛成84・5%           反対 9・2%
法的側面 (記述なし) 評価委員会訪問時に、IOCに開催都市契約の変更を求めたが、全ての都市に標準仕様が適用されると回答した。 立候補ファイルやサポートドキュメントでは、大会の管理構造、関係者間の役割分担・責任(財政も含む)等を明確にすることの必要性について、十分な理解がされていない。このことは、組織や財政上の課題となる。
(記述なし)
通関入国 (記述なし) (記述なし) (記述なし) (記述なし)
環境及び気象 (記述なし) (記述なし) 新たな緑地・スポーツレクリエーションスペースを創出するという主要計画は都市の既存の包括的な環境プログラムに基づいた計画である。
(記述なし)
財政 東京都は、4000億円の大会開催準備基金を設置した。政府と東京都が大会開催に必要なインフラ資金と組織委員会の潜在的な赤字に対して保証を行っている。
シカゴ市が公的部門での中心組織となっている。官民協力して強力な財政的な信頼関係ができている。これはアメリカで一般的なモデルである。
連邦政府と州政府の役割分担は明確である。しかし、インフラ建設や大会と関係のない、イベント運営に組織委員会が、過大な負担を負うことのないよう、シカゴ市と組織委員会の役割分担を明確にする必要がある。
IOCが求めるOCOGの財政不足をカバーする完全な保障が出されていない代わりに、750百万ドルを上限する保証がなされている。OCOGの赤字が、この上限額を超えた場合、IOCのリスクが生じる
3段階の政府・自治体が強力なサポート財政支援を約束し、OCOGの潜在的な赤字に対して保証を行っている。
3段階の政府・自治体が大会開催に必要なインフラ資金と潜在的な組織委員会の赤字に対して保証を行っている。
マーケティング (記述なし) インフラ整備や仮設施設整備のため、18・3億ドルもの巨額なスポンサー収入を必要とする。
目標額は野心的だが、実現可能と考えられる。
(記述なし) (記述なし)
競技及び会場 競技会場計画は、効率的な会場運営や輸送を促進する。会場視察において、既存会場のいくつかは、実際には建設が必要と判明した。
6つの恒久施設を建設するが、大会終了後スケールダウンする。また、9つの仮設施設を建設する。仮設施設やスケールダウンする競技会場は、大会計画や経費などの観点からOCOGのリスクを増大させる。
33の競技会場のうち、23が既存会場であり、2つの競技会場は、開催の有無に関わらず、建設される。
2会場の建設と変更は、建設面、運営面、財政面において大きな課題となる
会場計画は、開発計画及び社会的需要と密接に関連。大会は、新設施設、輸送、その他のインフラ、特に市の水道や市の中心的開発地域の再建を推進する手段となるだろう。
10 パラリンピック 大会計画に完全に統合されており、障害者の生活向上に向けた社会変革の契機となる。 大会計画に完全に統合されており、障害者の社会への受け入れや利便性向上に向けた市の積極的な取り組みを促進する。 大会計画に完全に統合されており全ての人々を社会の構成員として受け入れる都市のモデルを確立する。 大会計画に完全に統合されており、大会が社会の一体化、障書者スポーツを普及させる契機となる。
11 選手村 選手村の建設に供される敷地の広さについて懸念がある。
湖畔のデザイン良くコンパクトな選手村は、特別な体験を選手に与えるだろう。しかし資金的な保証は不十分である。 (記述なし) 選手村は市の中心から10km以内。
セーリング会場は分村。
12 医療及びドーピング (記述なし) (記述なし) 滞在中、スペインのアンチドーピング規定が、WADA規定に従うかどうか、曖昧であった。
この問題を解決することが重要である。
(記述なし)
13 セキュリティー (記述なし) (記述なし) リオには治安上課題があることは認めるが、リオ市は地域の警察活動に関する新たな取り組みを行っており、既に良い結果が現れている。
14 宿泊施設 ホテル客室の提供に関する保証は、開会式から閉会式までの期間のみを対象としている。保障期間が延長されなければ、早期に到着する必要のある関係者は、実質的により高い宿泊料金に直面することになるだろう。 (記述なし) (記述なし) IOC要件を満たし、不足するホテル客室カバーするために、Rio2016は、将来的な都市の需要を考慮して、ホテル、4つの村、6つのクルーズ船を組み合わせた宿泊計画を提出している。この計画は、Barraのメディア村20000室の整備を含め、計画及び実行段階において、特別な注意を必要とするだろう。大会七年前にクルーズ船の保証をうることは困難であり、Rio2016が、IOC要件を満たす上で、さらなる障壁となっている。
15 輸送 大会コンセプトは、会場配置を極めてコンパクトにすることによって、選手と関係者の移動時間を最小限にすることである。射撃を除く全ての競技会場は、都心から8キロメートル圏内に配置され、広範囲で輸送能力が高い公共交通機関による効果的な輸送を可能にしている。
 ただし、選手村とオリンピックスタジアムのエリア周辺の交通については課題がある。
コンパクトな会場計画は選手や大会関係者に短い移動時間という効果をもたらす。しかし、輸送の効率性は、特にMacormick Place complex周辺で、輸送容量の増加や公共交通の利用、交通量の軽減策の成功などに依存している。大会中の輸送需要の増加は、Metro Rail systemの通常通勤ピーク時の2倍以上となるため、大きな課題である。
コンパクトな会場配置によりアスリートや大会関係者の輸送時間は短縮化される。 開発を含むレガシーのビジョン、リオの地勢が、選手及び他のクライアントの移動時間に影響する。オリンピックレーンシステムや新しい輸送インフラの拡張プランなどを含む大会時の効果的な輸送計画の実施がきわめて重要となる。
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情報通信
メディア
(記述なし) (記述なし) (記述なし) (記述なし)

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