浪費型オリンピックの裏表10−0225 レポートNO.77 電通と持ちつ持たれつの石原オリンピック招致 200億円浪費した後始末をどうつけるか ●昨日2月24日、オリンピック招致委員会は、2016年オリンピック招致の報告書を発表しました。 また、都議会本会議では、遅きに失した感はありますが、監査委員報告でオリンピック招致事業における電通独占の実態にようやく指摘がありました。 ●招致委員会報告書の特徴は、国内候補地として史上最高の150億円かけて招致活動を展開しながら、どこにどれだけ使ったのか明らかにしないばかりか、オリンピック本部職員の人件費など公式の招致経費に含めなかった約50億円も含めると、実質的には200億円以上の費用をかけたことをひた隠しにしているなど、財政的にも「全て公開させる」とした知事の公約を裏切る内容となっています。 ●また150億円の招致予算のうち民間企業からの寄付などで賄うとした50億円に対し、都の財政補助団体や都の幹部OBの天下り企業などに無理を承知で半強制的に募金を押し付けたにもかかわらず41億円しか集まらず、7億円の赤字になってしまったことが、今回の報告でようやく明らかになりました。 ●赤字補填には、さすがに都税は投入できないものの、電通など民間から借り入れを検討しているとのことで、「借り入れるくらいなら、10億円近くかかったという電通の高すぎるデモ映像製作費を負けさせるべきだ」などの声が内外から上がっています。借金することを口実にNPOである五輪招致委員会を存続させ、実際には2020年に向けて温存させようという狙いにも批判が集まっています。 ●IOC大会での敗北原因についても、ブラジル・リオデジャネイロの「南米初のオリンピック」というコンセプトにまさる発信ができなかったことや、IOCの覆面調査で都民支持率が候補都市最低の55%にとどまり、世論の盛り上げに成功しなかったことなどを挙げていますが、招致失敗の最大の原因が、都民の声をまともに聞かず石原トップダウンで何もかも進めたことや、オリンピック招致を”錦の御旗”にして外環道事業化や築地市場移転などを強行突破しようとした政治手法、さらに言えば昔からつながりのあった電通に何でも独占させてきたことへの都民世論の厳しい批判にあったことには、あえて目をふさいでいます。 ●また、今回の招致運動が、2020年への貴重な財産であるという露骨な再立候補誘導論が結論となっているなど、コペンハーゲン大会の開かれた昨年10月以降もますます厳しさを増す都民のくらしや地域の中小企業の営業に、四千億円のオリンピック基金の活用など都政の全面的な支援を求める声など、全く耳を傾けようとしない姿勢に終始しています。 (写真は、07年10月の基本計画発表パーティーでの石原知事や森元首相など、JOC幹部) ●都議会各党の対応が問われていますが、日本共産党を除き自民・公明・民主とも、2020年立候補にいまだに明確な反対の態度がとれないありさまです。 共産党都議団は、たぞえ議員の名前で、以下のようなコメントを発表しました。 「招致活動報告書」に関するコメント 2010年2月24日 日本共産党東京都議団 政策調査副委員長 たぞえ民夫 本日、2016年の東京オリンピック・パラリンピック招致活動報告書が発表された。 約150億円という巨額の資金を投入したこの招致活動は、都民の支持が低かったうえに、ムダづかいとの批判が強かったものであった。 ところが、報告書は、この重大な問題についての反省がまったくなく、費やされた招致推進活動経費が、いったい何に、いくらつかわれたかを明らかにしていない。そればかりか、「次のオリンピック・パラリンピック招致活動」を「勝利に導くための貴重な投資であった」と居直っている。こうした態度は、とうてい容認できないものである。 いま都がなすべきことは、「2020年オリンピック・パラリンピック招致という夢の実現」を云々するよりも、スポーツイベントなど正規の招致活動以外に使った経費約50億円も含めて、200億円の使途の全容を都民に明らかにすることである。 わが党は、ひきつづき石原都政のムダづかいの責任を徹底的に追及するものである。 以 上 |