● 用語解説 ●
●用語名:
中性子(neutron)
●関連用語:
亜原子粒子
原子質量単位(amu:atomic mass unit)
●説 明:
1920年頃までに“亜原子粒子”、つまり「原子を構成している粒子」である“電子”と“陽子”が実験によって確認されていました(“電子”と“陽子”を読まれれば、経過を理解しやすいと思います)。当時の科学者達は、これで原子に関係する全ての疑問が解明されたと思った事でしょう。
しかし、思いもしなかった事から、さらなる疑問が持ち上がる事になってしまいます。
その疑問は、質量の単位として“原子質量単位(amu:atomic mass unit)”というものが定められ、“陽子”と“電子”の質量が数値として表す事が出来るようになり、これによって、陽子の質量が“1.0072766 amu”、電子の質量が“0.0005486 amu”になると分かった事から始まります。
当時の科学者達は、早速原子の質量を計算し始めました。水素は陽子1個と電子1個から構成されますので、その質量は電子と陽子の質量を足したものに近い値となり、問題はありませんでした。ところが、次のヘリウム原子から問題が発生します。ヘリウム原子は陽子2個と電子2個をもっていますので、約 2amu の質量を持つはずだと予測されていましたが、実際の質量は約 4amu だったのです。慌てて他の元素についても調べてみると、6amu と予測していたものが、実際は 12amu という感じで、実際の値全てが予測値の2倍になってしまいました。
「この余分な質量はどこからくるのか?」という問題を説明する為には、もう一つ「電荷をもたず、陽子と等しい質量をもった粒子」が存在するとしか考えられません。それ以後の試行錯誤の結果、ついに1932年、イギリスの物理学者であるチャドウィック(James Chadwick)が、“1.008665 amu”の質量をもつ中性子(neutron)と呼ばれる亜原子粒子の存在を証明する事に成功し、この問題に明確な回答をもたらす事になるのです。
以下に、各亜原子粒子の質量をまとめておきます。
| 粒 子 |
記 号 |
電 荷 |
質 量 |
陽 子
電 子
中性子 |
p
e
n |
+1
−1
0 |
1.0072766 amu
0.0005486 amu
1.008665 amu |
なお、原子全体の質量は殆ど“陽子”と“中性子”で説明出来ますので、“電子”の質量は無視する事が出来ます(“中性子”は“陽子”と近似値なので、陽子の2倍でもOKです)。