6 「まぁ、楽しいんじゃない?」

 

アッシュから一方的に回線が繋がり、いつものように声が聞こえる。
突然の頭痛にはまだ驚くけど。


『…と言う訳だ…おいレプリカ、聞いているのか!?』

怒声混じりのアッシュの声、いつもの事だから気にはしない。

「ん?…あぁ、聞いてるって」
『ふん、ならいいがな…じゃあこれで終わりだ』
「待てよアッシュ!!」

少しの間があいて、アッシュが聞き返してきた。
以前までは話す事などない、と言われて回線を切られてしまっていたのだが。
時間が経つにつれ少しだけだが話しを聞いてくれるようになった。

「なぁ…アッシュ、こうやって回線いちいち繋いで会話してさ、めんどくさくない?」
『貴様…何が言いたい?』

何かを警戒したような物言い、しかしルークは単純に思った事を口にしているだけ。

「だからさ、俺達と一緒に行動した方が直接話せるし、楽かなーと思って」
『馬鹿か貴様、俺がお前らと行動を共にすると思ってるのか!?』

「いや全く」

今度はたっぷり間があいて、アッシュの大音量の声が頭に響いた。

『貴様!!俺を馬鹿にしているのか!?』
「うわ!怒る事ないだろー?ナタリアだってお前の事すっげー心配してんだぜ?」


沈黙。


ナタリアの名前を出したのは失敗だったか?

「アッシュ?」
『…俺は、俺にはやる事がたくさんあるんだ!ぞろぞろ引き連れての行動なんて御免だ!それに…』
「それに?」

『俺と行動して楽しいか?』

アッシュからの意外な質問に、ルークはやっぱり単純に思った事を口にする。


「まぁ、楽しいんじゃない?」


疑問系で言ったのが悪かったのか?
アッシュは大声で怒鳴り、回線は切れた。

 

 


本当寂しがり屋のアッシュ(笑)