5 愛あるいじめ

 

「やぁ姫君、今日も可愛いね」
「望美さん、今日も一段と可愛らしいですね」


朝一番、ヒノエと弁慶に会うと二人は挨拶変わりにこう言ってくる。
その後にやっと『おはよう』だ。

これがここ最近の日常風景。


「…おはようごさいます…!!」

やっと出せた返事はこれだけ、何度言われても全く慣れる事が出来ないのは言ってくる人物の容姿に原因があると思う。

二人とも容姿端麗という言葉がこれでもかというほど似合っているのだ。
そもそも八葉全員が整った顔立ちの男性ばかり。
特にこの二人は恥ずかしい台詞を簡単に囁いてしまうから困ったものだ。
いつもなら顔が真っ赤になり、慌てて立ち去る望美だが今日は違う。

望美の隣りには朔がいた。

この世界で初めての親友。
朔にはどうしてだか二人の甘い囁き攻撃が通用しないのだ。

「お二人共、望美をいじめるのは止めてちょうだい」

その後ろでは望美がうんうんと控え目に頷いている。
朔の言葉に一瞬ポカンとしたヒノエと弁慶は顔を見合わせ、いつ打ち合わせをしたのかと言いたいぐらいに口を揃えて、こう言った。



「姫君、これはね…愛あるいじめだよ」
「望美さん、これは…愛あるいじめですよ」



これには流石の朔も言葉を失う。
解決方はただ一つ、この愛あるいじめに耐えるしかなさそうだ。

 

 


何だかもう無理やりな感じがするなぁ(汗)
朱雀コンビの愛はすごいよ。