16 青春
たくさんのクルー達が食事をとるために集まる食堂。
そこにはザフトレッドの3人もいた。
「でもさ〜私達って青春を知らないわよね〜」
そう話を切り出したのはルナマリア。
何を思って言い出したのかは分からないが周りにいたシンとレイは呆れていた。
「ほら〜軍人だから仕方ないかも知れないけど、年相応な話題がないじゃない?」
ルナマリアが言いたい事はたぶん、恋の話題なのだろうか。
年頃である彼女がもっとも気になる事柄なのかも知れない。
「青春…?ルナがそんなに熱血漢だったなんて知らなかったよ」
シンの中では青春という単語に結び付くものは熱血漢らしい。
恋なんて、到底思い付かないだろう。
「違うわよ!私の青春はそういう事じゃなくて、もって…溢れる若さとか、輝いてるとか…恋とか…」
最後の方は言葉が小さくなっているがルナマリアは熱く自分の青春論を語った。
「俺たち十分若いと思うけどなー?なぁレイ」
隣りに座っていたレイに同意を求めるシンはルナマリアの青春を全く理解してはいなかった。
「もう…いいわよ、シンに言ったのが間違いだったわ。ねぇレイは?今だから言うけど、アカデミーにいた頃はレイって人気あったのよ〜」
ルナマリアは目を輝かせ、シンは驚きの声をあげる、肝心のレイは表情を変えず食事を続けていた。
そして「そうか」とだけ答える。
予想はしていたのだがあまりにも素っ気ない反応にルナマリアは溜め息をついた。
「そうよね…二人に聞いた私が大馬鹿だったわよね」
シンもレイも優秀なザフトレッドだ、アカデミーにいた頃からつねに上位の成績で、浮いた話など情報通のルナマリアでさえも聞いた事がなかった。
「そうよね…こんな話は女の子同士でした方が盛り上がるのよね…あとでメイリンのところに行って…そうだ、ヨウランとヴィーノなら話が合うかも…」
何かぶつぶつと呟いている仲間を見ながらシンとレイは顔を見合わせ首を傾げた。
彼らの青春はまだ遠い。
青春してるかい!(親指グッ☆)