1 暇な日

 

《今暇ですか?》


突然の熱斗からのメール。
暇というわけではないが時間はある、というか仕事が一段落して昼食でも食べようかと考えていたところだ。
暇ではないが…どう返信するべきか迷う。
長い時間迷っていたようで、見兼ねた紅いナビが遠慮がちに言ってくる。

『炎山様、ここは用件を聞いてみた方がよろしいのでは?』

確かにブルースの言うとおりだ。
用件を教えてもらおうとメールを返信すると

《暇なら500円以内でお菓子を買って俺の家に集合!》

こんな内容が返ってきてしまった、とことん用件を教えないつもりなのだろう。

「お菓子って…食べたいのか?」

500円以内というのが、よく分からないが炎山は席を立ち上がった。
遠足じゃあるまいし、とぶつぶつ言いながら。
結局、行くんですか…とブルースは内心溜め息をついたとか。
近くのコンビニできっちりお菓子500円分を買って熱斗の家へと向かった、だがしかし。



「いらっしゃーい!!」

勢いよく飛び出してきた熱斗、の後ろには何故か彼の幼馴染み。

奥の部屋からは他にも話し声が聞こえる。

「あら〜炎山くん、いらっしゃ〜い」

のんびりとした口調で母のはる香が顔を出した。

「さ、あがってちょうだい」
「早くしろよー」
「お菓子は回収しまーす」

3人に勢いよく話しかけられ炎山は一人立ち尽くしている、しかもお菓子はメイルに持っていかれてしまう始末。

「…熱斗、いったい何をしているんだ…?」

納得出来る説明を今すぐして欲しいものだ。

「やいとちゃん、透くんも来てるんだぜー」
『あとからデカオくんがカレーを届けてくれるんだよね』

全く納得の出来る説明ではないうえに、余計に混乱する説明をされては、もうどうすればいいのか分からない。
ようやく思い付いた事といえば、何かのパーティー。
考えても無駄だろうから素直に従う事にしよう。

「…お邪魔します」

観念したように家へあがる炎山の横には満足そうな笑顔の熱斗がいた。

「やっぱり暇な日はみんなで集まって遊ぶのが一番だよな!!」

 

 


暇な日に友達と集まって遊ぶってよくしませんか?
私は高校の時によくしました。