この子に決めた
犬を飼うことに決めた私たち。
でも、何も犬のことはわかりません。
犬種は?大型犬?小型犬?オス?メス?
短い間だったけど、いろいろ悩みました。
まず、我が家はマンションであること。マンションで飼えるワンコは、普通は小型犬です。
ただ小型犬は犬種によってはキャンキャン吠えるワンちゃんが多いので、それではマンションだと困ります。
また、猫アレルギーがある私。細い毛のワンちゃんはちょっと心配です。

私も主人も、モデルの川原亜矢子さんの愛犬ソレイユが理想のワンコでした。
ソレイユはゴールデンレトリーバー。私が働いていたときに買っていたファッション雑誌に毎月出ていたのです。
とってもきれいでかわいいソレイユ。こんなワンコがこの家にいたら!
ゴールデンがいい〜。
でも、大きい!マンションで飼えるのかしら?

大型犬と小型犬で悩んでいた私は、母と妹と銚子へドライブに行ったときに妹に相談しました。
「大型犬って、力も強いでしょ。マンションだし、飼えると思う?小型犬のほうがいいのかな。」
そうしたら妹がはっきり言ってくれました。
「MieさんとMasaさんが飼いたい犬種にしたほうがいいよ。
妥協して小型犬を飼うことにして、その小型犬がキャンキャン吠えて、あー大型犬にすればよかった
って後悔しても、一生面倒見ないとだめなんだよ。
でも、二人で欲しかった犬種なら、たとえ苦労しても我慢できるでしょ。
大丈夫!自分たちが一番好きな犬にしな!」
この会話で、私は決心したのです。大型犬にしよう!
(それに、私のマンションの同じ棟にフラットコーテッドレトリーバを飼ってるお宅もあったので)

いろいろ勉強しないといけないと思うのに、欲しいと思ったら欲しくなってしまった私たち。
主人がお休みの土曜日、ワンコを探しに出かけました。
妹が友達のブリーダーさんをあたってくれるって言ってくれてたのに、早く欲しかった。
それに、忙しい主人と一緒に探しに行く時間がなかなか無かったのです。
犬種はゴールデンかラブラドール。そして、育てやすいメス。

1件目のペットショップ。
お店の中に入ったとたんすごい匂いでした。棚に置かれたゲージの中には今はやりの小型犬がたくさん。
しかもうん○まみれで。お客さんは結構いたけど、匂いに耐え切れず、すぐ外に出ました。

2件目のペットショップ。
ひろーい店内。壁にはチャンピオンになった時の写真がたくさん。
こちらも、小型犬がたくさん。その中に一匹だけ、値段のかなり下がったゴールデンレトリーバーのパピーがいました。
でも、表示されている月数よりかなり大きいのです。
大型犬が欲しいって言ったらお店の人にかなり進められました。
この時はまだラブラドールかゴールデンに決めていなかったのですが、
だんだん本当に欲しいのはソレイユみたいなゴールデンって心の中は決まってきました。
薦められたワンちゃんはソレイユとは程遠い、お顔の大きな男の子のようなゴールデンでした。
それに、お店の人にちょっと違和感を持った私たち。
お店の店長と思われる男性の服装と、外に停まっていた高級車。
こんなことで判断しては、と思いますが、なんとなくいい気分がしなかったのです。

3件目はホームセンター。
ホームセンターのワンコこそ、どこのブリーダーさんからやってきたのか不安だったけど、
一応見てみようと思ってペット館をのぞいてみました。
ワンコを見るだけのためにガラスの窓の前に群がる家族連れ。
いつもはそんな感じで私たちも見ていましたが、今日はちょっと見方が違います。
かわいいワンコ、いないかなぁ。

そこで目にとまった生後45日のメスのゴールデン。さっき見たワンコとは大きさがぜんぜん違います。
それにお顔が小さい!超美形!かわいい!!
ちょっと話が聞きたくて、お店の女の子に声をかけました。
「ちょっと抱いてみます?」
小さなゴールデンのパピーが主人の腕の中に抱かれました。
ぐらぐらっとこのパピーに傾く私たち。

私はあわてて妹に電話しました。
「決めてもいいと思う?」
妹は強く反対しました。まだ探し始めて一日。
ましてやホームセンターなんて股関節異常の子がいるかもしれない。
高いお金を出して買うんだから、しっかりとしたブリーダーさんで購入したほうがいいよ。
私が妹と電話でしゃべっている間も、主人はそのワンコを抱っこしたままお店の人の話を聞いています。
そのワンコも、すぐに主人になついてしまいました。

もう、抑えられませんでした。主人は絶対この子、って手放しません。
決めてしまいました。
探し始めたその日に決めてしまったのです。
かなり大胆な行動。先輩方の意見も聞かずに…でも今でも、パパさんは言います。
「オレが決めた子なんだから。絶対いい子に決まってる!」

パピーを迎えるために必要なもの、カラーやハウスや餌、ペットシーツなどを購入して、ゴールデンのパピーは私たちのもとへ。
お店の女の子が「ゴーちゃん、幸せになりなよ」って目をうるうるさせながら私たちを見送ってくれました。
このとき、少し安心しました。
この子はホームセンターにいるときも愛情を持って育てられてたんだな、ってね。