その凶報がもたらされる二時間前・・・つまり、志貴が一旦修道院から『七星館』に戻った直後にまで遡る。コーバック・アルカトラスは一足先に『千年城』に帰還し調べ物をしていた。

無論内容は『六王権』に関しての事。

「どうにも情報が足りん。もうちっと調べんとあかんな」

そう言い普段から行きつけている書斎の奥に篭り『六王権』について調べ始める。

「コーバック精が出るな」

「おう、当然や。わいは戦闘関連はからっきし駄目やさかい、この程度でも力にならんとな」

そこに戻ってきたゼルレッチがやって来た。

「で、どうやったんや?『六師』の方は」

「残念だがまたしても一足違いだった」

「さよか・・・そら残念やったな」

「うむ・・・」

その時、本棚の本が震え始めた。

「??なんや?ゼルレッチこの書斎何時からポルターガイストのメッカになったんや?」

「たわけ。これは地震だ」

その言葉をきっかけとしたかのように揺れが大きくなり本棚から書物が大量に崩落する。

「どわわわわわわ!!」

「そ、外に出るぞ!コーバック!!」

蒼の書三『混乱』

二人が外に出た時既に地震は収まっていた。

「ふぃ〜驚いたの・・・まさか地震が起こるとはの」

飄々と先程の地震を評するコーバックとは裏腹にゼルレッチの表情は険しい。

「・・・コーバックおかしいとは思わんか?」

「は?何がや」

「ここ一帯の空気いつからここまで濃密な魔力が漂うようになった?」

「!!!言われてみれば・・・方角は・・・??ゼルレッチこの方角やと」

「アルトルージュ様の『千年城』??」

「一体全体何が起こったんや??」

「無駄口は後だ。今は一刻も早く向かうぞ」







そして、到着したがその光景は二人の想像を遥かに超えていた。

「な、なんや・・・これ・・・」

『千年城』は完全に崩壊していた。

「一体どの様な手段を用いればここまで完膚なきまでに破壊出来る??」

「つーか破壊自体が不可能な筈やろ?」

『千年城』は真祖の『空想具現化』によって創り出された幻想の城。

アルクェイドの城に比べればアルトルージュのそれはやや脆弱だがそれを差し引いても普通の手段で破壊など、まず出来る筈が無い。

「間違いなく『六王権』やろな・・・」

「ああ、それよりも・・・プライミッツは?スベェルデンにシュトラウトは??」

「おらへんな・・・よもやと思うが・・・」

「いや、あやつらに限って・・・」

その語尾に重なる様に瓦礫が不自然に崩れる音が聞こえる。

振り向くとそこにはボロボロのプライミッツが立っていた。

「おおプラ公!!おんどれ無事やったか!!」

安堵の声を出してようやくコーバックが駆け寄る。

だがその真下を見てコーバックの表情が凍りつく。

「ゼ、ゼゼゼ・・・ゼルレッチ!!!大変や!!」

「どうした!!」

ゼルレッチも駆け寄り、コーバックの視線を辿る。

そこには・・・

衣服はボロボロ全身火傷に覆われたリィゾとフィナが倒れていた。

「な、なんと・・・」

「お、おい!!堅物『黒騎士』!!ホモショタ『白騎士』!!眼ぇ開けや!!」

台詞の内容は虚仮にしているともとられかねないが口調は心の底から二人を案じたものだった。

それに反応したのか、フィナがうっすらと眼を開ける。

「スベェルデン!!」

「無事かいな。『白騎士』」

「うう・・・お二方・・・大変・・・です・・・」

「それは周囲を見れば判る」

「一体誰にやられたんや?」

「ぐ・・・ろ、『六・・・王・・・権』・・・」

残された力を振り絞りそう伝えフィナは再度気絶した。

「あかんでゼルレッチ、いくらなんでもこれは重傷・・いや、重体や」

「ああ、だが、時の病を患い不死に限りなく近い筈のシュトラウトの傷が何故癒えぬ?」

「そないな事は後回しや!後回し!それよりも急いで『千年城』に連れて行かんと」

「そうだな」

大急ぎで『千年城』に収容しすぐさま治療が施され更にコーバックは志貴達に連絡を入れた。

数分後、まさしく『千年城』に飛んできた黒の姫君と志貴。

「リィゾ!!フィナ!!プライミッツ!!」

泣く寸前の表情で飛び込んできたアルトルージュをゼルレッチが押し留める。

「お爺様!!大丈夫なの!!ねえ!!」

「姫様!!落ち着いてくだされ!!」

「そうやで黒の姫はん。姫はんが喚いても叫んでも三人が治癒する訳やあらへんで」

そんな半狂乱状態のアルトルージュをゼルレッチが叱責でコーバックは静かなだが辛辣な口調で押し留める。

「・・・」

「師匠、教授」

「・・・志貴来たか」

「ご苦労さんやな」

「はい、それでリィゾさん達皆の容態は?」

「ああ、全員どうにか一命は取り留めた」

その言葉にはっとして顔を上げるアルトルージュ。

「お爺様それ」

「はい、大丈夫です」

「・・・良かった・・・」

「そうだなアルトルージュ」

「う、うん・・・志貴君・・・志貴君!!う、うわあああん!!」

安心したのか感極まったのか、夫の胸・・・と言うか腹部に飛び込み人目を憚らず泣き出す。

「それで師匠、話せますか?」

『黒の夫人』の頭を撫でながらも志貴は肝心な事を聞く。

「ああ、スヴェルデンが意識を取り戻した。あ奴なら大丈夫や」

「そうですか・・・でもリィゾさんは?プライミッツは?」

「プラ公は大半のダメージを受け止めおったからの・・・まだ眼を覚まさん」

「あとシュトラウトについては時の呪いが機能しておらん」

「えっ??」

「お爺様それってリィゾの呪いが」

「いや、呪いは解けておらん。むしろ別の呪いとがぶつかり合っておると言うのが正確なところやろな」

「別の呪いと言いますと?」

「まあついて来なはれ。案内したる」







その部屋では『黒騎士』リィゾが未だ苦しげな呼吸をしながらベットで安静していた。

「リィゾさん・・・」

「リィゾ・・・」

沈痛な表情で見やる二人。

「それで師匠・・・別の呪いと言うのは?」

「ああ・・・これを見てくれ。

そう言うとゼルレッチはシーツをまくり包帯を一部めくる。

そこには未だ生々しい傷が残っていた。

「これが?」

「見ておるがよい」

やがて傷が治癒・・・というより、時の修正を受けて消えていく。

しかし、次の瞬間、再度あの傷が現れた。

そう、再度傷がついた訳でも無い。

直った部分に傷が再度現れたのだ。

「これは・・・」

「今、シュトラウトの体には巻き戻す時の呪いと破壊を導く呪いが鬩ぎ合っている」

つまり、傷が生じる。

すると通常なら時の呪いで傷がなかった時点まで巻き戻され、それでリィゾの身体は治癒される。

しかし、その瞬間、もう一方の破壊を導く呪いが再度身体を破壊せんと傷を甦らせる。

まさしくイタチごっこだった。

「打つ手は無いのですか?」

「幸い破壊の呪いは時間が経つにつれその効果が薄れ始めている。更に定期的な血液の補給と我々の魔力で破壊の呪いを押し流している。おそらく二・三日後には傷は癒えると筈だ」

「じゃがの、再び戦闘できるかどうかについてはいくら『時の呪い』を持つ『黒騎士』でも少し時間が掛かるで」

「それについては仕方ありません。リィゾさんには全快になってから戦線に加わってもらいます」

「それがベストだな」

「お爺様、フィナは?」

「隣や。おい、ホモショタ、姫はんが来たで」

「いくらなんでも怪我人にそれは無いんじゃないの?」

「フィナ!」

「フィナさん」

「姫様・・・志貴君・・・」

二人の姿を認めると弱弱しく笑う。

「申し訳ございません姫様・・・城の守りを任されながらこの体たらく・・・」

「良いのよ。『六王権』軍が攻めて来たんでしょ?だったら三人とも無事だっただけましよ」

「それで、フィナさん。一体何者が・・・」

「『六王権』・・・側近衆『六師』の内二人」

「たった二人?」

「はい、二人です。『風師』と『炎師』と名乗っておりました」

「でも、プライミッツもいたんでしょう?どうしてここまで・・・」

「最悪です・・・『六師』は『六王権』より・・・幻獣王を預けられています」

その言葉に一番早く反応したのは意外にも

((((なんだと!!!))))

志貴の中に宿る四聖達だった。

(どうした?)

(今、幻獣王と申されましたか?主よ)

(ああ確かにそう言っていた。何か心当たりでも?)

(い、いえ・・・まだ確証は持てぬのですが・・・)

(もしや・・・)

(有り得んぞ玄武。しかし・・・)

(だが考えられるとすればあの可能性しか・・・)

(何か知っているのか?だったら何でも良い教えてくれ)

((((・・・・・・))))

(玄武、白虎、朱雀、青竜!!!)

(主よ・・・今暫し時間を・・・)

(我らも混乱しているのです。あまりの事態の急変に・・・)

(・・・判った。少し急かし過ぎた様だな。話せる状態になったら教えてくれ)

((((御意・・・))))

「志貴どないしたんや?」

急に黙りこくった志貴を訝しく思ったのかコーバックが話し掛けて来る。

「いえ、何でもありません教授。それで、その幻獣王はどうやって・・・って?どうしたんだ?」

「志貴何を言っている?」

「そうよ志貴君、今フィナが最初から話していたじゃないの」

「そうか・・・すまない少しぼうっとしていた」

「どないしたんや?己にしては珍しいの?」

「すいません教授」

「まあええわ。つまりな・・・」

そう言って再度話すコーバック。

「どんな威力だよ・・・『千年城』を吹き飛ばす『バックドラフト』って・・・」

「出鱈目やな」

志貴の感想に同意するコーバック。

「つまり、プライミッツは爆発の直接のダメージを、リィゾさんは破壊の呪いをそれぞれ受けて全快には二、三ヶ月はかかる」

「その程度は見積もった方が無難やな」

「フィナさんは?」

「ホモショタはこの三人中では軽いがそれでも一月は様子見や」

「それは仕方ないわ。フィナ、暫くはリィゾ達と身体を治す事を優先して」

「はい、判っております。ですが・・・志貴君の血を直接頂ければ直ぐにでも・・・」

「フィナさん・・・ここで滅びますか?」

「じょ・・・冗談だよ・・・志貴君」

「志貴落ち着きなはれ」

「気持ちは判るけど・・・ここは押さえて志貴君」

「ふう・・判りました」

半分本気で『七つ夜』を構えた志貴だったが渋々刃を納める。

「とにかく志貴。少しここで様子見をしてもらいたい」

「判りました師匠」

ゼルレッチの言葉に志貴は肯く。

予想より遥かに早く『六王権』が動き始めた。

この分では何時本格的に事が大きくなるか予断を許さない。

動き出す可能性の最も高い欧州に監視の目を光らせるのは至極当然だった。

しかし、結果としてこの選択は大きな誤りであった。







翌日、志貴は着替えを取りに一旦『七星館』に戻ってきた。

「お帰りなさい志貴ちゃん」

「ああ、ただいま琥珀・・・着替えだけ取りに来ただけだけど」

「そうですか・・・」

「志貴ちゃん、アルトちゃんは?」

「アルトルージュは皆の看病している。そのおかげか少しずつ回復に向かっているよ。アルトルージュ本人も元気を取り戻しているようだし」

「そっか・・・」

夫の言葉に安堵した様に肯く『六夫人』

特にアルクェイドの安堵は更に強いものがあった。

「それで志貴『六王権』側の動きは?」

「それが恐ろしいほど異常無い」

「ない??妙ですね。アルトルージュの『千年城』を破壊して一気に攻勢を仕掛けて来るとばかり思っていましたが」

そう・・・結局、丸一日以上欧州各地を偵察していた志貴達だったが『六王権』に動きがある所か各地の死徒にすらこれと言った動きが何も出ていなかった。

「どうも死徒達すら今回の件殆ど知れていないようなんだ。無論二十七祖クラスはもう知る所だと思うけど」

志貴も首を傾げるほど動きは皆無であった。

とそこへ

「ただいまぁ〜」
アルトルージュが帰って来た。

「あれ?アルトルージュ、『千年城』の方は良いのか?」

「エエ、お爺様の話だとここまで動きが無いから私も一旦戻って良いって」

「でもリィゾさん達は?」

「大丈夫、私の城の侍女達が数名生き残っていたからあの子達に頼んでいるから」

「あの爆発で?よく生き残ったな・・・」

「地下室で私の結界に守られていたのよ。それでお爺様も直ぐに来られるわ。アルカトラスにブルーも連れて」

「やはり今後の事か?」

「そうね。予想に反して『六王権』が何も動きを見せていないから少し話し合いたいって」

その語尾に重なるように

「失礼する」

「邪魔するで〜」

「お邪魔するわ」

「そう言っている内に来たな。琥珀、全員分のお茶を用意して。翡翠とさつきも手伝って」

「うん」

「「はい」」







居間に志貴とゼルレッチ、コーバック、青子、そして『七夫人』が一同に集まり会議が始まる。

最も、お茶を飲んで極めてリラックスしたものであるが。

「さて志貴からも聞いたと思うが、アルトルージュ様の『千年城』が崩壊して既に一日以上が経過した」

「しかしや、欧州全域を見ても別に死徒が結集している動きもあれへんし、ましてや『六王権』自体が動き出した気配もあれへん」

「何処か別地域を根拠地として定めそこから準備を始めているとかは?」

「それについても考えたが未だに音沙汰無しや」

「私も少し回ってみたけど形跡は一切無いわね」

「でも今後それを行う可能性は?」

「その可能性は零ではないにしろ極めて低い」

「なんでなんですか?」

「つまりや、『癒しの夫人』。確かに米州大陸や中近東にアジア方面であればわいらの目を欺く事も出来る。しかし、ここで大きなネックが出てくるんや」

「ネック??」

「つまりですさつき。欧州以外で本拠地を定める事は『六王権』も手勢を集めにくいと言う大きなハンデを背負います。集めようにも大量の死徒や死者が大移動すれば容易く判明します。そして手勢を集めるのに手間取りその隙に私達に攻め滅ぼされる。そのような最悪のシナリオは敵も容易に判断出来る筈です」

「そうね。確かに欧州は『埋葬機関』を始めとした対死徒組織が充実しているけど裏を返せばそれだけ死徒の量も欧州は充実していると言う事も意味しているのよ。ある程度のリスクは犯すけど、手勢はあっさり集められるし死徒達の集結もごまかす事も簡単に行えるわ」

「つまり木を隠すなら森にって事ですね?」

「そう考えて良いです」

「俺も『六王権』は欧州にまだ潜んでいると思う。だがそうなると何でアルトルージュの『千年城』を襲ったのか・・・ましてや何でここまで動きが無いのか・・・琥珀、シオン二人の意見は?」

思考のループに陥る前に志貴は『裏七夜』における知謀の双璧『智の夫人』・『謀の夫人』に意見を求める。

「う〜ん・・・私は侵攻する気はあったけど、あまりにも志貴ちゃん達が早く動いたから少し様子見をしていると思う・・・」

「じゃあ、ほとぼりが冷めた時点で」

「うん、侵攻を始めるんじゃないかな・・・」

「なるほど・・シオンは?」

「私も基本的には琥珀と同じく現在様子見していると思います。ですが、それは計算外ではなく予め計算されていたものかと」

「つまりは動かないのも作戦の内と言う事か・・・」

「はい。現時点ではあくまでも我々の実力を探る為に」

「・・・」

「兄さん?どうしたのですか?」

「いや、琥珀の意見もシオンの意見も最もだと思うんだ・・・だけど・・・」

「しっくり来ないの?」

「ああ、何にしっくり来ないかも判らないんだが・・・」

その時おずおずと

「志貴君・・・その・・・私も意見いいかな?」

普段は自分から意見する事の無いさつきが口を開いた。

「さつき?それはもちろんだ。今は色々な意見が欲しい」

「う、うん・・・私はシオンと同じ意見なんだけど・・・少し違うの」

「と言うと?」

「動かないのは作戦なんだって言うのは私もその通りだと思うの・・・でもね・・・『六王権』側は動かないじゃなくて・・・動く気が無いんじゃないかな?その今回の襲撃自体が陽動だと思うんだ・・・何か裏でこそこそとやっているんじゃないかなって・・・」

その瞬間、志貴達の動きが完全に止まった。

「え?え?」

一人取り残されたさつきはどうすれば良いか判らずおろおろする。

「・・・さつき」

やがて志貴が口を開く。

「!!ご、ごめんね志貴君!!そ、その・・・」

「「「「「「「「「それだ(それよ・それです)!!!」」」」」」」」」

賛同の声が一斉に上がった。

「へっ??」

「くそっ!!迂闊だったか!!」

「まったくや!!死徒の姫はんの『千年城』が崩壊されてもうたからと言うてそこに眼が行き過ぎてたわ!!」

「直ぐに情報を集め直さないと!!」

一気に活性化した周囲にさつきは唖然としていたが

「やるじゃないのさっちん」

「本当、今回は貴方の大手柄ね。さつき」

「さつき感謝します」

「さつきちゃんありがとう」

他の『六夫人』がさつきに賛辞と感謝の声が上がる。

「えっ?え?ええええええ????」

訳が判らず眼を白黒させるさつき。

彼女にしてみれば思いつきの上にあてずっぽうの意見が、こんなにも大きな反応となるとは想像すら出来ず、ただひたすら逆におろおろするだけだった。

そうこうしていると志貴とゼルレッチが話を進めていた。

「志貴、直ぐに士郎の元に向かいこちらに連れてきてくれ」

「それは構いませんが士郎は今」

「『六王権』が何を企んでいるかも判らぬ状況だ。もはや『聖杯戦争』がどうこう言っている場合ではない。直ぐに士郎と合流して『大聖杯』を破壊した後士郎と共に戻って来てくれ。戦闘中だろうとなんだろうと即刻『大聖杯』破壊を遂行して連れてくるんだ。こうなれば今は一刻も早くこちらの最大戦力を整える事を最優先させる」

「判りました。直ぐに」

そう言うと志貴はすぐさま冬木に向かう。

しかし、志貴から直ぐに連絡が届いた。

「志貴、どうした?」

『それが師匠、士郎の奴家にいないんですよ

「家にいないだと?」

『はい市街もあらかた探し回ったんですがそれらしい姿も』

「・・・まさか・・・志貴すぐ『大聖杯』の元に向かえ。場所はわかっているな?」

『へっ?・・・はい、わかっていますが・・・『大聖杯』ですか?』

「そうだ・・・何か嫌な予感がする・・・」

『判りました。大至急』







そして一時間後、志貴から最悪の連絡が届いた。

『士郎の手により大聖杯の破壊には成功したが大聖杯内の魔力は全て何者かに奪われた』

この時点で『蒼黒戦争』は悲劇と惨劇たる事が確約されたのであった。

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