06年4月 在日米軍再編に反対しよう
在日米軍再編の最終合意に向けた「審議官級協議」が、4月5日から3日間の日程で、米国ワシントンDCで開催される予定でした。ところが協議は2日目に中断し、4月13日・14日の東京会議に持ち越されることになりました。
会議の焦点は@普天間基地のキャンプ・シュワブ移転に関する地元合意と、A在沖縄海兵隊のグァム移転費用の日本負担割合について――です。協議の中断を受けて日本側からは、「閣僚級協議による政治決着しかない」との声も上っています。
こうした中で4月7日、島袋吉和・名護市長と額賀福士郎・防衛庁長官が会談し、キャンプ・シュワブでの新基地建設について、滑走路をV字型に2本建設する修正案で合意しました。沖縄県の稲峰恵一知事は「名護市の判断は尊重する」としながらも、当初予定の沖合案でなければ認めないという姿勢を崩していません。基地建設に必要な海面工事の許可権は知事が有しており、知事の同意が得られなければ、政府と名護市の合意も、日米間の合意も「空約束」にしかなりません。
また米国は沖縄海兵隊8000人、軍人家族を合わせて15000人をグァムに移転するとしています。その費用を100億ドル(1兆1800億円)と試算し、75%(8850億円)の負担を日本に求めています。日米安保条約には、日本が攻撃を受けた場合は米国が日本を支援すること、見返りとして日本の負担で日本に米軍基地を置くこと――を定めています。しかし米軍が国外へ移転する場合の費用負担などは、どこにも書かれていません。日本は78年以来「思いやり予算」として、本来米側が負担する基地従業員人件費や光熱費、施設建設費を払ってきました。その額は年2400億円に上ります。法律根拠のない支出を続けたことが、要求すれば日本はカネを出すという、米国の高圧的な態度につながっているのです。この要求に日本政府が屈服するのかどうかが、大きな焦点になります。
こうした中で、基地を抱える自治体の中での反対運動は、ますます大きくなっています。宮崎県では4月8日、新富町区長会の主催で、「米軍の新田原基地使用反対町民集会」が開かれ、町民1100人が参加しました。いま反基地・平和運動は、従来の枠組みを超えて、地域ぐるみの運動として広がっているのです。
米国の軍事戦略の中心となる、日米同盟強化のための政治合意日程を、地域の反対運動が阻止しました。全国的な平和運動と地域の反基地運動が連携することで、在日米軍再編に反対し、基地の縮小・撤去を実現することができるはずです。