05年11月 米軍基地のない日本を創ろう!! 米軍再編に反対しよう
進捗不明な日米間協議
在日米軍基地再編に関する日米協議の内容は、相変わらず明らかにされていません。報道では当初、10月中の「日米外務防衛首脳会議(2+2)」と、11月の「小泉―ブッシュ会談」での合意をめざすとされていました。しかし協議が進展しないことから、2+2の前に予定されていたラムズフェルド国防長官の来日を米側はキャンセル。強い不満を表明しています。
日米間協議の焦点は、普天間基地の移設先についてです。名護市辺野古ではボーリング調査のための「単管やぐら」が9月2日、台風のために撤去されました。以降、新たな「やぐら」は建設されていません。日本政府は辺野古への移設をほぼ断念しました。
陸地案か、浅瀬案か。対立する普天間基地移設
日本政府は新たな移設先として、辺野古に隣接する米海兵隊キャンプ・シュワブ内の陸地を提起しました(キャンプ・シュワブ陸地案)。基地内であれば反対運動に関わらずに建設を進められるからです。しかし米側は、キャンプ・シュワブへの移設に反対しています。
そのため日本政府は米国に妥協、当初予定よりも小規模な施設を、辺野古のリーフ(浅瀬)に建設しようとしています(辺野古リーフ内縮小案・浅瀬案)。
沖縄平和運動センターは、県内での基地の「たらいまわし」に反対し、様々な行動を提起しています。また辺野古で抗議を続ける人々も、浅瀬案であれ反対運動は継続するとしています。
横田では日米航空戦力の一元化
東京都横田基地には米第5空軍の司令部があります。再編案としては当初、グアムに司令部を置く第13空軍との統合と、司令部のグアム移転が報じられてきました。
しかし現在では、米軍内の統合と司令部移転は消え、航空自衛隊・航空総隊司令部の移転が主な課題とされています。実現すれば、在日米空軍と航空自衛隊の司令部が合同することになり、日米航空戦力の一体化が進みます。
東京平和運動センターと三多摩平和運動センターは横田基地の強化に反対して、10月14日に集会を開催し、「米軍基地再編反対」の声をあげました。
キャンプ座間がアジア太平洋地域の司令塔に
神奈川県のキャンプ・座間には、在日米陸軍司令部とその付属機関が設置されています。再編計画では、米本土ワシントン州にある米陸軍第1軍団司令部の移転が報じられていました。第1軍団司令部は、韓国駐留の第2師団とハワイの第25師団を指揮下に置き、活動範囲がアジア太平洋地域全域であることから、日米安保条約の「極東条項」に抵触するという問題が指摘されてきました。米国は、第1軍団司令部を縮小改変して日米安保の枠内で活動するとの説明を、日本側にしているようです。
また最近、陸上自衛隊に新設される中央即応集団の司令部を配備する計画も明らかになりました。この計画が現実となれば、横田基地同様に座間基地でも、日米の陸上戦闘部隊が一体化されることになります。
神奈川平和運動センターは、11月13日にキャンプ座間包囲行動を提起しています。
山口県岩国基地にNLP訓練移転か?
山口県の岩国基地には、海兵隊の戦闘機部隊が配備されています。これまでにも岩国基地を飛び立った戦闘機が、度々墜落事故を起こしています。
その岩国基地に、現在は厚木基地で実施されている夜間発着訓練(NLP)の移転が、取りざたされました。米海軍の空母キティーホークは横須賀基地を母港としています。キティーホークが横須賀入港している間、艦載機は厚木基地で訓練を実施しています。その訓練の一つが、基地の滑走路を空母の甲板に見立てて夜間に発着訓練を実施するNLP訓練です。
厚木基地周辺が住宅密集地であり爆音が問題となっていること、また岩国基地が沖合に拡張したことから、移転先とされたようです。
米軍再編反対から小泉内閣打倒へ
9月11日に行われた総選挙では、自公両党が衆議院の3分の2の議席を制しました。今後、教育基本法改悪や憲法改悪、在日米軍基地の再編強化、社会保障制度の破壊、平和運動・労働運動への弾圧などが、急速に進行すると思われます。こうした政治状況のなかで私たちは、座して待つのではなく、立って前に進まなければなりません。在日米軍基地の再編・強化への反対運動を軸に、小泉内閣と対決する平和勢力を作り出しましょう。