私達の可愛い天使が、再び舞い降りました。
ある夏の暑い日に
ん…もう朝…ね。
窓から差し込む太陽の光と小鳥の囀りで、私は眼を覚ました。
今は8時半。神田はとっくに起きてるわ。
そろそろ迎えに来る頃かしら。
準備をしなくちゃ。
そう思ってベッドから降りようとした瞬間。
「う〜………」
シーツの中で、もぞもぞと何かが動いたの。
へ?誰か私の横にいる…?
恐る恐る見てみると、そこに居たのはだった。
って………何で!?は未来に帰ったんじゃないの!?
と…とりあえず、気持ち良さそうに眠っているを起こさない方が良さそうね。
私はそっとベッドから降りて、仕度を始める。
起こさないように、静かに…
そんな感じでやっと仕度が出来た所に、ドアをノックする音が聞こえた。
きっと神田だわ。
そう思い、そっとドアを開けると思った通り神田が居たのよ。
「おはよう、神田」
「あぁ。おはよう」
いつものように、こめかみにキスをする。
最初は恥ずかしかったけど、今ではもう慣れちゃったわ。
寧ろこれがないと、違和感を感じるくらい(笑)
「そうだ。ねぇ神田、話があるけどいいかしら?」
「あ?珍しいな、がそんなに畏まって言うなんて。何かあったのか?」
「あったと言えばあったんだけど…ちょっと部屋に来てくれる?あ!できるだけ静かにしてね」
「あぁ…」
神田が不思議そうにしながらも、静かに部屋に入ってきてくれた。
そしてベッドの方へ案内すると、やっぱり神田も驚いたみたい。
「な…んでがここに居るんだよ?」
「さぁ…?朝起きたら居たのよ」
「また錬金術を誤作動させたのか?」
「どうなんだろう?まだは寝てるから、話を聞いてないのよ」
「そうか」
神田は短く言うと、ソファに座った。
何時もはこのまま食堂へ行くんだけど、を置いていけないじゃない?
だから私達はが起きるのを待つことにしたの。
幸い、二人とも任務は入ってないもの。
コムイさんにお願いして、とゆっくり過ごせるようにして貰おう。
今日1日しか一緒にいられないんだもの。
「しかし…気持ち良さそうに寝てるな」
神田がそっとの髪を撫でる。
ふふ。そうしてると本当の親子みたいね。
まぁ、本当の親子なんだけど、『今』の神田は父親じゃないでしょ?
「うぅ〜…」
あら?が起きたみたい。
「おはよう、。良く眠れた?」
「うん…ねむれたー。おはよう、ママ」
にっこり笑うが可愛くて、可愛くて。
この子を見てると、本当に子どもが欲しくなっちゃうわ。
でも、まだ神田には言わないけどね。
だって…言ったら大変な事になっちゃうもの(苦笑)
さ、それよりもお腹も空いた事ですし、を連れて食堂へ行こうかな。
「、朝の準備をしたらご飯を食べに行こうね」
「うん!」
の仕度を手伝い、神田と3人で食堂へ向かったの。
† † † † †
朝食後、私達3人は、科学班へ来ていたの。
一応コムイさんに報告をしようと思って。
ほら、コムイさんって責任者でしょ?
「コムイさん、居ますかー?」
「おや?くん。どうしたんだい?それに、どうしてくんが?」
「実はですね………」
今朝あった事をコムイさんに報告してるとき。
部屋の扉が開いて、アレンとラビが入ってきたの。
二人とも、を見て驚いたみたい。
でもすぐに嬉しそうな顔をして、と話し始めたのよ。
「久し振りだね。。僕の事覚えてる?」
に目線を合わせ、にっこり微笑むアレン。
そう、ここまでは良かったの。ここまでは…ね。
が問題発言をするまでは…ね(汗)
「アレンパパ、へんだよ?きのうもあそんだのに」
………………あ………………
「「「「「アレンパパぁ!?」」」」」
え?どう言う事?の父親は神田じゃないの!?
前回(Child Panic参照)の手紙で、父親は私の思ってる人だって…
確かに未来が変わる可能性もあるけれども!
「ほら、も言ってるし。僕達は結ばれる運命にあるんだよ」
いや、アレンさん…そんな笑顔で手を握ってこないで下さい。
ものっそ後ろからの殺気が怖いのです(汗)
かかか神田さーん!六幻を手に構えないで下さい!!
「モヤシ…てめぇ、いー度胸だな」
「えー?ヤだなぁ、の父親が僕なのは僕の所為じゃないですよv
カンダが未来で『何か』をして、に愛想をつかされたんじゃないんですか?」
「馬鹿な事を言うんじゃねぇ!!」
「ちょっと!二人とも落ち着いてよ。が怖がるでしょ」
二人を諌め、口論を終了させる。
さて、これで漸く落ち着いてに話が出来るわ。
「ねぇ、。アレンが本当にパパなの?」
「うん、アレンパパだよ」
「えー?オレが本当のパパさ?」
混乱に乗じて何を聞いてるの、ラビ…
少し呆れながらラビの言葉を聞いていたんだけど、この後のの発言は、更に驚くものだったの!
「ラビパパもパパだよ?」
「じゃあ、ボクは?」
「コムイパパ〜〜vきょうはコムリンいないの?」
…コムイさん。未来でもコムリンを作ってるのね(汗)
じゃなくて、コムイさんもラビもパパ?
「コムリンは今日、お休みしてるのよ。ちょっと聞いていいかな?みんなのパパなの?」
「うん!そうだよ、ママ。だってリナリーママがそう言ったんだもん」
相変わらず、無邪気な笑顔で凄い事を言う。
今のの話からすると、やっぱり本当の父親は彼なのね。
(色んな意味で)安心したわ。
これで違ってたなら、教団本部が全壊という事になりかねないもの。
錬金術でも直すのに苦労したのよ。
アレは流石にもうしたくないわ(汗)
まぁ事情も判ったことだし、一件落着………
「テメェの所為かよ、リナリー」
じゃなかったー!!
神田のターゲットがリナリーになったわ(汗)
「あら?ナイスじゃない、未来の私v」
「ナイスじゃねぇよっ!余計な事を教えんな!!」
「みんなで子育てするのはいい事よ」
「まぁまぁ。リナリーも神田くんも落ち着いて」
二人の口論(で終わるか判らないけど)を中断させたのは、コムイさんでした。
ナイスです!コムイさん!!
今私の中で、コムイさんの評価が上がりました!
「今ここで、そんな事を口論しても意味がないよね?」
「そうそう。はオレ達の事も父親だって思ってんだ」
「なら、今はが帰るまで、に楽しんで貰わない?」
「くんも皆で遊びたいよね?」
「うん!」
「だから、二人とも仲良くねv」
コムイさん達の言葉に、リナリーと神田は納得した模様。
これで本当に一件落着。
流石コムイさん。伊達に責任者じゃないわね。
「ママ〜」
「なぁに?」
「おひるごはんは、ママのつくったものがいいー!」
へ?いきなり何?
驚いて聞きなおすと、いつもは(未来の)私の手料理らしいけど、今朝は違ったから不満だったみたい。
もう!何て可愛い事を言ってくれるのかしらv
期待のこもった目で見つめられたら、作らない訳にはいかないわね。
「うん、良いわよ。の好きな物を作ってあげる」
「あら?だけずるいわ。私も良いかしら?」
「もちろんよvね?良いでしょ?」
「うん!リナリーママもすきだから、いっしょー」
「じゃあ、ボクもご一緒して良いかい?」
「コムイパパもすきだから、いっしょにー。あとね、ラビパパとアレンパパとパパもいっしょ!」
「うんうん。みんな一緒に食べようね」
「うん」と言いながらにっこりと笑うは凄く可愛いv
最近はアクマ退治に忙しかったもの。
こんな風に、ほのぼのとした雰囲気が嬉しいわ。
ギュッと握ってくるの手を、私も優しく握り返す。
それを見ていたリナリーが、くすくす笑いながらに話しかけたの。
「はママが大好きなのね」
「うん!ママがいちばんすき。でもね、リナリーママもすきだよ」
「まぁv私もが大好きよ」
「じゃあオレは?はオレの事も好きだよな?」
「僕の事も好きですよね?」
「ラビパパもアレンパパもコムイパパもすきだよ。でもね、いちばんすきなパパはパパなの!」
そう言いながら、は神田に抱きついたの。
の言葉と行動が嬉しかったのかな?
神田もね、嬉しそうに微笑みながらを抱き上げたのよ。
我が子を慈しむ父親のような笑顔で。
「」
「ママ!」
「なぁに?」
二人に呼ばれ、彼らの方へ寄っていく。
今はまだ本当の家族じゃないわ。
でも、が帰るまでは家族でいても良いよね?
後書き
久々に登場☆
70000hitを獲得された彩希様に捧げます。
リクエスト内容は『Child Panic』に登場したを出して欲しいと言うことでしたが…
如何でしょうか?
私的にはアレンやラビを『パパ』と呼べて楽しかったです(笑)
彩希様、こんな話で宜しければ、お納め下さいませ。
彩希様のみ転載可でございます。
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