「ギャハハハハ!!死ねっエクソシストォ!」
「うるせぇ。テメーが死ねよ」
イノセンスを発動し、向かってきたアクマを破壊する。
チッ。ただでさえ機嫌が悪いんだ。
俺の手を煩わせるんじゃねぇよ。
クソっ!イライラする。
Waiting for you
破壊したアクマを見下ろしながら、俺は六幻を鞘に納めた。
いつもなら任務後はが『お疲れ様』と笑顔を向けてくれる。
だが、今回はと別任務だ。
その事とアクマの煩さに苛立ちが増していく。
の任務はいつ終わるのだろうか。
すでに教団に帰っているだろうか。
俺が教団に戻った時がいなかったら、無言の圧力をコムイにかけてやろう。
そう決めながら帰路につこうとしたとき。
「神田殿。お電話が入っております」
今回の任務に付いてきたトマが無線の受話器を差し出した。
誰だよ。コムイだったら即効斬る!(漢字違うから)
「あぁ?何の用だ」
『あら?どうしたのよ。機嫌悪いわね』
受話器の向こうから聞こえたのは、愛しい声。
の声を聞いただけで、さっきまでの苛立ちが嘘のように引いていく。
チッ。トマも電話の相手がならそう言えよ。
思いっきり不機嫌な声を聞かせたじゃねぇか。
「別に。機嫌なんか悪くねぇよ。それよりどうしたんだ?任務は?」
『任務はさっき終わったわ。これから帰るところなの。神田は?』
「俺も今終わった」
『そっか。じゃあタイミング良かったのね。ふふ。任務お疲れ様v』
「あぁ。も頑張ったな」
『うん。それでね、ちょっとお願いがあるんだけど良いかしら?』
「珍しいな、何だ?」
『あのね、神田もあとは教団に帰るだけでしょ?だったら一緒に帰らない?』
神田はちょっと遠回りになっちゃうかもしれないけど。
と、は申し訳なさそうに言う。
遠回りになろうが関係ねぇ。
と一緒にいる為なら何だってやってやる。
断る理由もない…と言うか断るつもりのない俺は二つ返事でOKした。
そして喜んでいると待ち合わせの場所や時間等を詳しく決め、電話を切る。
「と言う訳だ。教団に着くのは遅くなるとコムイに伝えろ。報告は戻ってからする」
「あの…神田殿」
あぁ?何だよ。俺はこれからとの待ち合わせの場所に行くんだ。
テメェと話してる暇なんてないんだよ。
睨むと、トマは一瞬肩を震わせ、恐る恐る口を開いた。
「今回の任務、トマが全部見ておりました。報告はトマが致します。
ですので、神田殿は殿とゆっくりと帰ってきて下さい」
「本当か?」
確認するとトマは頷いてくれた。
ふーん。トマも気の利く所があるじゃねぇか。
今回はトマの好意に甘えさせて貰おう。
俺は全ての報告をトマに任せ、との待ち合わせの場所に向かって言った。
† † † † †
列車を乗り継いで、目的の場所まで辿り着いた。
この町は一度任務で訪れている上に、そんなに広くない。
町に入って数分で、待ち合わせの目印にしていた教会の前に着いた。
最初にいた場所とこの町の位置を考えると、俺の方が早く着くと思っていたが…
案の定、俺の方が早かった。
どうしたものか………
そう言えば、本格的な待ち合わせは初めてだ。
お互い同じ建物に住んでいるから、待ち合わせをする必要がない。
今回みたいに、細かく場所や時間等を決めるのは新鮮だな。
教会の柵に座り、空を見上げた。
今日は天気は良いが、かなり冷える。
おまけに風もある。
教団コートが寒さをある程度和らげてくれるが、寒いものは寒い。
辺りを見回すと、教会の近くにある店が視界に入った。
確かあの店は………
以前にとこの町へ来た時の事を思い出し、俺はその店へと入っていった。
† † † † †
うわ〜…神田との待ち合わせの時間に遅れちゃったわ(汗)
こんな寒い日に待たせちゃってるんだもん。
神田、怒ってないと良いんだけれど…
全速力で走りながらそう考える。
今日は特に寒い日らしく、走ると冷たい空気が顔を刺す。
教団コートは防寒をしてくれてるけど、それでも寒いくらいの気温。
しかも待ち合わせは建物の中じゃなくて屋外。
こんな事なら、建物の中で待ち合わせにすれば良かったわ。
兎に角、神田をこれ以上待たせないように、私は全速力で走った。
走って 走って 走って。
やっと待ち合わせ場所に着いたとき、やっぱり神田はもう居たの。
「ご…ごめんね…待たせちゃって………」
息を整えながら謝る私に、神田はポンポンと頭を撫でた。
「走って来たのか?そんなに慌てなくても良かったんだぜ」
「っはぁ。でも…ただでさえ私の方が遅く着くのに、これ以上待たせたら…」
神田が風邪を引いてしまうわ。
そう言おうとしたとき、私の前に『何か』が差し出された。
差し出しているのは、神田よ。
これ…なにかしら?
「神田、これは?」
「コーヒーだ。以前この町に来た時、あそこの店のコーヒーが美味いって言ってただろ?」
神田が指した方を見ると、見覚えのあるカフェ。
前にあのカフェで神田とコーヒーを飲んだんだっけ。
私が『美味しい』って言ってた事、覚えててくれたんだ。
ふふv嬉しいな。
「今日は寒いからな。そろそろが来ると思って買ってきた。ほら、これで体を温めろよ」
「ありがとう、神田!」
気遣いが嬉しくて、思わず笑みがこぼれた。
神田はいつも私の事を考えてくれてる。私って愛されてるわ(笑)
もちろん私も愛してるけどね。
テイクアウト用のコーヒーカップを受け取り、それを一口飲む。
コーヒーはまだ熱く、私の体を温めてくれた。
「美味しい!やっぱりあのカフェのコーヒーは最高v」
「そうか。良かったな」
私も神田の隣に座り、もう一口コーヒーを飲む。
その時気付いたんだけど…
「神田のは?もしかして、これ自分のだった?」
「違ぇよ。それはの為に買ったコーヒーだ」
「じゃあ神田は?飲まないの?」
「俺は気にしなくていい」
そういう訳にはいかないわ。だって神田はこの寒い中、待っててくれたんだもの。
神田こそ、体を温めなくちゃ。
「神田もこれを飲んで。体が温まるよ」
「俺はいい」
「だーめ。風邪引いたら大変でしょ。飲まないなら口移しで飲ませるわよ?」
って…私は何を言ってるの?
何か私の意思じゃない、意図的なものを感じるわ(何だそれは)
慌てて誤魔化そうとしたけれど、それができる相手じゃなく。
ものっそ何かを企んでいる顔で笑っていたの。
あの…神田さん…笑顔が黒いですよ…?
「ふーん…口移しねぇ。ここでしてくれるんだな?」
「ごめんなさい」
私の即答が気に入らなかったのか、神田は眉を潜めた。
が、また何かを企むように笑みを浮かべる。
いや…だからその笑みは怖いですって(汗)
「ま、楽しみは部屋までとっておいてやるよ」
こめかみにキスをしながらそう言い、神田はコーヒーを一口飲んだ。
は…はは…。教団へはゆっくり帰ろう。
神田が今の出来事を忘れてくれる事を祈りながら…
はぁ。きっと無理だろうなぁ。
後書き
は…はは…(汗)
25000hitのキリリク、神田夢でございます。
『冬のデートの待ち合わせの時、遅れてきた自分に彼が肉まんを買っておいてくれたら嬉しいね』
と言う話題が以前ありまして、それをネタに使わせて貰いました。
なのに、書きたい事が書ききれてないよ〜_| ̄|○ シクシクシク
相変わらず文才のない話で申し訳ない…
蒼月様、こんなので宜しければお納めください!
蒼月様のみ転載可でございます。
ブラウザを閉じて下さい。