8月1日 No,22
「乱痴木貞子のあなたの知らない世界4」
暑くなってまいりましたが、夜はまだ肌寒いですわね
どうも、こんばんは「乱痴木貞子」でございます。
今回もとっておきの怪談をご用意したしましたので、お楽しみくださいませ
・・・・・っふっふっふ
これは私が中学2年生の時、林間学校で吉野の山奥に訪れた時の出来事です。
吉野山に着いたその日の晩
私達は現地の小さな中学校の校庭を借りてキャンプファイヤーをする
というイベントがありました。
各クラスごとに歌を歌うという、いまいち盛り上がりに欠けるイベントでした。
そんななか他のクラスが、しけた流行歌を歌っている間
私のクラスでは誰とも無く怪談を初めていました。
場所が山奥の夜の学校なだけに、かなり盛り上がったのを覚えています。
そしてお決まりの「肝試しをしよう!」ということになり
2人づつ、トイレに行くと言って校舎を1周廻ってくる事になりました。
私は当時、幽霊の存在など全く信じないけど、怪談大好き強気のC代と
ペアを組んで廻る事になり
いよいよ、私とC代の番が廻ってきました。
いやな予感はしたのですけれども・・・・・・・・・
足に触る草、懐中電灯に集まる虫にキャーキャー言いながら
校舎を半分周りきり、あと1つ角を曲がれば校庭が見える所まで来た時
急にC代のが立ち止まってしまいました。
貞子 「どうしたの?もうちょっとだよ」
C代 「バケツが足に挟まって・・・・・」
見ると、確かにC代の足元にバケツがありましたが、足に挟まってなどいません
だいたい、バケツが足に挟まる状況がわかりません。
貞子 「足、挟まってないよ」
C代 「うそ!ずっとバケツがくっついてくるもん!!」
彼女は顔面蒼白で恐くて下を見れない様子でした。
私は懐中電灯でバケツの中をのぞいて見る事にしました
すると・・・・
バケツの中には 目 目 目 目 ・・・・・・・・・
大きく見開かれた”目”がいくつもあるのです!
私は思いっきりバケツを蹴飛ばして、固まるC代を引っ張って走りました。
その後は私達の様子を見た先生達に、こっぴどく叱られて
肝試しは中止になりました。
C代も、しばらくは何もしゃべらずに林間学校は終わり
怪談と言う言葉すら聞くのを恐れるC代になってしまいました。
後から思い出したのですが
バケツを蹴飛ばした時、あの時バケツ特有の音が鳴らなかった事を思い出して
ちょっとぞっとしました。
何か重い木の桶を蹴飛ばしたような
あれはバケツではなく、「井戸の桶」だったんじゃないでしょうか?
今となっては分かりませんが・・・・・・
作者プロフィールはこちら→乱痴木貞子
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