6月13日 No.16
「ゴールド・ラッシュ」
皆様、ごきげんよう。綾小路姫マロでございます。
季節は、春から初夏へと、ますます美しい時に進んでゆきますのね。
さて、今日は、モンモン王国の「黄金のライオン」
ゴールデンレトリバーの、「綾小路ラッキー」王子のお話をさせていただきますわね。
ゴールデンレトリバー
ずっちゃん様のお宅の「貴公子」ラルフくんと、同系の「レトリバー」グループの中でも
人気の犬種でございますかしら。
ゴールデンレトリバーとは、いかなる犬であるのか?
利発、従順、温厚・・・。
このように「犬の飼い方」などについての、”ハウツー”本には、性格良き犬、と
紹介されていることが、多うございますかしら。
さようですかしら。
確かに、ラッキー王子は、「いい奴」なのでございますが、従順、温厚・・。
う〜〜〜ん。
わが王国の、王子に関しては、その点については、いかがなものか・・と。
姫、お昼寝中の王子の顔を、じっと見つめてしまいますのね。
ラッキー王子、”モンモン王国の黄金のライオン”の
異名、そのままの、実に”男気溢れる、雄々しい”性格でございます。
気ままで、ケンカっ早く、”温厚で利発”というより、
”ケンカ上等、御意見無用!!”といったところかしら。
もう、何年か前のことでございますが、犬をリードなしで遊ばせることのできる、
「ドッグラン」という、遊び場に出かけて行ったことがございました。
その頃の、王国のわんこ〜〜ずのメンツは、ラッキー王子と”超美形愛玩犬”で
王子の妹、かわゆき子ちゃんの「らぶらぶカップル」でございました。
かわゆき子ちゃんは、本当に可愛いんですのよ。
「ミスユニバース・わんこ部門・世界チャンピオン」に、当確決定!!
・・・このくらい、見目麗しいのですわ。
ですから、「ドッグラン」という、公共の場で、居合わせたオス犬たちの注目を
一気に引き寄せたことは、言うまでもございません。
もう、「ドッグラン」の、柵の中に入場するやいなや、一斉にオス犬たちが、
かわゆき子ちゃんの”お尻”目掛けて、匂いを”嗅がせて頂きに”駆け出しました。
かわゆき子ちゃんは、小型の愛玩犬
その美しさのあまり、とはいえ、”暴徒と化したオス犬”たちの集中接見に遭い
仰向けに転んでしまったのですわ
「キャイィイ〜〜ン!!」(お兄ちゃん、助けて〜〜!!)
かわゆき子ちゃんの悲鳴を聞いた、オトコ・ラッキー王子。
猛然と、ドスケベ・オス犬たちの輪の中に突入でございます。
妹犬・かわゆき子ちゃんの「貞操の危機」を救うため、王子は、戦闘モード1.000%!!
VOWVOWVOWWOOOOOOOOO!!!!
王子の奇襲攻撃に、ビビッたオス犬たちは、クモの子を散らすように退散したのですが
威勢のいい、よそ様のゴールデンレトリバーのオス犬だけは、逆切れ!!
ラッキー王子に、猛反撃でございます。
この様子に、逆切れゴールデンレトリバーの飼い主様も
姫も、呆然!!
姫の家臣が、2匹の仲裁に入りましたが、
腕を噛まれ負傷!!
「ぐぎゃあああ!!」
仲裁に入った家臣の悲鳴に驚いた2匹が、一瞬離れた隙を突いて
お互いの飼い主が、2匹をリードにつなぎ、それぞれ退場いたしました。
この家臣、緊急処置のため、最寄の病院に直行しました。
診断結果、「数針、縫合」。
この日は、日曜日でございましたが、
ちょうど駆け込んだ救急病院に、外科のドクターがいてくれましたので
傷をきれいに縫って頂けましたの。
まさか、このような事態になるとは、想定外でしたゆえ
家臣は、「健康保険証」という物は、持ち合わせておりませんでしたの。
さようですわね。
「ドッグラン」に、愛犬を遊ばせるため、姫に付き添ってきた家臣。
「うんち・持ち帰り用・ビニール袋」は携帯していても
「健康保険証」までは、考えもつきませんでした。
逆切れゴールデンレトリバーの飼い主様は、丁寧に謝罪してくれましたが
でも、姫は、家臣を噛んだのはラッキー王子の方ではないか、と見ておりましたので
こちらこそ、お詫び申し上げたのですわ。
さて、この「ラッキー王子、大立ち回り」事件。
更なる、オマケがございます。
それは・・。
救急に処置していただいた病院は、モンモン王国外の遠い街にあり
保険証の持ち合わせがなかった、家臣の者。
いったんは、「医療費全額支払い」をしなくてはならず
後日、保険適用分を返還してもらうため
遠い街の病院に、保険証提示のためだけに、出かけてゆくハメに・・・。
とほほ。
王子、勇気があって力強いのは、頼りがいがあるのですけれども
姫の、家臣に、あまり心配をかけないでね。
作者プロフィールはこちら→綾小路姫マロ
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