5月9日 No,12

「乱痴木貞子のあなたの知らない世界2」



皆様、またまた乱痴木貞子でございます。
前回「なめくじビール」で大好評をいただき、貞子調子に乗ってきました!

でもね、団長に嫌われるのも辛いものがありますゆえ
今回は本物の怪談をご用意いたしましたわ
苦手な方、ここから先は・・・・・・・・読んでください。
わたくし貞子は「びびらす」、これが趣味でございますのよ・・・・・・ふっふっふっ

このお話は、わたしがまだ人間界で美少女だった頃のお話です。
当時わたしは小学生、普段はしとやかなわたしにも事故はやってまいりました
まあ、とにかく腕を骨折したのですわ
3日間の入院になってしまいましたのね
その時、病院で体験したお話です。

初めての入院・・・わたしはかなり不安でしたので、個室で母が付き添ってくれる事になったのです
ーーが、母は不安で眠れぬ娘を尻目にちゃっちゃと寝てしまいましたの
あれは夜中の2時を少し回った頃でした

初夏でしたので、ベランダのある窓を少し開けてカーテンを閉めていました
わたしは何気にカーテンがフワリフワリと風で揺れるのをずっと見つめておりました
すると、カーテンの裾の方に何か見えるのです
「足??」  そう、2本の足です。

「ベランダに誰かいるのかしら?」
その足は外を向いていましたから、誰かがベランダで外を見ている感じでした
その様子をじぃ〜と見ていましたら、足が回れ右をし始めました
スリッパを履いているのかと思っていましたけれども、その足は裸足でした
はっきり覚えているのは
足の指に真っ赤なペティキュアを塗ってあった事です。

わたしはだんだん不思議な気分になってきました。
だって、その人はこっちをカーテン越しにじぃ〜〜〜っと見つめている事になるのですもの
母を起そうとした時、体の異変に気づきました
「動かない・・・・??」
顔以外は全く動かない、声が出ないのです

「ヤバイかしら??」  そう思った瞬間
カーテンがふわっと盛り上がったように見えたのです
その足の方がしゃがんだ様子でした
「ん?!」 そうです、その時分かりました
「ベランダにいるんじゃない!カーテンの後ろにいるんだ!!」

怖くてパニック寸前のわたし・・・
すると今度はカーテンの端から、そっと手をかける様にが見えるじゃありませんか!
その指にも真っ赤なマニュキュアです
「あぁ!!!」
そ〜〜〜っとカーテンを開けてゆく指
顔が見える!その瞬間、わたしは気を失ったのか?寝てしまったのか?
その続きがどうしても思い出せないでいるのです・・・・・

あの後、何が起こったのか?
どんな風に入院生活を送っていたのかすら覚えていません
母に聞くと入院中、わたしは一言もしゃべらないで部屋にこもりきりだったそうです。
普段から無口な方だったので、不思議には思わなかったと母は言います
今から思い返せば子供の頃から他にもいろいろあったような・・・

それはまたのお話にさせていただきましょう。
では、そろそろあの世とこの世の架け橋の時間です
また、お会いいたしましょう・・・・ふっふっふっふっふっふっふ 
            


作者プロフィールはこちら→乱痴木貞子

『前回のお話し目次』


HOME