「モンモン王国の魔女」
綾小路姫マロ様より 「モンモン王国の魔女」 をお送りします。
姫です。皆様、ごきげんよう。
今日は、「モンモン王国の魔女」のお話をさせていただきますわね。
モンモンの王国の国民が「魔女」と呼ぶ、その女性は、推定年齢６０〜７０歳。
常に、自転車に乗っています。
ところが、国中を自転車で、年がら年中”爆走”し
国民誰もが、その存在に一目置く、”超・有名人”にも関わらず
彼女は、一切「ご挨拶」というものをしてくれません。
”愛車”で走行中は、ブツブツと独り言を唱えているのでございますが
すれ違いざまにモンモン国民が、ご挨拶をしてもまったく反応なし。
それどころか、「ウルザイ！！」と、叱られたりもします。
「魔女」と名付けたのは、モンモン王国を姫と共同統治している
モンモンモンモ一派の皇子さま、キミィ皇子さまのお母さま「のぶ・モンモンモンモさま」ですの。
いつから美容院に行ってないのかしら？と、考え込んでしまうほどの
クルクルを、はるかに凌ぐ「グルグルくちゃくちゃ」のオバサン・パーマのヘアスタイル！！
しわだらけのスッピン顔面！！
中高年の女性ほど、実はほんのり、ルージュだけでもひくと
華やいで、美しくなれますのに・・・。
それに、どうも「魔女」は、遠方まで、毎日のように”愛車で遠征”しているらしく
国内のあちらこちらでの「出没情報」が、姫のところにも寄せられますのね。
そのせいか、着ている服は、ホコリっぽい色に染まってしまっているのですわ。
このお姿で、「ウルザイ！！」と、一喝されては、国民の誰もがビビリ
姫と、王国を共同投資している「モンモンモンモ肝っ玉母さん」
のぶ・モンモンモンモさまくらいしか、近づくことができません。
のぶ・モンモンモンモさまは、なかなかに度胸があり
一喝の声のスゴミ、妖気漂うそのお姿・・・をご覧になり
のぶ・モンモンモンモさまは、謎の女性に「魔女」の称号を、お与えになりましたのですわ。
のぶさまは、更に大胆な計画を思い描いていらっしゃいます。
それは・・・。
「魔女」と、会話をすることに成功することだそうでございます。
無謀！危険！超・突撃！！！
のぶさまには、さような気負いすら、ございません。
あくまでも、「天然ボケ」の、のぶさま。
「ワタシ、ご挨拶してみたいのよ〜〜ヒメさま。」
・・と、無邪気なのぶさま。
国中の者が、のぶさまの一挙手一投足を、固唾を呑んで見守っているのでございます。
オホホホホホホ。
ワタクシは、姫。 このモンモン王国の代表者として
国民の安全を守り、世界の平和のために、力を尽くすのでございますわ。
ある日のことでございました。
姫、ヒマでございますから、王国の従来に
エイリアンが放り出してゆく「ポイ捨てゴミ」を拾い集めることもございますの。
その時、「魔女」が、通りかかりました。
「ウルザイ！！邪魔だ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜！！」と叱られてしまうのか、と思いきや
「オネエサン、ゴミ拾いかい。ご苦労さんだねええ。」と
「魔女」は、なんと、ニコニコの恵比寿顔でしたの。
「はい・・・」。
姫が、返答する間もなく、「魔女」は一言だけを残して疾風の如く、駆け去りました。
姫・・・、「魔女」と、コンタクトできちゃったわ。
でも、のぶ・モンモンモンモさまの「夢」も、大切にしてあげたいので
このお話は、のぶさまには、ナイショ。
のぶさまも、「魔女」の笑顔が見られるよう
姫、陰ながら応援しましょうっと。
『前回のお話し目次』
