ラベンダーの章  橋爪雅江さん 2004 Feb




  ご自分を花に例えると?


 ラベンダーが好きです。
 ラベンダーはリラックス効果のある芳香で知られていますが、あの優雅な香りに似合わず、水も養分もほとんど必要としない、どちらかというと荒れた土地を好む植物です。私も今、育てていますが、時々水をやるだけで、本当に手がかかりません。そういう、多少の困難をものともしない力強さと、人をほっとさせる優しさを持ち合わせた人間になりたいなと思います。




  テープ起こしを職業に選んだきっかけは?

 もともと地元の福岡でコピーライターをやっていました。東京へ転居してからライターの仕事は離れていたのですが、テープ起こしという職業があるのだということを知って、やってみようと思いました。はじめはテープ起こしをきっかけに、ライターの仕事につなげていきたいというのがねらいでしたが、だんだんとテープ起こしの仕事に魅せられることになります。



  テープ起こしのお仕事を始めたのはいつからですか?

 コピーライターでしたから、自分で取材したインタビューテープなどを起こすのは仕事の一つでした。経験があるからできるだろうと思っていたのですが、甘かったですね。
 私は講座を終了して、テープ起こし専門会社からお仕事をいただいたのがテープ起こし屋としての出発点です。幸い、そのテープ起こし専門会社は在宅スタッフの育成に力を入れていらっしゃいました。納品すると、真っ赤に添削した原稿を返してくださったのです。ライターとしての経験があった私としては、結構ショックでした(笑)。もちろんしかられることもしばしばで、「もっと新聞を読め」「固有名詞は信頼できる書籍、サイトで必ず確認しろ」の2点は徹底的にたたき込まれました。
 そのうち添削原稿も返ってこなくなり、音質の悪いテープ、納期の短いテープも任せていただけるようになりました。ようやく一人前のレベルに近づけたかなと思えるようになるまでに3年かかりました。






  テープ起こし専門ではなく、取材・執筆・コピーライティング等
  ご活躍していらっしゃいますが、さまざまな方面のお仕事をこなすことによって、
  テープ起こし作業にメリット・デメリットはございますか?



 テープ起こしのすばらしさは、知らない分野や知らない言葉を、仕事をしながら学べることです。これはライターの私にとって大きな糧となりました。
 最近、政治経済系のメールマガジンの執筆の仕事をいただいたのですが、この仕事のオファーをいただいたときに、「やらせてください」と胸を張って言えたのはテープ起こしで蓄えた知識があったからです。それまで政治経済系の執筆経験は皆無でした。テープ起こしの仕事は、ライターとしての活躍の場を広げてくれたと思います。

 デメリットはスケジュールの管理が難しいことですね。テープ起こしは1時間テープなら何時間と、ある程度作業時間の予想がつきますが、執筆の仕事は取材や資料集めなどもありますので、少量の原稿に思った以上の時間がかかってしまうことがあります。また書き直しを依頼されることもしばしばなので、非常に忙しいときにバッティングするとパニックになることも……(笑)。時々テープ起こしのヘルプをお願いすることもありますが、今後、仕事の配分には工夫が必要だと感じています。



  現在の仕事に対する姿勢と将来の展望(10年後の自分)について

 上記でも少し述べましたが、「新聞を読むこと」と「固有名詞に注意する」というのがテープ起こしの仕事をする上で常に心がけている点です。
 テープ起こしをしていると、知らない言葉が次々に出てきます。「知らない言葉は聞こえない」というのは、テープ起こし業界ではよく言われることですよね。テープ起こしを生業としていくには、一般の方々以上の語彙力が必要です。政治経済はもちろん、その他の専門分野でも基礎的な知識がなければ仕事になりません。新聞はそれらをカバーしてくれる格好の読み物です。はじめの頃は経済のページなどは難しいし、つまらなかったのですが、だんだんと「あ、これは覚えておいたほうがいいな」という言葉が分かってきましたし、分かってくるとおもしろくなりました。
 それから固有名詞のミスは確実に原稿のレベルを下げ、ライターの信用を無くします。単純な入力ミスは「間違ってますよ」で済むかもしれませんが、地名や人名、会社名などの間違いはお客様に多大なご迷惑をおかけすることになるかもしれないので、絶対に避けなければなりません。知っていると思っても必ず確認するようにしています。

 私は今後もテープ起こし業と執筆業を両立させることで、この二つの仕事が相互に作用しあって、さらにレベルを高めていければいいなと思っています。また以前から「エネルギー・環境問題」と「女性学・ジェンダー」について知識を深めたいと思っていますので、これからも勉強を続けて、仕事につなげるのが夢です。10年後に実現できていれば上出来ですが、人生は長いですし、のんびりと自分を見守ってやりたいと思います。





          橋爪さんが「この人に話を聞いてみたい」という方は?

                   恵さん   【ティーズ・オフィス・ケイ】


 恵さんはホームページで音声ファイルに関する詳しい情報を公開してくださっていて、私もずいぶん勉強させていただきました。最近ではSOHOに関するオンライン講座のアシスタント講師もなさるなど、ますます大活躍のご様子です。きっと実践に役立つお話を聞かせていただけるのではないかと思います。









「橋爪ライティングオフィス」   橋爪雅江さん


橋爪さん、どうもありがとうございました。




次回は恵さんのお話をお伺いします。

      


  すてきなラベンダーの素材をありがとうございました。



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