バハムートラグーン

スクウェア SFC シミュレーション


今でも根強いファンを持つスクウェア産ファンタジーシミュレーション。
グラフィックはSFCなれど、さすがはスクウェア、吸い込まれそうな空に、
迫力の魔法エフェクト、ソフトのパッケージもセンスがいい。
しかし、このゲームの最大の売りは、ヨヨ!
これまでのゲーム界、ひいてはアニメ界の常識さえ覆しかねない最凶ヒロインに
何人ものプレイヤーが怒りとやるせなさを覚えたことだろう。(言い過ぎ)
そういった意味でも、インパクトに残るゲームだろう。



ストーリー ラグーンと呼ばれる空中に浮かぶ島によって構成されている世界。
その中の小国カーナは、ドラゴンを自在に乗り回す戦竜隊が売りであるが、攻め込んできた強国グランベロスに滅ぼされる。
そこから脱出した人々がドラゴンを主軸とした解放軍を結成して、世界各地をグランベロスから解放するお話。

ま、話自体はありがちといえば、ありがちだね。
さしずめ、FFをシミュレーションにしてみました的な・・・あ!FFTがそうか!


しかし、全編を通して7割程度が帝国との戦いなのだが、その帝国を終盤あっさり潰して、最後にどっから沸いて出た的ラスボスを持ってくるのは展開として、非常に萎える。
それだったらもうちょい帝国と神獣との絡みもストーリーに盛り込んでいったほうがよかった気がする。
他にも、物々しく顔を連ねている帝国将軍達が威圧感あってカッコイイのに、一話限りで死んじゃったり、会話がほとんどない為に全然キャラが立ってない奴ばかりで、ストーリーの盛り上がりに欠けるのが勿体無い。

アーバイン&バーバレラとか、もっと喋らせてドラマ性に厚みをもたせることできたんじゃねえのか・・(聞くところによると、小説版があるらしく、そっちでは結構細かく描かれてるそうな。持ってる方いたら教えて・・)


あと、このゲームはヒロインのヨヨがマジに終わっとる。
どっかのサイトで、最悪のゲームヒロインランキング一位とかなってたなw
上位がリノア(FF8)、フィーレ姫(武蔵伝)とかだったので、単なるアンチスクウェアな可能性もあるが。
でも、このヨヨはマジ腹立ちます。


以下、ヨヨに対する怒りをぶつけまくってますが、毒吐きまくりなので、見たい人だけ別窓で〜


こちらから


まあ、悲運の主人公ってのは結構いますが、リアルにテラカワイソスっぷりを発揮してる主人公はビュウがダントツではないでしょか。

まだエンディングで死んで、仲間達から哀れんで貰える主人公とかのほうが救われてますよ。

実に腹の立つゲームですが、ストーリーの斬新さは買いますよw


ヒロインのヨヨを除けば、解放軍の皆さん、キャラが立ってて感情移入しやすくていい感じです。(ヨヨもキャラは立ってるがw)

ありがちファンタジーだが、解放軍の方々の個性に救われてるかな。
シナリオを経るごとに各キャラの境遇が変わっていくのを、見れるのも面白い。

あくまでヨヨを除けばですが!

グラフィック SFCではトップクラスのグラフィック。
まず、空の質感が凄い。
カーナ城の仄かな光を当てた演出等も非常に美しく、当時は衝撃だった。

背景やキャラの書き込み具合などが素晴らしいのはさすがスクウェアだけあって言うまでもなく、それでいて各キャラ、イベントや戦闘中もアニメーションで滑らかに動くので、気持ちいい。
召喚獣のエフェクトもなかなか派手で、見応えありますね。

欲を言えば、もうちょいフィールド画面に質感が欲しかったかな。

テンポ・操作性 システムや難易度の項でも関わってくることだが、そこまで深い戦略は要求されないので、初心者がプレイしても、ポンポン先に進めていく事は出来る。
操作も別に悪くないというより、むしろ操作はしやすい。

フィールド画面で、アイテムを使う際にいちいち各部隊のステータス画面を開かないといけないのが、少々煩わしいが、ここは別の問題も孕んでいるので、とりあえず置いておく。


あと、これはスクウェアのゲーム(特に昨今)に顕著なことなのだが、召喚魔法の演出が派手なのは見応えあるが、1回の演出がなげえなげえw
ヒューベリオン、ヨルムンガルドくらい短い演出なら我慢できるが、バハムートとかになると呼ぶ度に長い演出が入って、結構うざったくなってくる。
それ一撃で敵を壊滅状態に出来るわけでもないから、頻繁に呼ぶことにもなるし・・

スパロボじゃないけど、見たいときだけ見れるアニメーションON/OFF機能が欲しいよねえ。

音楽 全体的に、オーケストラ調の凱歌的な曲が多い。
フィールド画面やブリーフィング時のファーレンハイト内とかが、その典型。
音質は良好だし、非常に聞き応えのある素晴らしい曲だとは思うが、不満なのは曲数の少なさ。

フィールドのほとんどのプレイヤーフェイズの曲が、前半一曲+後半一曲+共通一曲しか無いのは、いくらなんでも寂しい。
戦闘曲も通常バトル一曲、ボスバトル一曲、ラスボスだけと、やや物足りないか。
量より質をとったという印象だが、その割に戦闘曲やボス曲は、まあまあの領域・・

システム フィールド画面では、ターン制で交代しながら、各ユニットを動かしていく一般的なシミュレーション。
そこで敵と遭遇したら、間接攻撃なり直接攻撃を仕掛けていく。
また、直接攻撃を仕掛けると、一ターン限定のRPG風コマンド入力戦闘になるのが、特徴。

しかし、この直接攻撃が、あまりメリットを感じないのよ。
魔法とかで間接攻撃かけるよりは、直接攻撃のほうがダメージはあるが、基本的に移動後でも間接攻撃はできる時点で、反撃を受けない間接攻撃のほうが圧倒的に有利・・
直接攻撃はドラゴン援護攻撃があったり、集中攻撃できたりするが、反撃も食らうわけで、シミュレーションというゲームでのセオリー的にいい戦術ではない。


それなのに、オートで行動するドラゴンが、直接攻撃をやたら好むから困り者w
ってなわけで、あまりドラゴンにイケイケ命令してると、すぐ撃沈されるので注意。

このドラゴンなのだが、どれだけ忠誠心を上げても、思うように動いてくれない。
更に命令が、「いけ」、「こい」、「まて」だけしか無いというのは、ドラゴンを使いこなして戦うのがウリの戦竜隊としては、問題ありすぎなんじゃないのか・・


あ!ドラゴンとの親密な信頼関係があるから、ある程度の行動はドラゴンに委ねてるのか!
なるほどねー(´ω`)


・・・だったら、もうちょい頭良い行動しろやゴルァッ!!



相手がアンデッドだからって、リフレッシュ使うな。(ヘルファイア撃ったほうが威力高い)

地形への影響とか考えずに、エレクトロンとかヘルファイア撃つな。

頭を結構良くしてあげた筈なのに、敵の得意属性で攻撃したりするし・・

あと一撃で死ぬような敵にも、全力投球で攻撃しすぎ。



せっかく、いろんなエサを与えてステータス上げたり、見た目が変化するドラゴン育成が面白いだけに勿体無い。

ドラゴンには、他にも問題があるが、それは難易度の項で。

このゲームではフィールドで魔法などを発動すると、その属性に応じて地形に変化が起こるのが面白い。
水を氷の魔法で凍らせて渡れるようにしたり(逆も可)、森に火を放って断続ダメージを与えたり・・
しかし、このゲーム、ほぼ全てのシナリオクリア条件が、敵の全滅orボスの撃破なので、これらの地形変化を無理に駆使してまで行う必要が無いのが困り物。
毎回、目的が敵をぶっ倒すことばかりなので、正直途中で飽きてくる。

更に問題なのが、このゲームは戦闘中にスパロボやFEみたいな会話イベントや、増援イベントがほとんど起こらないことにある。
それで目的もひたすら敵を倒すだけなので、変化に乏しくて後半はうんざり。
イベント的な変化が少ないくせして、ファミコンウォーズ並の戦略性があるわけでもないシミュレーションなのだが、更に追い討ちをかけるかのように難儀なのが、敵の攻撃バリエーションが乏しいところ。

バリエーションが乏しかったり、戦闘中にイベントが無かったりってのは、フェーダもそうだが、戦略性を求められるミッションなどが多いためにやりがいを感じさせてくれる。
しかし、こちらは敵の大半が、通常攻撃か全体攻撃ばっかり。
戦略性もアレな為、大味で面白みの無い戦闘が繰り広げられてしまう。
ボスなんて、ほとんどが全体攻撃しか撃ってこない奴ばかりで、こちらは毎ターン間接攻撃でホワイドラッグ(回復魔法)を唱えて回復・・その繰り返し・・いくらなんでも単調すぎだろw

ま、ゲームに余計な神経を使いたくないライトゲーマーにはわかりやすくて、いいんでしょうけど。
てか、神経使いたくない人は、シミュレーションなぞやらんわな、本末転倒じゃんか・・

難易度 基本的に敵の攻撃食らったら、ホワイドラッグの繰り返しで大体の敵は倒せるし、プレイヤーフェイズにメニュー画面を開いてユニット共通でアイテム使い放題なおかげで、アイテムをシナリオ前に買い溜めしとけば、常にフルMAXイヤッタァァァァッ!!な状態で戦えるということもあってか、難易度は低い。

敵の強さも、ちょっとHP高すぎるかなってこと以外は、比較的バランスとれている。
強力な砲台を数門携えた、グランベロス帝国での戦いくらいかな・・きつかったのは。


とはいっても、そこは敢えて人間ユニットもふんだんに使って攻略しようとしてた自分のせいなんだけどなw

さて、それが何を言いたいのかというと・・
主人公ビュウと特に仲の良いドラゴンがいるのですが、こやつをフェニックスまで鍛えると、HPが9999になります。
「9999かあ、こりゃ頼りになるねえ」
甘いです。水飴とハチミツと生クリームを混ぜ合わせた食物?を口にぶち込まれた時くらい、甘いです(意味不明)。

別に9999にするだけなら他のドラゴンでも愛情次第で、余裕で可能です。
なぜか、ビュウとマブなドラゴンだけは、HP9999と表示されてますが、実際は不死身になります!


いくらダメージ食らっても、減らないんですよ!HPが!!


というわけで、こやつを敵陣に放置しておけば、このゲームは時間制限なんてものは無いので、それを眺めて、近くに寄ってくる敵だけ屠ってれば勝手に敵を殲滅してくれます。
ただでさえ難易度低めなのに、こいつが登場すると、難易度が壊滅的に崩壊・・

このゲーム、レベル上げの為にストーリーとは関係無いステージをプレイできる、寄り道モードがありますが、ここに出てくる「むずかしいダンジョン」というのは、実はラストステージより難しいです。
でも、前述の不死身ドラゴンを運用してあげることで時間はかかりますが、簡単にクリアできます。

まあ、んなことしなくても、オーバーロードのバグデム連発にさえ気をつければ、ボスオンパレードはホワイドラッグ戦法とアイテム物量作戦でなんとかなったりはするんですが・・

要は、難易度ヌルポってことだ。

総合 プレイ当時は、グラフィックの綺麗さと音楽の良さに、目を奪われてシステム的な問題を気にせずに楽しんでましたが、変に擦れてしまってからよくよく考察すると、微妙なゲームだなあって感じる。


キャラに個性も魅力もあるし、演出もカッコイイとは思うよ。
でも、シミュレーションとしては、ンー・・なレベル。
戦略性が無いとか以上に、飽きるようなシミュレーションはイカンと思うよ。
グドルフ出て来過ぎだし。

こういうこと言いたくないけど、ゲーム性の低さをキャラでカバーしたってとこかなあ。

キャラはホントいいのよ。
バルクレイとアナスタシアの恋愛成就物語とか大好きだったし。
不器用でうだつの上がらないバルクレイと、最近一部で話題のツンデレに通ずるキャラのアナスタシアが、シナリオを進めていくごとに、ケンカばかりだったのが惹かれ合っていくというのは、ベタながら微笑ましいですね。




それにひきかえ・・ヨヨは最悪ですがねw


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